オーガニックコスメのこと、ほんとに知ってる?ネイチャーズウェイの有機栽培ヒストリー【明野ハーブ農場】

オーガニックコスメのこと、ほんとに知ってる?ネイチャーズウェイの有機栽培ヒストリー

「人の肌に触れる化粧品が、やさしいものであるように」。その一心で標高約800メートルの地を開墾し、有機栽培のハーブ農場をつくり上げた〈ネイチャーズウェイ〉。国が定めた厳しい品質・表示基準をクリアした「有機JAS認証」を、なんと11年間連続(※)で取得しているスゴい会社なんです。
しかし、一筋縄ではいかない有機栽培の道。「私たちはとても頑固で、いつも大変な方法を選びますから」と語る農場長の山口浩さんに、自社農場「明野ハーブ農場」の歴史と、有機栽培ハーブを原材料とする化粧品へのこだわりについてお話を伺いました。
※2023年8月時点。

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「原材料を、自分たちでつくる」

山梨県北杜(ほくと)市。「明野ハーブ農場」は、富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた標高約800メートルの自然豊かな丘陵地にあります。

空の青と緑が広がる明野ハーブ農場
空の青と緑が広がる明野ハーブ農場

降水量が少なく湿度も低く、「日本一日照時間が長い」といわれるこの一帯は、植物が光合成をするにはもってこいの環境。特にハーブは紫外線の「害」による酸化から身を守るために自ら香り成分を産出するので、化粧品の原材料としては理想的な状態で栽培・収穫ができると考えられています。

栽培・収穫しているハーブは約30種類
栽培・収穫しているハーブは約30種類

そもそも、「自社農場で栽培する」という道を選んだのはなぜでしょうか。

「〈ネイチャーズウェイ〉の前身となる会社の設立は1974年。当時の日本は化粧品公害が問題視されていたにも関わらず、『ナチュラルコスメ』や『オーガニックコスメ』という概念自体がいまいち浸透していませんでした」と、山口さんは語ります。
「そこで私たちが注目したのは、ヨーロッパをはじめとする海外の自然化粧品。輸入販売はもちろん、原材料を輸入して自分達で製造するなど、自信のもてる化粧品をお届けできるよう努めていました。けれど、自然化粧品の原材料はちょっとした気候の変化にも影響を受けてしまうもの。強い日照りが続く、雨の日が多すぎる、そのせいで病虫害が多発するなど、人の努力だけではどうにもならないこともあります。だからこそ『はじめから原材料が手元にあること』を当たり前とするのではなく、『原材料そのものを、イチから自分たちの手でつくる』という選択肢を増やしました」。

きれいに整備された農場内
きれいに整備された農場内

「今でこそ30種類もの有機栽培ハーブを収穫していますが、あくまで化粧品の輸入販売業務を出発点とした会社です。その時点で、自社農場どころか畑もない。有機栽培に関する実践的な知識と技術もない。そんなのすぐに頓挫するのでは?と思いますよね。けれど当時の社長はすでに、『農学・化学・薬学』の専門知識に長けた人材をどんどん採用していたんです。自社農場づくりが現実的になるだけではなく、長期持続的な計画も練られる。一歩ずつ、確実に地を固めていったわけですね」。


山口さんは、実家が農家ということもあり、幼い頃からさまざまな栽培物を観察して知見を深め、さらには農学部を卒業したという経緯の持ち主です。


「化粧品=女性のもの、というのがその頃の大衆的なイメージ。原材料がどうだとか、畑や農場の環境がなぜ重要だとかは、なかなか連想しにくかったと思います。けれど専門家側としては、自分たちの知識や技術を最大限に活かせるぞ!と、本当に嬉しくて。大変な作業になることは予想していましたが、迷いやためらいは一切なく、ただ前向きな使命感がありました。やるからには徹底的にやろうと。それが2010年頃ですね」。

 

有機栽培のカギは「土」、だが...

農学・化学・薬学のスペシャリストが集っても、「有機栽培ハーブの農場づくり」の段階には、さまざまな困難があったといいます。

「標高や平均気温・降水量といった自然地理的な条件や、農薬や化学肥料を使わないという行動的な条件はそもそも大前提にありますが、『それまでにも余計な農薬や化学肥料が使われていなかった』という土の履歴状態がとても大切なんです。ある程度人の手が加わっている畑は耕作する分には楽ですが、過去数年間で望ましくないものが使われている可能性もあるので、いろいろな懸念をゼロにした結果...数年間、ほぼ誰も手を加えていない荒地で開墾することに決めました」。

苗を植えられる「畑」の状態にするまで、約半年間かけた
苗を植えられる「畑」の状態にするまで、約半年間かけた

そこらじゅうに生い茂る草、ごろごろと転がる石、歩きにくい獣道。ほぼ「未開」状態のもと幕を開けた明野ハーブ農場ですが、その開墾作業のなかで得た多くの気づきは、やがて大きな教訓になっていきます。

有機栽培はよい土づくりから
有機栽培はよい土づくりから

「何よりも、土の重要性を改めて実感しました。植物は根っこで呼吸するため、水を与えすぎると根が腐って枯れてしまうもの。そのため雨の日が続くと生命力を失い、その後も健康的に育たない可能性が高まります。そこで役に立つのが、草なんですよね。梅雨など雨がたくさん降った時は豊かな畑土が流亡するのを防いだり、日照りが続き土が乾きやすい時は草が日陰をつくり乾きすぎを防いでくれるだけでなく、植物に有効な土壌微生物の住み処になっています。つまり、植物が呼吸できる理想的な土の状態を維持するんです。日照りの直接的な影響もある程度は緩和させられます...が、あくまで光合成を邪魔しないことが大事。要は、草がありすぎてもなさすぎてもダメなんです。その時期の気温や降水量とも関連するので、最適な状態を数値化しておくことも難しい。経験のなかで培った感覚を頼りにしつつも、土に触れる時は、今でもまだまだ緊張感を持って臨みますね。ハーブを育てるというよりも、土そのものの状態を整えて、有機栽培に適した環境をつくりあげるというイメージに近いかもしれません」。

大きい根っこ
こんなに大きい根っこも!
 

春夏秋冬、さまざまな手作業

明野ハーブ農場の有機栽培ハーブの多くは二年草。収穫のピークとなる二年目の夏・秋に向け、作付け前の冬から土づくりが始まります。
「この時畑を一旦まっさらにします。草を刈って石を取り除いて、まったくのゼロベースにするんです。そこから、前年に栽培・収穫したハーブで不要となる地上部の残渣や米のもみ殻を土に混ぜ、ミルフィーユ状に積み重ねて固めて、土中のダンゴムシやミミズ、微生物にそれらを食べさせて、細かく分解させそれを糸状菌など小さな微生物が分解。この一連の働きで質がよいふかふかの土になるんです。そして春には、苗を植えたり種をまいたりして、いよいよ栽培を開始します。土の状態をきちんと管理・把握できるよう、基本的にすべて手作業で行うんですよ。また、ハーブの種類をどう配置するかも重要です。隣で栽培されるハーブの栄養を奪わないか、日照具合や風通しに悪影響を与えないかといった関係性も考慮します。そのあたりのロジックはやはり、農学・化学・薬学の知識が活かされていますね」。

農薬・化学肥料は一切使わずに栽培
農薬・化学肥料は一切使わず、実直に

「そして2年目の夏。花や茎部分が収穫の頃合いを迎え、農場はオレンジやピンク、黄や緑といったさまざまな色と豊かな香りにあふれます。収穫ももちろん手作業でひとつひとつ、ていねいにとっていきますよ。収穫後はすぐ、農場内の倉庫で乾燥させます。新鮮なうちに乾燥させると、有機栽培ハーブのよりよい品質を維持できるんです。続く秋は根っこの収穫の季節。スコップで土を掘り出していくので、まさに体力勝負です。一日50人ほど稼働することもありますね。『機械を使って一気に収穫すればよいのでは?』と疑問に思うかもしれませんが、土の状態をしっかりと確認しながら収穫したいんです。泥んこになりながらもていねいに進めていきます」。

収穫
社員や販売関係者、お客さまが一丸となって収穫
収穫と収穫後の切り分け
根っこの収穫はスコップを使って。収穫後の切り分けも手作業

有機栽培へのこだわりを徹底しているからこそ、ラクに済むかもしれないことも、あえて大変な方法を選ぶ。地道な作業の積み重ねによって高められる品質と信頼があるのでしょう。

「ハーブって、人の性格に例えると『硬派』なんですよ。派手な自己主張はしないけれど、ひっそり、よい役割を果たす。ただ、それは私たちの栽培方法に託されるところもあって。愛情や情熱は必要不可欠だけれど、十分条件ではない。それが有機栽培の難しさでもあり、やりがいでもありますね」。

 

11年間連続「有機JAS認証」を取得

1回取得することさえもなかなか難しいといわれる「有機JAS認証」。その取得条件は以下です。

  • 最低でも3年以上は土壌に農薬を使用しない
  • 有機肥料であっても化学薬品や重金属が含まれないものを使用する
  • 栽培によって環境を破壊しない
  • 環境・衛生管理の整備
  • 上記に関する管理プログラムの制定とその実施
  • 上記に付帯する全ての事項に関する第三認証機関による検査と認証および年次更新の審査

ネイチャーズウェイ公式サイトより)

ハーブ
「有機JAS認証」の状態は一日にしてならず

「単純に『農薬や化学肥料を使わない』というだけではないんです。土とハーブの健康状態の把握はもちろん、使用したもの...例えばバケツ一個でも、いつ、どのように使って、どのように保管したのか...すべてをこまめに記録する必要があります。また、農薬の空中散布にも注意しなければいけません。私たちの農場内だけで完結すればよい話ではなく、周辺にお住まいの方々の協力も必要なんです。そしてそれらを証明する必要もある。その上、1回審査に落ちると3年間は取得できないという厳しい制約も設けられています。有機栽培に対する自信はありますが、近年見られる気候変動の影響は無視できないので、やはり神経質にはなりますね。でも、私たちは頑固なので。状況判断を間違えないように、誠実に、真面目に取り組み続けています。その姿勢が、『人の肌に触れる化粧品が、やさしいものであるように』という願いそのものを表していると思います」と、山口さんはしめくくります。

 

〈ネイチャーズウェイ〉が届けるブランドいろいろ

有機栽培ハーブの恩恵をたっぷりと詰め込んだオーガニックコスメ。ここでは、〈ネイチャーズウェイ〉が送り出すブランドのほんの一部をご紹介します。

【オリジナル】素の肌を活かす〈ナチュラグラッセ〉

〈ネイチャーズウェイ〉のコスメブランド〈ナチュラグラッセ〉。植物オイルと植物エキスベースのスキンケア成分に、ミネラルで色を付けたような処方組みが特徴です。自然な溶け込みと発色のよさを実感できます。
9月発売新商品のアイパレットとフェイスパウダーは、ハンズでも販売中。ぜひチェックしてください。

ナチュラグラッセ カラーアイズ 、 ナチュラグラッセ ルースパウダー シアーモイスト

ナチュラグラッセ カラーアイズ 各4,290円(税込)
ナチュラグラッセ ルースパウダー シアーモイスト 4,730円(税込)※数量限定・無くなり次第終了
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【オリジナル】自立保水力のある肌へ導く〈チャントアチャーム〉

肌サイクルを機能させ、うるおいを保つ肌を叶えるスキンケアブランド。毎日のお手入れに導入することで、みずみずしく、ふっくら、つやつやな仕上がりをキープします。

チャントアチャーム モイストローション 、チャントアチャーム モイストミルク

左から
チャントアチャーム モイストローション 150ml 2,640円(税込)

チャントアチャーム モイストミルク 120ml 2,860円(税込)
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【正規輸入】子どもも大人も。デリケートな肌に寄り添う〈ヴェレダ〉

〈ネイチャーズウェイ〉が徹底した管理のもとで輸入・検品・販売を担当する〈ヴェレダ〉は、スイスで1921年に誕生したオーガニックコスメのパイオニア。小さな子どもはもちろん、妊娠期や産後の女性の身体もケアします。

ヴェレダ

左から
ヴェレダ エーデルワイスUVプロテクト 50ml 2,970円(税込)

ヴェレダ マザーズボディオイル 4,180円(税込)
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【正規輸入】カリフォルニア生まれのマジックソープ〈ドクターブロナー〉

「顔も身体もコレ1本でOK」なオーガニックソープが人気のボディケアブランド。さまざまな肌質にフィットし、すっきりとした洗い心地とうるおい感をもたらします。天然精油の豊かな香りも◎。

ドクターブロナー

左から
ドクターブロナー マジックソープ ベビーマイルド、ティートゥリー M 473ml 各2,090円(税込)

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おわりに

一筋縄ではいかない有機栽培の道を、とことん追求し続ける〈ネイチャーズウェイ〉。日々の地道な作業と努力、長年の知識の集積によって実現されているオーガニックコスメの品質を、ぜひこの機会に実感してみてくださいね。

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