休日はせんべろ、角打ち、そして古靴発掘の旅!ハンズ新宿店6階「輝く足元商店」の藤田店主に会いに行ってみた

あなたはもう、東急ハンズ新宿店内に誕生した19の商店(ショップインショップ)には行きましたか?各商店の代表を務める「店主」たちは皆、強いこだわりの持ち主で、訪ねていけば必要以上のことまで教えてくれるアツい人ばかり。そこで今回は、6階「輝く足元商店」の藤田店主に突撃インタビューをしてみました。学生時代から35年以上続く、靴への愛溢れるエピソードをお届けします!

学生アルバイトで入ったハンズ。バイト代はほぼ全て靴と服につぎ込んだ

--本日はよろしくお願いします!
こんにちは、新宿店6階の「輝く足元商店」の店主をしております、藤田康雄です。よろしくお願いします!

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--早速ですが、「輝く足元商店」の店主になられた率直なご感想をお聞かせください!
これまでも新宿店のシューケア担当としてお客様と接してきましたので、言ってみれば前からずっと「店主」みたいな感じでやってきました。なので、いい意味で平常心と言いますか、「ドンと来い!」という気持ちで、もう既に店主らしさは板に付いていると思っています(笑)。

--頼もしい!ちなみに藤田さんはハンズに入社されて長いのですか?
学生の時にアルバイトで入ったのが始まりですが、それは1983年、私がまだ20歳だった時です。なのでもう35年くらいになりますかねぇ。

--おお、すごい。シューケアに興味を持ったのはハンズに入ったのがきっかけなのですか?
いえ、もともとファッションが好きだったので、シューケアにはもっと前から興味はありました。ただ、当時はシューケアに関する情報が全然なくて、実際に自分でやってみて正しい方法を模索するしかなかったんですよ。なので、例えばスエードの靴にクリームをつけてしまったり、ブーツにミンクオイルをつける時は本来なら3ヶ月に1回くらいでいいのに、1週間ごとにつけてベタベタにしちゃったりして、せっかく買った靴を何十足もパーにしました。

ー何十足も...。
なので靴への投資額はまあ随分かかっていると思いますよ(笑)。アルバイト費のほとんどをファッションにつぎ込んだりしていましたしね。

--そう考えると今の時代はとても恵まれていますね。
私は靴に関する情報収集のために動画サイトやSNSもチェックしているのですが、シューケア方法の動画はたくさんありますから、そういう意味では誰でも気軽にケアを始められるので良いですよね。ただ、動画ですと、達人級の方々が華麗にシューケアテクニックを披露するような、ビギナーからするとやや難しく感じるようなものもありますが...。

--これまで一度もシューケアをしたことがないような方だと、情報がありすぎて逆にどうすればいいのか迷ってしまうということもありますよね。
そうそう。この間、20代前半くらいの若い女性のお客様がいらっしゃったのですが、その方はいわゆる「おじ靴」というトラッドな靴をお履きになっていたんです。

--ええ。
で、その方が私のところにトコトコとやってきて「藤田さんが履いている靴のように光らせたいんですが、どうすればいいんですか?」とおっしゃったんです。だから私はその方の靴をお借りして、つま先部分を実際にやってみながらレクチャーしたところ、とても喜んでくださったんですよ。私と一緒に写真まで撮っちゃったりして!

--記念写真ですか!
そう!そこまで喜んでいただけるなんてもう店主冥利につきます(笑)。でもそうやって目の前で実演することで理解いただけるスピードも違うと思いますし、ひとつひとつの手順も「なぜそうするのだろう?」と思ったらぜひお聞きいただければと思います。動画などでは割愛されてしまうような細かい部分まで理解できると、シューケアがより一層楽しくなってきますからね。

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今でもプライベートでは、高円寺の古着屋で靴を買っている

--ところで藤田さん、今日履かれている靴もとても素敵ですね。どちらのものなのですか?
宮城興業というところの靴で、新喜皮革製のコードバンを使っているモデルです。カッコイイでしょ!

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--カッコイイです!あと、展示されている靴もどれもピカピカで素敵ですね。
ありがとうございます。展示している靴はほとんど私の私物で、靴好きな方ならピンとくるような名品たちを揃えています。例えばチャーチのブーツやオールデンのシューズ、1970年代の電気工事用のワークブーツとか。たまにものすごくマニアな方がいらっしゃって、お互いに知識の深掘りトークをするのがとても楽しいです。

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--商店の中をこうして見ていると藤田さんは本当に靴がお好きなんだろうなと感じるのですが、靴はどちらで買われているのですか?
私は新品よりも古靴の方が好きなので、高円寺の古着屋で買うことが多いです。特に「ウィスラー&チャート」というショップがお気に入りで、ずっと通い続けていますね。

--大体おいくらぐらいの靴を買われるのですか?
高くても3万円くらいですよ。ただ、多くの方は買うときは1足だけだと思いますが、私は欲しいなと思ったものがたくさんあれば我慢せずに何足も買ってしまいます(笑)。そうして買ったものをここに持ってきて、実際に磨いたりケアをしたりしています。

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--我慢しないのですね...!
ちなみに、この商店の店構えも高円寺の古着屋を参考にさせていただいています。なかなか良い雰囲気に仕上がったと満足しています(笑)。

--後ろに置いてある個性的なグッズも藤田さんの私物ですか?
私は結構収集癖があるので、家にこういったものがたくさんありまして。ただ、さすがに増えすぎてきちゃったので断捨離をしているのですが、そうすると自分でも忘れていたような懐かしいものが段ボール箱から出てきたりするんですよ。そういったものをここに置いています。自分の好きな雰囲気で、自分の好きなものを持ってきて、まあ我ながら公私混同が過ぎますね(笑)。

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後輩と休日に昼呑みに行くのが楽しみ

--靴の他に今ハマっていることはありますか?
ずばり昼呑みです。

--おお!
他には料理や自転車、音楽やDVD鑑賞なども好きで、割と多趣味な方だと思うんですが、特に昼呑みにはハマっていますねぇ!

--どういったところに呑みに行かれるのですか?
赤羽や東十条などですね。せんべろ、角打ちというキーワードが大好きです(笑)。その日によってエリアを変えるのですが、メンバーは私を入れて3人だけの固定なんです。私以外の二人はハンズで働く後輩です。

--では話の内容も主に仕事のことなのですか?
いえ、仕事の話はほとんどせず、本当にしょうもない話ばかりしています。昔の自慢話はしない、というルールのもとに(笑)。

--休日も社員の皆さんで呑みに行かれるなんて、仲が良さそうですね。
呑みに行くだけでなく、シューケア担当の後輩にヴィンテージの靴をあげたりしています。まあ、その後履いた感想を聞いてみたら「足が痛くて長時間履けない」なんて言っていましたが(笑)。

--でも藤田さんこだわりの靴をもらえるなんて羨ましいです!
最初は痛いかもしれませんが、履けば履くほど、足にフィットするように馴染んでいくのが革靴の魅力です。そういう面白さもその後輩に伝わると嬉しいですね。

--なんて後輩思いな...!
後輩の育成も店主の大事な役割なので、シューケアの魅力を単なる業務の一環としてではなく、純粋に楽しいものとして伝えられればと思っています。

--最後に、店主としてのこれからの目標や誓いとして、「店主宣誓」をお聞かせください!
「靴好き?」とあえて問いかける形にさせていただきました。私自身、シューケアや靴そのものがとても好きなのですが、自己満足で終わらないよう、その魅力や楽しさを一人でも多くの方にお伝えできる商店にしたいと思います。マニアな方もビギナーの方もぜひお気軽にお越しください。おじさんなのでちょっととっつきにくい見た目だと思われるかもしれませんが、そこのハードルは決して高くないので、軽く飛び越えていただけると嬉しいです(笑)。

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おわりに

いかがでしたか?皆さんもぜひ、東急ハンズ新宿店6階「輝く足元商店」の藤田店主に会いに行かれてはいかがでしょうか。また、「輝く足元商店」ではシューケアのワークショップも随時開催されていますので、定期的にチェックしてみてくださいね。

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