「金継ぎ」で欠けた器が生まれ変わる!初心者でも安心なキットで実際にやってみた。【蒔絵にも挑戦!】

大切に使っていたお気に入りの器が欠けてしまった、なんてことありませんか?どんなに丁寧に扱っていても、お茶碗などの口周りは欠けやすいもの。愛着がある器ほど悲しいですよね。今回は、そんな方におすすめの「金継ぎ」、そして、あわせて楽しみたい「蒔絵」の方法をご紹介します。「補修」ではなく、今ある器にアレンジを加えることで、楽しみながら実践できるアップサイクルに挑戦してみませんか。

目次
金継ぎとは?
蒔絵とは?

金継ぎとは?

欠けたり割れたりした器を、漆を使って修復する伝統的な技法、それが金継ぎです。「金継ぎ」と言いますが、実はほぼ漆で修復していて、金は最後の仕上げのときにのみ使います。漆は天然素材で耐久性も高く、食べ物を入れる器に使用しても安心です。

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床などに落としてばっくりと割れてしまった器も修復可能ですが、今回は口周りの欠けてしまった器を、金継ぎキットを使って実際に修復してみましょう。

今回使うのは「金継ぎ初心者セット」


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金継初心者セット 8,360円(税込)

〈金継初心者セット〉には、必要な金粉・漆はもちろん、初心者の方でもすぐに始められる道具が揃っています。とくに漆は、マニキュアのように容器のキャップが筆になっているため、塗るのも簡単で、自分で筆を用意する必要もありません。

※本記事の中では、工程ごとに使うものを表記していますが、*マークのものはセットに含まれておりません。
※工程内で漆を使用する際、体質や体調によって皮膚がかぶれることがあります。漆を使うときは手袋を着用しましょう。触れてしまったときは、サラダ油などで拭き取ってください。

1.漆固め

丈夫できれいな金継ぎを行うための、下準備を行いましょう。
[使うもの]透漆(とううるし)、*ウエス(木綿布)

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欠けている部分に透漆を塗ります。余分な漆は乾かないうちに拭き取ります。

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セットの箱の中に入れ、蓋をして一晩ほど乾燥させます。試し紙にも同様に漆を塗っておき、翌日綿棒に色がつかなければ乾燥しているサインです。
【ポイント】漆が乾くには湿度が必要。必ず箱に入れて保管し、乾燥が足りない場合は箱の隅に濡らしたティッシュを置いて湿度を補いましょう。

2.刻苧(こくそ)付け

部分修復用の「刻苧漆」をつくり、欠けた部分を埋めていきます。
[使うもの]透漆、刻苧綿、木粉、プラスチックヘラ、竹ヘラ、定盤、*ごはん粒、*カッター、*ウエス(木綿布)

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①ごはん粒をプラスチックヘラでよく練り、ペースト状にします。

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②ペースト状のごはんと同量の透漆をよく混ぜます。

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③刻苧綿、木粉の順に加え、よく混ぜます。

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④耳たぶくらいの固さになったら「刻苧漆」の完成です。

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⑤刻苧漆を欠けた部分に竹ヘラで詰め、指で形を整えましょう。
【ポイント】木粉を指になじませてから押さえると、刻苧漆が指につきにくく形が整えやすいのでおすすめ。

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⑥箱に入れて1週間ほど乾燥させます(欠けではなく割れの場合は2週間程度)。ここでも試し紙に塗って乾燥したかを確かめましょう。
乾燥後、出っ張っている部分はカッターや砥石などで削って平らにします。
【ポイント】削っているときに、刻苧漆がぽろっと取れてしまうことがあるので要注意。もし取れても、捨てずに透漆でもう一度接着すれば大丈夫です。

3.錆漆(さびうるし)付け/錆研ぎ

より美しく仕上げるために、「錆漆」で細かい穴や小さい段差を埋めます。
[使うもの]透漆、砥粉(とのこ)、プラスチックヘラ、竹ヘラ、砥石、定盤、*水、*ボウル、*ウエス(木綿布)

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①砥粉に水を加え、ペースト状にします。

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②漆を見た目で5割程度加えて練り合わせたら「錆漆」の完成です。

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③竹ヘラで均一にうすく塗り、しっかり乾燥させます。目安は4~5日程度。

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④乾燥後、ボウルなどに水を入れ浸しておいた砥石で、錆漆が平らになるよう丁寧に研ぎます。塗らしたウエスで拭いたあと、一晩ほど乾燥させましょう。

4.塗り/塗りの研ぎ

下地全体を覆うように弁柄漆を塗ることで、防水などのコーティングの役割を担います。
[使うもの]弁柄漆(べんがらうるし)、砥石、*ボウル、*水、*ウエス(木綿布)

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①弁柄漆をうすく均一に塗ります。塗り終わったら3~4日乾燥させましょう。
【ポイント】厚く塗り過ぎると、垂れたりしわができる原因になるので、ゆっくりとうすく塗ることがコツ。

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②乾燥後、ボウルなどに水を入れ浸しておいた砥石で、弁柄漆が平らになるよう丁寧に研ぎ、塗らしたウエスで拭きます。研ぎ終わったら一晩ほど乾燥させます。
※塗りと研ぎは、繰り返し行っても構いません。強度が増し、塗った面もきれいに仕上がります。

5.金粉蒔き

いよいよ仕上げです。金粉を蒔いていきましょう。
[使うもの]弁柄漆、真綿、金粉、*白い紙
※余った金粉は再利用できますので、下に紙をひいて作業してください。白い紙なら落ちた金粉も見やすいです。

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①前回と同じように弁柄漆をうすく均一に塗ります。塗りムラがあると金粉にもムラが出てしまうので、ゆっくりとうすくに塗るように心がけて。
塗り終わったら箱に入れて30分ほど置きます。少し乾かすことで、金粉のノリがよくなります。

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②30分ほど経ったら箱から取り出し、真綿に金粉を付け、優しくそっと乗せるようにまぶしていきます。余分な金粉は真綿で集めてまた使えるので、思い切ってたっぷりとつけるのがおすすめ。終わったら3〜4日乾燥させます。
【ポイント】時間が経つと下地の弁柄漆の色が出てきてしまうことがあります。慌てずに、下地が出てこなくなるまで金粉を足してあげましょう。

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③乾燥を確認し、濡らした綿棒で余分な金粉を取り除きます。

6.金粉固め/磨き

最後に、金粉を定着させます。
[使うもの]透漆、*ティッシュペーパー

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①透漆を金粉の上に塗ったら、すぐにティッシュペーパーで押さえるようにして拭き取ります。ティッシュペーパーの位置を変え繰り返し、漆がつかなくなくなったら、一晩ほど乾燥させます。

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②乾燥が完了したら、全行程終了です。ついに完成!ブルーの器に金色がよく映えます。欠けが埋まっただけでなく、金継ぎの部分がアクセントになってデザインとしても素敵。

金継ぎにチャレンジしよう

今回使用した〈金継初心者セット〉には、使いやすい道具が揃っているので、初めての金継ぎでも安心して作業を進められました。工程ごとに漆を乾燥させたりと、完成までには思ったよりも時間がかかりますが、時間と手間をかけたぶん、より愛着がわいてきます。金継ぎを施した器は、きっと前とは違う表情を見せてくれるはず。大切な器を繕ってあげれば、これからもずっと長く使っていきたいものになりますよ。
ご紹介した以外の漆(うるし)・金継ぎ一覧はこちら>>

蒔絵とは?

お皿やお箸などの食器類に漆と金粉を使って模様を施す技法、それが蒔絵です。漆工芸の代表的な加飾技法の一つで、粉を蒔いて絵にすることから「蒔絵(まきえ)」と呼ばれています。

2112_kintsugi_01.jpg今回は平皿に模様を施します。簡単にできるので、ぜひ挑戦してみてください。

蒔絵で使う道具はこちら

2112_kintsugi_02 (2).jpg右上から
こどものかお ビッグラブスタンプ 990円(税込)
播与漆行 すぐ塗れーる 弁柄漆(10ml)1,100円(税込)
純金消粉 赤(0.3g)5,500円(税込)

漆と金粉、定盤、真綿は、〈播与漆行 金継ぎ初心者セット 8,360円(税込)〉に入っているものもお使いいただけます。その他、マスキングテープや*押し布、*スタンプ、*シールを用意しましょう。筆で絵を描く方法もありますが、初心者の方には手軽に柄をプラスできるスタンプがおすすめです。お気に入りのデザインで楽しんでください。
※〈金継ぎ初心者セット〉に含まれる金粉は0.1gです。
※本記事の中では、工程ごとに使うものを表記していますが、*マークのものはセットに含まれておりません。
※工程内で漆を使用する際は、体質や体調によって皮膚がかぶれることがあります。漆を使うときは手袋を着用しましょう。触れてしまったときは、サラダ油などで拭き取ってください。
※蒔絵をする食器は、表面に漆塗布の加工がされたものをお選びください。

1.スタンプに漆を塗る

まず、定盤の上に小粒パールほどの弁柄漆をのせます。
[使うもの]弁柄漆(べんがらうるし)、定盤、*押し布

2112_kintsugi_03.jpg次に漆を押し布に付着させます。

2112_kintsugi_04.jpgそして、スタンプにポンポンと漆をつけましょう。この時、ムラがないように満遍なくつけるのがポイントです。漆が厚すぎると金粉を蒔きにくくなるので、ごく薄くスタンプすることが大事なポイントです。

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器にスタンプする前に、定盤の上に試し押しをして仕上がりをチェックしておきましょう。

2.器に柄を施す

スタンプを、器にギュッと押しつけます。柄を加える位置は、中央よりもやや端に寄せるとバランスがよくなるのでおすすめ。器の曲面によってはスタンプを押しにくい場合もあります。器の形状、スタンプの大きさにご注意ください。
[使うもの]*スタンプ

2112_kintsugi_06.jpgスタンプを押したら、このまま30分ほど時間をおきましょう。
※漆が完全に乾く前に金粉を蒔きましょう

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3.金粉を蒔く

綿に金粉をなじませます。
[使うもの]金粉、真綿、*綿棒
※〈金継ぎ初心者セット〉に含まれる金粉は0.1gです。

2112_kintsugi_08.jpgスタンプした部分をやさしくなでるように金粉をつけていきます。

2112_kintsugi_09.jpgはみ出た部分の手入れや細かな調整は、綿棒で行いましょう。

2112_kintsugi_10.jpgそのまま3〜4日ほど乾燥させ、漆が完全に乾いたら蒔絵のできあがり!味気なかった平皿も、金色の花がアクセントとなり、素敵な表情に生まれ変わりました。漆の乾燥には一定の湿度と室温(24℃〜28℃、湿度が70%〜85%)が必要です。乾燥しやすい冬場の作業は、湿らせた布巾と一緒に箱に入れるなどしましょう。

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お箸やお椀も蒔絵でアレンジ

お箸やお椀も、平皿と同じ要領で蒔絵をすることが可能。アレンジ方法はアイテムによって色んな工夫ができますよ。

例えば、お箸なら...
マスキングテープでラインネイルシールを固定。その上に漆を塗り、金粉をつけます。一晩ほど置いて、マスキングテープとラインネイルシールを剥がします。
[使うもの]弁柄漆(べんがらうるし)、定盤、金粉、*押し布、*マスキングテープ、*ラインネイルシール

2112_kintsugi_12.jpg蒔絵の完成!お箸も簡単にデザインすることができます。

2112_kintsugi_13.jpgお椀にはこんなアレンジもおすすめです。

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おわりに

いつも使っている器やお箸が、蒔絵を施すことで新たな表情に早変わり。ちょっと食卓の雰囲気を変えたいな...と思ったら、今あるお皿を蒔絵でアレンジしてみてはいかがでしょう。

ご紹介した以外の漆(うるし)・金継ぎ一覧はこちら>>

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