最近では大人のデートスポットや家族での旅行先としても人気の工場見学。大人になってからこそ、"ものづくりの現場"に行くのは本当に楽しいですよね。今回お邪魔した松山油脂株式会社は、製法と素材にこだわったモノづくりを続ける化粧品の製造販売メーカー。私たちの生活に身近な「石けん」がどのようにつくられているか、気になりませんか?
伝統的な釜焚き製法を間近で見られる!
ハンズクラブ会員限定イベントとして企画された今回の工場見学。ご応募いただいた312名の中から、抽選で選ばれた10組20名の方にご参加いただきました。親子やカップル、お友達同士、どんな方々でも"ものづくりの現場"はワクワクするもの!それが日常生活に身近な製品だとなおさらでしょう。
松山油脂は1908年創業。こちらの工場でつくっているのは石けんだけでなく、シャンプー、ハンドソープ、ボディローションなど実に多彩。東急ハンズとは、うるおいを守りながら洗い上げる石けん「スムースソープ」や「モイスチャーソープ」などの商品を共同開発しています。
注意事項の説明を受け、白衣を着用してから工場見学がスタート。ちなみに工場内は一部を除いて写真撮影が可能です。「ぜひSNS等で拡散してくださね」と笑顔でご案内いただきました。
じっくり時間をかけて石けん素地を焚きあげます
まず、見学したのが石けんを焚き上げる「釜場」。いわば石けんづくりの"心臓部"といってもいいかもしれません。
松山油脂では、昔ながらの「釜焚き製法」を行っています。油脂とアルカリを反応(鹸化)させる石けんつくりの工程はなんと100時間。熱を加え、塩析(※)をして落ち着かせる、とても地道な作業です。
※塩析:鹸化反応が終わったあとに塩化ナトリウム(塩)を加えて、純粋な石けん分だけを取り出す工程のこと。
ちなみに松山油脂が塩析でつかっている塩は食べても大丈夫な赤穂の天然塩です。純粋な石けん分と不純物を分離するためにつかうものですが、こうしたところからも原材料へのこだわりが感じられます。
冷やして、固めて、切る、乾燥熟成には7~20日
続いて見学したのが「小切り作業」です。ここでは「枠練り製法」という石けんの切り分け作業を行っています。
前の工程でできあがった石けんの素地を枠に流しこみ、冷やして固めます。その後、枠から取り出し、板状に切ってから販売されている石けんのサイズに切り分けます。1枚の板からつくれる石けんは、標準サイズ(約170g)で50〜60個。切り分けた石けんはすのこに並べて、7~20日間ほど乾燥熟成します。
枠練り製法のせっけんは溶け崩れしにくいとされています。
人の手による作業を心がけています
最後に見学したのは「充填ライン」です。当日は詰替用のハンドソープをつくっていたのですが、驚いたのが作業にあたる人の多さ。生産性を高めるために、機械化・自動化されているイメージがありましたが、一つ一つの作業に人の手が入っていて、商品から伝わってくるぬくもりや温かみの理由がわかりました。
松山油脂ではラベンダーやユーカリ、グレープフルーツなど、いろいろな香りの製品をつくっていますが、季節によって人気順が変わるそうです。さわやかな香りが好まれる夏はグレープフルーツ、ゆっくり自宅で過ごしたい冬の時期には、気分を落ち着かせてくれるラベンダーが人気だとか。
生活に身近な商品だけに、どのようにつくられているのか、そしてどんな人がつくっているのか気になっていたようで、参加者の皆さんも説明の一つ一つに真剣に聞き入っていました。
しっかり泡立たせるのが肌を守るポイント
工場見学の後はワークショップです。当日は「ボディーソープの手づくり体験」と「泡立て体験」をしました。
ボディソープの素に、保湿成分や好みの香り(精油)を混ぜ合わせてつくるボディーソープ。皆さん楽しそうです! 同じテーブルの方々で相談し合って、香りを決めている方もいらっしゃいました。「すっきり!」「さわやか!」「いい香り!」など盛り上がる声があちこちで聞こえました。
泡立て体験では、少しずつ水を足していきながら、たっぷり泡をつくるのがポイント。
"いい泡"だと、泡に乗せたピンポン玉が逆さにしても落ちません。
ふわふわの泡をつくるためにご自宅では泡立てネットをつかうのもおすすめです。
おわりに
「工場見学は今年3回目!」「面白そうなところがあると、おもわず行ってみたくなっちゃうの」──参加された方々にお話を伺うと、工場見学のリピーターの方が多いことがわかります。製品がどのようにつくられているかを知り、手がける人の想いを感じ、あらためて製品の魅力に気づくことができる工場見学には、ものと人をつなげる力がありますね。
ハンズクラブ会員限定 HANDS DO for membersではお子さんから大人まで、幅広い年代の方にお楽しみいただける商品体験会や本格的なワークショップなどを実施しています。ご家族、お友達と一緒にぜひ足を運んでみてください。
ハンズクラブ会員限定 HANDS DO for membersについてはコチラ>>
松山油脂の工場見学について
松山油脂では、墨田工場と富士河口湖工場の2カ所で工場見学を行っています。《墨田工場》はさまざまな石けんの素となる石けん素地の製造が見学でき、石けんの基本的なつくり方を知りたい方におすすめ。石けんの成形・梱包などの最終製造工程が見たい方は《富士河口湖工場》の見学がピッタリでしょう。
見学内容についての詳細やお申し込みは、下記URLをご確認ください。
■松山油脂株式会社
http://www.matsuyama.co.jp/
予約/上記URLから要予約
見学/月~金曜日(工場休業日を除く)
料金/無料
《墨田工場》
住所/東京都墨田区東墨田2-17-8
TEL/03-3613-1334
《富士河口湖工場》
住所/山梨県南都留郡富士河口湖町船津6662-13
TEL/0555-72-6887