【連載vol.22】定番モノは文具沼への入り口〜NOLTY®︎のカレンダーづくりに密着!編〜

この連載は、文具沼にハマった事務用品バイヤーの大瀬が、あなたを深い深い文具沼へと誘(いざな)う物語。大瀬バイヤーが今回目をつけたのは、人気手帳〈NOLTY®︎〉でおなじみ、〈日本能率協会マネジメントセンター〉の〈NOLTYカレンダー〉。今回はなんと、カレンダーを製造する工場に突撃!と、その前にまずは〈NOLTYカレンダー〉とは?に触れて、魅力をチェックしましょう!

※2021年12月公開の記事に新商品情報を追加し、再編集しております。

工場見学の前に、NOLTYカレンダーをさらっとご紹介!

―大瀬さーん!今日ご紹介する商品は一体どういうものなんですかー?

大瀬:今日は、この立派な工場で製造されている、〈NOLTYカレンダー〉です。

ハンズ・事務用品バイヤーの大瀬

事務用品バイヤーの大瀬。カレンダー担当バイヤーでもある。

―〈NOLTY〉といえば、ビジネス手帳の定番として多くのファンを抱えるブランドの一つですが、本日はそのカレンダーをご紹介するんですね!

大瀬:はい。〈NOLTYカレンダー〉は、長年の手帳づくりのノウハウを活かした、こだわり十分のカレンダー。手帳と同じく長く多くの方に愛されてきました。一体どのようにしてつくられているのか、とても興味があり、今日はこちらの工場にお邪魔した次第です。

ハンズ・カレンダー担当バイヤー大瀬

―カレンダー製造工場なんてなかなか来られないのでワクワクします!

大瀬:私も胸が高鳴っています。本日は、〈NOLTYカレンダー〉を生み出した〈日本能率協会マネジメントセンター〉さんと、提携してカレンダーづくりをされている、NOLTY協力工場の皆さんにいろいろとご教示いただこうかと。どうぞよろしくお願いします。

日本能率協会マネジメントセンター 長濱さん、荒井さん、遠藤さん

日本能率協会マネジメントセンター 左から長濱さん、荒井さん、遠藤さん

NOLTY協力工場の皆さん

NOLTY協力工場の皆さん

―皆さん勢揃いで!本日はお世話になります!

日本能率協会マネジメントセンター 長濱さん(以下長濱さん):本日ははるばる埼玉の遠方までお越しいただきありがとうございます。限られた時間の中ではありますが、我々のものづくりへの想いを少しでもお伝えできればと。まずは改めて〈NOLTYカレンダー〉についてご紹介させてください。

NOLTYの魅力を改めておさらい中の大瀬。

会議室へ移動し、まずは商品の魅力を改めておさらい中の大瀬。

長濱さん:我々、日本能率協会マネジメントセンターは1949年に〈NOLTY〉の先駆けである「能率手帳」を発売して以来ずっと手帳づくりに向き合ってきました。

NOLTY手帳
NOLTY手帳

能率手帳の「変わるところ」と「変わらないところ」 2023年版NOLTY最新モデルの進化を調査!>>

長濱さん:その手帳づくりのノウハウを最大限に活かしたのが1994年に誕生した「能率カレンダー」。その後商品名を〈NOLTYカレンダー〉に一新して以降も多くの方にご使用いただいております。

―手帳づくりのノウハウが詰まっている、とは一体どういうことなのでしょうか?

長濱さん:書きやすい紙質や罫線の細さ、視認性のよいフォントサイズ、印刷色など、〈NOLTY手帳〉で取り入れているこだわりをできる限り反映しています。

大瀬:マスの中に罫線があるのが個人的に気に入っています。例えば、家族の予定を書いたり、朝・昼・晩の予定を書き分けたり、手帳のように備忘録を書くのもよい。このカレンダーからは、手帳のような自由度とカレンダーとしての役割に収まりきらない可能性を感じるのです。

NOLTYカレンダーNOLTYカレンダー
左から
壁掛けUD2 C167 979円(税込)
壁掛けUD1 C166 1,496円(税込)
卓上UD2 C261 957円(税込)
卓上UD1 C260 880円(税込)


長濱さん:うれしいお言葉!まさにその通りで、カレンダーとして活用することはもちろん、毎日のちょっとしたことを備忘録感覚で書き込むのもおすすめです。書き込みやすさにも考慮し、紙は〈NOLTY〉オリジナル用紙を使っています。

大瀬:ペンが紙になじみやすく書き心地がよいんですよ。

―NOLTY協力工場さんとのお付き合いは長いのですか?

長濱さん:ええ。こちらの協力工場さんとはもう何十年のお付き合いになります。毎年カレンダーづくりを開始する際は、紙の見直しや仕様に関してもご相談しつつ一緒に取り組んでいます。我々の品質管理へのこだわりにきちんと応えてくださる心強いパートナーです。

いざ工場見学へ!シンプル・定番の裏に隠された熱いこだわりを追う!

大瀬:さてさて、ここからは〈NOLTYカレンダー〉がどのようにつくられているのか、工場をまわってそのこだわりに迫りたいと思います。

NOLTYカレンダー工場を見学する大瀬

―ついに工場見学スタートですね!ここで〈NOLTYカレンダー〉がつくられているのか〜。大きな機械がたくさん!

大瀬:案内してくれるのは工場長の上野さん。どうぞよろしくお願いします。

工場長 上野さん

工場長 上野さん

上野さん:よろしくお願いします。工場長を務めております上野です。〈NOLTYカレンダー〉は、ここの工場と物流センタの2拠点で製造を行っています。この工場では、入稿データを印刷版出力用に変換する作業から出力、印刷、断裁、丁合(※)、穴あけまでの加工を、物流センタではリング綴じや袋詰め作業など、仕上げ作業を行っています。
※1月から12月までの紙を順番に重ねてまとめる工程

大瀬:沢山の方からの支持がある〈NOLTYカレンダー〉。やはり大きな機械を使ってガシガシ製造されているのですね。断裁機の台にビー玉のような玉が沢山ついていますね。こちらは一体?

カレンダー断裁機の台

上野さん:これは出力した大量の紙の四方を揃えるために欠かせないものです。振動を起こすことでこの玉がくるくると回転し、さらに空気が出る仕組みになっています。この小さな回転と空気で紙が揃い、きれいに断裁することができます。

大瀬:ふむ。机の上で紙をトントンと揃えるあの動作を、この機械が担っているわけですね。確かにこれだけの量を製造するとなると効率的な作業システムは必要不可欠。この機械、とてもよい仕事をしますね。あっぱれです。どれ少し触ってみてもよろしいですか?

上野さん:もちろんです。

「プシュッー」

大瀬:ヒャ!

カレンダー断裁機の台のボールを押す大瀬

ボールを押すと中から空気が放出!ちょっと驚く大瀬。

上野:先ほど大裁ちした紙は月ごとで断裁しているので、今からそれを丁合という工程で12ヵ月分にセットしなおします。

カレンダーを丁合する

月別に分けられた用紙が...

12カ月分にまとめられるカレンダー

目にも止まらぬスピードで12カ月分にまとめられます。

大瀬:なんと素早い身の動き。いくつか武道を極めておりますが、それでも一枚一枚目で追うのがやっとです。

―(久々の武道ネタ!って、目で追えたんだ...大瀬さんあなたは一体...。)

大瀬:〈NOLTYカレンダー〉は、すべての工程を機械でまかなっておられるのですか?

上野さん:機械を使って作業を自動化してはいますが、人の手や目で細かなチェックを行うことは欠かせません。例えば、12カ月分にセットした先ほどのカレンダーは、ページ抜けがないか目視でチェックを行います。紙の端には、その月ごとに目印がついているので、もし抜けや重複がみつかると、紙を広げた際にひと目で問題を発見することができるんです。

カレンダーを目視でチェックする

上野さん:他にも印刷の段階で色味などのチェックは欠かせません。我々の工場には限りなく自然光に近いLEDライト搭載の作業台がございます。お客様にとって見やすい色を徹底的に調べ、設定した数値をもとに色を調整しています。NOLTYさんのようにお客様ファーストで色味にこだわっているメーカーさんは、他にはないですよ。

カレンダーの色味のチェック中

自然光に近いLEDライトで色味のチェック中。

カレンダーの濃度チェック

大瀬:このメーターのようなものは何を表しているのです?

上野さん:どの濃度で印刷を行ったのかが確認できます。指定の濃度にきちんと仕上がっているか、依頼の数値と機械の数値とズレがないかをチェックするんです。

―かなり厳重なチェックですね。そこまでされる理由って?

上野さん:NOLTY(日本能率協会マネジメントセンター)さんからはいつも、「視認性を大事にしたい」と言われています。どの時間帯でも、どのような位置からでも見やすい色、フォントを徹底する。この強いこだわりを実現するためには、これほどまでの設備とチェックが必要なんです。大変なことではありますが、この作業を怠らないことが、毎年たくさんの方にリピートいただける結果に繋がっているのだと自負しています。

大瀬:NOLTY(日本能率協会マネジメントセンター)さんは、独自のオリジナル用紙を製造されており、書きやすさにとことんこだわられているイメージでしたが、視認性という部分でも細やかな気配りと情熱をお持ちだったんですね。ものづくりへの情熱に、思わず胸が熱くなってしまいました。

完成まで後少し!最後まで気を抜かない職人魂

長濱さん:ここからは物流センタに場所を移し、仕上げ作業をご覧いただきたいと思います。

―工場では、穴あけまでが終わっている状態でしたね。

大瀬:残るはリング綴じや袋詰め、出荷準備ですね。

長濱さん:ええ。ここからは、物流センタのカレンダー製造責任者である枦山(はしやま)さんにバトンタッチしたいと思います。

枦山さん:よろしくお願いします。〈NOLTYカレンダー〉の製造は、最後の最後まで手を抜きませんよ!

物流センタ カレンダー製造責任者 枦山(はしやま)さん

物流センタ カレンダー製造責任者 枦山(はしやま)さん

枦山さん:ここでは約10名の従業員で仕上げ作業を行っています。カレンダーの穴にリングを通す作業や壁かけ時に必要な金具を通す作業、袋詰めなど、出荷に向けてどんどん準備を進めます。

カレンダーのリング綴じ

枚数に不備がないよう慎重に確認しながら、リング綴じを行います。

壁掛け用のカレンダーに針金をセット

カレンダーの要とも言える壁掛け用の針金をセット。数本を同時に差し込むという熟練技はお見事!

カレンダーを袋詰めする

最後まで手作業で丁寧に袋詰めします。

カレンダー工場見学中の大瀬

枦山さん:工場でも念入りなチェックをしてきましたが、ここでも厳重なチェックが行われます。カレンダーはきちんと月順になっているか、枚数に不備はないか、重量を測りながら最終チェックを行うのです。

大瀬:1日にどれほどの数をこの物流センタで詰められるのですか?

枦山さん:だいたい1万部ほどでしょうか。

―い、1万部!?すごい数ですね。大瀬さん、できあがりをご覧になっていかがですか?

大瀬:とても感慨深いです。カレンダー自体はとてもシンプル。だけど、紙質、フォント、文字色、すべてに手を抜かず、たくさんの人の手によりこうやって私たちの元へと届くのですね。定番文具好きの私としては、このド定番の裏側に隠された数々のこだわりを知ることができ、さらに〈NOLTYカレンダー〉への愛情がわきました。私もお客様にお届けする側の人間として、このカレンダーの素晴らしさをきちんとお伝えしていこうと思います。

完成したカレンダーに感動する大瀬

完成したカレンダーを手に、胸いっぱいの大瀬。

おわりに

ハンズ歴30年の大ベテラン、大瀬が、定番の事務用品を始め、さまざまな文具の魅力に迫る連載記事。第二十二回は、大瀬バイヤー愛用のカレンダーをご紹介しました。次回は、どんなアイテムをピックアップするのか!?乞うご期待!
【連載vol.20】定番モノは文具沼への入り口 〜あらゆる絶景を365日楽しめるカレンダー編〜
【連載vol.21】定番モノは文具沼への入り口 〜クリームソーダや純喫茶などの個性派カレンダー編〜

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