20年ほど前に登場し、人知れず姿を消したアーケードゲーム「ナイス★ツッコミ」をご存知ですか?そんな幻のゲームを、文化の芽プロジェクト(※)第2弾「笑いのDIY」企画の一つとして、梅田店の店頭に展示することになりました。しかし、その裏側には知られざるバイヤーの苦労が...。今回は担当者を直撃してお話を聞きました!
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どうして「ナイス★ツッコミ」を?バイヤー三宅に聞きました
―「ナイス★ツッコミ」って、そもそもどんなゲームなんですか?
三宅:正式タイトルは「ツッコミ養成ギプス ナイス★ツッコミ」。2002年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が企画・販売したアーケードゲームで、松竹芸能所属のお笑いコンビが画面の中で披露するネタに合わせ、プレイヤーがツッコミ役となって相方の人形にツッコミや相槌を入れていくゲームです。
―なかなか斬新なゲームですね...!
三宅:当時はいわゆる"音ゲー"が流行っていて、その流れに乗って登場した感じですね。主に関西で稼働していました。ボケ役となるツッコミ人形の胸や頭を実際に叩いてツッコミを入れ、足元のペダルを踏んで「そうそう」と相槌を打つ。タイミングを測ってそれらを行うのが醍醐味です。
―三宅さんが若い頃によく遊んだ思い入れのあるゲームで...というのが今回のお話のミソですよね?
三宅:そう思いますよね...。すみません、私は生まれも育ちも東京で、このゲームは見たこともやったこともなく、思い入れもまったくないんです(笑)。おそらく関西以外の方はほぼ知らないのでは?
―それは予想外...!では今回、どんな経緯でこの企画に関わることに?
三宅:梅田店の文化の芽プロジェクトで「笑い」をテーマにすることが決まり、その最初のミーティングで「昔、漫才をするゲームがあった」という声が出て。関西出身のスタッフが学生の頃にやったことがあると言うので調べてみたら「ナイス★ツッコミ」が出てきたわけです。
―なるほどなるほど。
三宅:そして上司から「よし、三宅、これを探してくれ」と。私は文化の芽チームに配属されたばかりでしたが、一発目の仕事としてその命を受け、そこから私の苦労が始まりました(笑)
販売元にも製造元にも協力元にもリサーチ。その結果は?
―まずは何から取り掛かったんですか?
三宅:まずはナムコさんにコンタクトを取りました。でも、話をしても「何を言ってるの?」という感じであちらの頭にも「?」が(笑)。続いて筐体(きょうたい:カバーを含めたゲーム本体のこと)を製造した会社に問い合わせたところ、ゲームの存在は知っていたんですが、生産数が少なかったので実物は残っていないと。さらに、人形本体を叩くという荒々しい遊び方だったので損傷が激しく、ほとんどが壊れてしまったのではとも...。
―荒々しい(笑)。う〜ん、まさに幻ですね。
三宅:当時もどこに置いてあるかわからないと言われていたらしいですからね。販売元にも製造元にもないということで、次に協力元だった松竹芸能さんに問い合わせてお話を聞きました。
―何か手がかりが見つかったんでしょうか...?
三宅:お話によると、このゲームは権利の関係もあって長くは使えない前提だったらしく、稼働期間はかなり短かったそうです。そして、社内で現在このゲームのことを知っている人は、もうほとんどいませんと。当時、故障のクレームがなぜか松竹芸能に来ていたという話もしていました(笑)
―(笑)結局、松竹芸能さんが実物を持っていたんですか?
三宅:いえ、そう簡単に事は運ばず。小道具などを保管している場所を調べさせてもらったんですが、このゲームは見つからなくて...。
果たして、いつ見つかるのか、どこにあるのか。本当に実在するのか!?
情報収集、聞き込み。まるで刑事のように追い続け、ついに!
三宅:今度は路線を変更して、ネットで噂の検索を。「旭川のボウリング場にあった」なんて噂が意外といろいろ出てきたので、その情報を頼りに片っ端から電話をしてみましたが、どこも「何のこと?」という反応で。
―雲をつかむような状態ですね...
三宅:もう途方に暮れながら...ゲームの筐体や基盤を販売する会社をいくつか知っていたので、今度は秋葉原へ向かいました。そこからはもう、刑事ばりの聞き込みですね。突然訪ねて写真を見せて、「このゲームを知りませんか」と(笑)
―ドラマでよく見るやつだ(笑)
三宅:でもそこはさすが秋葉原。見たことはないけど存在は知っている、という人がけっこういて。そしてある日、筐体の運搬会社の方が「友人のコレクターが持っていた気がする」と連絡をくださったんです。
―なんと!一気に近づきましたね!聞き込みの成果!
三宅:調べてみてもらったら、やっぱりあったと。そのコレクターの方はレトロゲームをコレクションしている方で、すぐに連絡をとって企画を説明し、今回ご協力いただけることになりました。
―ついに行き着きました。結局、どれくらいの期間かかったんですか?
三宅:見つかるまでに1ヶ月半くらいかな?電話と情報収集、そして聞き込みの日々で、大変でしたね。だから連絡をもらったときは「えぇ!!!」と大きな声が出ました(笑)。なんかもう、うれしいよりもびっくりしちゃって。
―そこからついに実物とご対面ですね?
三宅:はい、埼玉にある倉庫に行って、感動のご対面です。ありましたよ、探し求めていたものが。
三宅:元々、人形には顔も衣装もあったんですが、ボロボロで当時の面影もない状態だったので、資料を参考にしながら我々の手で復元させて展示することにしました。見つけて飾るだけではなく、そこまでやることに「文化の芽」の意義があるので!
(復旧担当スタッフからのコメント)
ある日、三宅さんにぼろぼろのボディの画像を見せられ、「これを復活させたいんだけど、、、」と相談を受けました。何とかしましょう!と資料を探すものの、インターネット上にも画像が少ない上に、正面を向いていなかったり画像が荒かったりで素材感やつくりがいまいちわからず...。手探りながらも図面を起こし、つくり方を模索し、ハンズと手芸店をウロウロして素材を集め、どうにか当時の姿に近づけて仕上げました。実際にご来場いただいたお客様によろこんでいただけると嬉しいです!
プレイは不可ですが...笑いの企画の象徴として展示します
―諦めずに探し続けられた、その原動力は何だったんでしょうか。
三宅:上司も私もバラエティ用品売場の出身で、イベントの際にはその象徴となるキャッチーなものが売場にないとダメだという考えを持っていました。だから「シンボルがないとイベントが成り立たない」という一心で頑張れましたね。
―店頭に展示されますが、実際にプレイはできるんですか?
三宅:画面が写って、音も出ますが、中の回路の復元は難しいので残念ながらプレイはできません。展示だけとなりますが、もちろんいっしょに写真を撮ったりはウェルカムです!
―梅田店のお客様なら、このゲームの存在を知っている方や、実際に遊んだことがあるという方もいらっしゃいそうですね。
三宅:そうですね!笑いの「場」が多様化した今、「一人ひとりの生活に笑いを」を提案するコーナーやアイテムが揃っています。テーマを「自分の笑いを自分でDIY」「笑ってもらえる楽しさをDIY」「みんなで笑い合える時間をDIY」「ひと味違う笑いの腕をDIY」の4つに分類し、ギャグ漫画やカードゲーム、おもしろ雑貨やイベント開催など笑い溢れるイベントが盛りだくさんです!
おわりに
バイヤーの苦労の末に見つけ出された「ナイス★ツッコミ」。当時を知る人には懐かしい、知らない人には逆に新しい、時代を感じさせる幻のゲームをぜひ店頭でご覧ください!
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