ハンズオリジナルの防災用品セットが登場!防災士の資格を持つバイヤーが自ら解説します

もしもの災害に備えて、防災用品の準備は万全ですか?準備が必要なのはわかっていても、何を揃えればよいのかわからない...という方もきっと多いはず。そんな方にもおすすめの3種類のハンズオリジナル防災セットが登場しました。今回は、その開発にも携わった、「防災士」の資格を持つバイヤーの大仲が、各セットの内容や特徴を自ら解説します!

どんなセットなの?防災士でもある大仲バイヤーに聞きました

―大仲さん、こんにちは。今日はハンズオリジナルの防災用品セットについてお話を聞かせてください。

大仲:こんにちは。ハンズ防災用品担当の大仲です。今回はハンズオリジナル防災セットをご紹介させていただきます!

ハンズ 防災用品担当バイヤー 大仲ハンズ 防災用品担当バイヤー 大仲

―ところで大仲さんがお持ちの「防災士(※)」とは、どんな資格なんですか?

大仲細かく説明すると難しくなりますが、簡単に言えば、地域社会のさまざまなところで防災にまつわる活動をする人です。こういう活動をしなさいという決まりは特にないんですが、私は小売業のバイヤーという立場なので、お客様に情報を発信したり、バイヤーとしてセレクトした防災用品を販売したりすることで、防災士として貢献できると思って取得しました。
※防災士:"自助""共助""協働"を原則として、社会のさまざまな場で防災力を高める活動が期待され、 そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人のこと。

―ハンズにおける防災用品の位置づけなど、現状を教えてください。

大仲:以前から大型店や中型店ではしっかり扱っていましたが、店頭での特集を必須化するなど、これからは小型店も含めて防災の提案や品揃えをさらに強化しようという流れになっています。お客様の意識も高まっていますので、我々もそれに応えなければいけませんね。

―近頃の傾向みたいなものはありますか?

大仲:今の防災は「スマホありき」の傾向が強くなっていて、モバイルバッテリーなどが注目を集めているところは以前と大きく変わったポイントですね。あと、やはり最近は衛生用品のニーズが高まっています。

ハンズ 防災用品担当バイヤー 大仲と防災セット

―そんな現状を踏まえてオリジナルセットをつくったと。

大仲:はい。本当に必要なものは何だろうと考えながら、いろいろな部署と議論を重ねて3つのセットをつくりました。それでは各セットを紹介します!

ハンズオリジナル防災用品セットその1〈自宅待機セット〉

大仲:都会暮らしの人が自宅を一時避難所にする場合に必要なものを揃えました。大きな災害が起きた時、必ずしも避難所に行くことが正解ではなく、場合によっては自宅に居た方が安全なケースもあるんです。住み慣れた家ならストレスもありませんしね。そんなメッセージも込めたセットです。

ハンズオリジナル 自宅待機セットハンズオリジナル 自宅待機セット 10,780円(税込)

大仲バイヤーによるアイテム解説

①手回し充電式ラジオライト
「USB付きでスマホも充電できます。容量的にフル充電は厳しいですが、万が一の時でも安心です。ラジオ、ライト、サイレンと多彩に活躍します」

②簡易トイレ(10回分)
「間伐材が主原料の凝固材を入れた簡易トイレです。ラベンダーアロマオイル配合の天然植物粒子が嫌なニオイも消臭します」

③フタ付きバケツ
「セットのケースも兼ねた、容量10Lの水汲み用のバケツです。耐荷重が180kgほどあるので、踏み台や椅子にもなります」

④除菌スプレー〈トラベルウォーター〉(100ml)
「除菌・洗浄・消臭が同時にできる、ハンズのキッチン用品売り場にある〈ベジセーフ〉という商品と同じ機能を持ったコラボアイテムです。たとえば水が止まった場合でも、これで野菜を洗浄できるんです。こういうアイテムは防災用品売り場にもなかったんですが、ぜひ入れようという話になりセットに盛り込みました」

⑤ウェットタオル
「30×60cmの大きめサイズなので全身をしっかり拭けます」

⑥ウェット手袋
「手にはめて髪を拭くだけで、水で洗い流す必要もなくシャンプーができます」

⑦不織布マスク(2枚)
「今は大体のご家庭にストックがあると思いますが、念のために予備として」

⑧ペーパー歯みがき
「水がなくても拭くだけで歯を磨けます。災害時は口内のケアがすごく大事なんです。ストレスや体力の低下で噛む力が弱くなると、食べたものが気管に入ってしまうことがあり、その時に口内が細菌でいっぱいだと、その細菌も気管に入ってトラブルを起こしてしまいます。あまり知られていませんが、実は災害時に多くて。そういう意味でも、これはマストで入れました」

―全8アイテム。このラインナップに決めた理由は何でしょうか。

大仲:一般的にライフラインの回復まで3日ほどかかるといわれているので、そこも意識しながら最低限必要なものを選びました。でも、このセットは家族の人数分揃えるというものではありません。食料品やガスコンロなど、ご家庭に合わせて必要なものをプラスしてそれぞれの対策をしていただければと思います。

―このセットはあくまでもベースということですね。

大仲:はい。特に水や食料はマストです。最低でも家族の人数×3日分(朝・昼・夜・間食)が必要といわれていますが、余裕があれば1〜2週間分備蓄しておくと安心ですね。防災食品に関しては、日常の中で少しずつ消費し、使った分を買い足しながら常に一定量を備蓄する「ローリングストック」を心がけましょう。

「ローリングストック」については、こちらの記事をチェック>>
人気チェーン店やメーカーの防災食品が登場!気になるお味をバイヤーがレポートします!

ハンズオリジナル 自宅待機セット説明 左:④こちらは、除菌スプレー〈トラベルウォーター〉。アルコールフリーで肌にやさしく、お子さまにもペットにも安心。ドアノブなどの消毒にも使えます。
右:③バケツの持ち手部分には、水を入れやすくするホース固定用の穴が付いています。

ハンズオリジナル防災用品セットその2〈帰宅困難者支援セット〉

大仲:災害が起きて交通機関がストップしたことを想定して、外出先から自宅へ戻る時に必要になるもの、活躍するものを揃えたセットです。

ハンズオリジナル 帰宅困難者支援セットハンズオリジナル 帰宅困難者支援セット 4,378円(税込)

大仲バイヤーによるアイテム解説

①防災用ウェットティッシュ(20枚入り)
「衛生面を考えて入れました。ひとつあればいろいろと便利に使えます」

②乾電池式充電器(電池別売り 単3乾電池4本使用)
microUSBケーブルが1本付いていますが、ご自身のスマホに合ったケーブルを別途ご用意ください。最新情報を得るためにはスマホが必須なので、こちらはマストで入れました」

③不織布マスク(1枚)
「予備として、こちらのセットにも1枚入れました」

④ショルダーエコバッグ
「セットのアイテムをすべて収納できるミニバッグです。普段からこれに入れて持ち歩いてもよいですね」

⑤すべり止め付き軍手
「道に落ちている木の枝や瓦礫をどかしたりする時に使う想定です」

⑥防災用簡易ライト
「電池不要で折り曲げると光り、10時間くらい明るさをキープするので、暗い道でも安心です。熱が起こらないので火傷の心配もありません」

⑦簡易トイレ(1回分)
「凝固剤入りで、水が止まっていても便器さえあればセットして用が足せます」

⑧防寒・防風アルミシート
「アルミ蒸着ポリエチレン製で保温性・保湿性も高く、体に巻きつけることで寒さがしのげます。サイズも大きめ(約213×137cm)。こういうシートにありがちなカシャカシャ音が少ないのも特徴です」

⑨大地震対応マニュアル&携帯用ホイッスル
「マニュアルには、地震発生時に役立つ情報が記載されています。また、助けを呼んだりする際に使うホイッスルは、音が遠くまで響くアルミ製です」

―こちらは全9アイテム。このラインナップの理由はなんでしょうか。

大仲:他にも必要なものを挙げたらキリがないんですが、家にたどり着くまでを想定して最低限のものを揃えました。理想を言えば、外出時にいつも持ち歩いてほしいです。あとは会社に置いておくなどですね。

―こちらはプラスαで他にも揃えるというより、これを持っていれば安心というセットですね?

大仲:はい。強いていうなら、他にはお菓子などがあるとよいですね。甘いものがあると気持ちも落ち着きますし。

―災害時に歩いて帰宅する時に気を付けることはありますか?東日本大震災の時も、人の波ですごいことになった記憶があります...

大仲:すごかったですよね...。私は、地震発生時はハンズ渋谷店の6Aフロアで勤務中でした。私はそのまま店内で一夜を過ごしましたが、テレビのニュースで渋谷駅前が帰宅困難者たちであふれかえっていたのを見て愕然としました。でも当時は、誰しもがそうするしかなかったのだと思います。あの頃に比べると、さまざまな経験を経た我々は、防災意識の高まりもあり、また自治体の防災に関する取り組みも進み、「どうするべきか」の判断がしやすくなっていると感じています。気を付けることというと、危険な場所に近寄らないなどはもちろんとして、他に大切なのは情報収集ですね。当時よりも情報を受信・発信するツールは進化していますから、その確保は欠かせません。

防寒・防風アルミシートとエコバッグ 左:⑧防寒・防風アルミシートは、大判サイズながら収納時はこんなにコンパクト。
右:④すべてが収まるショルダーエコバッグ。斜め掛けできるので歩く時にも邪魔になりません。

ハンズオリジナル防災用品セットその3〈車載防災セット〉

大仲:車での外出時に被災した際や、避難所に逃げることが困難で車をプライベートな空間として一時利用する際に役立つものを揃えたセットです。車中泊が注目されていますので、そういうニーズも踏まえてつくりました。

ハンズオリジナル 車載防災セットハンズオリジナル 車載防災セット 4,950円(税込)

大仲バイヤーによるアイテム解説

①非常用給水バッグ(3L)
「救助などが動き始めて、水を汲みに行く時などに使う想定です。手提げ穴が付いていて持ちやすいのも特徴です」

②A4ジッパーファイル
「セットのアイテムがすべて収まります。助手席の前のグローブボックスに入れることを想定して、このサイズにこだわりました」

③アルミLEDライト&ホイッスル
「手元を照らせる簡易的なミニライトと、危険を知らせる際などに使うホイッスルです。まわりに何もない暗い場所などで活用できます」

④アルミブランケット
「保温力に優れるアルミ蒸着です。約210×130cmとサイズも大きいので、吊り下げて車内の目隠しとして使うことも想定しました」

⑤ポンチョ付きトイレ(1個)
「ポンチョをかぶって隠しながら用が足せる、自立する簡易便器がセットになった緊急用トイレです。いかに人目を避けるかというのは大事なポイントなので、こだわってセットに入れました」

⑥携帯トイレ(3個入り)
「男女兼用で使える、吸水ポリマー入りの尿専用の簡易トイレです。ニオイを抑える成分も入っています」

⑦ロープ(5m)
「車内に目隠しをする際のカーテンレール代わりにしたり、洗濯物を干す時に使ったり。ステンレスピンチとセットで幅広く使えます」

⑧真空タオルセット
「タオルと軍手とマスクが真空パックになって入っています。特殊フィルムでパックされているので、ホコリや水にも強く、清潔に保管できます」

⑨静音アルミシュラフ
「こちらもアルミ蒸着で保温力の高い寝袋です。気になるカシャカシャ音が少ないので、まわりの人の眠りを妨げません」

⑩ステンレスピンチ(4個入)
「車内に目隠しをする際に使ったり、避難が長期戦になってしまった場合には洗濯物を干す時に使ったり。多様な活用法があると思います」

―こちらは全10アイテムですね。車をプライベートな空間として一時利用するというのは、どういうことですか?

大仲:倒壊の危険があるなどの理由で家の中には居られない、でも避難所にも行けない、といった時に一時的に車を避難所にするという考え方です。

―車で避難所に行ったけれど、中がいっぱいなので駐車場にいるというケースもニュースで見かけますよね。

大仲:そうですね、そういうシーンも想定しています。アウトドア的な要素も含めて、必要なものを考えてセットの内容を決めました。

―グローブボックスに入れておけるのはよいですね。他に、あると車内で便利なものはありますか。

大仲:シートを倒した際に敷けるマットですね。長時間、同じ体勢でいるとエコノミークラス症候群の危険もあるので、少しでも動きやすくするために。あとは使い捨てカイロとか、シガーソケット用の電源ケーブルとか、必要なものを各自でプラスしていただければと思います。
ひとつ忘れないでいただきたいのは、あくまでも一時避難場所だということです。渋滞が起こって緊急車両が通れなくなったりもするので、車を置いて避難せざるをえないときは、道路から外れた場所に移動しておく必要があります。また、 やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止めて、キーは付けたまま、窓を閉め、ドアはロックしない状態で避難をしてください。そうすることで所有者が不在でも、車を移動しやすくなります。

ポンチョトイレ

左:⑤「隠せる」にこだわってセットに入れたというポンチョトイレ。
右:⑨ロープを張ってアルミブランケットを吊すイメージ。断熱効果も期待できそうです。

東日本大震災から11年。防災を改めて考える、そのきっかけに

―防災用品は、どんなポイントを気にして選ぶとよいのでしょうか。

大仲:厳しい条件下でも使える耐候性があること。また緊急時に誰でも簡単に扱えること。あと私がすごく大切だと思っているのは、食料品をはじめ、日常使いができることですね。そして日常の中で使うことを考えると、室内に置いてあっても違和感のないデザインなども重要になります。いかにも緊急用、という雰囲気のものがリビングにどんと置いてあったらイヤですから。

―たしかに!

大仲:もちろん性能や実用性は第一ですが、そのあたりも考えるとよいと思います。

ハンズ大仲

―納得です。では最後に、お客様へメッセージをお願いします。

大仲:ハンズでは創業初期から防災用品を扱ってきました。阪神淡路大震災の被害に遭った三宮店(2020年閉店)では、被災経験をもとにスタッフが意見を出し合い、オリジナルの避難用品セットをつくったこともあります。そのDNAが受け継がれて、今回のセットも誕生しました。そんな歴史の上に生まれた商品なので、信頼して使っていただければと思います。
防災の備えがいかに大切か、自分にとって本当に必要なものは何か。今回ご紹介したセットがそれを改めて考えるきっかけになればうれしいです。必要なものは人それぞれ違います。防災用品だけでなくいろいろなものが揃っているハンズを上手に活用してください!

こだわりのポイントを動画でもチェック!

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おわりに

今回は、「これさえあれば」というアイテムが揃う、バイヤーの想いが詰まったハンズオリジナルの防災用品セットをご紹介しました。この機会に、日頃の防災意識を改めて見つめ直してみませんか?


特設サイトでは日常の中にさりげなく取り入れられて、いざという時には役に立つヒントやアイテムをご紹介しています!詳しくはこちら>>

ハンズ防災用品特設ページ

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