【新宿店】6F輝く足元商店  \革小物ケア/

皆様こんにちは。
新宿店6階『輝く足元商店』の藤田康雄です。

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前回は店頭で販売している靴クリーム3種類を実際に使用して、仕上がりの違いを見ていただきました。

※まだ読まれていない方はこちらから↓
https://hands.net/hintmagazine/staff/care/6f-24.html


今回は一度革靴から離れて、店頭でも定期的にお問い合わせをいただく【革小物】のケアについてお話しようと思います。

革小物とは、文字通り革製の靴以外の小物(財布やキーケース、バッグなど)を指します。
では、「革小物と革靴...同じ道具でのケアではだめなの?」と、お客様からよくお問い合わせがあります。

主にクリーナーや栄養クリームでのお話になりますが、靴と同じものを使用すると色落ちが起きたり油分が多いことによりシミになってしまったりする場合があります。それには使われている革の厚さや硬さが関係しています。
革靴に使用されている革は普段身に着けるものの中でも一番地面に近い場所で使用することもあり、頑丈な革が用いられています。そのため靴クリームにはそれに足りるだけの油分やロウ分がしっかり入っています。それに対して、革小物に使用されている革は繊維が緩く柔らかい物を使用することが多いので、油分がすぐに浸透してしまいます。それがシミになる要因の一つです。

革小物に使えるクリームはシミなどになりにくい様にできているものが多いので適材適所、それぞれに合ったケア用品を使用しましょう。

今回は新宿店シューケアマイスターの阿部の私物のキーケースを借りて実践していきます。

キーケースの中はこんな感じ。
before①▼
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鍵を入れていると黒い汚れが付着することが多々あると思います。
before②▼
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そして今回使用するツールがこちら▼
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(写真左から)
・M.モゥブレィ プレステージ ステインクレンジングウォーター 100ml 1,100円(税込)
・コロンブス ブリオクリーム 1,980円(税込)
・近藤 ハンディーホースヘアブラシ 550円(税込)

クリーナーは今回は液体の物を使用します。
こちらの商品は靴だけでなく革小物にも使用できる優しい洗浄力が特徴。1つ持っていると何かと便利です。


まずは馬毛のブラシでホコリを払います

小物の場合はファスナーや金具、装飾などが多く、そういった場所にはホコリが溜まりやすいです。
ホコリは革の油分を吸い取ってしまい乾燥などのトラブルの原因に。「境目」や「重なり」がある部分はより入念なブラッシングを心がけましょう。

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ブラシがけが終わったらTシャツ生地など軟らかい布にクリーナーを染み込ませ拭いていきます。
一回の使用量は大体指に巻いた布に500円玉1枚分程度。拭き取る際にもゴシゴシと力を入れすぎると色落ちや銀面(革の表面)が荒れるトラブルに繋がります。普段ご自身の顔を洗う時ぐらいの力具合が目安です。


汚れが落とせたらクリームで栄養分を革に入れていきましょう

クリームを塗るときは布、またはクリーム塗布用のブラシを使用します。塗布用ブラシは靴クリームを塗るときにも使用する方が多いと思いますが、実は革小物用に馬毛のブラシもあるのです。毛が少し柔らかいので、薄い革などデリケートなものにも安心してお使いいただけますよ。

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・左:M.モゥブレィ ペネトレィトブラシ 馬毛
・右:コロンブス クリーム用ブラシ 馬毛

革全体にクリームをしっかり塗りこめたらブラッシングをします

ここで使用するブラシも馬毛の方が革が傷みにくいです。(ただし、水分・油分がしっかり入っている革であれば多少力を入れてブラッシングをしても傷は入りません)
ブラシ掛けをすることでツヤが出てくるのと、表面に少し残ったクリームの除去ができます。使用したクリームによってツヤの出方は変わってくるので、気になる方は店頭でスタッフに確認してからお求めいただくことをおすすめします。また、よりデリケートな革には山羊毛のブラシがおすすめ。


最後に、柔らかい布(または専用グローブ)で乾拭きをして完成です

この工程ではブラッシングで除去しきれなかったクリームを取るのが目的です。表面を拭いて引っ掛かりやべたつき感がなくなるまでが目安。表面にクリームが残っているとそこにホコリがくっついて新たな汚れにつながってしまうので乾拭きはかなり重要な工程。丁寧にしっかりとやりましょう。

そして仕上がったのがこちら。
after①▼
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ブリオクリームはツヤが出やすく、シリコンが配合されているので表面もべたつかずサラッとした質感に。内側についた黒い汚れもこのように最初と比べて大分きれいに取れました。

after②▼
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本人に渡したところ「サラサラすぎてたまに持ってて滑る(笑)」とのことだったので、使用時は塗る量も調節した方がいいかもしれませんね。

革小物ってケア方法が分からなかったり、色落ちが不安で踏み出せなかったりという方も多いのではないかと思います。
でも実は使う道具が革靴より少なかったり、基本的に全部透明のクリームを使用するので道具の使いまわしができたり、今回のブログを読んで少しでも「思ったより簡単そう!」って思っていただけたら嬉しいです。

そして現在新宿店では【オンライン接客】サービスを実施中!
お店に行かなくても店主やシューケアマイスターから直接ケアのアドバイスやおすすめ商品を聞くことができます。外出を控えたい今の時期、ぜひ下駄箱を開けてお持ちの靴を綺麗にしてみませんか?もちろん靴だけでなく今回のような革小物などのご相談も承っております。

オンライン接客サービスについて詳しくはこちらから↓
https://shinjuku.tokyu-hands.co.jp/item/online-consultation.html

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おしゃれは洋服だけではないんです。
次回は涼しくなってきたので【スエードケア】についてお話ししようと思います。

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