【梅田店】11Fツクル・ナオスのお悩み解決商店 壁に穴をあけて棚を入れ込む「ニッチ」をつくってみました! 

こんにちは。
梅田店11Fツクル・ナオスのお悩み解決商店の岡田です。

壁の一部を四角く切って穴をあけて、壁の裏の空洞を利用して掘り込むように取り付ける棚を「ニッチ」と言います。

お気に入りの小物をディスプレイしたり、収納スペースを広げるためにつくったりと目的は様々ですが、 壁から出っ張らず壁の空洞部分を利用するのですっきりとした印象になります。

以前からこんなことを思っていました。

「ソファーの前の机に置いてある物を取るには、体を起こさないといけないからめんどいな~」

「ソファーの横の壁に小物を置ければ、もたれたまま取れるし便利やろな~」

「壁に棚をつけたら出っ張るからいややし、この壁ならニッチをつくれそうやな~」

と以前から「ニッチ」への願望がありました。

「でも木を切って箱をつくるのがめんどいな~」 という、とても「ツクル・ナオスのお悩み解決商店店主」とは思えない理由でつくっていなかったのですが、 たまたま「ニッチ」にピッタリの棚を見つけたので思い切ってつくってみました!

ニッチをつくる(取り付ける?)のはこんな場所です。この壁の下の方につくります。

umeニッチ【01 場所】.jpg

コレクションを見せる飾り棚ではないので、ソファーに座って取りやすい下の方でいいんです。

取り付けるのは高さ20cm×幅40cm×奥行12cmのこの棚です。壁の中の実際の空洞部分は12cmくらいが多いので、使えそうです。

実際の壁の中の寸法は壁を開けてみないと分からないので、現場合わせも必要になってきます。

umeニッチ【02 取り付ける棚】.jpg

リフォーム業者さんに見栄えのいいニッチをプチリフォームで頼むと、3~5万円くらいはかかるようです。

もちろん見栄えもいいし、置く物に合わせてつくってくれるので良いのですが、今回は何か物が置ければいいので有り物でつくります。

 必要なもの 

メジャー
マスキングテープ
下地センサー(これは絶対必要です)
養生シート(マスキングテープと新聞紙でも何とかなります)
電動ドリル(無かったらしっかりしたドライバーでも何とかなります)
カッター(大きい方がいいです)
石膏ボード用ノコギリ(無かったら金ノコの刃だけでも代用できます)
接着剤(木工用)
コーキング材(バスコーク等)
荒めの棒ヤスリ(荒い80番くらいのサンドペーパーでもなんとかなります)
掃除機

養生シートは「コロナマスカー」等の名前で販売されています。

今回はペンキ塗りではないので、あんまりしっかり養生せずに床が粉だらけになっても掃除機で吸えばきれいになります。

umeニッチ【03 コロナマスカー】.jpg

 ここで大切なお知らせをしておかなければなりません! 

必要なものをお知らせしてからで何なんですが、ニッチをDIYでつくるにはこんな危険があります!

①電線を切ってしまう

上の写真の壁にはにコンセントやらスイッチやらが付いていますよね。ですから壁の内部には電線が通っている訳です。
壁に穴をあける時にノコギリで電線を切ってしまうとえらいことになります。

②「筋交い」が壁の中に入っていた

筋交い(すじかい)とは、壁の強度を増すために石膏ボード裏の柱に斜めに取り付けられている柱の事です。

umeニッチ【3.5 筋交い】.jpg

「下地センサー」は、石膏ボードに密着している柱は見つけられますが、筋交いは石膏ボードに 密着していないため見つけられません。

特に一戸建ての木造住宅は注意が必要ですので、建築図面で確認しましょう。筋交いは家の強度を保つため必要なので絶対に切ってはいけません。

鉄筋コンクリートの集合住宅では筋交いはあまり入っていませんが、もしニッチを付ける場所に筋交いを発見したら、筋交いを避けて取り付けるか、潔くあきらめて開けてしまった穴の前に絵とかカレンダーを掛けましょう。

壁に開いた大きな穴をふさぐ方法もあるのですが、それはまた別の機会に。

③壁の中に断熱材が入っていた

外壁に面する壁には必ず断熱材が入っています。ですので外壁に面する壁にはなるべくニッチを付けない方がいいです。

外壁に面していない壁にも断熱材が入っている場合がありますが、その場合は周囲に押し込んでニッチを取り付けてもさほど問題は無いでしょう。

外壁に面する壁の断熱材をよけてニッチを取り付けると外の温度がその部分だけ断熱できなくなります。

冷房暖房効果が下がりますし、場所によっては冬は結露するかもしれません。

今回は①の危険がありますが、電線は基本的にスイッチ等から上に向かっているので、スイッチ等の下方向でニッチをつくるのは大丈夫でしょう。

下のコンセントが心配なので、なるべくコンセントから離れた場所から壁を切る作業をしてゆきます。

umeニッチ【3.8 壁のコンセント周り】.jpg

では作業に入りましょう。

家の施工方法は色々あるので、ニッチをつくりたい壁を「下地センサー」で調べて柱の場所を調べます。

右が電気で調べるタイプ。左は針を刺して手ごたえで調べるタイプです。

広い面を調べるには右の電気で調べるタイプがお勧めです。

umeニッチ【04 下地センサー】.jpg

使い方は、まず壁に押し当ててスイッチを押すと緑のランプが点きます。

umeニッチ【05 使い方緑】.jpg

そのままスライドしていくと、壁の裏の柱を発見したところで赤い光が出ます。

umeニッチ【06 使い方赤】.jpg

更にスライドすると、柱の無くなったところで緑に戻ります。赤く光っている間が、柱がある所です。

この様にマスキングテープを貼って、裏に柱のある位置にしるしを付けます。

umeニッチ【07 計測】.jpg

赤い斜線の部分が裏に柱がある部分です。縦には柱は無いようです。

umeニッチ【08 柱の位置】.jpg

はめ込む箱のサイズをマスキングテープで縁取りします。赤い斜線の所が壁に穴をあけるところです(あけ始めちゃった写真ですが)

umeニッチ【09 壁開け位置】.jpg

いよいよ壁を切り取っていきます。まず小さな穴をあけて、そこにノコギリを入れて切っていきます。

電動ドライバーで穴をあけるのが一番ですが、無い場合はしっかりした手動のドライバーでぐりぐりしてあけられない事もありません。

umeニッチ【10 ドライバーで穴あけ】.jpg

先に石膏の粉が付くので、後で必ずとって下さい。錆びやすくなるような気がしますので。

umeニッチ【11 ドライバー先】.jpg

石膏ボードは大型のカッターでも切れない事はありません。施工の職人さんは現場でカッターで切れ目だけ入れて、叩いて割るそうです。

カッターで四角くくりぬいてみました。カッターでも切れないことはなさそうです。

umeニッチ【12 カッターで】.jpg

本格的に切っていきます。マスキングテープで囲ったところをカッターで切れ目を入れます。

石膏ボードを切ったときに表面の切り口をきれいにするためです。

umeニッチ【13 切れ目】.jpg

石膏ボードを切るには「ボードのこ」「引き回しのこ」等がいいのですが、無かったので 「金ノコ」の刃だけを使って切りました。

刃を直接持って作業しましたが、意外と手は痛くありませんでした。でも布かなんか巻いて持った方が安全です。

umeニッチ【14 金ノコ】.jpg

まず切断する線に沿って、穴を3個くらいあけます。

umeニッチ【15 穴3個】.jpg

カッターで、切断する線に沿ってノコ刃を入れられるようにまっすぐに削ります。

umeニッチ【16 カッター切断線】.jpg

金ノコの刃を入れて切ってゆきます。

umeニッチ【17 金ノコで切る】.jpg

石膏は木より柔らかいので切りやすいです。四角く板が外れました。

umeニッチ【18 外れる】.jpg

壁の内部を撮影してみました。上向きに撮影しています。

左に伸びているコードはコンセントにつながるコードです。

端っこに留められていたので、コードを切らずに済みました。

umeニッチ【19 内部上】.jpg

壁の内部を下向きに撮った画像です。何かの容器のようなものが見えます。

白い粉は石膏ボードを切ったときの粉です。気になるので中に手を入れて容器を取り出してみます。

umeニッチ【20 内部下】.jpg

取り出してみるとリアルゴールドの空き瓶でした。

職人さんが2人で休憩の時に飲んで空き瓶を置き忘れたまま作業してしまったのでしょうかそれとも見えないからここに捨てちゃえだったのでしょうかその方は今頃どうしているのでしょうかそれよりも気になるのは他の場所にも何か置いてあるのではないでしょうかそれともこれは何か未来に向けてのメッセージだったのでしょうか私はそのメッセージを受け取れたのでしょうか。

二十何年か前の忘れ物を見て、しばし感慨にふける時間を過ごすことが出来ました。

umeニッチ【21 リアルゴールド】.jpg

作業に戻りましょう。ほんの少し小さめに穴をあけたので、やすりで削ってピッタリに調整します。

粗めの棒ヤスリがあると使いやすいですが、なければ粗めの(60番か80番くらい)サンドペーパーでもできます。

umeニッチ【22 ヤスリ】.jpg

壁の内部の奥行きが予想より深く、このままでは棚が中に落ちてしまうので、急遽かさ上げをつくります。

切り取った石膏ボードを3つに切って重ねるとちょうどいいようです。

石膏ボードを切るのは、切れ目を入れて叩けば簡単に割れます。

umeニッチ【23 石膏ボード割る】.jpg

見た目は良くないですが、見えないところなので良しとしましょう。

3枚を木工用ボンドで貼り付けて、壁内部の奥に貼り付けます。

umeニッチ【24 かさ上げ】.jpg

umeニッチ【24 かさ上げ】 (2).jpg

棚の背面に接着剤を塗って押し込みます。

ようやく収まりました。壁から8㎜くらい出て収まっていて、ちょうどいい出幅です 。

このあたりは壁に穴をあけてみないと分からないので、現場合わせも必要です。

umeニッチ【25 仮止め】.jpg

まわりの隙間をコーキングします。隙間があまり大きくなく取り付けられたので、細めにコーキングします。

umeニッチ【26 バスコーク】.jpg

まずマスキングをします。

マスキングテープの間の幅でコーキングの幅が決まりますので幅は一定になるように。

ここからは内装の仕上げになってくるので、丁寧に行っていきます。

マスキングテープが浮いているとすきまにコーキング材が入ってしまうので、しっかり貼り付けましょう。

umeニッチ【27 マスキング】.jpg

付属のノズルの先をカットします。細く出す場合は、すこし斜めに切るとやりやすいです。

umeニッチ【27 ななめに切る】.jpg

ノズルの先から絞り出して塗っていった後、付属のヘラで押さえて 余分なコーキング剤を取ります。

水で濡らした指でやってもけっこう上手くいきます。

コーキング剤が足りなければ、足しながら押さえていってください。

umeニッチ【28 ヘラ】.jpg

一周コーキングができました。 完成までもう少しです。

umeニッチ【29 コーキング完成】.jpg

慌てなくてもいいですが、固まらない内にマスキングテープを外しましょう。

umeニッチ【30 マスキング外す】.jpg

これで完成です!

今まで壁だったところが棚になって、なんだか変な感じがして笑ってしまいました。

umeニッチ【31 完成】.jpg

壁全体だとこんな感じです。やっぱりなんだか笑っちゃいます。

umeニッチ【32 完成全体】 (2).jpg

材料を集めたり下地を調べたりと準備はいろいろと時間がかかりましたが、実際に作業を始めてからは2時間くらいでできました。

実はこのニッチは家人に無許可でつくりました。

無許可でやったけどお咎めナシだったからヨシ!

umeニッチ【33 店主】補正.jpg

最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

過去の【梅田店】ツクル・ナオスのお悩み解決商店のブログはこちらです。

https://hands.net/hintmagazine/11f-umeda-staff/

梅田店オカシュー

「これ、自分で直せないかな」「これ、もっと使いやすくできないかな」それ、できるかも!ちょっとぐらい失敗したって、自分でやったことなら納得できるはず。チャレンジするDIY心を持つ方を精一杯応援いたします。

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