スタイリッシュな文具やインポートの雑貨を扱うデルフォニックス。今回、ブランドの中でも特に人気の高いロルバーンシリーズの手帳について、あれこれと聞いてきました!お話の中では滅多にお目にかかれない内部資料も登場して...人気の手帳の裏側をレポートします!
ロルバーンダイアリーの歴史をひもといていく!
倉庫を改築したという本社前で、今回お話を伺ったデザイナーの黒本さん(左)と広報の田中さん(右)をパシャリ。
―それでは、よろしくお願いします!さっそくですが、現在展開されているロルバーンダイアリーについて、開発の経緯を教えていただけますか?
黒本:はい。手帳自体は、会社設立当初からつくり続けているアイテムなんですが、私が入社した12年前に手帳の将来性を考えて新しいものを発信していかないと、という話がありまして。そこで自分たちが使いたい手帳を企画しようという話になったのが、ロルバーン ダイアリーの発端ですね。
―ロルバーンシリーズで本格的に手帳に取り組んでいこうと。
黒本:一番初めに企画したものは、「ロルバーンのメモ帳の巻末にカレンダーを入れたもの」くらいの発想だったんですけどね。そこから細部をブラッシュアップして、2008年版の1月始まりに、Lサイズのみの展開でスタートしました。
こちらがLサイズの手帳。
黒本:ちなみに、2008年のときの仕様書というのが、こちらになります。
こちらが、ロルバーンダイアリーがはじめて登場した際の仕様書。初公開!
―すごい。これがロルバーンダイアリーの最初の設計書ということですね!
黒本:いろいろ考えていく中で、年間スケジュールを付けたり、要らないページを切り取れるようにミシン目を付けるなど、当時の私が手帳を使うとしたら、という自分たちをターゲットとした考えが反映されています。この頃はとにかく重くなったり、いらなくなったものを持ち歩くのがイヤだったんですよね。
黒本:マンスリースケジュールとメモのみの構成で、当時で考えてみると、かなり簡素化された手帳でした。ただ、ありがたいことに発売当初から好評をいただきまして。翌年には、もう少し長く使えるように、1月始まりから10月始まりに変更するなど、かなりスピーディに展開していきました。
―予想していたよりも、人気に火が付くのが早かったと。
黒本:想像以上にハイペースでしたね。次のシーズンに発売した3月始まり版では、さらにコンパクトなモデルを出したりもしました。その後も、好評をいただくうちに手帳としての使いやすさを追求しようということになっていきました。
―機能面もスピーディに充実させていったんですね。
黒本:そうですね。日曜・祝祭日の色分け、表記する言語や一年の雑節の表示についても徐々に整えながら、今に至るといった感じです。
初期の仕様書と現在の手帳を比較して。機能が徐々に充実していったことがわかります。
黒本:もちろん、ちょっとしたリニューアルは毎年していますが、2015年版からほぼ今の形になっています。ここが節目の年でした。
カラーやデザインの変遷にロルバーンのこだわりを見た!
―ロルバーン ダイアリーといえば、毎年色とりどりのカラーやデザインの表紙が印象的なのですが、どのようにお決めになるのでしょうか。
黒本:カラーに関しては、イエローとダークブルーはロルバーンシリーズの定番カラーとして一番初めからありまして。
こちらが、ロルバーンの永遠のスタンダードカラー、ダークブルーとイエロー。もちろんオリジナルカラー。
黒本:そこに赤系、白系、黒系を加えて、おおよそ基本の5色を固めて。あとはそのときの旬な色をプラスしていく感じですね。
―基本は5色でしたか。
黒本:あとはユニセックスな商品なので、女性っぽさ、男性っぽさが偏らないように、というところは意識しています。なので、ラインナップのバランスがいい感じに見えていても「男性が買える色はある?」というような話を必ずするようにしていますね。
―デザインについては、黒本さんが担当されるんですか?
山の風景がデザインされたシリーズ。たしかに、男性にも女性にも喜ばれそうです。
黒本:私も担当しますが、例えば、このマウンテンに限って言うと、初めに案を出したのが私で、デザインは別のデザイナーが担当しています。2年ぐらい前に一度構想はあったのですが、その時は他の商品に似たようなデザインがあってやめたという経緯があって。それを今年、「やっぱりやりましょう」と形になりました。
―デザインのバリエーションは、どのように決まるのでしょうか?
黒本:1年を通じて、毎週必ず商品会議をしながら、進めたり、決めたりしていきます。この会議は、関わるメンバーが一番エネルギーを注いでいるところです。毎シーズン30〜50案くらいは出し合うんじゃないかなと。
―その量のアイデアを、1年通して出し続けるのはすごいです!
黒本:みんなの出したデザインから、バリエーションが同じに見えないように、かつ、それぞれの世界観が壊れないように。でも、一個一個の良さが失われないようにと、取捨選択や調整にはやはり時間をかけざるを得ません。
田中:商品会議の日は、ここに打ち合わせは入れられないなと、社内でも暗黙の了解があります(笑)。
―そういった努力から毎年新しいデザインが生まれるのですね!中でも人気のカラーやデザインはあるのでしょうか?
黒本:ロルバーンは先ほども申し上げたとおり、本当にイエローとダークブルーが強いんです。
―定番がしっかり固まっていると。
田中:表紙のカラーインクはオリジナルで調色しているんです。
黒本:ここの2色は本当に変えていませんね。そこに、メタリックのような、ロルバーンのテイストからちょっと外れるような、やや奇抜なものを入れることで、全体のスパイスになっている部分もあるのかなと思っています。
―それも全体のバランスの一つということなんですね。
黒本:若いユーザーの方も増えてきていますので、フルーツをモチーフにしたポップなデザインなど、これまでになかった方向性も求められていると感じていますね。
デジタルとアナログを併用してみるという提案
―今、手帳と一言で言っても、使い方がすごくさまざまだと思います。スマホでもスケジュール管理ができますが、12年やってこられて市場の変化などをお感じになりますか。
黒本:もちろん感じます。その中で今、重きを置いて考えているのはスマホやデジタルデバイスとの併用です
―共存とも言えそうですね。
黒本:アナログの良さは絶対にあるので、その良さをデジタルを使っている人にも分かってもらえるように、使い方も含めて提案したいなと。その意味で、ホチキス綴じのロルバーン ノートダイアリーもおすすめです。軽量な為、メモと手帳、2冊使いなどもしやすいと思います。
―黒本さんご自身は、どんな使い方をされているんですか?
黒本:2019年版で初めて、ノートダイアリーにガントチャートが付いたタイプを発売したのですが、テストを兼ねて、この機能をよく使っていますね。使い方としては、仕事のタスクごとにタイトルを入れて、サンプルアップや締め切りなど、外せないスケジュールの目安を書き込む感じですね。他にも、ファミリーダイアリーのように、家族それぞれのスケジュールを書くといった使い方もできますよ。
―全体を一度に見返すことができるのは便利ですね。
黒本:日々の仕事のスケジュールは、弊社でもグループウェアを導入しているので、細かい予定はそちらで見るようにしています。
―なるほど。それが黒本さん流の併用ということですね。田中さんはいかがですか。
田中:私も黒本と同じで、時間軸の細かい予定はGoogleカレンダーなどを使って管理し、大まかな予定は手帳で。アナログの良さとしては、パッと開いて予定が確認できる一覧性、検索性の高さがあると思います。
―オススメしたい使い方などはあるのでしょうか?
田中:今まさに、「HOW TO USE Rollbahn DIARY」という動画(※)をリリースしていまして。例えば、ダイアリーを立ててto doボードがわりにしたり、スリムサイズの手帳はスマートフォンと一緒に持ち運びやすいサイズだということを紹介したりしています。
黒本:今は、恐らく買い物もそうなんですけど、みなさんがアナログとデジタルのバランスを模索しているところだと思うんです。実店舗はもちろん、ECも利用しているというような。手帳も同じことが言えるのかなと思っていて。なので、併用というところを考えながらも、アナログの使いやすさという部分はさらに考えていきたいなと思いますね。
※「HOW TO USE Rollbahn DIARY」 動画はこちら>>
広がる、「#ロルバーン沼」
―最近では、ロルバーン ダイアリーを受験用のノートとして使う人が増えていると聞きましたが。
田中:そうですね。SNSでも、#勉強垢などハッシュタグをつけて投稿してくださったりする方をよく見かけます。
黒本:あとコアなファンの方は、使わないけどコレクションしてくださったり。ロルバーン沼って呼ばれているみたいです(笑)
―沼、ですか(笑)
黒本:そうです。Instagramでロルバーン沼ってハッシュタグが付いていて。そんなに持っていても使い切れないのではというくらい、メモや手帳を並べた写真をアップしてくださる方もいて。
―それはうれしいですね!
黒本:そうですね。気に入ってくださっているんだなと感じます。
―それに、価格的にもかわいい沼じゃないですか。
黒本:そうおっしゃっていただけると...。1冊数百円のものからありますし。
田中:ダイアリーではないのですが、地方の直営店舗では限定のロルバーンもあって、それを買い回ってくださる方もいるんですよ。
―それはお土産としても面白いですね。私も立ち寄ることがあれば、チェックしてみたいです。
黒本:すでに片足を突っ込んでますね、沼に。
―(笑)。さて、そろそろお時間が。最後にロルバーンファンの方々へ、一言いただけますか?
黒本:そうですね。ロルバーンは使ってよかったからリピーターになった、というお客さまが非常に多いので。まずは一度使ってみていただきたいなと。今、バリエーションも豊富になっているので、ご自身の使い方にマッチするものを探していただくということも、楽しみの一つになるんじゃないかなと思います。
田中:初めての方に使っていただきたいのはもちろん、既にご愛用いただいている方に対しても、意外と知らない中身の特徴とか、こういう使い方があるんだ、というような発見のあるコンテンツを提案していこうと思っています。そこからまた新しいロルバーンの魅力に気づいてもらえればうれしいですね。
―本日は、本当にありがとうございました!
おわりに
ブランド名である「ロルバーン」という言葉は、ドイツ語で「滑走路」のこと。これから新しいことを始めたい、新しい環境に挑戦したい。そんな方々の飛躍をきっとサポートしてくれる一冊だと思います!ぜひ一度、東急ハンズの店頭でチェックしてみてください!
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