hands+ TRAVEL 軽量スーツケースに込めた想い

hands+(ハンズプラス)は、暮らしを彩るアイテムに、新しい価値をプラスした東急ハンズオリジナル商品です。
お客様や商品知識豊富なスタッフの声を反映した商品づくりは、東急ハンズだからこそできること。
細部にまでこだわって作ったhands+ TRAVEL 軽量スーツケース誕生までのストーリーを、商品開発チームにインタビューしました。
hands+について詳しくはこちら

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商品企画課の永松(右)と薮下(左)

永松秀一
2008年入社。MD企画部商品企画課にて、hands+をはじめとするオリジナル商品やコラボレート商品の企画を担当。

薮下浩史
1991年入社。東急ハンズ渋谷店にて、自転車、バス・トイレタリーを担当した後、外商部にて法人外商を担当。 2009年よりMD企画部商品企画課。永松と共に、オリジナル商品やコラボレート商品の製作を担当。

1. 3万円の品質を1万円台で実現

──軽量スーツケースで特にこだわった部分はどこですか?

─永松
「軽さ」ですね。
店頭でスーツケースを選んでいるお客様を見ていると、皆さん持ち上げて重さを確かめているんです。

移動の時は少しでも軽い方がいいですし、機内持ち込みの総重量は決まっている訳ですから、
スーツケースが重いと、その分荷物の量が減ってしまいます。

だから「軽い」というのは、「ハンズオリジナル」として作るからには必須条件だと思いました。

それで、様々なメーカーのスーツケースを片っ端から持って確かめてみたんですが、
40Lクラスで2kgのものを持ったときに「これは、軽い!」と感じたんです。
すごいなぁと思ったんですけど、値段を見たら3万円強の価格だった。
この軽さを、1万円台で出せたら、と思ったんです。

永松

hands+の企画を担当する永松

──3万円のものと同じ軽さで1万円台ですか?

─永松
元々オリジナル商品に限らず、東急ハンズが目指しているのは「しっかりとした品質のものを、お求めやすい価格で揃える」こと。

「このスペックのものを、この価格で欲しい」というお客様のニーズと、
「このスペックのものを作るにはこれだけの費用がかかる」というメーカーの事情のギャップを埋めることができたら、
ハンズが作る価値があると思ったんです。

─薮下
私は、そんなのできません、と言いました(笑)

企画の永松さんにはいつも無理難題を言われるのですが、
それをどうやって作ろうか、という製作部分を私が担当しています。

せっかく作るのなら、お客様のニーズに合った、細部までこだわりのあるものを作りたい。
でも数々のお題をクリアしながら1万円台に収まるように作るのは大変でした。

──「軽さ」はどうやって実現したんですか?

─薮下
まず、ボディを軽くするには、ポリカーボネートという素材を使わないといけないんです。
ポリカーボネートは強いので、薄く加工することができます。
そのポリカーボネートを三層構造にするとより一層強くなります。

ポリカーボネート製と書いている商品でも、ポリカーボネート、ABS、ポリカーボネートの三層構造のものも多いのですが、
三層ともポリカーボネートにしたことで、軽く、強くなっています。

ここでまた永松さんに無理難題を言われました(苦笑)

──「軽さ」と「価格」以外にどんな無理難題があったんですか?(笑)気になります!

─薮下
たとえば「キャスター」ですね。ヒノモトという日本のメーカーのものを使っています。

キャスターのメーカーなんて、ほとんどのお客様は意識していないと思います。
でも、ハンズのスーツケース担当のスタッフは、
スーツケースにつけるキャスターは「ヒノモトじゃないとダメだ」と言うんです。

ヒノモトのキャスターは中にグリスが入っていて、格段に滑りがよく、耐久性もあるので、ヒノモトは必須条件だと。

キャスターにはヒノモトの文字

──各店のスーツケース担当スタッフの意見も取り入れているんですね。

─永松
もちろんです。
毎日様々なスーツケースを接客・販売してきたスタッフのみんなの意見を取り入れて作れるところが、ハンズの強みです。
お客様のニーズと商品知識両方の蓄積があるので。

──他にはどんなこだわりが?

─永松
「色」ですね。この「ありそうで他にはない」色を出すのに苦労しました。

─薮下
普通は既存の色つきのフィルムでコーティングをして色をつけているんですが、
このスーツケースはフィルムに色を練り込んで作っています。
だから、絶妙な色が出せる。他のメーカーにはなかなかない色だと思います。

──色の話で、気になっていたのですが、なんでブラックがないんでしょうか?

─薮下
こだわったんです。
「ミッドナイトブルー」という非常に濃いネイビーはあるんですが、黒はあえて作りませんでした。

─永松
黒は、他のメーカーにもたくさんあるんですよね。だからこそやりたくなかった。
黒がほしい人も、青が好きな人も「この色いいね」と思ってもらいたくて、「ミッドナイトブルー」を作りました。
スーツケースは他の人と色が違う方がいいんです。
空港で、見つけやすい方がいいじゃないですか。

でも他の人が持っていない新しい色で、「持ちたい色」って難しいんです。
奇抜な色にしてしまったら持ちにくくなってしまいます。

ミッドナイトブルーのスーツケース

─薮下
あと、スーツケースは家族みんなで使う人が多いので、性別年齢問わない色にしようと心がけました。

─永松
このスーツケースの色はなかなかなくて、持ちにくい色でもない。いい色になったと思います。
そこで、パーツも色を合わせたいと思いました。

──わりと普通のことのような気がしますが…。

─永松
パーツごとに素材も硬さも違うので、同じように着色しても同じ色にはならないんです。
でも、色が合ってるほうがいいじゃないですか。
他のメーカーのスーツケースを見ると、持ち手は黒が多いんですが、持ち手もキャスターも全部ボディの色に合わせたかったんです。

─薮下
試作品を何度も作って、ようやくこの色が出せました。

留め具やファスナー周りもミッドナイトブルーに統一

2. 決め手は、こだわりが詰まった内装

──hands+のスーツケースを選んでもらえている理由って何だと思いますか?

─永松
スーツケースって、予算を決めて買いにきている人が多いと思うんです。
なので、同じ価格帯の商品を比べて探すんですけど、軽さに加えて決め手になるのは中身かなと。

中を見て下さいよ、と見せると
まず、内側に模様がついていることにビックリされます。

内装生地は撥水が効いていて、汚れがつきにくく、汚れがついても拭き取りやすくなっています。

ギンガムチェックの内装生地

──液体の入ったボトルを入れたりするので、撥水が効いているのはいいですねぇ。

─永松
荷物の押さえもバンドで留めるのではなく、生地で全面を覆っているので、
空港で開けても中身が見えません。

あと、こちらは抗菌防臭、静電気を防止するテープです。

──この小さなテープにそんなにたくさんの効果があるんですか?

大きさは約5cm×2cm。小さい!

─薮下
はい。

─永松
このポケット部分は、中に入れたものを「浮かせて守る」設計になっています。
反対側のカバーにも、クッションが入っているので、衝撃をやわらげます。

─薮下
底部分にもクッションが入っています。

クッションが入っていることで転がして移動しても、
スーツケースの中で荷物が暴れてうるさいこともないんです。
キャスターの部分も、このクッションで衝撃を軽減して壊れにくくなっています。

このスーツケースは、細かいところを色々とこだわったからお客様に響いたんだと思っています。

製作を担当する薮下

3. お客様の声があってこそできること

─薮下
小売業がものづくりをするメリットは、様々なメーカーの商品やお客様の声など、
色々なモノ・コトを参考にできるところだと思います。

─永松
小売業の商品担当って、自分たちで作れるわけではないんです。
お客様の代表としてメーカーさんに希望を伝えて、作ってもらう。
お客様の声があってこそ、できることだと思います。

─薮下
店舗にいるスタッフの声も、基本的にはお客様から頂いた声ですからね。

勉強会をする時に、スタッフから色々と意見がでますが、
それもお客様の声を代弁しているんだと思います。

──試作品の段階でスタッフには見せているんですか?

─永松
はい、色んな声をもらって、参考にしています。

ハンズのスタッフは、知識が豊富な人が多いんですよね。
さっきのヒノモトの話じゃないですが、「このキャスターじゃなきゃダメでしょ!」と言える人がいるんです。

「このスーツケース、あそこの工場で作っただろ」と言い当てたスタッフがいました。

─薮下
あれはビックリしましたね。

─永松
お客さんにはわからないくらいマニアックなこともよく知っています(笑)
なので、わからないことがあれば是非スタッフに尋ねてください!

──はい、お答えできることはたくさんあるので、どんどん質問してください!!!



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