職人の手で思いをこめてつくられた「こだわりの日傘」が、新たに「Hand Marks」から登場

「もっと、ものを育てよう。」をコンセプトにしたハンズのプライベートブランド〈Hand Marks(ハンド マークス)〉。そのラインナップに新たに加わったのは、今度は「日傘」。その製造元の傘職人と担当者に、こだわりのポイントや特徴、そして傘づくりに込めた思いなどを聞きました。

目次
1.職人の技が生む、こだわりの日傘の魅力とは?
2.いずれも職人の技が光る、シリーズのラインナップは3種類
3.もっと知ってほしい「傘職人」のこと。その現在と未来について

日本製、そして天然素材。職人の技が生む、こだわりの日傘の魅力とは?

国産を中心とした産地や素材にこだわったもの、生産者や職人の技術を生かした製品など、長く愛着を持って使い続けられるアイテムを展開する〈Hand Marks〉。そのラインナップに新たに加わった〈職人がつくったこだわりの日傘〉について、製造元である柴田株式会社の皆さんにお話を伺いました。

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Hand Marks 職人がつくったこだわりの日傘
左:かわず張り 9,900円(税込)
中:トーションレース 8,250円(税込)
左:エスクール 6,600円(税込)
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※いずれも晴雨兼用パラソル
※一部店舗ではお取り扱いのない場合がございます

2204_hm-higasa_02.jpg写真左から
柴田株式会社
傘職人 東さん、大谷さん、飯田さん
営業担当田中さん

―〈職人がつくったこだわりの日傘〉シリーズの特徴を教えてください。

田中さん:職人がつくる日本製というところが一番ですね。弊社は1936年に大阪で創業し、当時から職人の手による傘を扱ってきましたが、パラソルや兼用傘を安定して生産できる国内の会社は今は極めて少ないので、貴重だと思います。

大谷さん:天然素材の生地を使っているのも特徴です。古くから、関東ではポリエステルなどの生地を、関西では綿や麻などの天然素材を使っていたという、日本の傘づくりの歴史にもつながりますね。

東さん:他に共通の仕様として、中棒に白木を使って高級感を出しました。ハンドルも質感や見た目にこだわって、寒竹や楓を使用しています。また、親骨は鉄製です。近年はグラスファイバー製が主流ですが、天然素材の生地の重みをバランスよく支えるために鉄を採用しました。

―なるほど。では、職人ならでは、というポイントはどんなところでしょうか。

飯田さん:例えば、親骨の先端と生地が縫い付けられている部分の「露先(つゆさき)」は、海外製などは機械仕上げのものが多いのですが、しっかりと手縫いで固定して仕上げています。

大谷さん:生地の内側と親骨1本1本を縫合する「中綴じ」も手作業で行っています。手間はかかりますが、そういう細かな部分や見た目の美しさ、技術の高さが、職人技ならではの魅力ですね。2204_hm-higasa_03.jpg実際の作業の様子。生地の裁断や縫製、そして「中綴じ」も手作業で行われています。

いずれも職人の技が光る、シリーズのラインナップは3種類

―ラインナップは3種類ありますが、それぞれの特徴を教えてください。

大谷さん:まず「かわず張り(蛙張り)」は、傘の内側にも生地を張った2重のデザインが特徴で、「蛙の手」に似ていることからその名が付けられた製法です。

2204_hm-higasa_04.jpgHand Marks 職人がつくったこだわりの日傘
かわず張り 9,900円(税込)
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東さん:見た目も特徴的ですが、内側に生地を張ることで親骨がむき出しにならないので、よくある「骨に髪の毛が引っかかる」というお悩みを解消できるメリットもあるんです。

飯田さん:2つの生地の伸び方が異なるので、試し張りでは上手くいっても、いざ両方を合わせてみると一方が弛んでしまうことがあって、技術的にはその調整が難しいポイントですね。

大谷さん:生地に関しては、表側はポリエステル、内側は綿という異なる素材を使っています。間に空気の層ができ、熱をダイレクトに受けずに済みます

田中さん:シリーズ3種類に共通して言えますが、天然素材の生地なので傘自体が熱を吸収して放出する効果もあり、言わば"呼吸する傘"といった感じですね。

―では続いて「トーションレース」にはどんな特徴が?

飯田さん:イタリアのトーション地方で生まれた、細幅で服の袖や衿の飾りなどによく使われる粗い網目模様の「トーションレース」を、綿麻生地の傘本体のまわりに縫い合わせています。2204_hm-higasa_05.jpgHand Marks 職人がつくったこだわりの日傘
トーションレース 8,250円(税込)
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大谷さん:レースの目が粗いので、本体との縫い合わせが意外と難しいんです。でもきれいに揃っていないと段差ができたり、波打ったりするので、そこは腕の見せどころですね。つくるときには2種類のミシンを使い分けています。

東さん:あと見てほしいのは先端の根元部分の「菊座」です。本体と同じ生地で「ラップ巻き」という技法を使い包むように仕上げています。手作業ならではの魅力として注目していただきたいですね。2204_hm-higasa_06.jpg
こちらがこだわりの「ラップ巻き」。デザインのアクセントにもなっています。

―では最後に「エスクール」とは?

大谷さん:綿素材の生地に、UVカットや遮熱効果のある材料を入れたアクリル樹脂をコーティングしています。この加工を「エスクール加工」といいます。紫外線遮蔽率99%以上で、遮熱効果も実証されていて、天然素材でこういう加工の生地は珍しいですね。2204_hm-higasa_07.jpgHand Marks 職人がつくったこだわりの日傘
エスクール 各6,600円(税込)
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飯田さん:その加工を施しているために普通の綿生地よりも少し固めで伸び方も違うので、そこは縫製する際に少し苦労しますよね。普通の綿生地とは違って、その都度、型を変えながらつくっています。

東さん:あとは華やかな色柄も特徴です。ちなみに今回のシリーズの色柄は、ハンズさんの若手女性社員の皆さんの意見で選ばれました。伝統的な技術と若い女性の感性が融合されたようで、なんだかうれしいですね。

―これらを長く使うためのアドバイスをお願いします。

飯田さん:濡れたまま畳んで放置するとニオイの元になりますし、骨も傷んでしまうので、雨の日に使ったら必ず陰干しをしてください。それと、ハンドクリームなどを塗った手で生地を触るとその油分で撥水効果が落ちてしまうこともあるので、そこも気をつけてほしいですね。

東さん:使う際に、傘を揺らして生地同士を離れさせてから開くことも大切です。生地が絡まった状態でいきなり開くと、骨にも負担がかかりますので。それは他の素材の傘と同様で、天然素材であっても変わりません。

もっと知ってほしい「傘職人」のこと。その現在と未来について

―「傘職人」という職業についても少しだけ。皆さんは、どんなきっかけで傘職人になられたんですか?

東さん:私は昔からつくることが好きだったのと、ミシンを使った仕事をしていたこともあり、それが活かせるなと。そして「傘職人」なんて珍しいなと思ってこの道を志しました。

飯田さん:私も元々、つくることや細かい作業が好きで。それと、伝統技術は受け継がれていくべきだなという思いもあって。元は全然違う仕事をしていましたが、面白そうだなと感じてチャレンジしました。

大谷さん:僕はいま30代半ばで20代からこの仕事をしていますが、きっかけは単純で、傘職人は年配の方が多いので、若い職人というのは話題になるかなという思いで始めました(笑)

―(笑)年齢の話が出ましたが、職人さんの数も減っているのでは?

田中さん:70〜80代の職人が多く、人数も減っているのが現状なので、3人のような若い力は弊社にとっても業界にとっても貴重です。3人には経験を重ねてもらって、さらに若い世代へと技術を継承していってもらいたいですね。

大谷さん:そうですね、若い人が少しでも増えてほしいです。今回のように取り上げていただくことが、我々の存在やこの職業を知っていただくためのよいアピールにつながればと思います。

飯田さん:私たちのような年代の女性が職人をやっているということも発信していければ、見る目が変わっていくかもしれないですしね。

東さん:職人=年配の男性というイメージを払拭したいですね。とてもやりがいのある仕事なので、ぜひ興味を持っていただきたいです!

―この記事やこの商品に触れることが、そのきっかけになればと思います!では最後にお客様へのメッセージをお願いします。

田中さん:長く使うという観点では、今回のシリーズはハンドル1本1本に個体差があるので、"自分のもの"として愛着を持って使っていただきたいですね。

大谷さん:手間をかけて手作業した職人技ならではの魅力を、ぜひ手に取って実感していただければと思います。そして僕たちのような職人の存在を知っていただければ、なおうれしいです!

おわりに

若い世代、そして女性の職人がいると知り、職人に対するイメージが少し変わったという方も多いのではないでしょうか。こだわりが詰まった日傘の魅力を、手に取って、そして使って、実感してみてください!

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