シューケアマイスターと開発担当者が、コロンブスとの新コラボアイテムを解説、そして実践!

シューケア用品の老舗〈コロンブス〉とのコラボレーションで新たに誕生した、ハンズ限定の3アイテム。その魅力や特徴について、ハンズのシューケアマイスターと開発担当者が掘り下げて解説するリモート対談企画。実践編もあわせてお届けします!

「心斎橋店つながり」の2人によるリモート対談スタート!

―今日はよろしくお願いします!

内村・新井:よろしくお願いします!

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ハンズ心斎橋店 シューケアマイスター 内村
リニューアルオープンした心斎橋店の店頭にて。※今回の対談はリモートで行いました。

「シューケアマイスター」とは:「一般社団法人 日本皮革製品メンテナンス協会」が主催するシューケアマイスター試験を合格した知識とスキルを兼ね備えたシューケアに関するスペシャリストのこと。

シューケアマイスターに関する記事一覧はこちら>>

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ハンズ PB開発部 開発推進グループ 新井

―まずは自己紹介をお願いします。

内村:11月にリニューアルオープンしたばかりの心斎橋店でシューケアマイスターをしています。ハンズのシューケアマイスター2期生です。

新井:「ハンズでしか買えない」「他と差別化できる」商品を開発するPB(プライベートブランド)開発部で、ツール&マテリアル、インテリア、ハウスウエアを担当しています。実は以前、移転前の心斎橋店でオープニングスタッフとして働いていたんですよ!

内村:そうなんですね!なんだか親近感がわいてきました(笑)

新井:心斎橋店は思い入れのある店舗なので、今日は楽しみにしてきました。

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―意外な心斎橋店つながり!改めてよろしくお願いします!ではさっそく、商品の解説へ。今回はこちらをご紹介いただきます。

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コロンブス×ハンズ(左から)
デリケートクリーム 1,760円(税込)
プレミアムクリーム ニュートラル 1,375円(税込)
プレミアムクリーム ブラック 1,375円(税込)

―〈コロンブス〉さんとのコラボによる新アイテムですね。では最初に〈デリケートクリーム〉から解説をお願いします。

新井:〈デリケートクリーム〉は、新品の靴やしばらく履いていなかった靴に塗ると、革が柔らかくなって履きやすくなります。ツヤ出しや保革ができるのが特徴です。有機溶剤は不使用で、靴だけでなく革製品全般のケアに使えます。

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―内村さんは使ってみた感想はいかがですか?

内村:すごくクリーミーですね、塗ると水になるような感覚というか。そして革によく浸透します。ちょうど、一度履いたら靴擦れをしてしまったほぼ新品の靴があったので、こちらを塗ってみたんですが、2回ほど塗ったら革が柔らかくなり、足が包まれるような感覚になりました。

―新品に塗るのは革によくないのでは...?

内村:そう思われがちですよね。でも、革製品は製造工程を経て販売されるまでの間に革が乾燥してしまうんです。革を柔らかくしてから使うことで製品自体の寿命を伸ばすこともできるので、新品の状態でのケアは大事なんですよ。

―なるほど、勉強になります。では、普段履いている靴であれば、このクリームはどのタイミングで使うのですか?

内村:ブラッシングの後ですね。化粧水や導入美容液のように、次のシュークリームの入りをよくする効果もあります。

―水分量が多いということですが、成分的な特徴はあるんでしょうか。

新井:一般的なホホバオイルに加えて、浸透力の高いオリーブスクワランと保湿力の高いアーモンドオイルも配合しています。この2つを配合しているのは珍しいですね。あと、香りにもこだわっていて、いくつかのサンプルの中からレザーノートの香りを選びました。

内村:香りは大事ですよね。特に冬は玄関先が寒いので、ホコリだけ落として、続きは部屋の中でというパターンも増えるし。ニオイがキツいと、お手入れすること自体が億劫になったりもしますしね。

構造が特殊?続いて〈プレミアムクリーム〉をご紹介

―〈プレミアムクリーム〉は色の違いで2種類ですね。

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左がニュートラル、右がブラック。

新井:はい、靴の色に合わせてお使いいただければ。こちらは、いわゆる靴磨き用クリームです。ただ、一般的な靴磨き用クリームと同じ「乳化性」でありながら、より耐水性があり、ツヤが出やすいんです。

―何が違うんでしょうか。

新井:構造が違うんです。一般的な乳化性クリームは、油の周りを水が囲んでいる「水巻き」という状態ですが、こちらは水の周りを油が取り囲む「油巻き」という状態なので、ツヤが出やすく、優れた耐水性も発揮します。

―油巻き...聞き慣れない言葉ですが、その構造をつくりだすのは難しいことなんですか?

新井:難しいと言えます、なかなか他にはないんですよ。油性ではないけれど、油性に近い。この商品のこだわりです。

―内村さんは使ってみていかがですか?

内村:色の付きがよくて、温かみのあるツヤを手早く出せるので、お手入れの時間も短縮できますね。あと、少量でもよく伸びます。印象としてはシューケア中級者から上級者向けかな?ロウの成分が強く、色もよく付く分、しっかりとしたブラッシングや乾拭きが必要になるので。

また乾燥が気になる場合、こちらの〈プレミアムクリーム〉でお手入れする前に、先程紹介した〈デリケートクリーム〉を使ってしっかり保湿するのもおすすめです。

新井:ちなみに開発にあたってシューケアマイスターの皆さんに試作品を送って試してもらったんですが、内村さんからは写真付きでとても丁寧なお返事をいただいたんです。その節はありがとうございました!

内村:いえいえ。

新井:その中にあった「コバ(ソールやヒールの側面部分)に使うのも有効」という意見など、しっかり〈コロンブス〉さんとも共有させていただきました。

内村:一般的なコバの傷隠し剤だとツヤツヤになりすぎて、私はあまり好きではなくて。こちらなら色の付きもよく、自然に仕上がるのでおすすめですね。

新井:販売する際に「こういう使い方もできますよ」と幅を広げる意味でも、すごく参考になりました。

内村:お役に立ててよかったです(笑)

シューケアマイスター内村のレクチャーによる実践編へ!

―ここからは実践に。ご紹介していただいたクリームを含めて、基本の流れをひと通り教えてください。

内村:ではさっそく始めましょう!まずはブラッシングから。

―コツやポイントはありますか?

内村:面を大きく使いながら、靴と平行に、一方方向にブラシをかけてください。

新井:こんな感じでしょうか。

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内村:よい感じです!履きジワのところは横向きに。土踏まずのところはホコリがたまりやすいので、掻き出す感じです。ブラッシングがひと通り終わったら、次にクロスを使ってクリーナーで汚れを落とします。

新井:クロスの上手な使い方は、あるんですか?

内村:この後の工程でもクロスを使いますが、指2本を入れてピンと張り、巻き付ける感じで握るとよいですよ。そしてクリーナーを100円玉程度の大きさだけクロスに付けます。

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新井:これくらいですね。

内村:はい。そして円を描く感じで1周、やさしく拭きます。クロスの違うところにクリーナーを付けて、また1周。1回目で成分が革に入って汚れを浮かせるので、2回目の方が汚れがよく取れます。

新井:たくさん塗ればよいというわけではないんですよね?

内村:そうですね、たくさんでもなく、ゴシゴシでもなく。目安は3回くらいで、革の表面にツヤが無くなってくるとOKです。

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―クリーナーの次は〈デリケートクリーム〉ですね?

内村:はい。同じようにクロスを指に巻いて塗ります。まずはクリームをちょんと付け、軽く揉んでクロスに馴染ませるところから。

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ハンズ×コロンブス クロス 935円(税込)

新井:クロスに馴染ませるのはなぜですか?

内村:クリームの状態だとドバッと付いてしまい、そこだけシミになることがあるので。この商品に限らず、クリームは基本的にそうした方がよいと思います。

―塗り方のコツはありますか?

内村:失敗しても目立たない踵の内側から始めます。こちらも力は入れすぎず、付けすぎず、やさしく撫でるように全体へ。甲の部分など、シワができやすいところは重点的に塗ります。靴の中に手を入れて持つと、シワ部分を伸ばせるのでよいですね。シューキーパーを使うのもおすすめです。

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新井:どれくらい塗ればよいのでしょうか。

内村:2〜3回に分けて、全体に塗れたらOKですね。その後、見た目でクリームが取れるまで乾拭きをします。これだけでもツヤが出ますので、ここで終了でも大丈夫です。十分、お手入れになります。

―さらにきれいにしたい場合は、ここから〈プレミアムクリーム〉を塗るんですね?

内村:はい。私は今日はクロスを使いますが、クリームブラシがあれば、そちらの方が塗り伸ばしやすいのでおすすめです。

新井:では私はクリームブラシを使ってみます。

内村:ブラシに付ける時に、ちょっと裏技というかコツがあるんですが、容器のフタを使うんです。

新井:フタを?

内村:ブラシの先端にクリームを少量取って、フタの裏側でグリグリと混ぜるようにすることで、ブラシの表面に均一に馴染ませることができるんです。

新井:なるほどなるほど。こんな感じですね?

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ハンズ×コロンブス クリームブラシ 1,078円(税込)

内村:フタに少し残るので、クリームをちょっとだけ足したい時にも、そこから取れば付けすぎることもなくて便利です。

―このやり方は"内村流"ですか?

内村:シューケアマイスターの試験前に、新宿店へ修業に行ったときに先輩マイスターが教えてくれて。これはいい!と思ってずっとマネしています(笑)

新井:じゃあ"ハンズ流"ですね(笑)

内村:これも同じく踵の内側から始めて、全体にまんべんなく、薄く伸ばす感じで。シワのところや擦れているところは重点的に、クリームを足しながら。

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内村:全体に塗れたら、もう一度ブラッシングします。

新井:乾かないうちにブラッシングするんですよね。

内村:ロウが白く残ってしまうので、乾く前にやった方がよいです。〈デリケートクリーム〉で出たツヤがいったん少し曇るんですが、ブラッシングしているうちに再びツヤが出てきます。見た目に変化があるので、いちばん楽しい作業ですね。ブラシで擦る音もすごく心地よくて。

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新井:たしかに楽しくなってきますね!

内村:ツヤ感がしっかり出たらブラッシングをやめて、最後に乾拭きで仕上げます。乾拭きはクロスに色が付かなくなるまで。なので、クリームをたくさん塗ってしまうと、乾拭きが延々と終わらないのでご注意を。乾拭きが終わったら、手順はすべて終了です。

心斎橋店のこと。これからのこと。他にもいろいろと...

―実践お疲れ様でした!新井さん、感想はいかがですか?

新井:やってみると、やっぱり楽しいですね!なかなかできていませんでしたが、定期的にお手入れしようと思います(笑)

―この季節ならではのアドバイスなどはありますか?

内村:冬になると乾燥や寒さで革が硬くなる感じがあるので、保湿が重要になりますね。普段のお手入れはシュークリームだけという方も、この季節は〈デリケートクリーム〉をプラスしてみてほしいです。あとは消臭・除菌のスプレーなども組み合わせれば、よりよいかと。

―なるほど。話は変わりますが、11/20にリニューアルオープンしたばかりの心斎橋店のこともお聞かせください!

内村:5感を越えて「感じる」「響く」「知る」をプラスした、"8感で、好奇心動く新ハンズ"をストアコンセプトにしています。お店自体はコンパクトですが、楽しいコーナーや商品がギュッと詰まっていますので、ぜひ一度ご来店いただきたいです!

新井:シューケアコーナーはどんな感じですか?

内村:クリームの色の種類が増えていたり、以前は扱っていなかったアイテムが揃っていたり、さらに充実しました。シューケアカウンターも新設されて、私もすごく楽しいですし、お客様も楽しめると思いますよ。

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―では最後になりますが、お客様へのメッセージをお願いします。

内村:新しくなってさらに楽しいお店になりましたので、シューケアのご相談の際や大阪にお越しの際は、ぜひ心斎橋店へお立ち寄りください。お待ちしています!

新井:ハンズでしか買えないような商品をこれからもどんどん開発していきたいと思いますので、ご期待ください。そのためにも内村さん、今後もご協力お願いします!

―内村さんから「こんなアイテムがあったら」というアイデアはありますか?

内村:そうですね...化粧品などで、特別な色がいくつか入った限定コフレとかあるじゃないですか。ああいう、ちょっとずつ色の違うクリームが入ったセットがあったらなぁと思ったりしてます。新井さん、つくれませんか?(笑)

新井:そういう声はすごく参考になります。考えておきますね!商品化は約束できませんが...(笑)

―(笑)今日はありがとうございました!

おわりに

シューケアマイスターと開発担当の、商品づくりと靴への情熱、伝わりましたでしょうか。日常的に靴のお手入れをしている方も、これから始めてみようという方も、ぜひ一度、ハンズ限定アイテムを試してみてください!


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