本当においしいわさびを食べたことがありますか? メディアでも取り上げられるなど、その実力で注目を集めている本わさび専用おろし板〈鋼鮫(はがねざめ)〉が、ハンズオリジナル仕様になって登場。今回は開発・販売元である株式会社山本食品の山本さんに、〈鋼鮫〉の魅力について詳しく伺いました!
わさびのプロがつくったおろし板は、どこがすごいの?何が違うの?
―今日はよろしくお願いします!
山本さん:こちらこそ、よろしくお願いします!
株式会社山本食品 代表取締役 山本さん
※今回の取材はリモートで行いました。
―ではまず、山本食品さんのことを簡単に教えてください。
山本さん:弊社は明治38年創業の"伊豆のわさび屋"です。私が4代目で、創業時は佃煮などを扱っていましたが、祖父の代からわさびに特化するようになりました。現在はわさび関連の商品を幅広く扱っていて、「わさびを、もっと、おもしろく。」を企業コンセプトに掲げています。
―"わさびのプロ"ということですね!
山本さん:おこがましいです。ただの"わさびのバカ"です(笑)
―(笑)今回はこちらの〈鋼鮫〉をご紹介いただきます。その開発経緯などを聞かせてください。
左から
ハンズオリジナル 本わさび専用おろし板
鋼鮫 4,400円(税込)
鋼鮫ミニ 2,750円(税込)
商品はこちら>>
レモンサワーもそろそろ飽きた...道具にもこだわった「わさび酎ハイ」>>
山本さん:以前から「生わさびを家ですりおろしたけど、全然辛くない」というお客様の声が多く、お話を聞くと皆さん大体、普通のおろし金などでザクザクすっていて。わさびは細かくして空気と混ざり合うと辛味が出る性質を持っているので、「すったわさびをまな板に乗せて、包丁の背で叩いて細かくしてください」という説明を何度もしていたんです。そんな背景もあって、簡単においしくすれる道具をつくりたいという思いはずっと持っていました。
―なるほど。そこからどうやって商品化に?
山本さん:地元の業者の集まりで、「銘板(めいばん:大型機械などに貼られている、文字や数字が彫りこまれた金属のプレート)」をつくる金属製版所と知り合ったことがきっかけです。その製版所では、文字などの形で金属を部分的に溶かし、そのゼロコンマ何mmの凹みに色をつける「エッチング」という技術を使っていました。指で触ると微かな凹凸がわかるので、「これ、もう少し深く彫れる?」と聞いたところ、技術的には可能だと。それを聞いて、この技術を使っておろし板がつくれないかなと閃いたんです。それが7年ほど前のことですね。
―そこでついに動き出したと。
山本さん:はい。わさびを専門に扱う会社がおろし板をつくる以上、一般的にわさびが一番おいしくすれると言われる「鮫皮」を超えるものを目指さないと意味がないという思いで、そこから完成までに2年ほどかかりました。
わさびの神が降りてきた???秘密は「わさび」の文字にあり
―では〈鋼鮫〉の特徴を詳しく教えてください。
山本さん:素材はステンレスです。強度があって錆びないこと、お手入れが簡単なこと、そして"わさびは笑ってすれ"という言葉があるようにわさびは力を抜いてするのが一番なので、グッと押し付けても力をほどよく受け止めてくれる硬さということもあってステンレスにしました。また、一般的なおろし金のように表面に鋭利な突起がないので、手を怪我する心配もありません。
そしてなんといっても最大の特徴は、エッチング技術でつくった表面の「わさび」の文字の凹凸です。
―すごく個性的です。はじめから「わさび」にしようと思っていたんですか?
山本さん:鮫皮の鱗の形にしたり、星型にしたり、三角形にしたり、開発過程では凹凸の形をいろいろ試しましたが、一番よかったのがアルファベットの「C」でした。Cの形だと、内側のところでわさびがすれ、曲線をつたって左右に流れ、線の空いたところから空気を取り入れて再び戻ってくるんです。
―?そこからなぜ「わさび」に?
山本さん:Cをいろんな方向で並べるとどの向きからでも上手にすれることもわかり、その形で確定していよいよ製品化だ、という段階までいったある日の夜のことでした。布団で寝ながら並んだCの図版を見ていたとき、突然"わさびの神"が降りてきたんです。
―なんと!
山本さん:「これだ!」と飛び起きました(笑)。それで最終的にこの形でいくことになりました。
―「わさび」に行き着くまでに紆余曲折があったんですね。
山本さん:一般的な書体だと思うようにすれなかったので、イチから書体もつくりました。文字間や行間のベストなバランスを見つけるのも大変で、「わさび」に決めてから完成まで半年ほどかかりましたが、その半年間はすごく楽しかったですね。でも発売当初はわさび屋がふざけてつくった商品のように思われて、私の思いや感動とのギャップも感じましたが...。
―パッと見はふざけているようでも、最高のものをつくろうとしたらそこに行き着いたと。
山本さん:その通りです!一般的なおろし板でわさびをすったときの1.5倍、鮫皮の1.3 倍も辛いというデータが研究でも証明されているように、実力は折り紙付きです。徐々に世間でも知られるようになってSNSやメディアで取り上げられ、某有名寿司店をはじめとした多くの飲食店でも採用されるなど、おかげさまでご好評いただいています。
ハンズとのコラボアイテムが登場!「はんず」に込めた思いとは?
―そんな〈鋼鮫〉から今回、ハンズとのコラボアイテムが登場しました。
山本さん:唯一にして最大の特徴は、無数の「わさび」の中にひとつだけ「はんず」が入っていることです。
山本さん:ハンズさんでは一部の店舗で既に〈鋼鮫〉を扱っていただいていて、当初から「オリジナルをつくれますよ」という提案をこちらからしていたんですが、実現には至らず。今回、うれしいことにハンズさんからご提案をいただき、ようやく実ったという感じですね。
―待望のコラボだったんですね。
山本さん:お話をいただいたときは、心の中でガッツポーズしましたから(笑)。私自身がハンズファンなので、本当にうれしいの一言です。うれしすぎて全部を「はんず」にしたいくらいの気持ちでしたが、それでは「わさび」の形の効果が発揮できないので、1ヶ所だけを「はんず」にしました。
―はじめから平仮名の「はんず」だったんですか?
山本さん:実は元々、〈鋼鮫〉はランダムで1ヶ所だけ「わさび」が「わびさび」になっているんです。それと同じような感覚で隠し文字的に入れたくて、カタカナや英字では目立ってしまうので平仮名にしました。でも、どこにあるか意外とすぐにわかっちゃうんですが(笑)
―1ヶ所あるだけでも面白いですし、逆にそれがかわいいです。特別感もあって。
山本さん:わかりやすくコラボ感が出たということで。結果オーライですね(笑)
上手なすり方、おいしい食べ方。わさびの魅力をもっと広めたい!
―上手なすり方を教えてください。
山本さん:まず覚えてほしいのは、わさびは茎に近い側がより新鮮だということ。それと、皮と実の間に旨みが凝縮しているので、皮はピーラーなどを使わずに粗くこそぎ落とすことです。
すり方の知識もひとつ。わさびをするときは円を描くイメージがあると思います。それは鮫皮から来ていて、鮫皮は目がいろいろな方向を向いているためにそうする必要がありますが、目の向きが一定のおろし金などでは本当はその必要はないんですよ。
〈鋼鮫〉は縦でも横でも斜めでも、もちろん円を描いてでも、どの方向でもおいしくすれるので、やりやすい方法ですってください。
―力加減はどんな感じでしょうか。
山本さん:"わさびは笑ってすれ"を忘れずに、やさしい力加減で。じっくり時間をかければ、空気とよく混ざってクリーミーに仕上がります。わさびはすってから3〜5分で辛味や風味がピークになるので、食べるときに食べる分だけすりながら味わうのが一番です。
―おすすめの食べ方はありますか?〈鋼鮫〉のわさび以外での活用法もあれば教えてください。
山本さん:おすすめは「わさび丼」ですね。炊きたてのご飯に鰹節をのせ、すりおろしたわさびを真ん中に置き、醤油をかけてわさびを崩しながら食べるんです。いつもは脇役のわさびが主役になって、わさびのおいしさをダイレクトに味わうことができますよ。
〈鋼鮫〉は生姜にも活用できます。おろし金ですると繊維が残りますがそれも全くなく、驚くほど香りが立ったクリーミーなおろし生姜ができあがります。
―では最後にお客様へのメッセージをお願いします!
山本さん:わさびは日本を代表する伝統的なハーブです。近年は海外でも注目されていますが、国内にも改めて「日本にはこんなに素晴らしいハーブがあるんだ」ということを発信して、わさびの魅力を広く伝えていければと思っていますので、ぜひ〈鋼鮫〉をお試しいただければと思います!
おわりに
わさびを知り尽くしたプロが、その情熱を注ぎ込んだ〈鋼鮫〉。わさびなんて何でも同じ、と思っている方も、使えばきっとその違いに驚くはずですよ!
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