【キッチンツール】料理研究家が考える、道具へのこだわりとは?


お料理を語る上で欠かせないのが、道具のお話。食欲の秋を迎えたいま、改めて考えてみようということで、料理研究家の尾田衣子先生に伺ってきました。お料理のプロである尾田先生が考えるステキな道具とは。あわせて、ハンズオススメの道具を使った感想もお聞きしました。

●尾田衣子先生のプロフィール
料理研究家。近著に、『柑橘料理の本』(オーバーラップ)、『薬味食堂』(朝日新聞出版)など。オリーブオイルソムリエ(日本オリーブオイル協会認定)、健康管理士一般指導員、食育インストラクターPrimaryの資格を持つ。ル・コルドンブルー東京校にて料理ディプロムを取得後、イタリア・フィレツェに渡り家庭料理を学ぶ。現在、フランス・イタリア家庭料理ベースの簡単にできるおもてなし料理、オリーブオイルに特化した料理を中心に、料理教室「Assiette de Kinu(アシェット ド キヌ)」を主宰。

長く使える道具を選べば、お料理がもっと好きになる。

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ーさっそくですが、尾田先生がこだわって使っている道具を教えてください。

フライパン、お鍋、そして包丁。この3つは料理をするうえで欠かせませんが、中でもお鍋ですね。私はクリステル社のモノを使っていますが、もう10年以上のつきあいになります。うちの子どもが生まれる前から使っていますので。

ー10年も使えるものなんですね。お手入れはどうされているんですか?

みなさんのご家庭と一緒だと思いますよ。まずはしっかり洗う。そして、よく水を切ることを徹底しています。水気をなくすことは、衛生面でもメリットがありますよ。

そのお鍋を選んだ理由はなんだったのでしょうか?

その時は、本体の厚みに注目しました。薄いお鍋ですと、例えば煮込み料理などでは熱が伝わりにくい場合もありますので。やっぱり熱の伝導率は、お料理をするうえで特に重要ですから。
さらに、私はお料理が仕事なので、耐久性が必要でした。教室やレシピ開発などもしていますから、当たり前ですが使う頻度が普通の方よりも多いんです。

教室の生徒さんから道具について聞かれることもありますか?

はい。それはもうしょっちゅう(笑)。今はお鍋ひとつをとっても本当にいろいろな種類がありますから、何を買ったらいいかわからないという声をよくお聞きします。そんな時、私はやっぱり自分で使ったことのあるものをおすすめしますね。

使ってみた感想も伝えたいと。

そうですね。あくまでも参考ですが、私なりに感じたメリットをお伝えするようにはしています。

長く使える道具のメリットはどこにあるのでしょうか?

個人的には、毎日使い続けるうちに愛着がわくというところが一番かなと。その気持ちが、またお料理したいという気持ちを高めてくれますね。
また、長く使える道具は値段が張るかもしれませんが、私のように10年も使えば結果的にお得になりますから(笑)

父から受け継いだ、モノに対する審美眼

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長く使える道具には、何か特徴があったりするのでしょうか?

そこまで目利きできるわけではありませんが、やはりがっしりとしたつくりで、ある程度重さがあるものでしょうか。特に今うちはIHのキッチンなのですが、IHは火にかけた後動かさないことが多いんですね。なので、多少重くとも気にしていないという面はあります。

昔からそういったモノを見る目は意識されていたんですか?

父が民芸家具が好きだったこともあって、丁寧につくられたモノに囲まれていたことは、何か関係があるかもしれませんね。
いまうちに置いてある食器棚も、父から譲り受けたんです。私が生まれた時に、いずれ家を出る時に渡そうと買ってくれたそうで。なので、モノを見ることもそうですが、大切に使いつづけることの楽しさみたいなところは、DNAとして持っているかと(笑)。

ちなみに、はじめて手にした調理道具は何だったんですか?

はじめてはさすがに覚えていないですが、一時期どうしてもストウブのお鍋が欲しくて。一生懸命バイトして買ったことは今でも覚えています。もうだいぶ昔なんですけど。

ご自身の中では、殿堂入りのような道具ですね。

そうかもしれませんね。いまは、本当にたくさんの人が来る時くらいしか出番はないんですけど、大切にしまってあります。

いずれ、そのお鍋がお子さんに受け継がれるかもしれませんね。

おそらく、そうなるんじゃないかなと(笑)

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ハンズオススメの道具を実際に使ってみた感想

では、今回お試しいただいた道具について聞かせてください。

はい。まずはフライパンなんですけど、これはとにかく軽いことですね。鉄製だと聞いていましたので意外でした。あとは、食材がくっつかないところも、ストレスが少なくてよいと思いました。

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鉄のフライパンの特徴は、すぐに温度が上がることと、その熱をためてくれることなんですね。なので、お肉はもちろん、野菜炒めなどもおいしくできるはずです。
野菜炒めは、温度が足りない状態で炒めてしまうとべちゃべちゃになってしまいますから。高温で一気に炒めることで、食感がしっかり残った野菜炒めになるんですよ。

中華鍋に代表されるような。

そうです。熱の伝導率が高いこと、それと全体に均一に火が回るのがメリットですね。また、フライパン自体が温まるのが早いと、時短にもつながりますね。

もう一つ、このグレーター(おろし器)についてはいかがですか?

こちらは切れ味の軽さといいますか、とにかくおろしやすかったです。さほど力を入れなくても、すいすいおろせますよ。

元々こちらのメーカーは、建築で使われる工具をつくっていたそうです。

たしかに切れ味バツグンですね。おろす食材でいうと野菜が中心かもしれませんが、例えばナツメグなどの硬いハーブなどにも便利かもしれません。おろしたてはやっぱり香りが違いますから。

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あとは、この形。普通のおろし器とちょっと違って、グリップを持っておろせるところがいいですね。しっかり握れるからこそ、さほど力もいらなくて済むのかなと思いました。

尾田先生が実際にお料理している様子はこちらの動画で。

[今回使った道具]
柳宗理 鉄フライパン ダブルファイバーライン 窒化加工 (22cm/ふた付) 7,500円+税
※新宿店・銀座店・梅田店のみの取り扱いです。
マイクロプレイン ゼスターグレーター 3,000円+税


おわりに

今回は、料理研究家の視点、そして尾田先生ならではの視点で、料理と道具についてのお話を伺いました。長く使える道具の魅力は、美味しくつくるためだけではなく、料理自体を楽しくするためのツールだということ。みなさんも、ぜひそんな道具を探してみてください。きっと、もっと料理が好きになるはずですよ。

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