皆様お久しぶりです。
ハンズ梅田店シューケアマイスターの森田です。
今年の一月中旬から二月にかけて寒かったですね。
毎年この時期は「起毛革」のお問合せが増えます。
今回は起毛革のお手入れについて書きたいと思います。
保革はスプレーで
起毛革とは通常のなめらかなスムースレザーと違い、毛羽立っている革のことで「スエード」や「ヌバック」「バックスキン」「ベロア」「ムートン」などのことを指した呼び名です。
余談ですが「バックスキン」は「鹿革」と「革の裏面(起毛面)」の二つの意味があります。
本来の意味はbuckの鹿ですが、backの裏側と誤訳されて、起毛革を指す言葉として日本では一部でそう呼ばれています。
なのでバックスキンのお手入れはどうすれば良いのですか?というお問合せの場合は、鹿革・起毛革どちらを指しているのかを判断しなければいけません。
なぜなら起毛革にクリームを塗ってしまうとカチカチに毛が固まってしまうからです。
起毛革のお手入れはミストやスプレーで保革します。
M.モゥブレィ(M.MOWBRAY)スエードヌバックトリートメント JAN:4940356952386
M.モゥブレィ(M.MOWBRAY)スエードカラーフレッシュ JAN:4940356957527
ブラッシングが命
毛羽立っているため、埃や汚れが毛と毛の間に入り込みますので、日々のブラッシングが重要になります。
通常のほこり落としは馬毛ですが、柔らか過ぎるので起毛革の素材に負けてしまうため、真鍮や豚毛などのやや強い素材のブラシを使用します。
右:コロンブス×ハンズ スエードブラシ JAN:4971671193635
起毛革のブラシはほこり落としだけでなく、毛並みを整えることにも使用します。
毛足がつぶれたような短い起毛タイプは、真鍮ブラシを使うと傷つけてしまうことがありますので、豚毛ブラシや専用スポンジなどの方がおすすめです。
コロンブス スエードスポンジ JAN:4971671187252
一般的に男性用の革靴(スエード)は毛足が長いのに比べて、婦人用のパンプスは「ヌバック」「ムートン」など毛足が短いタイプが多いです。
汚れの落とし方
履き終わりにブラッシングすることで、ある程度の汚れは落とせます。
蓄積されて時間が経つにつれ汚れは落ちにくくなりますからね。
その場合は消しゴムで表面を削ったり、クレープゴムの方へ汚れを付着させて綺麗にします。
右:サフィール クレープブラシ JAN:3324012620009
それでも落ちない場合、主に液体シミなどの汚れは、専用のシャンプーでゴシゴシ洗って乾いた布で乾拭きしてください。
コロンブス スエードクリーナー JAN:4971671191280
起毛素材は雨に強いのか?
スエード靴は英国では雨用の靴などと言われています。
また登山用の靴などにもよく起毛素材が使用されています。
起毛しているため、スムースレザーと比べるとある程度の撥水力はあると思いますが、長時間水にさらされると色が濃くなりそれが雨染みになってしまうことがあります。
私が思うに、起毛素材は防水スプレーと非常に相性が良いと考えております。
細かなフッ素粒子が起毛と絡まりやすく、持続力・防水力が格段にアップします。
なので、雨の日に出かける際は防水スプレーは必須だと思います。
まとめると起毛素材は、
こまめなブラッシングを
まれに(月1,2回)栄養ミストを
雨の日は防水スプレーを
ですね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。