多くの文具ファンを魅了する油性ボールペン、その名も〈ジェットストリーム〉。"クセになる、なめらかな書き味。"が特徴で、シリーズ世界販売本数は年間1億本以上。そんな人気シリーズとハンズのコラボで生まれたのが〈グリーンブランチプロジェクト ジェットストリーム〉です。ここでは、コラボのきっかけやこだわりのポイントなど、ハンズスタッフが三菱鉛筆さんにインタビューしてきた様子をお伝えします!
【目次】
人気の〈ジェットストリーム〉の開発秘話とは
ー関さん、こんにちは!本日はよろしくお願いします!
関さん(以下、関):こちらこそよろしくお願いします!インタビューを受けるなんて生まれて初めての経験なのでちょっと緊張しています(笑)。
三菱鉛筆株式会社 国内営業部 エリア担当グループ 関さん
ー〈グリーンブランチ ジェットストリーム〉の話をする前に、まずは〈ジェットストリーム〉について簡単にご紹介できればと思います。私もいちファンとして、あの驚くようななめらかさがとても好きなのですが、どのようなきっかけで生まれたのですか?
関:そうですね。ジェットストリームの開発者は当初、印章の開発グループから油性ボールペンのグループに異動してきたばかりで。そもそも筆記具の開発が初めてだったので、勉強を兼ねて、好きに研究していいと言われたそうです。
彼は筆圧が弱いので普段は水性ペンを使っていたのですが、当時の油性インクは書き味が重いものや、濃く出ないものが多く、それがどうも苦手だと。彼は考えた末に「自分が欲しいと思うボールペン、自分にとって使いやすいボールペンを開発しよう」と思い至ったんですよ。そこで、彼の専門分野であるインクを切り口に、水性のようになめらかに書けて色も濃く、それでいて速乾性にもすぐれた、これまでにない油性ボールペンをつくることをテーマに、1999年から開発が始まったんです。
ーそういったテーマに思い至るまでもすごく時間がかかったんでしょうね...!
関:このテーマにたどり着けたのは、彼がそれまで筆記具以外の開発に携わっていたからこそと言える面もあります。というのも、業界の中では油性ボールペンのインクは、もう技術的に成熟していると思われている風潮があったんですよ。インクに使用する材料はどのメーカーもほとんど同じものを使っていて、材料を根本から見直すなんて従来の油性ボールペンの常識とはかけ離れていました。でも彼はそれを知らなかったからこそ、全く新しい油性ボールペンをつくろうと思えた訳です。そこからの開発でもここで話尽くせないほど色々なことがあったようですが、2006年に満を持して国内で〈ジェットストリーム〉が発売されました。
2006年発売当時のジェットストリーム
木製グリップが特徴〈グリーンブランチプロジェクト ジェットストリーム〉の誕生!
ー発売からの人気ぶりは皆様もご周知の通りですよね。そんな中、ハンズとコラボした「グリーンブランチプロジェクト」版の〈ジェットストリーム〉が登場しました!
三菱鉛筆×ハンズ
ハンズオリジナル グリーンブランチプロジェクト
ジェットストリーム4&1 0.5mm 各1,980円(税込)
関:4色+シャープペンの多機能モデルをベースに、グリップ部分を通常のラバータイプではなく、木製タイプにしているのが特徴です。
ーかっこいいですよね。高級感があって。あとは使っているうちに木製グリップに味が出てくるのもポイントです。きっと相棒のように長く使いたくなるはずですよ。自然の木を使っているので、一つひとつの木目も違います。なので、ハンズの店頭ではお気に入りの木目をお探しになっているお客様も時折いらっしゃいますよ。
〈グリーンブランチ〉の木製グリップ1本1本に詰められた技術とは
ーハンズから三菱鉛筆さんにお声がけさせていただいたのがプロジェクトの始まりですよね。
関:はい。2014年の始めの頃ですね。「何かオリジナルなものをつくりたい」というご相談をいただいたんです。
最初は色んな方向性で考えていきました。ボディの色をオリジナルカラーにするとか、転写フィルムを使って柄とかキャラクターとか。ただそうすると大量につくる必要があるよね、という話になりまして。
ーそんな時に、森林保全につながる伐採された間伐材の再利用がテーマだったので、それを使おうと。
関:そうそう。そしてプロジェクト名が「グリーンブランチ」になり、ロゴデザインも固まっていきました。
ー間伐材を使うことは決まりましたが、私たちハンズにはそれをグリップに加工するノウハウがないので、形にするにあたっては三菱鉛筆さんへおおいに頼らせていただきました...!あまりにも自然にグリップになっているのでわかりにくいかもしれませんが、自然の木をこの形にするのはかなりの技術が必要なんですよね。
関:使っているのは「圧密加工」という、三菱鉛筆グループ企業で導入している技術です。木材に120〜180℃の高温蒸気を当てながらプレス加工することで、ぎっしりと身の詰まった材木に仕上げ、加工や彫刻をしやすくするのですが、もともとは印鑑づくりに活用していました。
当時のプロジェクトの責任者が新しい印材をつくるために、島根県にある印鑑製造会社に出向していて、そこで「スギ」や「ヒノキ」などの安価で利用度が低い国産針葉樹で何かできないかと思っていたところ、この技術に行き着いたんです。で、これは「グリーンブランチ」にも使えるじゃないか、となりました。
右が圧密加工をする前の木材で、左が加工後のもの。圧縮されることで体積は減りますが、重さは変わらず、密度が増します。
ー印鑑のために導入した技術をボールペンに転用する発想がすごい!圧密加工をするにあたって苦労した点はあったのですか?
関:重さなどにバラツキのある材木の一つひとつに合わせて最適な圧縮率を調整するのは大変でした。あとは材木が割れないように処理温度やプレスの速度、乾燥時間などを見直すなど、思った以上に手間暇がかかっています。また、圧縮加工を施した後も、ヤスリがけやワックスがけを1本1本、手作業で行っています。
ーそういった技術と努力のおかげで、どのペンも均一な品質に仕上がっているのですね。特にこの手触り!しっとりしていると言いますか、すごく手に馴染む感じがとても使いやすいです。
紆余曲折の末、ついに誕生した〈グリーンブランチ〉
ー開発にはトータルでどのくらいの期間がかかったのですか?
関:結果的には1年くらいですね。実は、プロジェクトの最初は違うボールペンをベースに進んでいたのですが、「よいモノをつくるためにはどうすればよいか」を真剣に考えてくださっていたハンズさんの意見があり、途中から〈ジェットストリーム〉になったんです。
プロジェクト初期につくったプロトタイプ
ーそれでこれほどのクオリティのものをそのスピードでできたのはすごいですね。
関:私もそう思います、奇跡と言っても過言じゃないかもしれません(笑)。ハンズさんが力をお貸ししてくれたおかげです。ハンズさんはモノに対するただならぬ情熱を感じますね。
ーそんな、やめてくださいよ(笑)。
関:いやいや、本当にそう思っています。ハンズさんは〈グリーンブランチ ジェットストリーム〉はもちろん、コラボ商品でないものもすごく大切にしていただいてるなあという実感があって。「この商品が好き」とか「この商品を育てたい」といった情熱や愛情を商品に注いでくださっているように思うんです。私たちのような商品のつくり手からすると、そういった姿勢が本当に嬉しいんですよ。
ーありがとうございます。
関:またこれまで限定色も何度か出させていただいていて、軒並み好評でとてもありがたいです。特に「シャンパンゴールド」は、もともと限定色だったのですが、あまりに人気だったので定番化したほどですから。
ーそれで言うと、店頭購入の際にできる「名入れ」も好評です。名前が入ると特別感が出るので、ギフトとしてお買い求めいただく方も多いんですよ。過去に実施した人気キャラクターや作家さんとのコラボ名入れも、とても人気でしたね。
関:SNSに投稿されているお客様が多かったので、弊社の女性社員のアイデアで、オリジナル化粧箱も数量限定でつくりました。コラボ名入れはハンズのバイヤーさんからのご提案で、いつも「次はどんなキャラクターがくるのだろう?」とワクワクしています(笑)。
過去の名入れとオリジナル化粧箱
〈グリーンブランチ〉限定カラーも登場!
また、限定カラーの「スモーキーブルー」と「ラベンダーグレー」が9月10日に登場する予定です!ぜひチェックしてみてくださいね!三菱鉛筆×ハンズ
ハンズオリジナル グリーンブランチプロジェクト
ジェットストリーム限定カラー(スモーキーブルー・ラベンダーグレー) 各1,980円(税込)
ー...ということで、〈ジェットストリーム〉や〈グリーンブランチ ジェットストリーム〉の魅力や開発秘話について色々と面白いお話をお聞きできました。関さん、ありがとうございました!
関:こちらこそありがとうございました!これからも一緒に〈グリーンブランチ ジェットストリーム〉を大きく育てていきましょう!
おわりに
三菱鉛筆さんとハンズの「ものづくりに対する情熱」がたっぷり詰まった、〈グリーンブランチ ジェットストリーム〉。ぜひチェックしてみてくださいね!
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