〈図案スケッチブック〉に〈スパイラルノート〉、〈書きやすいルーズリーフ〉など、さまざまなヒット商品を生み出してきた文具メーカーの〈マルマン〉。なんと今年で100周年を迎えるのだとか!そこで今回は、ハンズ 文具バイヤーの今津が、〈マルマン〉の佐藤さんと小中さんにインタビュー。これまでの歴史や、あの人気商品の開発エピソードなどをたっぷりご紹介します。100周年を記念したグッズも登場!
文具バイヤー今津、〈マルマン〉に聞きたいことたくさん!
今津:佐藤さん、小中さん本日はよろしくお願いします!
佐藤さん・小中さん:よろしくお願いします!って、今津さん、なぜそんな大きな〈図案スケッチブック〉を持っているんですか?!(笑)
マルマン 左:小中さん 右:佐藤さん
今津:あ、これはメモ用です。創立100周年の〈マルマン〉さんにインタビューできるということで、聞きたいこと100個も用意してきちゃいました!今日はたっぷりこの〈図案スケッチブック〉にメモします(嬉)
気合十分のハンズ 文具バイヤー 今津。この日のために巨大図案スケッチブックを持参。
佐藤さん:100個も!!う、受けて立ちます。
小中さん:え、ええ!
今津:時間に限りがあるので、早速1つ目の質問へ!
質問1 100周年記念グッズについて教えて!
今津:今回、〈マルマン〉100周年ということで記念グッズが登場すると聞きました!どんなアイテムなのか気になります!
小中さん:第1弾、第2弾で記念グッズを展開していて、第1弾は2020年5月に発売。〈マルマン〉の代表的なスケッチブックやノートを中心にミニサイズ化した「ミニチュアシリーズ」を発売しました!
100thマルマン×ミニチュア
上段左から
レポートパッド 330円(税込)、図案スケッチブック 220円(税込)、イングリッシュノートブック 220円(税込)
下段左から
オリーブ 330円(税込)、ヴィフアール 330円(税込)、クロッキーブック 各330円(税込)
※こちらの第1弾は、各店在庫限りとなります。
今津:使ったことのある商品や、一度は見たことある商品ばかり。ミニチュアサイズ、とてもかわいいですね!
佐藤さん:ありがとうございます!そして今回、9月より第2弾を発売しました。今回は、〈マルマン〉の歴史がわかるようなルーズリーフを「ミニミニサイズ」にしたものを中心に展開しています。他にも、〈図案スケッチカレンダー〉や〈マルマン〉商品のイラストをプリントした〈YOJOテープ〉も仲間入りしました。
ミニミニバインダー
do it your self! 770円(税込)、クロッキーブック 660円(税込)、図案スケッチブック660円(税込)
ミニミニルーズリーフ
上:なつかしセット 660円(税込)、下:えがくセット 660円(税込)
図案スケッチカレンダー 1,320円(税込)、YOJOテープ 各715円(税込)
今津:第1弾のミニチュアシリーズは、ハンズでも大人気でした!第2弾のミニミニルーズリーフも、ファンの方にとても喜んでもらえそうですね。
小中さん:はい!今回も懐かしい商品が登場しています。昔よく使っていたな〜なんて思い出しながらお手にとっていただけると嬉しいです。
〈マルマン〉の100thの歴史についてもっと詳しく!動画でCHECK>>
質問2 なぜミニシリーズをつくることに?
今津:なぜ、ミニサイズをつくることにしたんですか?
小中さん:「あ、あれもこれも、マルマンだったんだ!」という新発見を改めてお届けしたいということと、ファンの皆様への感謝を込めて、愛でて楽しんでもらえるアイテムをつくりたいと思ったからです。
今津:確かに、このミニミニシリーズは飾っておきたくなりますね。〈do it yourself!〉は、かなり古い商品ですよね。
佐藤さん:1971年に発売したバインダーで、当時学生を中心に人気を博したアイテムです。表紙がポケットになっていて、お気に入りのポストカードを入れるなどして自由にカスタマイズを楽しむことができます。このような商品は、当時かなり珍しかったようです。
小中さん:〈ミニミニルーズリーフ〉は、「なつかしセット」と「えがくセット」の2種類をご用意。〈なつかしセット〉は、1968年の発売以降、半世紀以上に渡り愛されてきた〈マルマン〉歴代のルーズリーフのデザインをそのまま小さくしています。中の罫線も当時のものそのままなんです。
佐藤さん:〈えがくセット〉には「画用紙リーフ」「クロッキーリーフ」「水彩紙リーフ」の3種をセットしています。実は今回、ミニミニシリーズ限定で水彩紙リーフをご用意しました。
今津:既存品にはない商品なんですね。紙は少し厚みがありますね。
佐藤さん:水彩紙は、水を多く使っても表面強度を保つようになっています。絵の具が動かしやすい「にじみどめ」の工夫がされているんです。作品をこの水彩紙リーフに描いてもらえば、手のひらサイズの作品集ができあがりますよ。
今津:それ、すごくよいですね!限定品のみの販売なのがもったいない...。
佐藤さん:〈マルマン〉や商品のことを少しでも多くの人に知ってもらえるきっかけになればよいなと。
質問3 ルーズリーフはどう進化した?
今津:これまでに、さまざまな〈ルーズリーフ〉を発売されていますが、どのように進化してきたのでしょう。
小中さん:1967年に、プラスチックバインダー発売後に〈ルーズリーフ〉を発売しました。製品保護のためにPP袋に入れて販売するのは、弊社がはじめて取り入れたスタイル。必要なものだけ持ち運べるノートとして、学生を中心に大ブームになったんです。
今津:PP袋入りスタイルも、必要な分だけ、というのも今となってはスタンダードですが当時は革命的なアイデアだったんですね。〈マルマン〉はルーズリーフの種類が豊富ですよね。
小中さん:それ以降も、いろいろなルーズリーフを展開するようになりました。〈書きやすいルーズリーフ〉シリーズの横罫やワイドサイズのルーズリーフをはじめ、インデックスなど、約150種類ものバリエーションが広がっています。
スマートレビュー B5 復習罫 242円(税込)
今津:150種類も!!
小中さん:2012年には、A4・B5・A5、どのサイズのバインダーでも付箋のように使える手のひらサイズの〈書きやすいルーズリーフ ミニ〉を発売しました。このように、罫線の違いや紙の色だけではなく、サイズも進化しているんです。
書きやすいルーズリーフ ミニ
タイムプランニング176円(税込)、TO DOリスト176円(税込)
ミニバインダー
イントゥーワン 605円(税込)、スケッチバインダー 715円(税込)
書きやすいルーズリーフ ミニ
B7変型 方眼罫 カラーアソート 275円(税込)、B7変型 メモリ入6mm罫 253円(税込)、画用紙リーフ 308円(税込)
ジウリスバインダー(A5) 3,080円(税込)
今津:〈書きやすいルーズリーフ ミニ〉はハンズでも人気の高い商品です。
質問4 〈ルーズリーフ ミニ〉誕生のきっかけは?
佐藤さん:新商品を開発するにあたり、お客様から定番の〈ルーズリーフ〉の使用方法を募集したんです。すると、1枚の〈ルーズリーフ〉を分割して使ったり、カットして使っている人が複数人いました。
小中さん:全く想定していなかった使い方で、驚きましたよね。
佐藤さん:お客様の使用方法をヒントに開発を進め、今では「TO DOリスト」「タイムプランニング」「5mm方眼罫」などさまざまなバリエーションを展開しています。
今津:メモ用紙よりもたくさん書き込めて、一緒に綴じられるのがよいですよね。ユーザーさんの使用方法で、新しい発見はありましたか?
小中さん:学生さんの中には、1枚に1問、問題を書き込んで持ち歩いている方がいました。手のひらサイズなので、場所を気にせずテスト勉強ができるみたいです。
今津:そのアイデア、すごくよいですね!ノートだと大きすぎて場所をとるし...。私が学生の頃に欲しかったです...!
小中さん:皆さんそれぞれ工夫して使ってくださるので、私たちもいつも新しい気づきをもらっています。
質問5 〈マルマン〉といえばこの商品!開発秘話を教えて!
今津:〈マルマン〉といえば、やはり〈図案スケッチブック〉のイメージが強いです。
小中さん:〈図案スケッチブック〉は1958年に誕生しました。発売当時からこの表紙デザインだったのですが、デザインという概念が浸透していなかった当時の日本では、とても革新的な商品だったようです。
今津:そうだったんですね!このクロスのデザインに何か意味はあるんですか?
小中さん:表紙のクロスは「図」の字をもとにデザインされたという説があります。
今津:図?...あ!本当だ!
小中さん:実はこのデザインは、学生さんの持ち込みだったそうです。
今津:学生!?てっきり当時の売れっ子デザイナーがデザインしたのかと。そのデザインが1958年から2020年の今まで使われているってすごいですね。
小中さん:ええ。発売以降、図案シリーズは会社を代表する商品となり、このデザインは誕生50周年の2008年に社章として採用されるほどになりました。
質問6 「日本初」のアイテムについて教えて!
今津:100年という長い歴史があると、日本初のアイテムも多そうですよね。確か、リングノートがそうでしたよね?
小中さん:はい!1958年に初めてスパイラル製本機を導入し、1960年に日本初のリングノートを発売しました。
佐藤さん:ちなみに今では製本機を導入していますが、戦後の頃は、スケッチブックのリング部分を手巻きで生産していたんですよ。
今津:手巻きで!?かなり大変な作業ですね...。
佐藤さん:戦後は人手が足りないので、近所の人に一緒に巻いてもらったりしていたそうです。
今津:戦後と聞くと、改めて〈マルマン〉や商品の歴史の深さを感じますね。
質問7 お気に入りのアイテムを教えて!
今津:お二人が普段愛用されているアイテムが知りたいです。
小中さん:私はハンズさんとのコラボ商品であるA6サイズの〈イペニモ〉をずっと愛用しています。
マルマン×ハンズ イペニモ
左から:方眼罫ノートA5 798円(税込)、横罫ノートB6 698円(税込)、方眼罫ノート A6 598円(税込)
小中さん:仕事柄、商品を持ち歩くことが多いので、できるだけ自分の持ち物は軽く、コンパクトにしたくて。〈イペニモ〉はコンパクトなA6サイズで、カバンにもすっぽり入るので気に入っています。
今津:タイトルや日付を書くスペースがあるのも便利ですよね。
小中さん:そうなんです。このタイトルのスペースが狭すぎず、広すぎず丁度よいんですよ。また、ミシン目入りでページが切り取れるので、必要なメモ書きのみ残すことができて便利です。
佐藤さん:私は学生の頃から〈クロッキーブック〉と〈図案スケッチブック〉を愛用しています。また、〈書きやすいルーズリーフ・スマートレビュー〉は開発に携わった思い入れのある商品です。
クロッキーブック Mサイズ 638円(税込)
クロッキーブック ポケットサイズ 352円(税込)
図案スケッチブック B6 209円(税込)
スマートレビュー B5 復習罫 242円(税込)
今津:〈スマートレビュー〉は、「復習罫」「サポート罫」「暗記罫」の3つのフォーマットで、勉強をサポートしてくれるんですよね。
佐藤さん:その通り。たくさんの学生さんから普段どんなノートの使い方をしているか、またどんな不便があるのかをリサーチしました。実際に「ノートが上手くとれない」「もっと自由にノートを整理したい」「暗記をもっと効率よくしたい」などのお悩みを持った学生が多く、それらを解決するために設計した〈ルーズリーフ〉が〈スマートレビュー〉なんです。
今津:〈スマートレビュー〉のおかげで勉強が捗った学生がたくさんいると思います!〈クロッキーブック〉と〈図案スケッチブック〉はどのように使い分けされているんですか?
佐藤さん:〈図案スケッチブック〉は表面にやさしい凹凸のある紙質で、絵の具や色鉛筆などで色を塗るととても奥行きがでるのが特徴。だから、ちゃんと絵を描きたい時におすすめです。〈クロッキーブック〉は鉛筆との相性がよいので、ラフスケッチやアイデアブックとして活用しています。
今津:紙質といえば、紙の開発も自社でされているんですよね。
佐藤さん:ええ。弊社は、もともとよい紙を使ってもらいたいとの想いでスケッチブックの製造をスタートした会社なので、紙の質にはかなりこだわっています。〈マルマン〉のオリジナル用紙は、筆記用紙が4種類、画用紙は9種類の全13種類が揃っています。そのため、製品や用途に合わせて紙を選び、製品を開発することができるんです。
今津:これほどオリジナル用紙が揃っているメーカーはなかなかないですよ。100年という長い歴史の中で、いろんな特徴をもった商品を展開できる理由が分かる気がします。
それでは、私のお気に入りも発表してもよいですか?(照)
佐藤さん・小中さん:ぜひ!
今津:私が普段愛用しているのは、A5サイズの〈書きやすいルーズリーフ 5mm方眼罫〉とA5サイズの〈レポートパッド 5mm方眼罫〉。
左:書きやすいルーズリーフ(A5、5mm方眼罫) 220円(税込)
右:レポートパッド(A5、5mm方眼罫)187円(税込)
小中さん:どのように使われているのですか?
今津:〈書きやすいルーズリーフ 5mm方眼罫〉は、商談や打ち合わせの時に使っています。方眼罫が丁度よい濃さなので、文字を描くのはもちろん、図やイラストを描くときにも邪魔にならず使いやすいんです。
また、〈レポートパッド 5mm方眼罫〉は、1週間のTO DOリストを書く用に使っています。1週間が終わったら、日めくりカレンダーのようにめくって次の週のTO DOを書く。これの繰り返し。どちらもシンプルで使いやすいのでリピートしているアイテムです。
佐藤さん:普段のお仕事で愛用していただいて嬉しいです!
質問8 これからの〈マルマン〉について教えて!
今津:100個質問するはずが、1つずつのお話が興味深すぎてまだ7つしか質問できていない...。
小中さん:ついつい盛り上がっちゃいましたね(笑)
佐藤さん:今津さん、メモはバッチリ取れましたか?
今津:それが...
今津:メモを取ることそっちのけで、話に夢中になってしまいました...。
小中さん:見事に真っ白ですね...(最初の意気込みは一体...)。
佐藤さん:ま、まあそんな時もありますよね!今津さんには、今回ご紹介する100周年グッズ〈ミニミニシリーズ〉がぴったりかもしれませんね。
今津:はい...、〈ミニミニシリーズ〉をゲットして出直します。でも、今日のお話は私の心のノートにしっかりと書き込まれているので...。
よし!もう、切り替えて最後の質問いっちゃいます!これからの〈マルマン〉の目標やファンの皆様にメッセージはありますか?
佐藤さん:では、代表して私から。〈マルマン〉は皆様に愛され、育てられて100年を迎えることができました。そのことをこれからも大切にしながら、たくさんの人を創造的にできるサービスや商品をお届けしたいです!
今津:ありがとうございます。今回の取材を受けて、「あれも、これも〈マルマン〉だったのか」という発見があり、改めて歴史の長さを感じました。長年、クオリティの高いモノづくりをされているからこそ、たくさんの人に愛されているブランドなのだと思います。この記念すべき100周年をもっとたくさんの人に知っていただくために、ハンズも、どんどん情報発信をしていきたいと思います!
おわりに
これまでたくさんのヒット商品を生み出してきた〈マルマン〉。これからも、皆さんの閃きや学習のサポートをしてくれるはず...。100周年を迎えた限定グッズ、ぜひゲットしてくださいね!
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