手帳メーカーとして70年以上の歴史を誇る能率手帳。2013年からはNOLTY®︎としてリブランディングしながら、時代のニーズにあった製品づくりで変わらぬ支持を集めています。業界のレジェンド的存在、能率手帳が守りつづけるこだわりと、2023年の最新トレンドについて聞きました。
能率的にはたらく「時間」から、豊かに過ごす「とき」へ
―子どもの頃から「能率手帳」の存在は知っていましたが、かなりインパクトのある名前ですよね。バリバリはたらくぞ!という気概を感じます。
川村由美さん(以下、川村さん):そうですよね(笑)。もともと弊社は、生産現場の能率を上げるためのコンサルティング的な役目を果たしていた会社なんです。能率手帳が誕生したのが1949年ですから、まさしくこれから高度成長期へと突入していく時期。時間を有効活用して"能率的にはたらく"ためのツールとして、日本ではじめて時間目盛りの付いた手帳をつくりました。
今回お話をうかがった、株式会社日本能率マネジメントセンターのみなさん
左から:マーケティング部 川村由美さん、企画開発部 青木麻衣也さん、企画開発部 河野由希子さん
―能率の意味を調べると、「一定の時間にできあがる仕事の割合。仕事のはかどり方(『広辞苑』)」とありました。やはり"時間"というのがひとつのキーワードなんですね?
川村さん:はい、会社として"時間"に対する考え方はずっと大切にしています。能率手帳ができた当時は、いかに時間を無駄にせずはたらくか、すき間時間をどう活用するか、という意識でしたが、いまは時間の"質"を問うようになったのが大きな変化だと思います。能率手帳からNOLTYにリブランディングした2013年頃から、弊社では時間を「とき」と捉えるようになりました。人生を豊かにするにはどういう「とき」を過ごすべきか、みなさんの「時間<とき>デザイン」を側で支えたいという思いで商品開発を進めています。
―"時間"という軸を大切にしながら、モーレツにはたらく時代から、豊かなときを過ごすための手帳へと変化しているんですね。そのほかに、変えずに大切にしていることはありますか?
川村さん:やはり品質ですね。国内の自社工場で、ひとの手と目を通してつくることにこだわっています。紙もすべてオリジナル。色や厚みの異なる5種類を揃えて、商品にあわせて最適な紙を選べるようにしています。あとは、長年ご愛顧いただいているリピーター様のために何十年もまったく変えずに同じ仕様でつくり続けている商品があるのも特徴かもしれません。時代にあわせて新たにチャレンジするシリーズと、ずっと変えずに使い続けていただけるシリーズ。その両方を大切にしています。
ロングセラーの「能率手帳」は、60年以上変わらない仕様で愛され続ける
使い勝手も見た目も自分仕様に「NOLTY エクリセレクト」
―時代にあわせて新たにチャレンジするシリーズ、というお話しがありましたが、近年の傾向や2023年の新作について教えてください。
青木麻衣也さん(以下、青木さん):この数年、やはりデジタルとの併用というのは大きな変化。在宅ワークが定着したことで、仕事の予定はオンラインで社内共有するというケースが増えていますよね。ともすればデジタルだけでスケジュール管理ができてしまう時代だからこそ、紙の手帳の使い方が多様化していると感じます。家庭内でのちょっとしたタスクを書き込みたい方もいれば、ライフログのように記録をつけたい方もいる。そんなさまざまなニーズにお応えできる、自由度の高いレイアウトが人気です。
日付の下に最小限の枠を設けるだけで、その他ほとんどのスペースが方眼メモ。自由な使い方ができる(NOLTY エクリセレクトB6メモ)
―たしかに、デジタルだけでなく、紙の手帳を使い続ける方にはかなりのこだわりがありそうです。
青木さん:使い勝手はもちろんですが、見た目も同様。せっかく1年間通して使い続けるものなので、気に入ったデザインを選びたいというお声も多くいただきます。そこで2023年版にデビューしたのが、「NOLTY エクリセレクトシリーズ」。B6サイズとA5サイズでそれぞれ4種類の手帳レイアウトと6種類のカバーを自由に組み合わせることができるんです。
使い勝手によって選べる手帳本体(4種)と好みのカバー(6種)を選んでカスタマイズ可能
※一部店舗のみの販売となっております。詳しくは各店舗までお問い合わせくださいませ―くすみ系のカラーがかわいいですね!
青木さん:ありがとうございます。これまでの手帳は比較的ビジネステイストなものが多かったのですが、女性もおしゃれに使っていただけるものをと思ってデザインしました。レイアウトは気に入っているのに好きな色のカバーがない、といったモヤモヤを解消できたらうれしいです。
デジタル併用派に"引き算"の手帳「NOLTY ノートダイアリーシリーズ」
―「NOLTY エクリセレクト」は定番の手帳にカバーを組み合わせられるアイテムでしたが、手帳自体が新商品というものもあるのでしょうか?
河野由希子さん(以下、河野さん):「NOLTY ノートダイアリーシリーズ」の手帳が新作になります。こちらもデジタルとの併用の流れを受けて、"引き算の手帳"を意識して開発しました。
―"引き算"というのは?
河野さん:手帳って、スケジュールもメモも資料も1冊にまとまっていて便利な半面、デジタル化が進み、内容にオーバースペックを感じる人も。そんな方々の声から開発したのが、暦だけに特化し、他をそぎ落とした薄型で持ち運びしやすいA5ダイアリー。デジタルを併用しながらも、手元でさっと開いて暦の確認をしたり、備忘録を書き込めるよう設計しました。 1冊だけでも十分使えるのですが、組み合わせ可能なノートも作り、セットで持ち運べるようにしています。
専用カバーに、ダイアリーとノートをセットできる
ダイアリー2種類、ノート4種類、カバー4色から自由に組み合わせが可能
※一部店舗のみの販売となっております。詳しくは各店舗までお問い合わせくださいませ―ダイアリーとノートを組み合わせたいというニーズはあったんですか?
青木さん:定番のダイアリーで、手帳の後半ページがノートになってるものがあるんですが、それだと1年の途中でノートを使い切ってしまったり、その逆もあったり。それ以外にも、手帳のレイアウトはこっちのタイプで、ノートは方眼タイプがいいなど、こだわりのあるお客様も多いので、そういった声にお応えできると思います。
―具体的にどんなところにこだわってつくったか教えてください。
河野さん:ダイアリーは手帳ならではの良さである俯瞰性を大事にし、2種類つくっています。ひとつは一ヶ月が俯瞰で見られる「マンスリータイプ」。細かい予定はデジタルのスケジューラーに記入するという方も、自分の一ヶ月の動きがひと目でみられるというのは利点ですよね。
作業予定やちょっとしたメモなど自分だけが把握しておきたい情報を書いておく
もう1種類は、見開きで2週間を一覧できる「2週間ブロックタイプ」です。はじめは手帳を薄くするための手法として2週間を1ページに収めようと考えたのですが、「手帳ならではの俯瞰性」を意識すると2週間という期間は中期的なタスクや予定管理に非常に適しているので、そういった面でも2週間タイプはいいなと思って企画しました。前後の週と見比べることができるので、継続して行うタスクの管理などに向いています。これまでにないスタイルのものなので、手帳好きの方にはぜひ注目していただきたいです!
仕事のタスクも2週間の流れで把握できる
献立の予定を書き込めば、必要な食材の買い物メモとも連動。ミールログとして活用できる ―ノートにはどんなこだわりがありますか? 河野さん:使い勝手にあわせて「アシンメトリータイプ」「ログタイプ」「横罫タイプ」「方眼タイプ」の4種類をつくっています。情報を整理するときは罫線、自由にアイデアを広げるときは方眼がいいなど、好みがあると思いますので、お好きなタイプをお選びいただけます。
左ページは罫線、右ページはドット方眼になったアシンメトリータイプ もうひとつ、さりげないこだわりがノンブル(ページ番号)です。通常のノートにはページ番号が書いていないことが多いと思いますが、NOLTYのノートはノンブル付き(3.5mm方眼を除く)。何ページにメモしたか、ダイアリーに記録しておくことで、書いたものがすぐに見つけることができるようになっています。
ノートにページ番号が入っているので、どこにメモしたかが迷子になることがない ―小さなことですが、うれしい配慮ですね!手帳を知り尽くしたNOLTYならではという感じがします。最後になりますが、昨今のトレンドも踏まえ、これからの手帳活用のヒントを教えていただけますか? 川村さん:デジタル化にともなって、仕事の予定はスケジューラーで管理することが増えたと思いますが、だからこそ自分だけのタスクやプライベートのことは手帳に記すというニーズも増えています。ビジネス用、プライベート用、ライフログ用と、ひとりで何冊も使い分けている方もいるくらい。書きたい内容にあわせてレイアウトを選んだり、好きなデザインを選ぶことができるようカスタマイズできる新作も登場したので、ぜひみなさん一人ひとりの好みに合わせて選んでいただきたいです。 使い勝手からデザインまで自由に選べる新作手帳、いかがでしたか?自分なりにカスタマイズした手帳で、2023年も豊かな時間を過ごせますように。 深堀りしたら、くらしが豊かに、もっと楽しく!ヒントマガジンプラス>> ※工場生産遅延の影響で入荷日の遅れや商品仕様の変更が生じる場合がございます。おわりに
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