なんでも「ミニチュア化」しちゃう凄腕集団〈ケンエレファント〉の再現度がすごかった

なんでも「ミニチュア化」しちゃう凄腕集団〈ケンエレファント〉の再現度がすごかった

「子供向け」というイメージが強いカプセルトイやミニチュアフィギュアは、進化を続け今や大人も夢中になる人気コンテンツに成長しています。今回は、数あるフィギュアメーカーの中でも、特に大人たちから人気を集める〈ケンエレファント〉に注目!「世界を面白くしていく」をモットーに、世界中のものを超リアルなミニチュアにしてしまう凄腕集団です。アイデアやヒット商品はどのようにして生まれるのか、気になってしょうがない!ということで、ケンエレファントで働くみなさんに話を聞いてきました。

ケンエレファントってどんな会社?

―さて、やって来ました!ケンエレファントさんのオフィス!オブジェや絵本がたくさん飾られた楽しげな空間が広がっています。

ケンエレファントオフィスオフィスのエントランスの様子。

―今回は、実際にミニチュアフィギュアやカプセルトイを企画・開発しているという方たちにお話を伺います。みなさん、よろしくお願いします!

ケンエレファントのみなさん
左から ケンエレファント
営業部 蒲地さん(企画の許諾や現場づくりを担当)
ミニチュア事業部 樽見さん(企画と進行管理を担当)
企画開発部 小嶋さん(企画と開発を担当)

一同:よろしくお願いします。

―素敵なオフィスですね!ユニークな切り口のミニチュアフィギュアを多く展開されているケンエレファントらしいオフィスだなと思いました。

樽見さん:にぎやかですよね。社長の趣味が詰め込まれた空間です。

―社長のご趣味なんですね。社員の方と数人すれ違いましたが、髪が明るかったり、オシャレな方たちばかりで、オフィスも働く方たちも個性豊かな印象を受けました。ケンエレファントの仲間を一言で表すとずばり?

蒲地さん:一言で表すなら、変態集団ですかね(笑)。

―へ、へんたい!?それはどういう...。

蒲地さん:ミニチュアフィギュアへの愛が深すぎるというか...。私たちもそうですが、ミニチュアフィギュアのことをいつも考えています。プライベートでも常にアイデアを探していて、閃いたら樽見や小嶋に連絡して意見を聞くこともよくあります。

ケンエレファント蒲地さん

樽見さん:「中年隊」というチャットグループがあり、タイムリーによくやりとりをしています。

小嶋さん:ふたりならどんな反応をするかな?と素直な感想を求めたりしますね。

ケンエレファント小嶋さん

―なんだか楽しそう(笑)。ケンエレファントは、さまざまな業種のプロダクトを正式ライセンスのもとミニチュア化されていますね。そのクオリティの高さが人気の一つですが、いつからカプセルトイ業界に参入されたのですか?

純喫茶 ミニチュアコレクション vol.2
人気商品〈純喫茶 ミニチュアコレクション vol.2〉。カフェメニューはもちろん、お店のロゴがプリントされた紙ナプキンまで付いてくる!

樽見さん:カプセル業界に参入したのはここ数年の話です。もともとはセールスプロモーション業務を行っていて、その中でも海洋堂さん造形のフィギュアで飲料メーカーのベタ付けノベルティをつくっていました。

―ドリンクを買うとついてくるオマケですね。

樽見さん:ええ。海洋堂さんとフィギュアを作っていく中で、フィギュアの魅力的な見せ方やこだわり、熱意などを学ばせていただきました。そういった流れを経て、自社発信のミニチュアを全国流通で展開してみたい、ということになり5、6年前にカプセルトイ業界に飛び込んだんです。

小嶋さん:はじめた当初は年に2、3本の企画を実施するほどでしたが、ここ数年で少しずつ認知度もあがり、ミニチュアフィギュア化に賛同してくれる企業や作家さんなどの版元さんが増え、今では年間80本ほどの企画を実施するまでに成長しました。

―そんなにたくさん!

樽見さん:ケンエレファントは、実在するプロダクトをミニチュア化するのが特徴なので、企画を立てるのもかなり苦労します。世の中にあるもののほとんどが、既に商品化されているので...。

―世の中にあるものとは例えば?

樽見さん:例えば、「室外機」や「看板」など。こんなものまで!?と思うようなものも商品化されているので、本当に探し出すのが大変で...。

―そんな苦労の中、私たちの予想を超えるユニークなアイテムが生まれているのですね。

ヒット商品はこうして生まれる!

―みなさんの「推し」のミニチュアフィギュアを教えてください。

樽見さん:うーん、悩ましい。

ケンエレファント樽見さん

蒲地さん:選べないくらい推しアイテムはあるんですが、企画がやりやすいのは〈酒のある悦びシリーズ〉ですかね。3人とも大のお酒好きなので、アイデアが次々と出てきます。

ケンエレファント・酒のある悦びシリーズ酒のある悦びシリーズ
BOX:各440円(税込)

小嶋さん:ネタ探しをしていても、目につくのはやっぱりお酒が多いです。やりたいと思っても、残念ながら版元さんに許可をいただけないこともあります。その場合は別のパターンを考え直す必要があるのですが、お酒ならスルスルとアイデアが出てくるから不思議です(笑)。

―趣味がばっちり仕事に活きていますね!

樽見さん:好きなもの、気になるものを形にするのは楽しいです。

私は、〈BALLOON〉もお気に入り。これはずっとつくりたいと思っていた題材です。小嶋が開発を担当してくれたのですが、表現や再現度がかなり秀逸で、出来上がった時は感動しました!

ケンエレファント・BALLOON ミニチュアコレクションBALLOON ミニチュアコレクション
BOX:各440円(税込)
※一部店舗のみでの取り扱いになります

―すごくかわいいですね!トキメキます!ミニチュアフィギュアは、どのような工程でつくられるのですか?

樽見さん:まずは全社から企画アイデアを募ります。たくさんのアイデアの中から、企画として成立しそうなものを選別し、その後版元さんへの許諾申請や、工場とやりとりをしながら内容を具体的に詰めていきます。

ケンエレファント進行中の企画書 選別され進行中の企画の数々。

―社員全員で企画出しを行うんですね!進行中のもので、何企画くらいあるのですか?

樽見さん:たくさんあるように見えますが、これ(上記画像)で2、3ヶ月分の企画数。毎月、かなりのスパンでアイデア出しを行っています。

小嶋さん:企画が通った後は、実際に形をつくっていきます。社内の原型師が3D原型を作り、塗装のサンプルづくりを経て、少しずつ完成へと近づけます。原型製作や塗り作業も大変で、それぞれ修正を繰り返します。1つのシリーズが完成するまでに、半年以上かかります。

ミニチュアフィギュアのサンプルと完成品。サンプル(白)と完成品。

―特に作業が大変な商材はありますか?

小嶋さん:それぞれに難しさがあるのですが、食品系は特に苦労します。お米の粒感やフライの衣など、細かなディティールや色味の微調整がかなり難しいです。その分、版元さんに満足していただいた時は、ここまで頑張ってよかったと心から思います。

樽見さん:再現度が高ければ高いほど、私たちも感動します。家具ブランド〈カリモク60〉のフィギュアは、「モケットグリーン」というカラーに使われているモケット素材の表現にこだわり、フロッキー仕様で起毛させることでホンモノにグッと近づけることができました。量産品を見た時は、かなりテンションが上がりました。

カリモク60  MINIATURE FURNITURE 第1弾 Kチェア2シーター/モケットグリーン〈カリモク60 MINIATURE FURNITURE 第1弾 Kチェア2シーター/モケットグリーン〉

―本当にリアルですね。ミニチュアフィギュアとは思えない完成度!

ハンズでゲットできる新作を教えて!

―ここからは、ハンズで手に入るケンエレファントの新作4点をご紹介。それぞれの、こだわりを聞いてみました!
※内容は取材当時のものです。また店舗によって取り扱い内容や在庫状況が異なります。詳しくは店舗までお問い合わせくださいませ。

文具ミニチュアマスコット 第5弾

小嶋さん:一つ目は〈文具ミニチュアマスコット 第5弾〉。文具ソムリエールの菅 未里(かん みさと)さん監修のもと、ロングセラー商品を中心にミニチュア化しています。ケンエレファントの中でも人気シリーズの一つです。このシリーズは私が開発した企画の中でも、思い入れがあるシリーズです。

文具ミニチュアマスコット 5th season
文具ミニチュアマスコット 5th season
BOX:各440円(税込)

2023年1月発売

―苦労したポイントやこだわりはありますか?

小嶋さん:〈ナイスタック™〉は、表面にシールを貼っているのですが、量産する際にズレることなくシールを貼れるかがポイントで、その調整に苦労しました。

文具ミニチュアマスコット 5th season ナイスタック™

―サイズが小さいので、きちんと貼りつけるのは大変そうですね。

小嶋さん:こだわった点は、〈ぺんてる・サインペン8色セット〉の造形部分です。中のペンは取り出せないのですが、できるだけ忠実に再現しました。キャップ部分は一体になっていますが、ペンの本体部分はバラバラにつくっています。よく見ないと分からない細かな部分ですが、よりリアリティを再現するにこのような構造になりました。このひと手間でミニチュアの精度がぐんっとあがります。

文具ミニチュアマスコット 5th season ぺんてる・サインペン8色セット

―確かに言われないと気づけないこだわりですが、そのこだわりがあるからこそのリアリティですね。さすがです!

RED WING SHOES®ミニチュアコレクション

樽見さん:続いてご紹介するのは〈RED WING SHOES® MINIATURE COLLECTION 第2弾〉。こちらは、男性に特に人気のシリーズです。

RED WING SHOES®ミニチュアコレクションRED WING SHOES® MINIATURE COLLECTION 第2弾
BOX:各550円(税込)

2022年12月発売

―ブーツ表面の風合いやシューレース部分が細かく再現されていますね。すごすぎる...。

小嶋さん:別の者が担当したシリーズですが、担当者はいつも「めっちゃ大変...」と嘆きながら頑張っていました(笑)。僕だったらこれはお手上げですね。よく完成させたなと思います。

―こちらも渾身のシリーズということですね!裏側を知るとミニチュアフィギュアを見る目がかわります。

パンどろぼう figure collection 第2弾

蒲地さん:続いてご紹介するのは〈パンどろぼう figure collection 第2弾〉。柴田ケイコさんの人気絵本『パンどろぼう(出版社:KADOKAWA)』のミニチュアフィギュアです。

パンどろぼう figure collection 第2弾
パンどろぼう figure collection 第2弾
BOX:各550円(税込)

2022年12月発売

―こちらはどういった経緯で商品化まで至ったのですか?

樽見さん:会社のメンバーとランチをした帰りに、本屋でこの絵本をたまたま見つけ、一目惚れしたんです。

蒲地さん:たくさん平積みされていたので、書店さんも力をいれて展開しているな、と感じました。

樽見さん:企画会議で熱いプレゼンをし、版元であるKADOKAWA様からも許諾をいただけて、無事商品化まで進めることができました。

―今回で第2弾ということは、読み通り人気を集めたということですか?

樽見さん:はい!2弾目のフィギュアもかわいい仕上がりになっているので、ぜひお手に取っていただきたいです。

カマノレイコ フィギュアコレクション

カマノレイコ フィギュアコレクション
カマノレイコ フィギュアコレクション
BOX:各550円(税込)

2023年1月頃発売

―ぼてっとした体型や、なんとも言えない表情がたまりませんね。

樽見さん:ほっこりしますよね。

―イラストをフィギュア化するにあたって、意識していることはありますか?

樽見さん:作品の世界観を最大限そのままに表現していくことです。カマノレイコさんの作品は、猫たちの表情も個性的ですし、やさしくやわらかなタッチが特徴です。立体物にする際、その印象を崩さないことが一番大切だと思います。

―のんびりとしたやさしい世界観が伝わってきます。ご紹介いただいた4シリーズを見ても、ジャンルがさまざまで、ケンエレファントの豊かなバリエーションや、面白い着眼点を改めて感じました。今後もどんな商品が登場するのか見逃せないです!

樽見さん:ありがとうございます。これからも今までにない切り口と、精巧な仕上がりのミニチュアを作り続けられたらと思っています。みなさんに楽しんでいただける「なんだこれは!」と思うものをどんどん生み出していきたいと思っているので、楽しみにしていてください!

おわりに

ミニチュアフィギュアの中にあふれるこだわりの数々。ケンエレファントだから再現できるミニチュアフィギュアは今後も要チェック!こんなものもミニチュア化しちゃうんだ、と私たちをまだまだ驚きとワクワクの世界に連れて行ってくれるはずです。ハンズのお店でぜひゲットしてくださいね!

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