ハンズには、スーツケースの伝道師がいるらしい...取材班が向かった先に現れたのは、全身から「スーツケース愛」を発するユニークなバイヤー佐藤。佐藤が語るスーツケースの魅力、そしていまお気に入りの一台とは?
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スーツケースの伝道師とのご対面
-こんにちは、ええと、もしかして、スーツケースの伝道師さんですか?
はい、私がスーツケースの伝道師です。
早速いました、"スーツケースの伝道師"を自称する、バイヤーの佐藤宏樹さん。奄美大島の生まれだから顔が濃いんです、とのこと。
-はじめまして。あの、早速なんですけど。
ええ、なんでしょう?
-スーツケースの伝道師って、一体何ですか?
そうですね、旅や暮らしを便利にし、彩りを与えてくれるスーツケースを、もっと身近に感じてもらうよう、さまざまな啓蒙活動を行っているとでも言いましょうか。
-...ん?
社内のポジションとしてはスーツケースやトラベルグッズなどのバイヤーです。ただ、私自身スーツケースがとても好きなので、より多くの方々にその魅力を伝えたいと思い、スーツケースの伝道師と自称させていただいています。
-な、なるほど。
通常業務に加えて、個人的にSNSでも発信しています。例えばこんな感じで。
-まさかのスーツケースがメイン。
皆さんもこういう風に撮りません?
-一般的ではないと思います。
あ、そうですか(笑)。まあこれは啓蒙活動の一例なんですが、スーツケースってただ旅行とか出張の時に便利なものではなく、まだまだ楽しみ方はあると思っていて。
-ええ。
スーツケースって、おそらく一般的には、数年に1回くらいの頻度でしか使わないじゃないですか。
-そうですね。私も何泊もする旅行とか出張くらいの時にしか使いません。
でしょう。だから基本的には押入れの奥の方とかで眠っていると思うんですが、それってすごくもったいないんですよ!
-熱意がすごい。
ワーゲンバス×R2-D2=スーツケース?
-いつからスーツケースの伝道師を自称されているのですか?
5年前くらいからです。
-自称されるようになったきっかけは何だったのですか?
ハンズに入ったのは大体12年前なのですが、入社してしばらくは船橋店で販売をしていたんです。そこから異動でバイヤーになったのが5年前でして。
-バイヤーになられたのがきっかけだったのですね。
それもありますし、後はちょうどその頃に子どもが生まれたんですよ。で、子どもが大きくなった時にきっと「お父さんの仕事ってなに?」って聞かれるだろうなあと思ったんですが、その時に何て答えるべきかと少し考えてしまって。
―スーツケースとか旅行用品を仕入れたりしている、ということですよね?
ええ、ただそれはあくまで業務内容であって、なんというかこう、志みたいなものは何だろうって思ったんですよ。
-ああー、なるほど。
それでちょっと原点に立ち返るじゃないですけど、昔のことを思い出したりして。
-ふむふむ。
これは特に男性の方ならわかってもらえると思うんですが、私は小さい頃から四角のものに車輪が付いているものが好きでして。
-ええと...、例えば車とか電車とかのことですか?
そうそう。ただ、私は車ではなく、スーツケースが好きになったんです。
-...え?
ん?
-いや、常人の発想じゃないなと思って...。
私も最初は車から入ったんですよ?フォルクスワーゲンのワーゲンバスが特にお気に入りでした。
―それなのにどうして...。
他にも好きなものがあって、それが映画「スター・ウォーズ」のR2-D2です。
-主人公と一緒に冒険するあのロボットですね。
まさにその"主人の後をついていく"感じがいいなあと思って。それでワーゲンバス、R2-D2ということで、それらが組み合わさってスーツケースになった訳です。
-飛躍がすごい。どういうことですか?
ワーゲンバスのように車輪の付いた四角のもので、R2-D2のように主人の後をついていくって言ったらもう...。
-あ...!
スーツケースしかないじゃないですか。
-ああ、なんだか腑に落ちました!
そうでしょう!そういうことですよ。それで自分の中で色々と整理がついて、スーツケースの伝道師としてやっていこうと覚醒した訳です。
伝道師の奥さまは優しすぎた
-しかしSNSを拝見すると本当によくスーツケースの写真をあげられていますが、個人のスーツケースはもしかして3、4台くらいあったりするのですか?
13台です。
-桁が違った。
一時期は20台ほどあったんですが、布教活動の一環として知り合いにプレゼントしたりして、ここまで減らしました。
-それでも多い...。それほどたくさんあってご家族の方は何も言わないのですか?
それが意外と好意的に受け入れられてますよ。子どもが2人いるのですが、出かける時なんか、どっちがスーツケースを引くかの取り合いになったりして。
-DNAが濃い...。そして本当に普段からよくスーツケースを使っていらっしゃるのですね。
まだ子どもが小さいこともあって、マザーズバッグとしても活躍してくれますから。
-なるほど!しかしお子さまはともかく、奥さまはさすがに小言の一つも言ってきますでしょう?
いやいや、何も言わないですよ。
-すごい。優しすぎる。
大きな子どもを見ている感じなんだと思われます(笑)。
-とはいえそれだけのスーツケースが家にあって、収納はどうしているのですか?
これは皆さまも自然とやられているかもしれませんが、スーツケースそのものを収納道具として使ったりすれば案外置き場には困りませんよ。
-あ、それはそうかもしれません。冬の間は夏物の服を詰め込んだりしますね。
備蓄品を入れておくのもアリですね。あとは、シンプルにインテリアとして飾るのもいいじゃないですか。
-それは...ちょっとレベルが高いかも...。
え、そうですか(笑)?でも、本当にオススメですからぜひ一度やってみてください。書斎とかベッド横とかにちょっとした布とか紙を敷いてスーツケースを置いてみると、これがなかなかしっくりくるんですよ。それに、スーツケースには旅行の思い出がたくさん詰まっているじゃないですか。いつも目がいくところに置いておけば、楽しかった記憶が頻繁によみがえりますよ。
-ああ、なるほど...!
そうやって段々とスーツケースがR2-D2のように愛おしくなってくるんです(笑)。
持った時にテンションが上がるかが重要
-ところで、スーツケースにはまだまだ楽しみ方はあるとおっしゃっていましたが、具体的にはどういったものがあるのですか?
やはり写真がいいでしょう!
-SNSであげられているような写真のことですか?
ええ、SNS映えしますよ!
-スーツケースをメインに据えるのはかなり斬新だと思います。
でも考えてもみてください。例えば家族で旅行に行ったとして、妻や子どもたちの写真は撮るのに、スーツケースの写真は撮らないなんておかしくないですか?
-そ、そうかも...。しかし佐藤さんがあげられている写真はどれも"作品性"を感じさせるようなクオリティですよね。何か撮る際のコツはあるのですか?
コツとしては、スーツケースと同じ目線で撮ることです。人間の目線で上からではなく、下から少し見上げるように撮ってみると素敵な一枚になりますよ。
-さすが、慣れていらっしゃる。ところで、このスーツケースは佐藤さんの私物なのですか?
ええ、そうです!ストラティックというドイツのブランドの「Leather&More」というもので、最近の私のお気に入りです。
ストラティック Leather&More 26,800円+税
-お気に入りポイントはどこなのですか?
とにかくこの見た目の良さですね!
-確かに格好良いです!
絶妙な色使いや流線型のデザインなど、語りたい部分はたくさんありますが、特に注目したいのはこの革素材です。スーツケースは雨で濡れることもあったりするので、革を使ったものってほとんどないんです。ただ、そこであえて革を使うことで、とにかく格好良ものを作ったということにとても共感を覚えて。
-共感、ですか?
スーツケース選びでは、持った時にテンションが上がるかどうかがとても重要だと私は思っているんです。スーツケースは旅を便利にしてくれるだけでなく、旅や日常に彩りを与えてくれるものですから。
-いくら便利でも、やはり持っていて楽しくないとダメということなのですね。
「Leather&More」は静音キャスターや強めのジップを使っていたりと、機能面もしっかりしていますけどね。ちなみに、こちらは2017年の7月に販売された、割と新しいスーツケースなのですが、実は私がドイツのストラティック社の社長と直接交渉し、ハンズで先行発売してもらったという思い入れもあります。
-熱すぎる...。あと、そちらにあるのはスーツケース...ではなく、リュックですか?
これは俗に言う"デイリーキャリー"で、これも私のお気に入りなんです。
-デイリーキャリーって何ですか?
それは、また次回にしましょう(笑)。
今回はここまで。スーツケースの伝道師こと佐藤さんの、どこまでも止まらぬスーツケースへの愛情はいかがでしたか。次回は聞き覚えのない"デイリーキャリー"とは何か、そして佐藤さんの仕事ぶりなどを詳しく聞いていきたいと思います!お楽しみに!
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