突然ですが、皆さんはハンズに"スーツケースの伝道師"がいることをご存知でしょうか？今回は、伝道師に呼び出されるがままに都内を離れ、埼玉は越谷市にやってきました。
目次
1. スーツケースは食堂で生まれる！？
2.「庭園」でのリフレッシュが、人気商品を生む秘訣！？
3. スーツケースの伝道師が本当に伝えたかったことは
スーツケースは食堂で生まれる！？
--スーツケースの伝道師さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします！ようやくきましたね！
こちらが"スーツケースの伝道師"を自称する、バイヤーの佐藤宏樹さん。今日のロケには気合いを入れてスーツケースを3台も持参し、取材スタッフより1時間前に現地入り。
--あの、言われるがままにきましたが、こちらはどこですか？
株式会社シフレの越谷本社・物流センターですよ。
--すみません、シフレさんとはどういった会社なのでしょうか。
スーツケースはもちろん、バッグや旅行用品などを製造販売する会社で、キャラクターコラボのスーツケースや、他にはない個性的な鞄づくりに定評があります。こちらで企画開発も行われているので、たくさんの素敵なスーツケースがこの場所から生まれている訳ですね。ちなみにVol.03で最後にご紹介したパンクなスーツケース「トライデント」は、こちらが手がけたんですよ。そして、面白いこだわりがある会社としても有名なんです。
--なるほど。その面白いこだわりとは一体何でしょうか？
まぁまぁ。
--まぁまぁ！？
とりあえず中に入りましょう。...あ！
？？：佐藤さーん！！
--あちらの方は...？
佐藤：営業一部 副主任の白石さんです。
白石：こんにちは！いつもお世話になっています！
白石美菜さん。埼玉県出身で「第8代草加さわやかさん」という、「ミス草加」的ポジションに選出された経歴を持つ。実は結構前に出たがるタイプ。
--本日はよろしくお願いします。お二人はよくご一緒にお仕事をされているのですか？
白石：はい、私から新しいスーツケースのご提案をさせていただき、佐藤さんから熱くて鋭いアドバイスをいただいています。
佐藤：彼女のスーツケースへの情熱は本物ですよ。
--伝道師ぶってる。
佐藤：ぶってるんじゃなくて伝道師なの（笑）！
白石：まあ立ち話もなんですから、どうぞ中に入ってください。
佐藤：ぜひ皆さんにお見せしたい場所があるんです！
--どちらですか？
佐藤：シフレさんの社員用の食堂です。最近では元シェフを専属で招き入れ、本格的なランチを皆で食べているみたいなんですよ。ね、白石さん。
白石：なぜご存知なのかは疑問ですが、その通りです！そしてこちらがその社員食堂です！
--おお、すごい！設備もしっかりしてますね。ですが佐藤さん、なぜこちらを紹介したいのですか？スーツケースとはあまり関係がないような...。
佐藤：いやいや、私はこの食堂があるからこそ素晴らしいスーツケースが生まれると思うんですよ。なぜかと言うと...。
？？：それは私がご説明しましょう！
佐藤：！？
白石：ご紹介します、会長の大島幸廣です。そしてこちらが副社長の大島かおりです。
--か、会長さまに副社長さま！？
佐藤：いつもお世話になっています。しかし突然ですね！
会長：ご説明する前に、ちょうどランチタイムも近いですし、せっかくだから皆さんも食べていかれますか？
佐藤：お気持ちはありがたいのですが、スーツケースの伝道師として接待的なものをお受けする訳にはいかないのです。
会長：では皆さん、そちらに座って座って。今お食事をお持ちしますね。
佐藤：話聞いてます！？
--ん？佐藤さん、あれは...？
佐藤：副社長がステーキをお焼きに！？
白石：今回は取材スタッフの皆さんもいらっしゃったので、いつもよりちょっとだけ気合いを入れてみました。
佐藤：そうは言いつつ本当は白石さんが食べたいだけなんじゃないの？
白石：はは、まさか...。
佐藤：あやしいな...。
会長：さあ、焼き上がりました、どうぞ召し上がれ。
佐藤：でも伝道師としては...。
--佐藤さん、今回はあくまで取材のためですから。
佐藤：...まあそうですね、では今回は特別ということで！
白石：いただきます！！うわ、おいしい！！
佐藤：マイペースだな！...では私も、いただきます！ん！？
--どうしましたか？
佐藤：う、うまい！！！！！
--どれどれ...あ、本当だ！！とても社食とは思えないクオリティ！！大島会長、お肉はどちらのものなのですか？
会長：栃木県産の黒毛和牛です。ちなみに、お米はあきたこまちを農家さんから直接買っているんですよ。
--こだわりがすごい！
会長：先ほどのご説明に戻りますが、弊社はこの食堂に、言い換えると「食」にこだわっています。その理由は、同じ釜の飯を食う仲間になって素晴らしいもの作りをしたいという、社員たちへのメッセージを込めているからです。
佐藤：やはりそうでしたか！良いスーツケースは一人だけの力ではなく、何人もの力が集結して初めて完成しますものね！
会長：ええ、食を通じて社員同士の結束が生まれ、皆の力や想いがたっぷり詰まった素敵なスーツケースが生まれるのだと思います。
佐藤：仲間同士なら変に気を使わず互いに何でも言えるので、商品開発のアイデア出しなどもはかどりそうですね！
--確かに、実際にランチをいただいてみて社員間の絆が深まりそうだなと思いました。
佐藤：ランチの力は偉大だなあ。
白石：ちなみに皆さん、食後にはデザートのデコポンもありますよ！
佐藤：さっきからずっとマイペースだな！でも、白石さんを見ていると社員の皆さんがとても活き活きと働いているんだろうなあと感じられます。
白石：それがねらいです！
佐藤：絶対ウソでしょ！
「庭園」でのリフレッシュが、人気商品を生む秘訣！？
--ご馳走さまでした。ところで佐藤さん、今日こちらにきたのは食堂をご紹介するためだったのですか？
佐藤：それもそうですが、皆さんにはこれからスーツケースづくりの裏側をお見せしようと思います。でも、うっかり食べすぎちゃいました...。
白石：じゃあ弊社のご紹介も兼ねて、少し歩きませんか？
佐藤：良いですね！食堂にくるまでに気になるところもいくつかありましたから。
--個人的には、入口にあった立派な庭園が気になりました。
白石：庭園もスーツケースづくりのために会長が力を入れているゾーンですよ。
佐藤：行ってみましょう。
--おお、きれい。さすが会長が力を入れているだけのことはありますね。
白石：植木屋さんにやっていただいている部分もありますが、基本的には会長が自分の手でここまで育ててきたんですよ。我々社員や、訪れたお客様の心がホッとする空間づくりにしたいと会長は思っているみたいです。私たちも実際、スーツケースの企画に行き詰まった時などにはこの庭園を眺めたりしています。
--なるほど、こちらで気分転換をして、いつでも新鮮な気持ちで仕事に臨む訳ですね。...ところで佐藤さん、先ほどから何をやっているんですか。
佐藤：見ればわかるでしょう！こんな素敵な庭園を前にしたら、もう撮るに決まってるじゃないですか！
白石：（笑）。
佐藤：ちなみにこのスーツケースは、hands＋ ライトスーツケースという、ハンズのオリジナルスーツケースです。こちらは丈夫でとても軽いポリカーボネートを使っており、キャリーバーやハンドルなどもとことん軽量化にこだわったものを採用しています。
hands＋ ライトスーツケース フロントオープンタイプ 38L 19,900円＋税
--まさかのハンズオリジナル...ここ、シフレさんの会社の庭園なんですけど...。
佐藤：フロントポケットが付いているので、ものの出し入れもしやすいところもポイント。さらに機内持ち込みサイズで軽くて使いやすく、3〜4泊程度の国内旅行などには特にオススメですよ！
白石：止まりませんね！さすがです！！
--感心するところ？
白石：でも、フロントポケットなら弊社の「ZERO GRA」というスーツケースも要チェックですよ！ポリカーボネートのボディはもちろん、ずっと触れたくなるソフトグリップ、さらに静音キャスター搭載！コンセプトである「ZERO GRAVITY（無重力）」を見事に表現しています！
佐藤：ほう、やりますね！おそらくこの庭園を眺めながらZERO GRAのアイデアが生まれたんでしょうね！
白石：...たぶん！
--（たぶんなんだ）。
シフレ ZERO GRA ZER2094-46 35L 22,000円＋税
スーツケースの伝道師が本当に伝えたかったことは
佐藤：ではそろそろ...。
白石：ええ、では倉庫の中にご案内します！
--お、いよいよスーツケースづくりの裏側に潜入ですね！
佐藤：最初にお伝えしておくと、今回は残念ながら実際の生産現場はお見せできないんです。というのも、スーツケースの生産には設備投資が莫大に必要で参入障壁も高く、クオリティの高いスーツケースを作れる工場は世界でもわずかなんですよ。
--そうなのですね。
佐藤：で、そうした本格的な工場は中国に多く、シフレさんも製造工場は中国にあります。なので、ここでまず企画をし、中国で生産したものが、これから行く倉庫の中へと帰ってくるのです。
白石：弊社のことを熟知しすぎていてもはや恐いですが、ご説明ありがとうございます！
佐藤：では行きましょう！とっておきのワンダーランドにご案内です！
--（佐藤さんも案内される側でしょ...）。
--おお、広い！！
白石：こちらは出荷作業をするスペースです。奥で在庫管理をしているので、そちらに行ってみましょう。
白石：こちらで在庫管理をしています。大きく「スーツケース」エリアと「小物・バッグ」エリアに分かれていて、こちらはスーツケースエリアになります。
--ということは、ここにあるのは全て...。
白石：スーツケースですね。
佐藤：壮観...！！この景色をおかずにご飯何杯でもいけちゃう！！
--ついさっき食べ過ぎたって言ってたのに...。ところで白石さん、ずっと気になっていたのですが、このローラーは何でしょうか？
白石：これにスーツケースを乗せて運ぶんですよ。弊社は出荷数が多いので、スーツケースの配置を効率良く考えて、ローラーや歩道を自分たちで配置しました。
佐藤：フォークリフトなどを使うと通路幅がかなり広くとる必要がありますよね。しかし、こうすることによってたくさんのスーツケースが省スペースに置くことができて、このような絶景が生まれるのです！
--え、「自分たちで配置」って、自作ですか！？
白石：こういうものを前職でつくっていた人間が社内に何人かいるんですよ。
佐藤：すごいなあ！このカーブのところなんかかなりの技術が詰まっていますよ。
白石：ちなみに倉庫は2階建てになっていて、商品を2階に運ぶためのベルトコンベアや、1階に下ろすための滑り台もあるのですが、それらも全て自作です。
佐藤：ふおー！
白石：弊社は営業時間内にご注文があったものは全て当日出荷をしているのですが、それを可能にしているのはこれらの設備のおかげです。我々のスーツケースを待ってくださる多くの方に少しでも早くお届けしたいという思いでこの設備がつくられました。
--社員の方々すごすぎません？
佐藤：シフレさんは、定年退職されたシルバー世代の方々を積極的に採用されています。なので、様々な経験を豊富に持っている社員さんが多いんですよ。
白石：例えば元大工や左官、電気系の専門職などですね。
佐藤：また、女性が多く活躍する会社としても有名です。このローラーやベルトコンベアなどのおかげで、ベテランや女性の方々も働きやすくなっているんです。
--スーツケースって大きいので、どちらかと言うと体力に自信がある男性が活躍しやすいのかと思ったのですが、意外ですね。
佐藤：実は今回一番ご紹介したかったのは、スーツケースづくりを裏で支える方々なんですよ。お店に並ぶスーツケース1台1台に、たくさんの人たちの技術や思いが詰まっています。私はスーツケースの伝道師として、お客様にただスーツケースの特徴を説明するだけではなく、生産者たちの情熱までもお客様にお伝えしたいんです。そこまできちんとお伝えできれば、きっと、購入されたスーツケースに愛着を抱いてもらえると思っていますから。
--今回の記事を通じて、一人でも多くの方に生産者の皆さんの思いが伝わってくれると嬉しいですね。
佐藤：絶対伝わりますよ！ね、白石さん！
白石：はい、必ずや！！
佐藤：うん、良い返事だ！！
今回はここまで。生産者の皆さんの思いを代弁する、佐藤さんの熱がこもったメッセージはいかがでしたか？次回はスーツケースの修理事情を、引き続きシフレさんからお届けします！お楽しみに！
-----「スーツケースの伝道師」バイヤー佐藤の連載記事-----
1月29日（月）公開【集中連載Vol.01】ハンズに「スーツケースの伝道師」がいた！＞＞
2月13日（月）公開【集中連載Vol.02】デイリーキャリーって何？スーツケースの伝道師の話をまた聞いてみた＞＞
3月 6日（火）公開 【集中連載 Vol.03】伝道師も思わず唸る"パンクなスーツケース"とは！？＞＞
3月26日（月）公開【集中連載 Vol.04】まるでワンダーランド！？スーツケースの伝道師と、スーツケースづくりの現場に行ってきた！＞＞
4月12日（木）公開【集中連載 Vol.05】あなたも知らずにやっている！？スーツケースの伝道師が絶対に伝えたい「かわいそうなスーツケースたち」＞＞
5月11日（金）公開【集中連載 Vol.06】人気ブランドの担当者がここに集結！第一回スーツケースサミット堂々開催＞＞
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