旅行や出張に向けて新しいスーツケースをご検討中のあなたにおすすめなのが、ハンズのオリジナルブランドhands+(ハンズプラス)の軽量モデル「ライトシリーズ」。ここでは、機能面はもちろん、それを支える品質管理や修理について、開発チームのスタッフにインタビュー。ハンズならではのこだわりをたっぷりお伝えします!
兵庫県・豊岡市にやってきた理由は
今回話を聞いたのは、ハンズオリジナル商品の品質管理を担当し、hands+のスーツケース開発にも携わった薮下浩史。「ぜひ一緒に行きたいところがある」と言う薮下に連れられ、取材スタッフは兵庫県にやってきました。
事業戦略室 薮下浩史
―薮下さん、よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
―早速なのですが、ここはどこでしょうか?
兵庫県は豊岡市です。というのも、hands+のスーツケースの修理は豊岡市にある株式会社トリオの本社・工場で行われておりまして、その現場もご覧いただきたいと思ったんですよ。
ーなるほど!楽しみです!
そうでしょう!では早速本社に行ってみましょう。
(数十分後)
―もしかしてこちらが...?
そうです、こちらがトリオさんです!
―おお!こちらでhands+のスーツケースが修理されているのですね。
そうなんです!ちなみにトリオさんはそもそもスーツケースやトランクのメーカーなので、この修理工場にはハンズのものに限らず、数多くの壊れたスーツケースがやってきます。それを職人の皆さんが一台一台、丁寧に修理しているんですよ。
―へえ!
今回はトリオさんご協力のもと、職人さんにもインタビューのお時間をいただいています!が、その前に「ライトシリーズ」スーツケースのご紹介をさせていただければと思います。
hands+ ライトスーツケース フロントオープンタイプ 38L 19,900円+税
厳密なテストをクリアして世に出るhands+のスーツケース
―では改めて、よろしくお願いします。
ライトシリーズはその名の通り「軽い」のが特徴で、hands+でも人気の商品です。
軽さを表現する薮下
―軽さの秘訣は何なのでしょうか?
一番の理由はボディにポリカーボネートという素材を使っているからです。ポリカーボネートはとても強度があるので、薄く加工することができるんですよ。しかも、数あるポリカーボネートの中でもリサイクル材ではなくバージン素材をセレクトしています。ただ、単に軽くするだけならそれほど難しくなくて、ポイントは「丈夫さ」を維持しつつどこまで軽くできるかということなんですね。
―軽さと丈夫さを両立させるためにどのような工夫がされているのですか?
ポリカーボネート使用とうたっているスーツケースでも、実際にはポリカーボネート100%でないものも多くありますが、こちらは三層構造のボディのすべてにポリカーボネートを使っています。正直、実装するまでは大変なことも多々ありましたが、お客さまにご満足いただける軽さと丈夫さを実現できたと思います。
―軽いと年齢や性別を問わず使いやすいのが良いですよね。
そうですね、幅広い方におすすめできるモデルに仕上がっていると思います。使いやすさという点ではキャスターの静音性にも注力していて、従来の当社のモデルと比べて走行音の大きさを約1/2にまでカットすることができました。なので例えば石畳などの平坦ではない道でも静かに進めますし、早朝や深夜に移動する時も便利ですね。
―ちなみに何というメーカーさんのキャスターなのですか?
日乃本錠前という、スーツケースのキャスターづくりに特化した、業界ではとても有名なメーカーの消音キャスターを採用しています。静音性以外にも、スムーズな走行性やへたりにくくて長く使えるといった魅力があるんですよ。
―なるほど!軽くて丈夫、しかも静かとは...!とても優等生なスーツケースですね!
ちなみに、ここまでご説明した丈夫さや走行性についてなどは、販売する前に、実際にお客さまが使用するシーンや起こりうる状況を想定したテストにかけて品質をチェックしています。
―具体的にどのようなテストをされているのですか?
丈夫さについては、スーツケースに荷物を想定した重りを入れ、キャスター側とヒンジ側に向けては3回、メインハンドル側とサイドハンドル側、そしてボディの両面に向けては1回、それぞれ90cmの高さから落下させて衝撃を与えます。
落下衝撃テストのイメージ
―なかなかの高さからの落下...!これらの衝撃に耐えたスーツケースだけが販売されるということなのですね。
そうなんです。また、走行性のテストは、同じく重りを入れて時速4kmの速さで走らせ、キャスターに異常がないかを確認します。
走行耐久テストのイメージ
―さまざまなタイプのテストが実施されているのですね。
ちなみに、他にもケースに重りを入れてハンドル部分を吊り上げて何百回や何千回も上下運動をさせるハンドル強度テストなども行っています。
―これらの内容は他のスーツケースメーカーも同様なのですか?
基本的にはどこもされていると思いますが、重りの重量やどのくらい走らせるかといったより細かな内容については、企業によってまちまちなんですよ。ハンズの基準としては、他のメーカーさんと比べても遜色ないほどの厳しさに設定しています。
―ここまでしっかりつくられていてこのお値段はすごいですね!
ありがとうございます!がんばってつくっている甲斐があります...!
他にもまだある「ライトシリーズ」のおすすめ機能
―では職人さんに修理のことをお聞きし...。
あ、いや、実はライトシリーズの機能でまだまだお伝えしたいことがあるんです。
―...失礼しました!それはどういった機能ですか?
まずはこのフロントオープンです。こちらはライトシリーズの中でも38Lのタイプのみの仕様なのですが、荷物を出し入れしたい時にわざわざケースを寝かさなくてもいいんですよ。例えば財布や折りたたみ傘などを入れておけば外出時にサッと取り出せますし、ポケットにはクッション材が入っているのでパソコンやタブレットなども安心して収納できます。
ー外で買ったペットボトル飲料なども気軽に入れられて便利ですね。
次にご注目いただきたいのが、サイド部分に付いているストッパーです。ライトシリーズは2012年に登場したのですが、2016年に大幅なリニューアルを施しました。サイドストッパーはこのリニューアルで新たに加えた機能で、スライドボタンを下げるだけで簡単にストッパーがかかるようになっています。
―サイドにストッパーを付けたのはなぜですか?
キャスター部分に付いていて足で踏むタイプのものもあるのですが、たとえば電車の中で立っている時はストッパーをかけにくいという意見がありまして。そこで、立っていても座っていてもかけやすいようにとこの位置にしたんです。
―なるほど!確かにこの位置だとON・OFFの切り替えが楽チンですね。
最後にご紹介したいのが内装部分で、ケースを開けた時の両面にファスナーで開閉できる仕切りを付けています。
ーこれで中身がごちゃごちゃしなくて済みますね。
また、仕切りによって荷物が隠れるので、駅や空港、デパートなどでも人目を気にせず開けられますよ。さらに、内装には撥水加工生地を採用していますし、消臭・抗菌効果のあるタグも付けるなど、内装にもかなり力を入れています。
―チェックのデザインも素敵です!
やはり見栄えはとても重要ですからね。デザインで言うと外装のボディカラーにもこだわっていて、性別や年齢を問わないような、奇抜過ぎず、でも持ちたくなるような絶妙な色合いを目指しました。
―ボディに合わせてキャスターやハンドルも同じ色に統一されているのも良いですね。
パーツそれぞれで素材が違うので色を揃えるのは意外と難しいんですよ。何度も試作品をつくっては改善して、納得のいく色にするまでに半年以上かかりました。
熟練の職人がいるからスーツケースが故障しても安心
―いよいよ職人さんのご登場ですね!
はい、お待たせしました!こちらが今回お話をお伺いする、谷口勉さんです!
谷口:よろしくお願いします!
薮下:いつもお世話になっております。
―お忙しい中ありがとうございます。谷口さんはトリオさんに入社されてどのくらいになるのですか?
谷口:もうかれこれ20年ほどになりますね。
―すごい、大ベテランですね...!他の職人さんも同じくらいのキャリアをお持ちなのですか?
谷口:いえ、私は結構長い方で、私より若手の職人たちが中心になってやってくれてます。
薮下:頼もしいですね!
ーこちらではhands+のスーツケースに限らず、さまざまなスーツケースを修理されているということですが、お一人で1日に何台ほど修理されるのですか?
谷口:そうですね、多くて10台くらいでしょうか。1日中ずっと修理する訳ではなく、修理のお見積もりを出したり、エンドユーザーのお客さまからのお問い合わせのお電話に応じたりと業務はさまざまなんですよ。もし仮に修理だけに専念するとしたら、1日で20台くらいはできると思います。
―故障したスーツケースは1日にどのくらい届くのですか?
谷口:多い時は20台近く届くこともあります。時期によっても差があって、ゴールデンウィークや年末年始など、旅行シーズンに差し掛かる前には多くなりますね。
薮下:旅行シーズンの前なんですね。
谷口:久しぶりに押入れから出してみたら壊れていて、「急遽直して欲しい」とおっしゃるお客さまも多いです。というのも、スーツケースは使わずに保管しているとボディやパーツが劣化して壊れてしまうことがあるんですよ。
―え?使わないのに壊れてしまうのですか?
谷口:ええ、最低でも1年に1度くらいは使って外気に触れさせたほうが、実は長持ちするんです。旅行に行かなくても、家の前などでちょっと引いてあげるだけでも違いますよ。
―旅行前に困ってしまわないためにも定期的に使ってあげるのが大事なのですね!ところで、修理する箇所で一番多いのはどこですか?
谷口:やはりキャスターが一番ですね。その次に多いのがボディの割れや凹みなどです。キャスターは使用することで磨耗しますし、空港で荷物を預けられている間に衝撃が加わってボディともども壊れてしまうこともあります。
―空港の例以外に、よくある故障の理由はありますか?
谷口:特にトローリーバーやカギがそうなのですが、誤った使い方をしてしまったがために壊れてしまうこともありますね。トローリーバーを持ち上げて移動すると高さを固定するストッパーが故障したり、スーツケースが倒れた時にトローリーバーが曲がってしまうこともあります。カギですと旅先でスペアキーをなくしてしまい仕方なく壊したり。
薮下:あとはストッパーをかけたことを忘れて移動してしまって、キャスターの一部が削れてしまうこともありますよね。
一部が削れてしまったキャスター
―ああ...すごい削れちゃってる...。これはどうやって修理するのですか?
谷口:キャスターに関しては消耗品なので、基本的にはパーツを交換して修理します。一方で、たとえばボディのフレームが衝撃によって歪んでしまったりしているとパーツを交換することができないので、修理にも時間がかかりますね。
ーキャスター担当やボディ担当など、箇所によって修理担当が分かれていたりするのですか?
谷口:いえ、特に担当分けはされていないので、どの箇所でもオールマイティに対応できるようにならなければいけません。とはいえ、もちろんいきなりすべての箇所をできるようにはならないので、最初は先輩に教えてもらいながら徐々に技術を磨いていくんですよ。もちろん、商品に合わせて修理の進め方も違いますので、日々勉強ですね。
薮下:トリオさんとはハンズに届くお客さまからのご要望やご意見を共有させていただいていて、月に1度はトリオ東京支店の方々と集まり、どういった故障や不良が多いかを確認し、改善するための方法を話し合う会も設けています。また、そこで先ほど話にあったような、誤った使い方による故障が多いということもフィードバックしていただいて、正しい使い方を店頭などでお客さまにきちんとお伝えするように反映しています。
―なるほど!トリオさんからの声がお客さまとのコミュニケーションや商品づくりに活かされているのですね。
谷口:何か不具合があった場合に、ただ「悪かった」で済まさずに、どこがどう悪くて、どうすれば良くなるのかを突き詰めて次につなげるのが大事なんです。
薮下:その通りです。トリオさんにはただ壊れたものを直していただくのではなく、修理のプロの視点から見たアドバイスもいただきながら、お客さまが満足できるようなスーツケースを今後もつくれるよう努力していきたいと思います!谷口さん、そしてトリオの皆さん、今後ともよろしくお願いいたします!
おわりに
hands+のスーツケースは、こだわりの機能と確かな品質、そして安全のアフターサービスが揃った、胸を張っておすすめできる商品です。スーツケース選びにお悩みの方はぜひ、店頭で手にとってみてくださいね。
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