突然ですがみなさん、爪の切り方を誰かに教わったこと、ありますか?両親のやり方をそのまま受け継いでいる。他人の切り方を見たことがないので完全な自己流。という方がほとんどなのではないでしょうか。日常的に行なっている爪切りですが、間違った方法で続けていると思わぬトラブルにつながることも。今回は貝印株式会社のツメキリマイスターに、正しい爪の切り方と、自分に合った爪切りの選び方を教えていただきました!
【目次】
ツメキリマイスターって何者?貝印のすごいこだわり
―はじめにうかがっておきたいのですが、「ツメキリマイスター」というのは...?
古井さん:貝印独自の制度で「マイスター制度」というのを設けています。2011年の「包丁マイスター」からスタートして、2016年には「ツメキリマイスター」が、2017年には「ハサミマイスター」が誕生しました。100年以上の歴史を誇る刃物メーカーとして、基本的な刃物の知識を身につけるための試みです。
―100年以上も刃物をつくり続けているのですね!爪切りだけでどれくらい種類があるのですか?
古井さん:現在約400種類ほどラインナップしています。
―400種類!?それだけたくさんの爪切りについて学ばれるのですね?
浅見さん:基本的には、どんな材質があるか、刃形状ごとの特徴、選び方のポイントや爪の切り方などを学びます。大きく分けると「エキスパート」「アドバイザー」「マイスター」という3段階があって、それぞれ試験を合格すると資格を取得できるんです。ちなみにわたしは「ツメキリマイスター」「包丁マイスター」「ハサミアドバイザー」を保有しています。
今回お話をうかがった、貝印株式会社のツメキリマイスター 浅見芽生子さん(左)、広報宣伝部 古井涼子さん(右)
ツメキリマイスターが正しい爪の切り方を伝授!
―浅見さんは刃物のエキスパートですね!早速ですが、正しい爪の切り方を教えてください!
浅見さん:まず爪切りですが、基本的には「カーブ刃と直線刃のセット使い」をおすすめしています。1つの爪切りで全体を切るのではなく、爪の中央を切るのは「カーブ刃」、両端を切るのは「直線刃」と使い分けることで、爪への負荷を軽くできるんです。
―それは初耳です!1つの爪切りでバシバシ切っていました
浅見さん:カーブ刃の爪切りひとつで切ることももちろんできるのですが、切り方によっては爪に負荷をかけてしまうので、直線刃も用意しておくと便利。余計な負担がかかることで爪が割れてしまうと、割れた部分をカットするために深く切り込んでしまうことがありますよね?そういった切り方は巻き爪の原因になりますし、二枚爪になってしまうと爪の変形につながることも。テクニックいらずで安全に切るためには、「カーブ刃と直線刃のセット使い」がおすすめなんです。
刃が曲線を描くカーブ刃。左が一般的なもの。右はツメの巻きの強い方向け
刃先がストレートになった直線タイプ
―では、実際の切り方を教えてください!
【目指す形と長さ】
浅見さん:爪の整え方は「スクエアオフ」の形が理想。長さは指の先端と同じ高さになるようカットするのが基本です。足の爪は靴下にひっかかったり靴に当たったりすることがあるので、少し短めに切っても大丈夫。いずれにしても「爪の先の白い部分」が少し残るように切ることがポイントです。白い部分の裏側には、細菌の侵入を防いでくれる皮膚(ハイポニキウム)があり、この皮膚の力が弱まると、乾燥しやすくなったり、爪がうまく育たなくなってしまうことも。深爪には要注意です!
四角いフォルムに整え、角を落としたのが「スクエアオフ」
指の先の高さまで爪を切ると白い部分がなくなってしまう場合は、少し長めでもいいので白い部分を残すようにカットする
【切り方のコツ】
爪の切り口に対して直角に刃をあてるのがポイント。そうすることで爪に負担をかけず、切ったあとも爪を丈夫に保てます。爪が伸びていく角度に刃を合わせるイメージです。
また、長く伸びてしまった爪を1回で短くしようとするのも爪の負担になるので注意。切る前に軽く爪をはさんでみて、爪の下の皮膚(通常ピンク色の部分)が白くなったら負担がかかっている合図です。角度や切る位置を調整して、無理のないポイントで切るようにします。
いきなり切るのではなく、甘噛みさせてポイントを探る
【頻度の目安】
手の爪は1日に0.1mm、足の爪はその半分の0.05 mm伸びると言われています。目安としては手の爪を5〜7日に1回、足の爪を10〜14日に1回切るのが理想です。
【爪切りの手順①】カーブ刃で爪の中央を切る
いよいよ実際の切り方ですが、はじめに爪の中央からカットするのがポイント。中心を1回切って、そこから左右対称に2〜4回に分けてカットします(下図aの部分)。
【爪切りの手順②】直線刃で爪の両端を切る
直線刃に持ち替えたら、両サイドの部分を1〜2回に分けてカットします(上図b〜cの部分)。爪が長い場合は、①②を何度か繰り返して指の先端の高さに揃うように切ってください。
【爪切りの手順③】やすりをかける
ここまでで形も長さも整えられているので、削るというより表面をなめらかにするというイメージでやさしくかけていきます。爪の断面と直角になるようにやすりを当て、両端から中央に向かって、一方向に向かってかけるというのがポイントです。往復してかけると負荷がかかってしまうので気をつけましょう。
―正直爪切りがこんなに奥深いものとは知りませんでした。甘噛みさせて爪のピンク色の部分が白くならないポイントを探るなんて、今まで考えたこともありません...
古井さん:ついつい、短くなればいいか、という感じで切ってしまいますよね。でも爪に負担をかけないように切るというのはとっても大切。そのために切れ味のよい爪切りを選ぶことも重要です。いい爪切りは切れ味が全く違うので、ぜひ試していただきたいです。
マイスター厳選!タイプ別おすすめ爪切り
―さすが貝印さん、心強いです。最後に、爪切り選びのコツを教えてください
浅見さん:先ほどお伝えした通り、「カーブ刃」と「直線刃」をひとつずつ用意するのがベスト。ほかには、硬い足の爪も切りやすい大きいサイズのものや、巻き爪用などさまざまな種類があるので、用途に合わせてお選びいただくのがよいと思います。
【基本のセット】
いちばんベーシックなのが、カーブ刃のMサイズと直線刃のSサイズの組み合わせ。〈AUGER(オーガー)〉のカーブ刃は、独自の旋回式レバーを採用することで、少ない力で軽々切ることができます。直線刃は、小さいサイズを選ぶと細かい部分が切りやすくおすすめです。
左: 貝印 AUGER® ツメキリ M Revolver 3,300円(税込)
右:貝印 Nail clippers typeW001(オレンジ) 495円(税込)
【爪の巻きが強い方におすすめ】
男性にくらべて、女性のほうが爪の巻きが強い傾向が。一般的なカーブ刃よりも角度のついた、アーチ型のものを選ぶと爪に負担がかかりにくいです。これで爪の両サイドを切るのはむずかしいので、小さいサイズの直線刃を併用しましょう。
左が一般のカーブ刃。右がカーブの強いアーチ型
貝印 アーチツメキリ 880円(税込)
【足の爪/爪が硬い方におすすめ】
こちらの爪切りはLサイズの大きいタイプ。テコの原理で軽い力で切ることができるので、硬い爪もラクラク切ることができます。足の爪用となっていますが、手の爪も硬いという方は手に使っていただいても大丈夫。サイズが大きいからといって、一気にたくさん切らず、少しずつカットするように心がけてください。
貝印 関孫六 ツメキリ type101 1,540円(税込)
【巻き爪の方におすすめ】
巻きが強く、普通の爪切りだと刃が入らないという方には、凸型の刃で少しずつ切っていただくのがおすすめ。凸型ではサイドを切ることができないので、こちらも直線刃と組み合わせてお使いいただくかたちになります。巻き爪で悩んでいる方は全体の16%くらいいるというアンケート結果も出ていますので、ぜひ活用していただきたいです。
左が一般的なカーブ刃の爪切り。凸型は刃が前方にカーブしている
左:貝印 巻き爪用凸刃ツメキリ 1,870円(税込)
右:貝印 巻き爪用直線刃ツメキリ 825円(税込)
おわりに
あらためて爪切りの方法を学んでみると、知らなかったことがたくさん!気づかぬうちに爪に負担をかけていたかもしれません。これを機に、自分に合った爪切りで正しいケアを実践してみませんか?
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