皆さんは「平成レトロ」という言葉をご存知ですか?32年間続いた平成の時代には、さまざまなカルチャーが誕生しました。今、その平成カルチャーの人気が高まっているんです。ハンズでは、そんな平成カルチャーを存分に楽しめるイベント「すーぱーレトロEXPO」を開催。ここでは、キュレーターのM.A.JOYさんと出展者の江崎びす子さんをお迎えし、イベントの見どころと平成レトロの魅力について教えていただきます!
「平成」を愛するふたりが対談!
―今回、「平成レトロ」の世界をたっぷり教えてくれるのは、イラストレーター・漫画家の江崎 びす子さんと同じくイラストレーター・漫画家であり、「すーぱーレトロEXPO」のキュレーターであるM.A.JOYさん。びす子さんのステキなお宅にお邪魔して、平成レトロの魅力に触れたいと思います!
江崎びす子さん(以後びす子さん):平成のカルチャーをこれからの未来に残すため、平成カルチャーの保護活動と発信を行っている江崎びす子です。よろしくお願いします!今回は、JOYさんとの対談ということで、とても楽しみにしていました。
イラストレーター・漫画家 江崎びす子さん
M.A.JOYさん(以後JOYさん):びす子さん、お久しぶりです!かわいいお部屋にお招きいただきありがとうございます。
イラストレーター・漫画家 M.A.JOYさん
JOYさん:私は、イラストレーター・漫画家として活動する傍ら、レトロ系アーティストのためのイベント「すーぱーレトロEXPO」を開催しています。今回、ハンズさんの「ハンズフェス」での開催が決定していて、びす子さんも登場してくれるんです。
びす子さん:そうなんです。私の作品やコレクションを展示販売するほか、似顔絵イベントも行います。
―「すーぱーレトロEXPO」はハンズ新宿店や名古屋店でも開催した人気イベント。今回は、町田店での開催ですね。益々「平成レトロ」の人気が高まっているように感じますが、まだ知らない人のために「平成レトロ」について説明してもらってもよいですか?
びす子さん:「平成レトロ」とは、平成文化研究家の山下メロさんが提唱されている言葉で、平成の時代に流行ったアニメ、ファッション、デザインなどのカルチャー全般のことを言います。
JOYさん:メロさんは「すーぱーレトロEXPO」の常連で、今回のイベントにも参加されるんです。
―平成も、もう「レトロ」と呼ばれるんですね。
びす子さん:メロさんは、狙って「レトロ」と付けていらっしゃるんです。というのも、数年前まで平成だったので、平成カルチャーはまだまだ軽くみられがち。そういう意識でいると平成に生まれたさまざまな文化が、あっという間になくなってしまう。それを危惧して、今から集めて守っていこうという想いを込め、「平成"レトロ"」という言葉を付けられたんです。
ー確かに「レトロ」と付くだけで、1つのカルチャーとして重みが増すような気がしますね。
超懐かしい!平成レトロを振り返る
CMキャラクターやアニメの変化
―「平成レトロ」の中にも、アニメ、ファッション、音楽など色んなジャンルがありますが、おふたりは特に何がお好きなんですか?
びす子さん:私は、平成初期のコマーシャルにとても影響されていて、子供の頃はそのCMや商品から生まれたキャラクター達が大好きでした!例えば「ピンキーモンキー」や「Qoo」「NOVAうさぎ」「ドコモダケ」。CMキャラクターが人気になったおかげで、商品がヒットするなんてこともよくありました。CMキャラクターをつくることが、子供の頃からの私の夢なんです。
JOYさん:懐かしい!CMキャラクターのキーホルダーを携帯やスクールバッグにつけている人が多かったですよね。そう思うと、今は昔ほどキャラクターの存在感や盛り上がりは薄いかもしれませんね。
びす子さん:そうですよね。平成と令和ではアニメやマンガのストーリーやトレンド傾向も変わっているように感じます。
―と言うと?
びす子さん:平成初期は少女マンガの勢いがありました。『ちゃお』等の作品からアニメ化する流れが多かったし、少女漫画やアニメに「恋愛要素」は必須でした。だけど次第にストーリーやトレンドも変化していき、女の子が悪と戦うストーリーも、平成初期は必ず王子様的存在がいたけれど、段々と王子様的存在は排除されるように。女の子だけでも戦える「強さ」や「自立」が描かれるようになっていったんです。
JOYさん:恋愛要素がないのは、少し寂しいですよね。でも、最近また平成初期のラブ要素が戻ってきているように感じます。「プリキュア」シリーズが分かりやすくて、「プリキュア」は基本ずっと王子様的存在が出てこなかったのですが、「プリキュア5」というシリーズでは、イケメンの王子様的存在の男の子が2人出てきたんですよね!
びす子さん:あのシリーズは傑作でしたね。「プリキュア」は1年ごとにシリーズが更新されるのですが、「プリキュア5」に関しては2年続いているんです。ヒットした理由は、やはり恋愛要素が加わったからではないかと思っています。人の心を動かすためにはロマンスも必要!これこそが、今の時代を生きる人達が求めていることなのかもしれません。
ファッションの変化もおもしろい!
びす子さん:ファッションで言うと最近「Y2K」がブームですよね。
―「Y2K」ですか?
びす子さん:90年代後半から2000年代初頭に流行ったアメリカンカルチャーの総称で「Year 2000」の略語です。へそ出しやミニスカ、カラフルでポップなファッションは全てY2Kです。
JOYさん:そういうファッションの方多いですよね!平成の日本のファッションも色んなスタイルがありましたね。あの頃は、今よりももっと個性豊かだったような気がします。
びす子さん:街ごとに生息する人のタイプが違っていて面白かったですよね。渋谷の中でもセンター街はギャルファッション、そこから奥がB系、新宿寄りになると赤文字系のように地域によってファッションカルチャーがはっきり分かれていて、オリジナリティに対する意識の強い人が多かったように思います。
JOYさん:「ギャルサー」や「竹の子族」など集団で行動をしたり、オフ会を開催する人たちがたくさんいましたよね。今ではそのようなコミュニティも少ないですもんね。でも、ギャル文化に再び注目が集まっているのが嬉しいです!
びす子さん:わかります!私も小学生の頃はギャルになりたくて、漢字の練習そっちのけでギャル語を学んでいました。
―ギャル語ですか!
びす子さん:「PKO」=「パンツくい込んでおります」や、「MK5」=「マジでキレる5秒前」、「ファーストキッチン」を「ファッキン」と略したり。インターネットでよく調べていました。
―面白いですね(笑)。
「平成レトロ」に夢中になる理由
―なぜ今、平成レトロがこんなにも注目されているのだと思いますか?
びす子さん:平成レトロのよいところは、「無駄がいっぱいある」ところだと思っています。時代とともにシンプルな暮らしやデザインが好まれるようになりましたが、昔はギラギラやピカピカしたアイテム、ごちゃごちゃのストラップなど、シンプルとは真逆の物やデザインであふれていました。
なくてもよいものだけど、その「無駄」に心くすぐられる人がたくさんいたんです。平成はバブルが崩壊し経済的にも苦しい時代だったと言われていますが、無駄なことをたくさんプラスできるという点で、今よりも豊かだったのかもしれません。
JOYさん:思い返せば、すごくカラフルで明るくパワフルな時代でしたね。
びす子さん:暗いニュースが目立つ今、私達が必要としているのは、それを吹き飛ばすくらいのギャルマインドとカラフルでポップな平成レトロなんだと思います。
―平成レトロが注目されているのは、ポジティブな時代への憧れかもしれませんね。私も平成生まれでずっと平成カルチャーに自然と触れてきましたが、改めて平成カルチャーの魅力に気がつきました。今回、町田店で開催される「すーぱーレトロEXPO」もすごく気になります!最後に、キュレーターのJOYさんから見どころを教えてもらえますか?
JOYさん:今回は、初出展となる江崎びす子さんをはじめ、「平成レトロ」の名付け親である山下メロさんなど、豪華メンバーが参加してくださいます。また、初となる海外アーティストで、ドイツで活動されているmizcat(ミズキャット)さんにも参加いただけるんです!日本のレトロアニメスタイルで、ヴェイパーウェイヴをモチーフにしたイラストを描かれています。Tシャツやシールなどを販売される予定なので、ぜひチェックしてください。私も隣にブースを構えてお待ちしております!
―日本のカルチャーが世界にも浸透しているのが嬉しいですね!平成レトロは、なじみ深いものばかりで、懐かしい気持ちになりました。「すーぱーレトロEXPO」も楽しみにしています!
おわりに
懐かしい平成カルチャーを振り返り、ちょっぴり昔が恋しくなってしまいました。久しぶりに平成の空気感を感じたい!と思ったあなたは、ぜひハンズ町田店で開催される「すーぱーレトロEXPO」に足を運んでみてください。きっと心踊る「再開」が待っているはずです。
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