新生活を迎えるにあたり、何か新しいことにチャレンジしてみようとお考えの皆様へ。
靴磨きなんていかがでしょうか?
靴磨きはめんどくさそう、難しそう、そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単で楽しい作業なんですよ。
堅苦しい話は抜きにしまして、詳しくは、ナニワのベテラン漫才師のお二人に説明していただきましょう。
「春の足音が近づいてきましたね」
「暖かい日が多くなってきました」
「私、寒いのが苦手なんで、春よ早く来いと願っておりましたよ」
「いっそのこと、冬すっ飛ばして、春夏秋春でもいいんですがね」
「そんなわけにはいきません。日本には四季がありますから」
「もっというと、夏夏夏夏でもいいですけどね」
「君ね、世の中バランスで成り立ってるんやから、帳尻あわせるために、次の年は冬冬冬冬になったらどないすんねん」
「そりゃあかなわんな」
「でしょ。春と言えば生き物の生命力を感じる季節です」
「冬の時期に力を蓄えていた生き物たちが活発に動き出す季節ですよね」
「こないだ私、家の近所を散歩したんですが、桜のつぼみは芽吹きはじめて、犬は野を駆け回り、猫は陽気に日向ぼっこをし、蝶々は蜜を求め彷徨い......」
「あれでも別にええで!(大声)」
「うるさいねん! じゃあ普通に言えや。耳キーンなるわ」
「あれでもいいんですが、あくまでも急ぎの時用ですよ。通常は靴クリームでしっかりと革に栄養として油分を与えた方がええで」
「しかし、靴磨きは色々道具が有り過ぎて大変なイメージがありますわ」
「そんなことあらへんで。例えばブラシは馬毛と豚毛の2種類があってやな。左の毛足が長いのが馬毛ブラシ、右の毛足が短いのが豚毛ブラシでそれぞれ役割が違うねん」
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靴用のクリーナーをクロスに染み込ませて、優しく撫でます」
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「平べったい缶にはいっているのもありますわね」
「それはワックス(ポリッシュ)といって仕上げにツヤを出したいときに使うねん」
「へえ、まったくの別物なんや」
「シュークリームは保革成分と蝋(ロウ)がバランスよく配合されとるから、基本的な革靴の保革はこちらがおすすめやね。ほんで、メーカーごとに特徴があるから、自分に合ったシュークリームを探すのも楽しみの1つやで」
「さっき不二家いいましたやん」
「そっち違うねん」
「それじゃあシュークリームを塗って完成ということやね」
「ちょっと待ちなさい。ここからが大事なんや。豚毛のブラシで磨いてツヤを出すねん。これが靴磨きで一番盛り上がるところやで。準備はええか?」
「なんか緊張してきましたわ」
「トイレ行きたかったら今のうち行ってきいや」
「我慢します。あなたは大丈夫でっか?」
「心配あらへん。じゃあ、いまから始めるで」
「ここでおしっこするんですか?」
「なんでやねん」
「家族集めましょうか?」
「なんで集めんねん。豚毛ブラシで磨くんや。豚毛は弾力があるので革の表面のクリームを弾き飛ばしてくるねん。さらにやな、ほら見てみ。摩擦熱でクリームの蝋がツヤに変わってきたやろ」
「わお。一気にツヤが出たがな」
磨く前
磨いた後
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「最後の仕上げにグローブで磨きあげると完成や」
「へぇ、思ってたより簡単にツヤが出ますな」
「でしょ。君もぜひやってみなはれ」
「しかし、いざ靴磨き用品コーナーに行くと商品が色々ありすぎて困ってしまうんやけどな」
「ええこと教えたるわ、ちょっと耳貸してみ」
「またかいな」
「ハンズにはコンスタというスタッフがいるので、何でも気軽に相談できるで!(大声)」
「だからうるさいて!」
「大事なことなんで大声で言わしてもらいましたわ」
「コンスタンチン君がどないしたんや?」
「コンスタや。コンサルティングスタッフの略で、ハンズにはビューティコンスタ、スタイルコンスタ、暮らしのコンスタと3種類のスペシャリストがおってやな。靴磨きはスタイルコンスタで、シューケアマイスターがこれに含まれるので、気軽に相談できるねん」
「ええこと聞いた。じゃあ早速、ハンズへ靴磨き用品一式買いに行ってくるわ」
「それがええ。そうしなさい」
「あかん肝心なこと忘れてましたわ」
「どないしたんや?」
「私、革靴一足も持ってへんかった」
「ええかげんにしなさい」