ヘナ染めのよさって?一般的なヘアカラーとどう違う?【ナチュラルコスメメーカー〈ナイアード〉さんに聞いてみた】

株式会社ナイアードさんにヘナについて伺いました

「ヘナ染めは植物由来だから髪によさそう」と、なんとなくイメージを持つ方は多いでしょう。でも、本当に?・・・ということで、ヘナ染めをはじめ多くのナチュラルコスメを扱う株式会社ナイアードさんを訪問。
ヘナの特徴や実際の染まり具合、基本的な使い方をうかがいました。「そろそろ白髪が気になってきた」「いま使っている白髪染めに満足できていない」という方々も必読ですよ。

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紀元前から親しまれている植物・ヘナって?

―株式会社ナイアードのお二人。本日はよろしくお願いします。

矢口さん・リリットさん:よろしくお願いします。弊社は20年以上にわたってヘナを取り扱っているので、ヘナ染めにまつわるご質問には何でもお答えできると思います。

株式会社ナイアード矢口さん・リリットさん

左から
取締役 矢口高志さん
営業企画部 リリット ゴーウッティクンランシーさん

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―20年以上も前ですか。長いですね。

矢口さん:ええ。いまでこそ"ヘナ"という名称は広く一般的に知られていますが、当時はまったく。

―にも関わらず、どうして取り扱いはじめたんですか?

矢口さん:当時の代表が、世界中の自然素材に強い関心を持っていまして。もっというと、現地の人々のていねいな手仕事によって育てられた良質な自然素材ですね。

リリットさん:良質な自然素材のチカラ、そしてそれを育てる文化そのものを、日本の多くの方に知っていただきたいという願いがありました。そのひとつがヘナだったんです。

―具体的に、ヘナってどんなハーブなんでしょう?

ヘナという植物について

リリットさん:ミソハギ科の植物で、主に染料として重宝されています。その歴史はとても長く、古代エジプトのクレオパトラが髪や爪を染めるために使っていたハーブ、ともいわれているんですよ。

―紀元前。そんなに昔からある植物なんですね。

矢口さん:驚きですよね。こと髪に関していえばお手入れにも効果的です。収れん(引き締め)作用があるので、髪にハリとコシを与えられます。

―古代の人々もそれを知っていたのかなと想像すると、美容への想いを感じますね。

リリットさん:ちなみに、ヘナの主な産地は北アフリカ、中東、北インド圏です。それらの地域では昔から、お祭りや結婚などお祝いごとの際に、ヘナを染料にしたボディアート"メヘンディ"を施します。美しく繊細な模様が目をひきませんか?

メヘンディなどもヘナを使います
こちらがナイアードスタッフの手に実際に描かれたメヘンディ。繊細な模様をヘナを使って手書きします。

―なんたる職人技・・・。もはや伝統文化のひとつですね。

リリットさん:そんなヘナの一大産地と呼ばれているのが、どこまでも続く幻想的な砂漠の大地インド北西部のラジャスターン州・ソジャットです。わたしたちは、地平線が見渡せるくらい広大な畑で栽培・収穫され、たしかな目利きで厳選された良質なヘナのみを採用しています。

―たしかな目利き、というのは?

矢口さん:現地には、ヘナの色や香り、耳元で乾燥葉を握りつぶした音からその状態の良し悪しを把握できるスタッフがいるんです。栽培地はもちろんヘナ市場にも足を運んでもらっています。できるだけ多くのヘナを見比べるためですね。

現地でスタッフがヘナを厳選
現地スタッフのひとり、ゴパールさん

リリットさん:ヘナを選定したあとは、工場でヘナを粉状にする工程にも立ち会ってもらいます。時間も体力も、集中力も要しますが、すべては理想的な品質を管理するため。わたしたちも定期的に現場を訪れて実際の状態を確かめ、スタッフといろんな意見を出し合っています。

―かなり徹底してますね。

リリットさん:もちろんです。ちなみに、この地図の左上がラジャスターン州ですよ。

インド北西部のラジャスターン州と南部のタミルナードゥ州で栽培しています

―ん?むかって右下の赤丸が指すものは?

リリットさん:インド南部のタミルナードゥ州です。インディゴこと木藍(もくらん)の産地として知られています。

インディゴこと木藍(もくらん)の産地

―インディゴ・・・藍染めの原料ですね。その木藍も扱っているんですか?

リリットさん:はい。実はインドでは、黒っぽく落ち着いた髪色に染めたいとき、ヘナ染めのあとにインディゴ(木藍)染めをして色をトーンダウンさせるのが主流なんです。ただし、この工程にはものすごく時間がかかる。そこで、です。

矢口さん:はじめからヘナ染めにインディゴ(木藍)が配合されていればよいのでは?と考えました。

―・・・ということは、いままでそういった商品が市場になかったんですか?

矢口さん:少なくとも日本にはありませんでしたね。なので、どうすれば1回でしっかり、理想的なトーンに染め上げられるのか。配合量や配合技術はどうするのか。商品化にまつわることすべて、試行錯誤の繰り返しでした。

リリットさん:そのように開発にいたった商品は、やはり記録にも留めておきたくて。2002年4月にヘナとインディゴをブレンドして配合するレシピの特許を出願し、無事取得した経緯もあります。

―すばらしい。インドの北と南、遠く離れた産地で育った自然素材が、いまこうして、ひとつのものとしてここにあるんですね。

 

自然に染め上げながらハリ・コシみなぎる髪へ

ナイアード ヘナシリーズ

左から
ナイアード 
NO.1 ヘナ100% 100g  1,100円(税込)400g 3,300円(税込)
NO.2 ヘナ+ハーブ 100g  1,320円(税込)400g 3,960円(税込)
NO.3 ヘナ+木藍 茶 100g 1,650円(税込)400g 4,950円(税込)
NO.4 ヘナ+木藍 黒茶 100g 1,650円(税込)400g 4,950円(税込)
NO.5 ヘナ+木藍 100g 1,650円(税込)400g 4,950円(税込)
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―こちらがナイアードさんが手がけているヘナ染めですね。ずばり、最大の特徴はなんでしょうか?

矢口さん:まずひとつめに、植物100%であること。化学染料や合成着色料、保存料に一切頼らず、自然素材の力だけで染め上げます。ふたつめに、髪を染めながらハリとコシを与えられること。一般的なヘアカラーとの違いともいえますね。

リリットさん:色味は、〈ヘナ100%〉と〈ヘナ+ハーブ〉の赤茶、〈ヘナ+木藍〉の茶・黒茶・黒の計5種4色。お色味だけでなく、髪にトリートメント効果を与えるハーブを配合した「ヘナ+ハーブ」などのバリエーションを出しているのも弊社ならではです。

―ヘナと木藍はここまでのお話に出てきたのでわかるんですが、ここでいう"ハーブ"とは一体?

矢口さん:リコリスやハイビスカスなど、トリートメント効果が期待できる7種類のハーブです。〈ヘナ+木藍〉の3色にもこれらを配合しています。

ヘナ+トリートメント効果が期待できる7種類のハーブ

―ヘナだけでも髪に十分よさそうですが、ハーブを足す理由は?

リリットさん:ヘナがもたらすハリ・コシだけではなく、しなやかでサラサラの指通りも叶えたいなと思ったんです。同じくインドの現地スタッフが厳選したハーブのみを採用し、理想的な比率で配合しています。

―なるほど。こだわりのハーブレシピというわけですね!

ヘナ染めの仕上がりについて説明

リリットさん:まさにその通り!・・・とはいえ、みなさまが最も気になるのは染まり具合ではないでしょうか。ということで、実際の染め上がり例を一緒に見ていきましょう。

 

〈ナイアード〉ヘナ染めの仕上がり例

〈ナイアード〉ヘナ染めの仕上がり例

矢口さん:No.1 ヘナ100%、No.2ヘナ+ハーブ 赤茶の仕上がり例です。〈ヘナ100%〉はその名の通り、ヘナ100%で染め上げるもの。ヘナ本来の色味ともいえますね。
7種のハーブは髪にしなやかさを与えるために配合していますので、仕上がりの色は同じなんです。

―レンガ色のようなナチュラルな赤茶ですね。白髪だった部分はとくに色味がわかりやすいです。

矢口さん:ヘナは髪の主成分であるタンパク質に絡みつく作用を持っているので、染めたあと完全に色落ちすることがありません。白髪の場合、"真っ白に戻ってしまう"ということはまずないんです。

―それはスゴい!

リリットさん:ヘナは、トリートメント効果を備える白髪染めですので、染めるほど髪や頭皮が健やかになります。それもヘナ染めの大きな特徴です。ぜひお手に取っていただきたいなと。

矢口さん:ヘナのアレルギーが認められなかった方には「毎日染めていただいても大丈夫ですよ」とお伝えしたいくらいです。先ほどもお話したように、染めるほどハリ・コシがアップし、ツヤやかな髪に導かれていくので。

―一般的なヘアカラーで髪が傷みがちな方にもおすすめしたいですね。ほかの色味はどうでしょう?

矢口さん:〈ヘナ+木藍〉の茶・黒茶の仕上がり例です。

〈ヘナ+ハーブ〉の赤茶、〈ヘナ+木藍〉の茶・黒茶の仕上がり例

―すごくナチュラルですね。「染めました!」という、あからさまな感じがないというか。

リリットさん:いずれも〈ヘナ100%〉、〈ヘナ+ハーブの赤茶〉より黒髪になじむ色味です。使いやすい色合いなのではないかと思います。

―あと、髪の生え際というか、薄毛が目立たなくなってる気もします。

矢口さん:髪にハリ・コシが加わると、自然とボリュームが生まれるんですよ。私達ももう何年もヘナ染めを続けていますが、髪のツヤやふっくら感、まとまり感を維持できているかなと。

リリットさん:あらためて振り返ると、ヘナ染めをはじめてから白髪や生え際の薄毛感、髪の細さや弱さに困ったことがないですね。うれしいものです。

―唯一の黒系、〈ヘナ+木藍〉の黒はいかがでしょう?

矢口さん:あくまでナチュラルなダークトーンで、重みを感じさせない仕上がりに導きます。

ヘナ+木欄のカラー

―きれい!黒はツヤがよりはっきり出ますね。

リリットさん:そうですね。塗りつぶしたような黒ではなく、自然な黒髪のような透明感のあるトーンになるように工夫しました。最近は若い方の間でも黒髪が流行っているようですね。

―ということは、おしゃれ染めとしても使えるということ?

矢口さん:もとの黒髪に〈ヘナ+木藍〉の黒を重ねていただいても構いません。全体のトーンが暗くなり、ツヤも出てきれいな黒髪に染まります。

 

【簡単に説明】どうやって染めるの?

―ただ、一般的なヘアカラー剤と違うと聞いたからか・・・染めるのが難しそうな気がします。

矢口さん:はじめて使う方はそう感じるかもしれませんね。
でも、私たちの製品のユーザーさんはほとんどがリピーターさんです。慣れてしまえば実は思っているほど難しくはないんです。
特に気を付けてもらいたいことは、お湯の温度、たっぷり塗布すること、適切な温度状態と時間です。

リリットさん:まずは髪をお湯で濡らして水気を拭き取ります。そのあと、ヘナの粉に45℃程度のお湯を混ぜてペーストをつくります。そして・・・

ヘナの染め方1

矢口さん:髪にたっぷり塗っていきます。白髪を染めたい方は頭皮から生え際といった気になる部分が隠れるよう、しっかり塗布してください。

リリットさん:塗り終えたら、頭皮から全体をもみ込み、なじませます。

ヘナの染め方2

―頭皮に付着しても問題ないんですか?

矢口さん:アレルギーさえなければ頭皮や髪の根元にすり込むように塗っていただくことをおすすめします。その方がしっかりと染まります。
また、ヘナは頭皮の余分な皮脂を取り除いてフケやかゆみを予防するので、ケア効果にもすぐれているんです。なので、神経質にならず、でOKです。

リリットさん:ヘナを塗ったら保温です。ヘナの乾燥や液だれを防ぐために、キッチンペーパーで前髪を押さえ、ラップで全体を巻いてください。

ヘナの染め方3

矢口さん:ラップの上からドライヤーで2〜3分熱を加えます。そのまま保温性の高いヘアキャップをかぶって、40分ほど待ちましょう。

ヘナの染め方4

―40分!結構長いですね。

リリットさん:ヘナの成分を髪にしっかり浸透させるには"保温"がポイントとなります。あたたかい飲み物を飲んだり、読書したり、焦らずのんびりお過ごしいただくのがよいかなと。そうして40分ほど経ったらお湯で洗い流します。

矢口さん:ちなみに、木藍を配合した茶・黒茶・黒のいずれかに染める場合は、ヘナを洗い流しタオルドライをした髪にホットタオルを巻いて、保温性の高いキャップをかぶり、さらに10分ほど待ちます。よりじっくり保温することで色味が長持ちするんですよ。そのあとはいつも通りドライヤーをかけて終了です。

―ちょっとした工夫で色持ちがさらによくなるんですね。

リリットさん:もっと詳しい手順やコツは付属のパンフレットに記載しているので、ぜひ読んでいただけますと幸いです。ご質問用のお電話番号も設けていますので、染め上がりまでしっかりサポートいたしますよ。

 

ヘナ染めを日常的に使うにあたり・・・

―日常的に使うにあたって注意点はありますか?

矢口さん:ヘナで染めた髪は、可能でしたら、そのあともヘナで染め続けていただいたほうがよいと思います。

―というのは?

リリットさん:ヘナ染めは髪のベースそのものに色味を残します。そこに一般的なヘアカラーの色味をのせると、思うような色味にならないことが多いんですね。色と色を重ねる難しさというか、とても化学的なお話なんですが。

ツヤツヤですこやかな、透明感あふれる暗髪へ
ツヤツヤですこやかな、透明感あふれる暗髪へ

矢口さん:また、ヘナには黒髪や暗めの髪色を真っ赤に変えてしまうような作用はありません。日光に当たったときに「色がほんのり入っているな」とわかるニュアンスです。そのぶんツヤや透明感が際立つので、"抜け感"や"暗髪"を楽しんでいただくにはとてもよいかなと思います。

―ちなみに、「ヘナ染めした髪はパーマがかかりにくい」という話を聞いたことがあるんですが・・・。

矢口さん:ヘナの収れん作用に由来しますね。髪をキュッと引き締めるので、その形状に変化が起こりにくくなるんです。もしパーマや縮毛矯正を予定している方は、パーマもしくは縮毛矯正をして、2週間ほど経ってからヘナ染めすることをおすすめします。決して「かからない」ということはないですよ。

リリットさん:・・・ただ、ヘナ染めは髪にハリやコシを与えられるので、「ボリューム感がほしい」「ふわっと自然なシルエットにしたい」という理由でパーマを当てられている方は、ヘナ染めだけでも、わりとご満足いただけるのではないかなと。

―染め続けることでますます効果を実感できそうです。

矢口さん:そして最後に、ぜひ長くお付き合いいただきたいプラスケアアイテムをご紹介します。

ナイアード ヘナケアオイル

ナイアード ヘナケアオイル 45mL 1,210円(税込)
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―植物100%のヘアオイルですか?

リリットさん:はい。アルガンオイル、オリーブオイル、グレープシードオイルも配合した植物100%のヘアオイルです。ヘナを溶いたときに混ぜるとペーストがなめらかになり、塗りやすくなります。また、染めた後もしっとりとした仕上がりになります。

矢口さん:ドライヤーで乾かす時になじませて頂いたり、ヘナを使った後に限らず、普段使いのヘアオイルとしてもお使いいただけます。
さらりとしたテクスチャーで無香料なので、「ヘアオイルはべたつきそうだし、香りが強めだから苦手...」という方には、ぜひお試しいただきたいです。

―本日はヘナにまつわるさまざまなお話をうかがえました。最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。

最後に、読者の方々にメッセージ

リリットさん:わたしたちのヘナ染めは植物100%ですので、ある意味とてもシンプルな商品。だからこそ、取り扱う自然素材の質には一切妥協しません。みなさまに安心して使い続けていただけるよう、これからも現地のスタッフ含め全員で協力し、よりよいものづくりを実現していきたいです。

矢口さん:インドのヘナ以外にも、モロッコのガスール(石けんのように使われてきたクレイ)やアルガン石けん、朝摘みばら水といった、さまざまな自然素材のケアアイテムを取り扱っています。ケミカルプロダクトが苦手な方や、「何を使っても自分の髪、肌には合わなかった」と悩んでいる方にとっても、心から頼っていただける存在でありたいですね。

植物100%のヘナ染めはケミカルプロダクトが苦手な方にもおすすめ

 

おわりに

ナイアードさんのこだわりが詰め込まれたヘナ染め、いかがでしたか?植物100%に関心がある方も、白髪が気になる方も、おしゃれ染めとして楽しみたい方も。気軽にヘナ染めに挑戦して、ツヤやかでハリ・コシのある髪を手に入れましょう。

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