【意外と簡単】ハンズのシューケアマイスターに聞く、「アンティーク仕上げ」の方法

昨年、ハンズに誕生した「シューケアマイスター」。シューシャイン世界チャンピオンの長谷川裕也さんらによる厳正な審査を経て選ばれた、革製品のお手入れならすべてお任せというスペシャリストです!今回、その一人である銀座店の金丸に、革靴をアンティーク風に仕上げるシューケアテクニックを教わってきました!ビギナーでもトライしやすい、簡単3ステップでご紹介します!

[ステップ1]まずは靴をすっぴんの状態に

彼が今回アンティーク仕上げの方法を教えてくれる銀座店の金丸。シューケア担当になったのは一昨年の6月ごろですが、もともと趣味で靴を集めていたこともあり、昨年9月に「シューケアマイスター」の資格に第一期生として合格した実力の持ち主です!

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ハンズ 銀座店 シューケアマイスター 金丸(かなまる)

金丸:アンティーク仕上げとは、靴の色より濃い色のシュークリームを塗ることによって濃淡をつくり、長年履きこなしたかのような渋めの雰囲気を出すテクニックのこと。工程としては、すっぴんにして、濃淡をつけて、仕上げる、のたった3ステップです。しかも、通常のケアとそれほど違いはないので、きっと思ったよりも簡単にできるはずですよ!濃淡をつくる場所は基本的には自由なのですが、今回は自然な仕上がりになりやすいつま先や、つま先に近いアウトソール外周部分につくっていきたいと思います。

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青く塗られている部分にアンティーク仕上げを施していきます。

通常のケアと同じようにシューレースを外し、シューツリーを入れてから、アンティーク仕上げのスタートです。ステップ1は、靴にもともとついていたクリームなどのケア剤や汚れを落として、何もついていないすっぴんの状態にします。

このステップで使うアイテムはこちらの2種のクリーナーです!この道では知らない人がいないくらいの人気ブランド〈コロンブス〉さんの高級ラインをベースにした、ハンズとのコラボレーションアイテム。コラボならではの大きな特徴は香りです。男女ともに気持ちよくケアをして欲しいという思いから、シューケアアイテム独特のにおいを薄め、革製品にマッチする落ち着いた香りに仕上げています。

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コロンブス×ハンズ
左:ポリッシュクリーナー 1,500円+税
右:シュークリーナー 1,200円+税

金丸:〈ポリッシュクリーナー〉はワックスを落とす専用のアイテムで、〈シュークリーナー〉は汚れ取りだけでなく保湿までしてくれる、オールラウンダータイプ。2種類のクリーナーをご用意した理由は、革が傷むのを防ぐため。特にビギナーの方は表面を拭き過ぎることが多く、それが乾燥につながり、悪化すると革にヒビが入ってしまうこともあるんです。そうならないために、まずは〈ポリッシュクリーナー〉をクロスにつけて軽く拭き取ってから、〈シュークリーナー〉で残りの汚れなどを取りつつ、同時に保湿をしていくという流れがよいかと思います。なお、どのくらい拭けばいいかの目安は、"靴が曇ったら"。もともとついていたクリームの油分などが取れて光沢がなくなってきたら十分です。特に〈ポリッシュクリーナー〉は汚れを取る力が強いので、本当にササッと拭くだけで構いません。

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[ステップ2]濃淡をつけていく

次のステップでは濃淡をつけていきます。ここで使うのは、〈クリームブラシ〉と〈シュークリーム〉の2つ。〈クリームブラシ〉は斜めにカットされた毛先が特徴で、コバ周りの隅々までブラッシングしやすく、クリームをつけすぎないで済むというメリットがあります。

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コロンブス×ハンズ
左:クリームブラシ 馬毛 980円+税
右:シュークリーム ダークブラウン 900円+税

金丸:今回は靴の色がブラウンなので、ダークブラウンのシュークリームをセレクトしました。靴の色と同系統で、ちょっと濃い目の色を選ぶのがアンティーク仕上げの基本です。この工程は色合いを見ながら何度やってもOKなので、一度に毛先につけるクリームはとにかく少なめにするのが失敗しないコツ。革によって色の入り具合も異なるので、一度で完璧に仕上げようとせず、少量を伸ばしていくようなイメージでゆっくりと革に馴染ませながら濃淡をつくっていきます。

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金丸:ブラシでシュークリームをある程度馴染ませた後は、クロスで磨いてより自然な雰囲気に仕上げていきます。ここで使用するのは、〈ポリッシュクロス〉。こちらも〈コロンブス〉さんとコラボレーションした、ハンズオリジナルアイテムです。指に巻きやすい長方形サイズで、磨く面は起毛、もう片方はすべりにくい平織り生地になっているのがポイント。磨いている途中でもヨレやシワができにくく、表面をピカピカにする鏡面磨きをするときにも便利です。

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コロンブス×ハンズ ポリッシュクロス 1,200円+税


金丸:布で磨くことによって、ブラシで伸ばしたワックスを奥深くまで浸透させることができます。ここで磨く時間は人それぞれ。一番しっくりくる見た目になるまで、丁寧に磨いていきましょう。

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[ステップ3]色を定着させて完成

最後のステップは、ここまでつくってきた色合いを定着させる"色止め"を施します。使うのは、革の表面を汚れや傷から保護する、〈シューポリッシュ〉。お気に入りの靴を長く履き続けるために、アンティーク仕上げだけでなく、通常のケアの仕上げにもぜひ使っていただきたいアイテムです。

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コロンブス×ハンズ シューポリッシュ ニュートラル 900円+税

金丸:クロスで表面にちょっとずつつけてなじませていきましょう。光沢感が気持ち薄れてきたら、塗る分量としては十分です。※素材によっては、色が定着しにくいものもあります。
塗り終わったらいよいよ最後の仕上げ。表面に水を1〜2滴垂らし、クロスで磨いてツヤを出します。水を垂らす→磨くの工程は2回行うのがおすすめです。

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ということで、これにて完成です!

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アンティーク仕上げをする前と比べて、濃淡を違和感なく表現できていますね!最後に、アンティーク仕上げの魅力を聞いてみました。

金丸:アンティーク仕上げはいわばお化粧。ファッションや気分に合わせて、表情を変えることができるのが魅力だと思います。その際に重要なのは、理想の表情をあらかじめイメージしておくこと。そのイメージに向かって、じっくり、丁寧に、工程一つひとつを楽しみながらやってみるのがオススメです。また、今回は濃淡が出やすいダークブラウンのクリームを選びましたが、慣れてきたら、いっそ全然違う色を入れてみるのもありです。...と、そこまで行くと、もはやアンティーク仕上げの領域を超えていますが、時には変化を加えたりしながら、お気に入りの靴を何年、何十年と楽しめるのがシューケアの醍醐味。今回ご紹介したアイテムはどれもケア用品なので、もし失敗しても靴がものすごく傷むようなことはほぼありません。一度やってみれば意外と簡単なので、ぜひお気軽にトライしていただければと思います。

おわりに

シューケアテクニックの一つ、アンティーク仕上げを簡単3ステップでご紹介しました。新生活を迎える方も多いこの時期、第一印象を左右する足元から、身だしなみを整えてみませんか?


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