味も製法も進化を続け、バリエーションもますます増える愛すべき国民食、インスタントラーメン。もっとおいしく味わうための方法が知りたい!ということで今回は、インスタントラーメン専門家の大和イチロウさんに上手な調理法やおすすめのアレンジ法を指南していただきました。読んだらもう、食べずにはいられない!?
インスタントラーメンにハマった理由は?その魅力はどこに?
株式会社やかん亭 代表取締役 大和イチロウさん
インスタントラーメン専門店「やかん亭」グループの代表であり、"一日一麺"を掲げる筋金入りのラーメンマニアとしてメディアへの出演も多数。これまでに食べてきたインスタントラーメンは、なんと2万食以上!
―大和さんがインスタントラーメンにハマった理由やきっかけを教えてください。
大和さん:実は私、高校3年生のときにバイクで交通事故に遭い、記憶喪失になりまして...。記憶を呼び戻してくれたのがインスタントラーメンだったんです。
―???どういうことですか?
大和さん:意識が戻っても自分の名前がわからないくらいだったんですが、そんな中でも胃腸は元気だったので、お腹が空いたら病院の売店に行っていたみたいで。そこで必ず手に取っていたのがカップ麺だったらしく。
―なるほど。
大和さん:これは何かあるかもしれないので、一度食べさせてみようとドクターが言い。そうしたらすごくおいしそうに食べたそうで、それならもっと食べさせてみようということになり、食べ続けるうちに少しずつ記憶が戻ってきたんです。それがきっかけですね。そこから"一日一麺"生活が始まりました。
―どうしてインスタントラーメンで記憶が戻ったんですか?
大和さん:実家が喫茶店をやっていたので子どもだけでご飯を食べる機会も多くて、小さい頃からカップ麺をよく食べていたんです。不思議ですよね、人間の身体って。その当時に食べていたインスタントラーメンの香りと味が記憶を呼び戻したらしいです。
―すごいエピソードですね。ある意味、インスタントラーメンが命の恩人に。
大和さん:まさに恩人です。ほぼすべての記憶が戻るまで約2年半かかりましたが、大学に入ってからも毎日食べ続けました。その頃に貧乏旅行で行った各地でご当地インスタントラーメンに出会い、その魅力に目覚めたことが、いまの「やかん亭」につながっています。
―インスタントラーメンの魅力はどこにあるのでしょうか。
大和さん:みんなを笑顔にさせるところですね。それはもう老若男女、万国共通です。そして、いつ食べても、どう食べてもおいしい。その安心感や安定感は他にはないと思います!
―では今日は、その楽しみ方について詳しく教えてください!
実は間違いだらけかも?インスタントラーメンのおいしいつくり方
最初にひとつ。大切なことは全部、パッケージにちゃんと書いてあります。でも皆さん、だいたい見ていません(笑)。たしかに見なくてもつくれてしまうんですが...その通りにやれば絶対においしくつくれます。そこを踏まえた上で、おいしいつくり方のポイントを順を追って説明していきますね。
Point1 規定量の「お湯」を用意する
規定量が500mlであれば、水500mlではなく「お湯」を500ml用意してください。水から沸かすと5〜10%ほど蒸発してしまいます。微妙な差のようですが、これがけっこう重要で。お鍋の中のお湯の対流に影響するので、麺の茹でムラができたり食感が悪くなったりするんです。これは試験でも立証されています。あとは当然ながら、お湯が少ないとスープの味も濃くなりますね。ということで、目盛り付きの電気ポットなどを使うのが理想です。
お鍋は直径20cmくらいの雪平鍋がおすすめ。小さすぎず大きすぎず、きれいなお湯の対流が生まれやすく、器にも移しやすいので便利です。
ヨシカワ ステンレス雪平鍋20cm 4,180円(税込)
商品ページはこちら>>
規定量の「お湯」を鍋に入れ、火をつけたら麺を投入します。
Point2 盛り付ける前に器を温めておく
麺を茹でている間に器を温めておきます。おいしいラーメン屋さんは必ずやってますよね。スープの温度が下がるほど麺の吸水率は上がっていくので、最後までプリプリの麺を味わうためには、温度の低下を防いで熱をキープすることが重要になるんです。
Point3 麺をほぐすタイミングは、規定の茹で時間の2/3
タイマーを使いながら、茹で時間が3分であれば残り1分のところで麺をほぐしてください。覚え方は「茹で時間の2/3」です。待ち切れずに箸でつついてしまう人がいますが、麺が折れてしまうので絶対にNG。どうしても気になる人は、1分経った頃に麺全体をひっくり返すのはアリです。でもそれ以外はグッと我慢を。端の方が固くなっていることが多いので、ほぐすときは「端から真ん中へ」を意識してください。
マーナ すべらずつかめるシリコーン菜ばし 748円(税込)
商品ページはこちら>>
Point4_火を止めてからスープの素を入れる
麺を茹で終わったら、火を止めてからスープの素を入れます。「どうして火を止めるの?」と思っている人も多いのでは。火をつけたままスープの素を入れて煮込んでしまうと、せっかくの風味が飛んでしまうんです。韓国ラーメンの影響もあって煮込んだ方がおいしくなると思っている人が多いようですが、それは大きな間違い。日本と韓国のインスタントラーメンは、原材料や製造方法が違いますので。
スープの素を投入。必ず火を止めてから!
スープをよくなじませます。
器に移して完成。あとはお好みでスパイスを。ちょっとした違いでも、つくり方にこだわるだけで味は大きく変わりますので、ぜひ実践してみてください!
その他おすすめの調理用アイテムはこちら!
ハンズオリジナル Hand Marks しなやかトング 大 ナイロン 1,628円(税込)
マーナ 目盛りが見やすい計量カップ 1,408円(税込)
商品ページはこちら>>
毎回そんなにこだわれない...という人には、こんな便利アイテムも!
エビス レンジでらくチン野菜ラーメン 968円(税込)
商品ページはこちら>>
【アレンジ初級編】ちょっと加えるだけで旨味がアップする、あの食材
初級編としてご紹介する、加えるだけでおいしくなる食材、それは「昆布茶」。スープの動物性の旨味成分と昆布茶の植物性の旨味成分が組み合わされることで、全体の旨味が倍増するんです。野菜を入れて煮込んだような感じですね。醤油ラーメンでも、味噌でも塩でも、オールマイティです!
調理法も至って簡単。普通にラーメンをつくり、上からひとつまみ程度(約1g)をふりかけてスープに馴染ませるだけです。
あとはお好みの具材を盛り付けて。見た目はいつものラーメンと変わらず、もはやアレンジと呼べないくらいですが...味わいがワンランクアップします!
【アレンジ中級編】レモンの酸味で塩ラーメンが爽やかな味わいに変身
中級編はレモンを加えた塩ラーメンを。使うのは、冷凍したレモンの皮。生の皮や果肉を使うとレモン独特の苦味が強く出てしまうので、「冷凍」と「皮」というのがポイントですね。レモンの爽やかな香りが立ち、塩のカドが取れて味わいもまろやかになって、酸味が加わることで甘みも引き出されるんです。
こちらもまずは普通にラーメンをつくり、おろし金などを使って上から冷凍レモンの皮をふりかけます。量はお好みですが、だいたい10こすりくらい。レモンが好きな方はたっぷりと。
ののじ 大根スリスリ 1,980円(税込)
商品ページはこちら>>
トッピングにはサラダチキンやかいわれ大根などを。輪切りのレモンを添えれば、よりレモン感が強まって見た目も華やかですね。簡単なのに、驚くほどすっきり爽やかな味わいになりますよ。
【アレンジ上級編】その味がクセになる。青森のご当地ラーメンを再現
上級編は、味噌ラーメンを使ってちょっと個性的なご当地ラーメンを再現します。その名も「青森味噌カレー牛乳ラーメン」。名前だけ聞くと、味噌なの?カレーなの?牛乳入れちゃうの?と不思議な感じで、どんな味なのか想像できないかもしれませんが、食べればきっとハマるはずです!
お湯の規定量が500mlであれば、お湯と牛乳を250mlずつ鍋に注いで火にかけ、沸騰したら麺を投入します。お湯だけでつくるよりも麺が少しほぐれにくく、吹きこぼれもしやすいので注意しましょう。
2分(規定時間3分の場合)ほど経った、麺をほぐすタイミングでカレールー1かけを投入。ルーは辛口がおすすめですが、そこはお好みで。麺をほぐしながらカレールーをよく溶かします。
麺が茹で終わったら火を止めてスープの素を入れ、よく混ぜ合わせます。
器に移し、粉チーズをふりかけてバターをのせたら、お好みのトッピングを添えて完成!
スープがドロっとしていてクリーミーな、いわゆる"ドロ系"ラーメンですね。カレーが強いかと思いきや、しっかり味噌も活きていてコクがあり、濃厚な味わいでご飯にもよく合います。現地の人気店の味にかなり近いものが自宅で簡単につくれるので、おすすめですよ!
【カップラーメン編】ちょい足しするなら身近なあのお菓子がおすすめ
最後にカップラーメンのちょい足し簡単アレンジも紹介します。おすすめは、ずばり「駄菓子」。駄菓子は旨味成分が強くて調味料みたいなものなので、味の変化が出やすいんです。新たな食感もプラスされますし、なにより駄菓子をちょい足しするというのがなんだか楽しいですよね。
おなじみの棒状のスナック菓子(味はお好みで)は、半分を粗く砕いてふりかけ、残り半分は縦に割って添えます。
ピリ辛のタラのお菓子は、好きな量をトッピングして(全部入れてもOK!)混ぜるだけ。醤油ラーメンによく合います。
今回ご紹介したのは、ほんの一例です。気軽にアレンジできて、どんなチャレンジだって受け入れてしまう、そんな懐の深さもインスタントラーメンの魅力なので、ぜひ自分流のアレンジ方法も見つけてみてください!
おわりに
取材スタッフも実食してみましたが、いつもの味がこんなに変わるのかとびっくりしました。インスタントラーメンの世界、まだまだ奥が深そうです。さっそく試してみませんか?
【おすすめ関連記事】
・鍋奉行 安井レイコ直伝!寄せ鍋のおいしいつくり方&アレンジ術>>
・【冷凍王子が提唱】時短でおいしく!野菜の「冷凍貯金」テクニックを極めよう>>
※工場生産遅延の影響で入荷日の遅れや商品仕様の変更が生じる場合がございます。
※掲載商品は一部店舗では取り扱いがない場合がございます。取り扱い状況については各店舗へお問い合わせください。
※掲載商品は、一部の店舗ではお取り寄せになる場合がございます。
※一部価格・仕様の変更、および数に限りがある場合もございます。
※掲載写真には一部演出用品およびイメージ画像が含まれ、店舗でお取り扱いがない場合がございます。
※商品価格等の情報は、掲載時点のものです。