売上本数 累計30億本!企画担当に聞いてわかった「フリクション」のスゴさとは!

書いた文字が摩擦熱で消えるボールペン〈フリクション〉。2019年末で累計売上本数30億本(※)を突破するなど、たくさんの人々を魅了しています。そんな〈フリクション〉のスゴさの理由に迫るべく、〈パイロット〉本社へ!フリクション大ヒットの理由がわかりました!
※〈フリクション〉シリーズの累計販売本数。(世界累計、シリーズ計、2006年1月~2019年12月)

フリクションはこうして生まれた!

―〈フリクション〉について、お話しいただくのは〈パイロット〉商品企画部 筆記具企画グループの柴田さんです。よろしくお願いします。

柴田さん:〈フリクション〉のことなら私にお任せください。

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パイロット 商品企画部 筆記具企画グループの柴田さん

―早速ですが、売上本数累計30億本ってものすごい数ですね!たくさんの人に愛用されている〈フリクション〉ですが、開発しようと思ったきっかけはなんですか?

柴田さん:ありがとうございます。最初に〈フリクション〉を発売したのがフランスということもあり、日本だけではなくヨーロッパ各地で愛用してくださっている人が多いんです。

―フランスが最初だったんですか...!

柴田さん:はい。〈フリクション〉以前に、〈イリュージョン〉という摩擦でインキの色が変わるペンを日本で発売していて、それを見たヨーロッパ会社のマーケティング担当の方に、「このインキを黒から透明にできないか」と提案されたのがきっかけです。というのも、ヨーロッパは、日本のように鉛筆と消しゴムを使う文化がなく、万年筆やボールペンと消去液がスタンダード。インキの色を消すことができれば、字消しの作業がもっとラクになると思ったようです。

―その提案を聞いてどう思われましたか?

柴田さん:正直、その発想は全くありませんでした。だから、はじめは本当にお客様に響くのか半信半疑だったんです。

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上:フリクション初のシリーズ フリクションボール 220円(税込)
下:フリクションボールノック 253円(税込)

―そうだったんですね!

柴田さん:しかし、実際に2006年にヨーロッパで発売してみると爆発的なヒットを記録したんです。翌年に日本でも発売。画期的なアイテムだとたくさんの人に嬉しいお声をいただきました。そして、〈フリクションボール〉発売から14年が経った今、いろいろなシリーズが登場し、〈フリクション〉はとても賑やかになっています。

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―フランス人のひと言から、こんなにも大きなブランドに!それでは、フリクションの魅力についてお話しいただきましょう!

フリクションのここがスゴイ① 決して満足しない職人魂

―〈フリクション〉を開発するうえで最も大変だったことはなんですか?

柴田さん:一番はインキの開発です。フリクションインキは、一般的なゲルインキペンに使われる成分(発色剤)に加え、発色剤を発色させる成分、変色温度調整剤の3つを組み合わせています。我々はこれを「マイクロカプセル」と呼んでいるのですが、3つの成分の集合体というだけあり、その粒子が他の成分に比べて大きいんです。それをボールペンの細いペン先に通すのは至難の業で、開発には相当な時間がかかったと開発者からは聞いています。

―実際、どれくらいかかったんでしょう?

柴田さん:1975年にフリクションインキのもととなる「メタモインキ」を開発。当初は、筆記具ではなく、おもちゃなどにインキを利用していました。そこから、30年かけて筆記具に利用可能な「フリクションインキ」を完成させたんです。

―30年も!?スタートが筆記具ではなかったとは。

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お湯を注いだり、お湯につけると色が変わるコップやおもちゃ。

柴田さん:メタモインキは、色が変化しても通常の気温で元どおりになってしまい、温度変化の幅が非常に狭かったんです。しかし、研究を続けるうちに温度幅を広げることに成功。筆記具のインキとして活用できるようになりました。
また、さらに大変だったのが、ノック式の〈フリクションボールノック〉の開発です。

―え?キャップ式とノック式でインキが違うんですか?

柴田さん:キャップ式は密閉状態を保てるのでよいのですが、ノック式はペン先が常にむき出し状態。乾いてしまわないように、インキが出てくる寸前までペン先を密閉状態に保つつくりにする必要があります。その対策の一つが、ペン先のすき間をキャップ式よりも小さくすること。ノック式に対応するインキの開発に3年かかりました...。

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―ということは、0.4mmや0.38mmの開発はまたまた大変だったのでは?!

柴田さん:ええ。〈フリクション〉は手帳と一緒に使っていただくことが多いので、小さなマスでもたくさん字が書き込めるように細い字幅に対応するのはマストだろうと。大変な作業ではありますが、よりたくさんの人にストレスなく使ってもらうためには、字幅の壁はなんとしてもクリアすべき課題でした。
また、より一般的なゲルインキペンの発色に近づけるために、インキの濃さにも力を入れて改良を続けています。

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上から
フリクションボールノック0.7mm 253円(税込)
フリクションボールノック0.5mm 253円(税込)
フリクションポイントノック0.4mm 275円(税込)
フリクションボールスリム0.38mm 198円(税込)

―思い返せば、発売当初の〈フリクション〉は、インキがもっとグレー感が強かったように感じます。ですが、もうその面影はありませんね。きっと、現状に満足せず開発を続ける姿勢が〈フリクション〉人気に繋がっているんだろうな、と強く感じました...!

フリクションのここがスゴイ!② 細かすぎ!な、こだわりの数々

―〈フリクション〉には高級ラインがありますよね。

柴田さん:ええ。〈フリクション〉の機能性に加え、デザイン性と書き心地のよさに、さらにこだわったシリーズです。

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左から
フリクションボールノックビズ 2,200円(税込)
フリクションボール3 メタル 1,650円(税込)
フリクションボール2ビズ 各3,300円(税込)

―どれもシャープな印象で、ビジネスシーンで映えそうです!具体的にどのようなところにこだわっていますか?

柴田さん:例えば、〈フリクションボール〉は、消去ラバーがむき出しの状態がスタンダードですが、〈フリクションボールノックビズ〉はあえてキャップ付きにし、消去ラバーを見えなくしています。

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柴田さん:こうすることで、よりシャープな印象を演出することができます。

―確かに、隠すだけで雰囲気がガラッと変わりますね!

柴田さん:ボディやパーツの他に、インキが入るパイプ部分にも金属を使っているのがポイントです。本体に重さがでるので書き心地も安定します。

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―外装部だけでなく、内部のパイプまで!?

柴田さん:見えないところにこそ、こだわりを忍ばせるのは大切だと思っています。小さなこだわりでも、そのことが、気分や仕事のモチベーションが上がるきっかけになればよいなと。

―見えないところほど、力を入れる...。さすがです!!

フリクションのここがスゴイ③ ペンだけじゃない楽しいアイテム

柴田さん:〈フリクション〉はペンだけではなく、スタンプや色鉛筆もおすすめ。手帳ユーザーさんには特に〈フリクションスタンプ〉を試してもらいたいです。

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フリクションスタンプ 各132円(税込)

―かわいい!なぜ手帳ユーザーさんにおすすめなんですか?

柴田さん:スタンプの種類は「病院」「学校」「ショッピング」「花」「ひよこ」「ハート」マークなど全60種類。ポンポンッと手軽にスタンプを押してスケジュール管理ができるんです。

―スケジュール記録はもちろん、手帳のデコレーションにもぴったりですね。

柴田さん:また、〈フリクションスタンプ〉はペン同様、軸の上部に消去用ラバーが付いています。四角形なので消去用ラバーの角でこすれば、狭いマス目でもピンポイントに消すことができますよ。

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―本当ですね!スタンプや細かい文字も消しやすいです!
そして、この他にもおすすめアイテムがあるんですよね。

柴田さん:はい!こすっても消しカスが出ない〈フリクションカラードペンシル〉です。

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フリクションカラードペンシル 24色セット 4,400円(税込)

―これは、色鉛筆ですよね?こちらもフリクションインキを使っているんですか?

柴田さん:もちろんです。液体であるフリクションインキを固形化し、ワックスで固めています。これがまた単純なことではなく、とても難易度の高い作業で...。

ーといいますと?

柴田さん:ペンで使っているインキをそのまま使うと、ワックスを練り込む時にマイクロカプセルが壊れてしまうんです。だから、固形化するにあたり、一からインキを見直す必要がありました。トライアンドエラーを繰り返し、なんとか固形化に耐えられるインキが完成。しかし、次は芯が柔らかすぎてすぐに折れてしまう...と次々と問題が立ちはだかりまして...。

― 一難さってまた...ですね。どのように課題をクリアされたんですか?

柴田さん:芯の外側を補強剤でカバーして2層構造にしたんです。

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―この白い部分が補強剤ですね!

柴田さん:ええ。補強剤でカバーすることで、芯の強度がアップ。フリクションインキを使った色鉛筆を無事完成させることができました。

―フリクションインキを使った色鉛筆には、どんな魅力があるのでしょう?

柴田さん:消しやすさは、かなり自信があります。軽い力でラクラク消すことができるんです。

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―本当だ!色鉛筆は、消してもどうしても色が残ってしまうイメージですが、〈フリクションカラードペンシル〉は嘘みたいにきれいに消えますね!
色をあらかじめ塗っておいて、消去ラバーで線を引いたり、絵を描くのもよさそう。表現の幅がグンっと広がりますね!

好きな色を選んで楽しむ、新商品が登場!

―今回、〈フリクション〉から新商品が登場するとか!

柴田さん:はい!〈フリクション〉をもっと自由に楽しんで使っていただける透明ボディシリーズが登場します。

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左から:
フリクションボール2透明ボディ 440円(税込)
フリクションボール3スリム透明ボディ 660円(税込)
フリクションボール4透明ボディ 880円(税込)
フリクションボールスリム038 透明ボディ 各198円(税込)

―どういう特徴があるんですか?

柴田さん:〈フリクション〉は、カラーバリエーションが豊富で、すでに既存の多色ペンで好きな色を入れ替えて、オリジナルの色の組み合わせを楽しんでいるお客様が多いんです。ならば、そういったアイテムをつくろうと。違和感なく色の入れ替えができる透明ボディシリーズを発売することにしました。

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―だから、ボディが透明なんですね。どこに何色がセットされているのか、このような感じで、ひと目でわかりますね。

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※多色タイプには、数量限定で好きな色のレフィルを持ち運ぶことができる「替芯収納ケース(4本用)」を付属します。
画像は〈フリクションボール3スリム替芯ケースパック〉660円(税込)をカスタマイズしたもの。替芯は別売となります。

柴田さん:さらに工夫はもう一つ。レフィルの色を気にせず使っていただくために、多色ボールペンのレバーの色を白にしています。多色だけでなく、写真のように〈フリクションボールスリム038 ノンカラーブラックのペン頭部も、どのインキ色でもなじむ透明を採用しました。

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―確かにこれなら、混乱しませんね。

柴田さん:色を選んだり、入れ替えたり、もっともっと自由に〈フリクション〉を楽しんでほしいです!

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柴田さん:多色ペンだけではなく〈フリクションボールスリム038〉の透明ボディも登場します。替芯は0.5mmと0.38mmのどちらにも対応。1つのボディでお好みの色・字幅をお選びいただけます。

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フリクションボールスリム 透明ボディ 038 198円(税込)
替芯 1本入 各132円(税込)

―こちらにも違和感なく使える工夫が?

柴田さん:細かいこだわりですが、0.38mm、0.5mmどちらの替芯でも違和感なく使っていただくために、〈多色〉〈スリム038〉ともに字幅表記を本体に直接転写するのではなくシールにして剥がせるようにしています。

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―なるほど!本体に表記されていると地味に気になるかもしれません。これなら、どちらの字幅を選んでも問題なし!

柴田さん:また〈フリクションボールスリム038〉の全色セットも登場します。手帳のデコレーションやイラストを描く時などに、ぜひ活用してみてください。

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フリクションボールスリム 038 透明ボディ 8色セット1,584円(税込)

最後に一言いただきました

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柴田さん:たくさんの人にご愛用いただき、〈フリクション〉としてたくさんのシリーズを展開することができました。これからも開発・改良を続け、より使いやすいアイテム、ユニークなアイテムをお客様にお届けしたいです!

おわりに

2006年の発売以来、たくさんの人に愛され進化を続けてきた〈フリクション〉。新商品の透明ボディもぜひチェックしてみてくださいね。

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