【文具沼vol.29】定番モノは文具沼への入り口〜月並みではないカレンダー編〜

バイヤー大瀬の独断と偏見によるおすすめカレンダー

この連載は、文具沼にハマった事務用品バイヤーの大瀬が、あなたを深い深い文具沼へと誘(いざな)う物語。今回は、2024年のカレンダーを探している方にピッタリ!大瀬の独断と偏見による「月並みではない」15選(!)を一挙にご紹介します。運命のカレンダー探しに、幸あれ。

この記事で紹介している商品はこちら>>
その他のカレンダー特集はこちら>>

 

この頃の大瀬は、と申しますと

ある初冬の日。年末年始の売り場準備で慌ただしいハンズ本社の一室で、ヒントマガジン編集部員は待っていた。

―大瀬さん、そろそろ来るはず...。

(トントン、ガチャ)

大瀬さん登場

ハンズ歴33年の大御所・大瀬が入室します

大瀬:おや、もういらっしゃいましたか。こんにちは。

―あっ、大瀬さん。こんにちは!(なんか色々抱えているな)

大瀬:フゥ...時が経つのは実に早い。みなが年末年始に向けて疾風怒濤のごとく仕事をしている...。

―大瀬さんもお忙しいでしょうに。

大瀬:ええ、ありがたいことに。ゆえにリフレッシュが必要なわけで。この前の休日、芭蕉記念館を訪ねてきました。

―文化人ですねぇ。

大瀬:「月並み」という言葉が、あるじゃないですか。

―(いきなり?)...はい。「ありふれた」とか「平凡な」といった意味ですよね。

大瀬:まあ、私もそのように解釈していましたが、実は、もう1つの意味というか、与えかねない悪印象も考慮せねばならないと学びまして。

―え、なんですか。

大瀬ゼミナール

大瀬ゼミナール

大瀬:ある有名俳人が、松尾芭蕉の教えだけに忠実で、真新しさや面白みのない「卑俗陳腐」な句を、「月並句」と呼んで批判したのですよ。

―卑俗陳腐...パワーワードだ。今だったらSNSで炎上しそうなエピソードですね。

大瀬:左様。私も今まで「月並みな感じで結構〜」と何気なく、悪気もなく口にしていたわけですが、このエピソードを知ってしまったからには、知らんぷりはできぬ、と。

―誠実だ。

大瀬:そして、「月並み」な私からも卒業しようと気持ちを改め。先日とある神社で演舞を行いました。我ながら躍進的な一歩かと。
注)大瀬さんは趣味で古武道を嗜んでいます。

―さすがです。(そもそも月並みな人じゃないと思うけどな)...して、今回は?

大瀬:前置きが非常に長くなりました。今回は、そんな私の独断と偏見で選んだ、「月並みではない」2024年のカレンダーを取り上げようかなと。

―脇に抱えていたのは、やっぱりカレンダーだったんですね。

大瀬:ちなみに15アイテムあるので、いくつかにカテゴライズしてご紹介します。(一礼)

―月並みではない点数。何卒よろしくお願いします。(一礼)

 

【其の一】「SNSのエモいブルー」な3選

大瀬:まずは、ソーシャルメディアで一躍人気となった「エモーショナルなブルー」群をば。

「SNSのエモいブルー」なカレンダー3選

Z字に
アートプリントジャパン emotion!sara(週めくり) 1,705円(税込)
アートプリントジャパン emotion!旅する喫茶(週めくり) 1,705円(税込)
アートプリントジャパン emotion!shota(週めくり) 1,705円(税込)
商品ページはこちら>>

もはや写真集のようなカレンダー

―わぁ...ブルーがとっても美しい...。もはや写真集ですね!

大瀬:それぞれのクリエイターさんの個性が出ていて乙ですな。同じブルーでも表現が大きく異なるという。クリームソーダに関しては、もはや食品という枠組みを超えてアートの一部ともいえるでしょう。

―週めくりだから、色々な写真をテンポよく見ていけるのもよいですね。

大瀬:ブルーのカテゴリでまとめましたが、厳密にはブルーのみにあらず。とある土地の、景色の、時間帯の一部を切り取ったような刹那感が満載なのですよ。

―なんだかリリカルで切ないですね、大瀬さん。

大瀬:それが「エモい感じ」、ということなんでしょうな。

―すごく今っぽいです。大瀬さん!

 

【其の二】「日本をマニアックに旅せよ」な3選

大瀬:本音を申せば、日々全国各地を旅したいわけですが、そこまで風来坊になるわけにもいかず。「せめて視界でピンポイントに旅行しよう」のカテゴリです。

「日本をマニアックに旅せよ」なカレンダー3選

Z字に
ハンズ限定 純喫茶カレンダー 壁掛け2024 2,380円(税込)
ハンズ限定 純喫茶カレンダー 卓上2024 1,880円(税込)
ハンズ限定 マンホールカレンダー卓上2024 1,880円(税込)
商品ページはこちら>>

 

新宿店にて「純喫茶カレンダー 2024」発売記念 トークショー&ワークショップイベント開催!
詳しくはこちら>>
トークショーについて

あちこち探訪したくなる情報がのっています

―なるほど。全国の「純喫茶」を探訪するという発想ですね。長期休暇でもリアルに網羅するのは難しそうだ。

大瀬:お店の住所やおすすめメニューも紹介されているという、非常に親切な構成です。ハンズ限定アイテムです。

―素晴らしい。ちなみに大瀬さんは普段、純喫茶に行きますか?

大瀬:はい。好んでよく立ち寄ります。物思いに耽ったり、読書したり、サンドウィッチやナポリタンスパゲティといった喫茶メシを食したり。このアイスクリームボートもぜひ味わいたい。

―なんかすごく想像できます、その姿。平和だ。

大瀬:フッフッ...。続けてこちら。

マンホールを鑑賞できます

―マンホール。

大瀬:左様、こちらもハンズ限定。日本各地のご当地マンホールを毎週鑑賞できます。

―ニッチですけど、マンホールファンの方って多いんですよね。あ、これは福井県福井市のマンホールだ。

大瀬:2024年春、福井県に北陸新幹線が開業することを記念してつくられたマンホールです。実際にこのマンホールがどこにあるのか、ピンポイントな公式情報は紹介されていないわけで....。

―貴重だと。こうしてじっくり、まとめて鑑賞できるのは。

大瀬:その通り。各地域の文化と歴史もあわせて学べるのでね。未知の世界を探求するかのごとく、知識欲を深められる旅をどうぞ。

―福いいネ!

 

【其の三】「絵本のしろくまと豆知識」な2選

大瀬:このキャッチーなデザインの流れを汲んで参りましょうか。「絵本のしろくまと豆知識」で分類しました。

「絵本のしろくまと豆知識」

左から
アートプリントジャパン しろくまくん ダイカット壁掛け 1,650円(税込)
アートプリントジャパン しろくまくん ひょっこりスケジュール 1,320円(税込)
商品ページはこちら>>

大人気の絵本『しろくま』シリーズのカレンダー

柴田ケイコさんの大人気絵本『しろくま』シリーズの世界がカレンダーとして初登場!

―大人気の絵本『しろくま』シリーズですね!シンプルにかわいい!

大瀬:このカレンダー、普通に過ごしているだけでは知りえない記念日を教えてくれるんですよ。ほう...9月9日は「食べものを大切にする日」のようです。ふむ...18日は「かいわれ大根の日」だ。

―全然知らなかったです!面白いですね。

大瀬:ちなみに英語の「present(プレゼント)」には、「現在」という意味もあります。ある作家は「今日という日は、私たちへの贈り物そのものだ。だから"プレゼント"と呼ぶのだろう」と解釈しました。

―...ステキな解釈ですし、それをさらっと語れる大瀬さんもカッコいい。

大瀬:(ニヤッ)。ちなみに、卓上タイプにはペンホルダーと、TO DOリストとして使える付箋がセットになっております。
※ペンは別売りです。

―かわいいのにデキるヤツ!絶対に忘れてはいけない予定を強調するのに役立ちそうです。

大瀬:仕事の納期や古武道の稽古日などね。

―はい。大瀬さんには、また演舞に挑戦していただきたいし!

 

【其の四】「ただのんびり、ゆっくりいこうよ」な2選

大瀬:「月並み」は避けたいが、ゆるっとしたテンションは大切にし続けたい。これからも。

「ただのんびり、ゆっくりいこうよ」なカレンダー2選

左から
BーSIDE LABEL 2024やる気あるっちゃある卓上カレンダー 1,100円(税込)
BーSIDE LABEL 2024ONIGIRI卓上カレンダー 1,100円(税込)
商品ページはこちら>>

ゆるいデザインが思わずクスッとさせてくれます

―突然どうしたんですか、と思いましたが、一目瞭然ですね。〈やる気あるっちゃある卓上カレンダー〉。

大瀬:あるっちゃあるけど、ないっちゃない。というか誰しも、全力を出し切れない日はある。自分のペースを大事にしながら精進すればよい、というね。

―だから「充電中」。なるほど。

大瀬:〈ONIGIRI卓上カレンダー〉も同じイメージです。前者ほど主張せずとも、おにぎりたちが季節行事や事柄を楽しんでいる。日々、忙しく生きる私たちへ提案かもしれませんな...。

―「のんびり、ゆっくりいこうよ」という提案。

大瀬:ええ。

―なんだか、やさしい気持ちになれそうです。周りにも。

 

【其の五】「THIS IS!ジャパニーズモダン」な2選

大瀬:ちょっとテイストを変えて、和モダンなカレンダーをご紹介しましょうかね。

「THIS IS!ジャパニーズモダン」なカレンダー2選

左から
ROKKAKU 箔押し卓上カレンダー 1,430円(税込) 
アクティブコーポレーション 妖怪図鑑ばけこもの 990円(税込)
商品ページはこちら>>

箔押しやイラストがかわいいカレンダー

―お!キラッとしている。これって箔押しですか?

大瀬:左様。年賀ハガキづくりで培った技術を採用し、箔押し加工のみで季節を表現しているのですよ。

―繊細な美しさ。まさに匠の技ですね。そして...

大瀬:妖怪です。

―ポップなタッチの妖怪ですね。

大瀬:さまざまな妖怪の解説が載っていまして、こちらも学びにつながります。瀬戸物の妖怪や傘を差す妖怪、枕をひっくり返す妖怪...。

―そんな妖怪たちがいるんですか。

大瀬:これ以上はネタバレになるので控えましょう。とにかく妖怪の知識が身に付きます。

―ほう。

大瀬:ちなみに、幽霊と妖怪は違いますよ。

―ほう?

大瀬:幽霊は故人の霊があらわれたもの。妖怪は、物や動物などが姿を変えて、人にとって「あやしい」存在に転じたもの、と考えられています。もちろん複数説ありますが、大まかに申しますと。

―博識ですね、大瀬さん。でもここに描かれた妖怪たちは、あやしいけど、かわいい。愛嬌や茶目っ気があります。

大瀬:フッ...。

 

【其の六】「ハシビロコウ」に捕らわれる

大瀬:ここからは、カテゴライズするのも困難だった変わり種をご紹介したく。参りましょう。

―ドキドキ。

ハシビロコウだけのカレンダーがあるんです

辰巳出版 ハシビロコウ/南幅俊輔 1,210円(税込)
商品ページはこちら>>

大瀬:ハシビロコウです。獲物をとらえるまで微動だにしない、まさに「動かない」怪鳥。嗚呼、よき面構えですな〜。

―なんかこう、正面からまじまじと眺めたことがない生き物だ。コワモテ。緊張します。

大瀬:まるで賢者のような風格。日々の教訓にしたいものですな。急がず、慌てず、油断もせず。悠々と構えて確実に仕留める。手本としよう。

―(仕留める?)縦長サイズを生かしたデザインもよいですね。迫力が伝わってきます。

カレンダーページ以外もある

―カレンダーページ以外もあるんだ...。

大瀬:読み応えたっぷりの「ハシビロNEWS」が収録されているのです。

―全国各地の人気のハシビロちゃんも紹介されているんですね。こうして眺めていると、意外とチャーミングに見えてきました。愛おしさが芽生えそうです。

大瀬:ハシビロ沼にハマりかけておられる。

 

【其の七】いかなる暗闇でも「光」を求めて

大瀬:もしも、「カレンダーは明るいところで見るもの」と思い込んでいるならば。

暗い所でも見れるカレンダー

オーブ ピカリコカレンダー 1,595円(税込)
商品ページはこちら>>

―そういうものだと思っています...が?

(パチッ)

―(電気が消された...ん??)

暗くなると蓄光で光って見えるカレンダーです

大瀬:こちらは蓄光プリントのカレンダー。光を吸収すると、暗闇で数字が光るのです。

―わ、本当ですね!しっかり見えます。

大瀬:「わざわざ暗い部屋でカレンダーを見なくても...」という方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば睡眠時に電気を消して布団に入った時、「あれ?明日何日だっけ。何曜日だっけ」と、突然分からなくなること、ありませんか。

―ある気がします、そう尋ねられると。

大瀬:そんな時、パッと一目で解決するのですよ。「あと何日寝たら休みだなぁ」とかも含めて...。

―確かに!連休前とかよいですね。残りの日数を指折り数えたくなるような気持ち。ワクワクします。

大瀬:ええ。まあ、納期までのカウントダウンもできますがね。

―それはそれで怖いのですが。

大瀬:時が経つことは、決して憂いごとではない。辛いことがあっても、その先には必ず希望が、光がある。だから目を逸らさず、きちんと前へと進みたい。私はそう思うのです。

―大瀬さん、カッコいいです。一日一日が「贈り物」ですしね。

大瀬:その通り。

 

【其の八】偉人の「筆跡」とともに

大瀬:さて、こちらが最後です。あの方で締めくくりましょう。

偉人の「筆跡」でつくられたカレンダー

偉人の生涯と筆跡カレンダー24 アンリ・マティス 1,980円(税込)
商品ページはこちら>>

―「アンリ・マティス」。20世紀を代表するフランスの画家ですね!

大瀬:左様。ミサワホーム株式会社が制作している毎年大好評の「偉人の生涯と筆跡カレンダー」の第16弾です。アンリ・マティスの絵、手紙や日記などに記されたサインや数字を収集したカレンダーです。

―サインや数字を収集...?!

大瀬:いずれも少しずつ字体が違うので、ありとあらゆる資料から収集されていることが分かります。...本人も、まさか2024年の日本で自分の筆跡がカレンダーになるとは、夢にも思わなかったでしょうな。

偉人の筆跡がカレンダーになっています

―ス、ス、スゴイ。絵の解説も載っていますね。これはじっくり読み込んじゃいます。

大瀬:このカレンダーがあれば、アンリ・マティスの魂を、きっと近くに感じられることでしょう。それくらい情報量が豊富なのです。

マティスの魂を感じる大瀬さん

マティスの魂を感じる大瀬

―絵画を飾るような感覚で壁に貼るのもよいかも。ちなみに、大瀬さんはお家のどこにカレンダーを貼っていますか?

大瀬:ピアノが面した壁に掛けています。腰をかけた時にパッと目に入って、都合がよいもので。

―オシャレですね!そして大瀬さん、ピアノも弾くんですね。引き出しが多い...。

大瀬:我が人生をより豊かに、そして充実させるためです。

―拍手喝采です。

大瀬:まだまだです。目指すべきは、「月並み」以上ですから。

―2024年の大瀬さんにも、期待しています!

 

おわりに

事務用品バイヤー大瀬の独断と偏見で選ばれたカレンダー15選、いかがでしたか?「月並みではない」カレンダーとともに、2024年の記念すべき幕開けを迎えてくださいね!

おすすめのカレンダー特集はこちら!
【2024年】おすすめのカレンダー(令和6年)

【おすすめの関連記事】
・【文具沼vol.28】定番モノは文具沼への入り口〜つるプリッ!に癒される「おしりマウス」編〜
・【文具沼vol.27】色をたのしむ「カラーリングノート」誕生!工場で探るこだわりの数々>>
・【文具沼】連載一覧はこちら>>

※工場生産遅延の影響で入荷日の遅れや商品仕様の変更が生じる場合がございます。
※掲載商品は一部店舗では取り扱いがない場合がございます。取り扱い状況については各店舗へお問い合わせください。
※掲載商品は、一部の店舗ではお取り寄せになる場合がございます。
※一部価格・仕様の変更、および数に限りがある場合もございます。
※掲載写真には一部演出用品およびイメージ画像が含まれ、店舗でお取り扱いがない場合がございます。
※商品価格等の情報は、掲載時点のものです。

この記事の関連タグ