3度のメシよりスーツケース！自身を"スーツケースの伝道師"と称し、スーツケースのよさを世の中に広めるべく生きている、ハンズのトラベルグッズバイヤー、佐藤による連載記事。今回は年末ということで、昨年発表した「スーツケース大賞（※）」がより進化した「旅道具大賞2020」を大発表！人気トラベルグッズメーカーが自社・他社の垣根を超えて本当によいと認めたものをご紹介します！
今回はスーツケースだけでなくトラベルグッズ全般から受賞アイテムを発表
―伝道師こと佐藤さん、こんにちは。今回はその年に素晴らしかったアイテムをご紹介する年末の恒例企画、「大賞シリーズ」なのですね。
伝道師：ええ！今年は特にいろいろありましたので、例年よりさらに早く、あっという間に年末になったような気がします。
スーツケースの伝道師こと、スーツケースやトラベルグッズバイヤーの佐藤。
―何を被っているのですか？王冠？
伝道師：ええ。前回まではスーツケースのみのピックアップでしたが、今回は「旅道具大賞」ということで、トラベルグッズ全般から2020年を代表するにふさわしいベストアイテムを部門別にご紹介させていただきたいと思いまして。
今回も数々の人気トラベルグッズメーカーさんにご協力いただき、私が選出したアイテムの中から「これはすごい！」と思ったトラベルグッズをお選びいただくアンケートを実施。前回同様、「自分が所属するメーカー以外のアイテムを選ぶ」というルールも設けているので、本音まる出しのガチ投票結果になっているんです！なので、この記事でご紹介するアイテムはどれも、数多くのライバルアイテムの中でトップに君臨したキングオブキング。なので、王冠なんです。
発表直前までメーカーさんたちから届いた大量のアンケートを集計する伝道師（ご協力いただきましたメーカー各社様、誠にありがとうございました！）
―キング＝王冠はわかるけど、なんで佐藤さんが被ってるんですか。
伝道師：なんでも「正しさ」ばかり求めているとつまらない大人になっちゃうぜ...？
―あ、はい。
伝道師：...さて、気を取り直して旅道具大賞の説明の続きをすると、今回は「旅はどこまで便利になる！？トラベルグッズ部門」、「ちょっとした旅行にもGood！バックパック部門」、「スーツケースの新時代！デイリーキャリー部門」の3部門を設け、この記事では各部門の1位をご紹介！コロナの影響で従来のようにサクッと長期旅行にも行きにくくなっている状況を踏まえて、旅のエッセンスを日常に無理なく取り入れられるグッズが全体的に多くなっていますね。
―なるほど！
伝道師：そして今回は密を回避するために、各部門1位のメーカーさんにだけお越しいただきました。何度も言って恐縮ですが、この企画で1位になるトラベルグッズとそのメーカーさんは本当にすごいので、その栄光を称える表彰状もご用意しております！では、早速授賞式を執り行うとしましょうか！
密を避けるために、発表のアシスタントは前回のようにハンズスタッフではなく、伝道師の「相棒」であるスーツケースに務めていただきました。
伝道師：はじめに発表するのは、「旅はどこまで便利になる！？トラベルグッズ部門」です！この部門では、ここ数年でさらにワンランクレベルアップしてきているトラベルグッズの中から、アイデアがキラリと光る一品を選んでいます。この部門はアイテムの幅も広いのでかなりの激戦区なのですが、その中で一等賞を勝ち取ったのは...、〈ベイリーフ〉の〈ネオ・楽っぱ〉です、おめでとうございます！！
ベイリーフ ネオ・楽っぱ（S・M・L） 1,870円（税込）
伝道師：こちらはスリッパとサンダルが合体したようなまったく新しい履きもの。スリッパのようにものすごく気軽に履けて足元が楽チンで、旅先のビーチではサンダル感覚で重宝する絶妙なフィット感。この2つがともに実現されているプロダクトって実はほとんどなく、〈ネオ・楽っぱ〉はとても素晴らしく、1位となったのも納得なんですよ！ということで、表彰状を読み上げます。
―あれ、メーカーのご担当者さんは...？
伝道師：残念ながらご都合が合わず不参加ということで、本日は〈ネオ・楽っぱ〉さんのみにお越しいただいております。さて〈ネオ・楽っぱ〉さん、今のお気持ちをお聞かせいただけますか...？
ネオ・楽っぱ：.........。
―......。
伝道師：感極まって言葉にならないようですね。では、ご担当者である〈ベイリーフ〉の石田さんから受賞のコメントをいただいているので、代わりに読みあげさせていただきます。
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この度は、名誉ある大賞をいただき、誠にありがとうございます。
弊社は常々、「旅は心を広くする」というキーワードを胸に旅グッズの取り扱いをしております。
コロナ禍という時期、いまだかつて経験したことのない移動制限という事態を経験し、より旅するということの意義を考えさせられる大切な渦中に、旅行用品で賞をいただきましたことに、感激と身の引き締まる思いです。また、このような世の中の旅に寄与する環境を支える素晴らしいトラベルグッズメーカーの皆様が、〈ネオ・楽っぱ〉という小さなアイテムに心を寄せてくださったことに心から感謝いたしております。この喜びは、この商品を気に入ってご購入いただいておりますユーザーの皆様、店舗の皆様および生産等にかかわる関係者の皆さまにお伝えしたく存じます。
これからもますますこの業界の皆様と共に、多くの方々の旅の楽しさにそっと役立つことができればうれしいです。
ベイリーフ 石田
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―しっかりしたコメント、さすがです。
伝道師：石田さんの情熱を受け継ぎ、私がこのスーパープロダクトについてもう少し詳しくご説明すると、生まれたきっかけは、「スリッパとサンダルのいいところを合わせた楽チンな履物はできないものか？」という問いかけ。ボディボード用のウエットスーツ素材を使うという発想から、その特性の柔らかさやショック吸収性がこのかつてない履き心地を実現しています。また、ウエットスーツ素材なので撥水性もピカイチで、水に浮くので履きながら泳ぐこともできちゃいます。
活躍するシーンは旅以外にもスパ施設やヨガスタジオ、入院病棟などさまざま！とにかく、簡単に履けてしっかりフィットするのにリラックス感も抜群というトータルバランスのよさが、支持されていますね。ガシガシ洗うこともできるし、このように折りたたんでも大丈夫です！
―シーンを選ばないこのシンプルなデザインもよいですね。値段もお手頃だし、ひとつあるだけでかなり重宝しそう！
伝道師：家用と旅行用などの複数買いやリピート買いもかなり多く、熱烈なファンがたくさんいることもよさを物語っています。なお、惜しくもキングにはなれなかった2位〜5位のアイテムはこちら。ただ、どれもキングに勝るとも劣らない超おすすめアイテムなのでぜひチェックしてみてください！
左から
2位 ADD-NIS マスクケースウォレット 3,500円（税込）
3位 ゴーウェル 低反発クッション 腰ラクーン 3,960円（税込）
4位 ポケットショルダーエコバッグ 1,100 円（税込）
5位 トラベルモール インフレータブルポンプピロー 4,290円（税込）
バックパックはあの人気ブランドのロングセラーがナンバー1に
伝道師：さあ、続きまして「ちょっとした旅行にもGood！バックパック部門」に参りましょうか。この部門では普段使いはもちろん、1〜2泊程度のライトな旅行にもそのまま使える、今の時代にぴったりな優等生バックパックを選んでいます。ということで、ナンバー1の座に輝いたのは...〈ザ ノースフェイス〉の〈シャトルデイパック〉です！！担当の〈ゴールドウィン〉の高間さん、コングラッチュレーション！！
ザ ノースフェイス シャトルデイパック 22,000円（税込）
高間さん：ありがとうございます！！
伝道師：ガジェット好きの心をわしづかみにする優れた機能性と、ビジネスでもオフの日でもどこでも使えるデザイン性が特徴で、ハンズでもびっくりするほど人気。なので個人的には1位を取ったことに対してよい意味で裏切りがなく、順当な結果だなと思いました！このシリーズはもう何年も続くロングセラーですが、何度かリニューアルされていますよね。
高間さん：ええ。デザインはごくシンプルにしつつ、中身の仕様にこだわっています。かゆいところに手が届くようなバックパックにしたいという基本のスタンスはずっと変わらず、細かいところを少しずつアップデートしております。
たとえば、発売当初からノートパソコンを入れるポケットはあったのですが、タブレット用のポケットはなかったんですね。それを時代のトレンドに合わせて、パソコンもタブレットも入れられるようにしたり。そういった、決して派手ではないところを中心に進化させてきたので、メーカー様たちのプロフェッショナルな目線でも1位になれたことはとても嬉しいです。手を休めずにずっとアップデートさせてきた甲斐がありました。
ポケットがたくさんでON・OFFともに抜群の使いやすさ。使う用途を押し付けすぎず、目的に合わせて使えるような自由度の高い仕様になっています。
サイドポケットは背負いながらの取り出しやすさを考慮して、取り出し口が斜めに入っています。
伝道師：まさにその機能面を高く評価する方がとても多かったです。あまり機能を充実させるとかえって使いにくくなるので、絶妙なところをしっかり押さえているこのバックパックは本当にすごいですよね。ちなみに、最新モデルではどの点をアップデートさせているのですか？
高間さん：たとえばこの持ち手の部分。従来は背面だけでなく前面にも持ち手があり、その2つを束ねて持つような使い方だったのですが、ちょっと見た目が野暮ったかったんですね。なので今回は、背面だけでも強度を保ちつつバランスよく持てるようにしています。
伝道師：エクセレント！ガジェット系のバックパックってどうしても見た目のよさは二の次になってしまうことも少なくないですが、こちらはさすが〈ザ ノースフェイス〉ということでデザインにもとことんこだわっているのがよいですよね。1泊とか、夏場なら2泊はいけるくらいの大容量なのに、背負ったときの雰囲気がとても洗練されている。
伝道師：伝道師的ナイスポイントは、ファスナーの使い分け。パソコンやタブレットを入れる想定のポケットには止水ファスナーを採用していますよね。ただ、他のファスナーも止水タイプにすると見た目の印象がどうしても堅くなってしまうので、ポケットによってあえて分けているのが素晴らしいと思いました。これぞ匠って感じですね。
高間さん：さすが伝道師...目の付け所がするどい...！！
伝道師：ものすごい機能がギュッと詰まっているのに、それを大々的に誇示しないこの姿勢がとてもかっこよく、そういったところが多くの方々から人気を集め続けている理由だと思います。
高間さん：ありがとうございます...！これからも時代に合わせてアップデートし続けたいと思いますので、よろしくお願いします！
伝道師：そして2位以降はこのようになっております！繰り返しで恐縮ですが、これらのアイテムも文句のつけようがないくらい優れたバックパックなので、好みに合わせて自分だけのお気に入りを見つけてみてください！
左から
2位 Wexley アーバンバックパック 13,200円（税込）
3位 ace.GENE ガジェタブルWR 22,000円（税込）
4位 Incase シティバックパック 22,000円（税込）
5位 VICTORINOX アルトモント フリップトップ ラップトップバックパック 16,500円（税込）（税込）
伝道師も息を飲むハイレベルな戦い。そして授賞式はフィナーレへ。
伝道師：さあ、いよいよ残すところは「スーツケースの新時代！デイリーキャリー部門」でございます！この部門ではその名の通り、デイリーユースできるほど気軽に使えるスーツケースをピックアップ！私のように毎日の通勤で使ったり、1泊〜2泊くらいのライトな旅行、スポーツやレジャー、ショッピング、さらには非常時の持ち出し用としても活躍してくれる、日常に寄り添ったスーツケースがランクインしています。
そんなデイリーキャリー部門のトップオブトップは...、〈エンドー鞄〉の〈スパッソ セパレーター リュックキャリー〉です！！いやあ、めでたいですね、担当の〈エンドー鞄〉、安井さん！！
スパッソ セパレートリュックキャリー17,600円（税込）
安井さん：ありがとうございます...嬉しい...！このスーツケースは開発時から伝道師やハンズスタッフの皆さんからのアドバイスをたくさんいただきながら完成までこぎつけたので、それが他社さんにも評価いただき、1位になれて本当によかったです。ありがとうございました、伝道師...。
伝道師：伝道師として当然のことをしたまでですよ。手前味噌になるかもですが、これを私も普段の通勤時に愛用しておりまして、とても素晴らしいプロダクトだと思います。大きな特徴としては、リュックにもスーツケースにもなるところ。
ただ、その切り替えが面倒だと結局どちらかの使い方しかしなくなっちゃうので、限りなくスムーズに切り替えられるよう隅々までこだわっているのがポイントです。
安井さん：リュックのショルダー部分やキャスターの保護部分がマグネット式になっているので、リュックとして使う時はスーツケース部分のパーツが、スーツケースとして使う時はリュック部分のパーツがあっという間に収納されるようになっています。
伝道師：また、伝道師的ナイスポイントは2つあって、一つはキャスターのクオリティ。もう一つはデザイン性です。まずはキャスターのクオリティ。このアイテムは他のスーツケースと比べてより普段使いされやすいし、していただきたいので、いつでもどこでも気兼ねなく使えるように、走行性はかなりこだわっています。特に静音性ですね、いつもガラガラ音がすると使うのも億劫になるので、スーッと移動できるような静音性と耐摩擦にすぐれたキャスターを採用しています。
伝道師：そしてデザイン性。これも普段使いしてほしいという考え方からきているものですが、スーツケースの機能を持たせると、キャスターやキャリーバーがあるので、どうしても見た目がゴツくなってしまうんですね。リュックとして使えたとしても、いかにもスーツケースを背負っているような見え感だと悪目立ちしてしまう。けれどこちらはリュックとして使う時はスーツケース的な要素を感じにくいデザインにして、なるべくシンプルに、幅広いファッションやシーンに合うように仕上げました。
安井さん：中身についてお話すると、中に取り外し可能な仕切りが付いているので、用途に合わせて収納スペースを使い分けられるようになっています。また、仕切りがないと底面の荷物がやや取り出しにくかったりするのですが、こちらはそれも解消しています。
伝道師：もっと細かいところを言うと、他のスーツケースのキャリーバーに設置できるようになっているのもニクい。なので、スーツケースにスーツケースがオンされるという伝道師的に激アツな姿になるんですよ。
そんな中、実は今日たまたま昨年の「スーツケース大賞2019」で2冠を達成した覇者、〈LOJEL〉担当の石本さんが、2冠達成スーツケースである〈CUBO（キューボ）〉を持っていらっしゃっているので、そちらにオンしてみましょうか。
2019年の受賞の様子はこちら＞＞
スーツケース大賞2019発表！2019年で最も素晴らしいスーツケースはこれだ！
ロジェールジャパン 石本さん
石本さん：デイリーキャリー部門の2位にこの〈CUBO〉がランクインしたということで持ってきたのですが、まさかこのような使い方をされるとは...1位になれなくて悔しい...。来年こそは1位に返り咲きますよ...！
伝道師：〈CUBO〉の実力はスーツケース業界の誰もが知るところなので、この争いは見ていて気持ちよいくらいのハイレベルっぷりですよ。なお、2位以降はこのようになっております！
左から
2位 LOJEL CUBO（キューボ） 37L 28,600円（税込）
3位サンコー鞄 フィノキシー ゼロ 30L 17,380円（税込）
4位 ソロツーリスト リュックサックキャリー15L 13,750円（税込）
5位 hands＋ インテンション コインロッカーサイズ フロントオープン 21L 17,490円（税込）
―言わずもがなですが、ここに並ぶスーツケースたちも皆素晴らしいということですね。
伝道師：その通り！〈エンドー鞄〉さんも〈ロジェールジャパン〉さんも他のメーカーさんたちも、それぞれが素晴らしい個性を持っていて、どれを選んでも後悔しないほどの名品をつくり込んでいます。毎年年末にこういった企画を実施していることの大きな理由は、メーカー各社のキャラクターと並々ならぬ熱量とクオリティを一人でも多くの方々に知っていただきたいから。
紹介したアイテムはどれも、手にすればすぐに違いがわかるほどのレベルに仕上げてきているので、きっとピンとくるアイテムが見つかるはず。旅行を年末年始に予定している方はもちろん、予定がない方でも普段使いできるものが数多く揃っていますから、ぜひ気軽にトラベルグッズをライフスタイルに組み込んでお楽しみいただけると嬉しいです！もう一度言います、今年のトラベルグッズは本当に激アツなので、ぜひチェックしてみてください！！要チェックです！！トラベルイズビューティフル！！
―......。
伝道師：おっと失礼...つい熱くなってしまった。ということで、「旅道具大賞2020」の授賞式、これにて閉会です！読者の皆さん、今年もありがとうございました。来年もまたよい旅をお楽しみくださいませ！！では、アデュー！！
おわりに
2020年最後の伝道師記事、いかがでしたか？今年もこの連載をご愛読いただきまして誠にありがとうございました！そして来年の伝道師記事も乞うご期待！
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