【靴磨き世界一に聞く】最高に美しい革靴の磨き方とは?

今回、シューシャイン(靴みがき)の世界チャンピオン、長谷川裕也さんの靴磨きのお店を直撃!その世界一に輝いたプロの磨き方を学びます!革靴の磨き方を知りたい方は、要チェックです!

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磨き始める前の靴。つま先には、こすれた跡が目立ちます

いきなり始めない!シューケア前の準備も大事!

さあ靴を磨こう!といっても、いきなりブラシや布でこすっていくのはNG!まずはケアの前に準備を整えましょう。

まずは、靴ひもをはずして靴をリラックスした状態に。そして、シューキーパーをセット。こうすることで、靴のシワがのびるので、ほこりが取れやすくなったり、クリームを塗りこむ際にしっかりと浸透させることができますよ。

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★ここでワンポイント!
靴の中にも意外とほこりがたまっていると長谷川さんは言います。特に、ペットを飼っている方などは、抜け落ちた毛が入っていることもあるとのこと。ご家庭で行う場合は、ウエットティッシュを使って、靴の中をさっと一拭き。ケアとしてはもちろん、履いたときの清潔感もグンとアップします!

ココ重要!靴本体だけでなく、「コバ」もケアする!

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靴磨きというと本体部分に目が行きがちですが、本体とソール(底面)のつなぎ目である「コバ」と呼ばれる部分をケアすることも大切!ここがキレイにしてあると、ピシッと整った靴の印象になります!ソールと同じ色のコバブラシを使って、丁寧に塗りましょう。

少し慣れてきたら、コバを塗る前に紙やすりで少し表面を削ってみましょう。そうすることでコバの表面が平らになり、インクをより均一に塗ることができます。長谷川さんも行うプロのテクニック。応用編として覚えておいて損はありませんよ!

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そしていよいよ、本格的なケアの開始!最初は靴のつま先(アッパー)部分から、馬の毛を使ったブラシでほこりをとっていきましょう。ひもを外した内側もかきだすようにブラッシング。土踏まずの部分もほこりや汚れがつきやすいので念入りに行いましょう。

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次に、液体状のクリーナーで汚れ落しを。以前に塗ったワックスやクリームを落とさないと、どんどん厚塗りになってしまうので革がぼてっとした印象に。ひどくなると、革が割れてしまうなんてことも!ですから、指先に巻いた布でしっかり汚れを落としましょう。

この時、できれば綿のざらっとした布を使うとベターです。ただ、ゴシゴシしすぎるのは厳禁!革もお肌と同じで、強く拭きすぎると表面があれてしまいます。やさしく丁寧に、を心がけて!

革の内部に栄養補給を。指を使うのがプロのケア!

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汚れを落し終わった後は、革に栄養を補給していきます。ここでは、とにかく革の内部に栄養を行き届かせることがポイント!なので、長谷川さんのようなプロの方々は、指で直接塗り込みます。これは、クリームを指であたためながら塗り込むことで、浸透しやすくするためです。指で直接塗ることに抵抗がある方は、ラップを指に巻くのがオススメ。体温が伝わりつつも、指を汚さずにケアすることができます。もちろん、クリームを塗るのはブラシでもOK。ブラシで行う場合は、全体にまんべんなくのばしていくことがポイントです。

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★ここでワンポイント!
クリームを塗り込む際には、つま先の「バンプ」と呼ばれる部分に特に注意を!ここは歩く際に曲がる部分なので、シワができやすい箇所です。必ず塗った後にブラッシングしてよくなじませましょう。そして、ブラッシングの後には布で乾拭きを。余計なクリームを拭き取って、汚れにくくする一手間を加えましょう。

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これで、シューケアの一連の工程が終了です!いかがですか?冒頭の写真と比べて革がふんわり、そして艶がピカリ!基本のお手入れだけでも、これだけキレイになります。長谷川さんのようなプロであれば、ここまでで15分ほど。初心者の方でも30分くらいで行えるはずです。

革靴は磨くほどに革が育ってくるため、よりケアしやすくなることも特徴。ケアを続けていけば、ほこりをさっと払うだけでもピカピカの状態が続くようにもなりますよ!

プロは水で磨く?世界チャンピオンのシューシャインテクニックを伝授!

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シューケアの後は、靴を輝かせるためのシューシャイン。ここでは、2種類のワックスと水を使うプロの技をご紹介します!ちなみに、光らせてよいのは芯が入っているつま先とかかとだけ、ということもおさえておきましょう。

用意するのは固いワックスと軟らかいワックス。(固いワックスは、軟らかいワックスを乾燥させてつくります)。まずは、伸びのよいやわらかいワックスをベースとして塗り込んでいきます。実は、このベースがとても重要!それは、しっかり塗り込むことで、この後の磨きの際に水を染み込みにくくする作用があるからです。

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次に、水を使った磨きへ。この際、磨く布はできれば専用のもの(ネル生地で起毛したもの)を使う方がベターです。布に水をほんの一滴取り、固いワックスをつけてそっとなでるように磨いていきます。すると、ワックスで白く濁っていた部分がみるみる光っていきます!これは、ワックスの膜が水によって広がっていくことで生まれるツヤ。後はひたすら水を取る、固いワックスをつける、磨く、この工程を繰り返していきます。

ポイントは水を取りすぎないこと!水は革にすぐ浸みてしまうので、ほんの一滴を心がけましょう。十分に光ってきたら、最後に布の新しい面に水だけをつけて磨きます。この方法、名付けて「水研ぎ」!長谷川さんが世界チャンピオンになったときにも実践したテクニックです。

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さすが世界チャンピオン!磨く所作も絵になる...

シューシャイン完了!鏡のような仕上がりで履きたくなる靴へ!

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なんとも美しい仕上がり...まるで鏡のように光り輝いています!ちなみに長谷川さんは、お客様の職業や靴の種類にあわせて光らせる度合いや範囲を変えているとのこと。写真のようなストレートチップの靴なら、オーソドックスにつま先を光らせたり、ローファーなどカジュアルなシューズは逆に光を抑え目にするなど、家庭でのシューシャインでも参考にしたいですね。

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こちらが長谷川さんの7つ道具。選び抜かれたアイテムが、プロの技を支えています。(※長谷川さん私物です)

あわせて、初心者が困る道具の選び方についても伺いました。
「一番間違いないのは、お店の販売員さんに聞くことですね。靴磨きは革磨きでもありますので、ご自分の靴の革にあわせた道具を選ぶことが重要です。その意味で、やはり革と道具に精通しているプロに相談するのが一番かと思います。できれば、手入れしたい靴を直接持っていくのがいいでしょう。現物があれば、より最適な判断ができるはずですから」

今年で靴磨きをはじめて13年になるという長谷川さんも、今の道具にたどり着くまで、いろいろと試してきたと語ります。そして、現在でも常に新しい道具の情報をアップデートしているとのこと。靴磨きの世界はやはり奥が深かった...!

おわりに

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取材の最後、長谷川さんに靴磨きの醍醐味について伺いました。

「個人的には、キレイに光らせるという一点に集中することで、無心になれることですね。そして、磨いた靴があることで、履いて出かけたくなったり、仕事に行きたくなったりと、ポジティブな循環が生まれること。私のお客様でも「ピカピカの靴があると月曜が憂鬱じゃない」なんてお声も聞きますし(笑)。革靴は磨くほどに育ちますから、その成長や変化を楽しみながら、ぜひ習慣にしてもらえたらと思います」

靴を磨くことで、普段の生活にも良い影響がありそうですね!お気に入りの一足を長く、楽しく履くために。そして、毎日を充実させるために。この春は、靴磨きを始めてみませんか?

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