未来の洗剤「ハッピーエレファント」をつくるサラヤさんに、象や人にやさしい商品づくりについて聞いてきた【4月28日は象の日だから】

4月28日が何の日かご存知ですか?答えは、「象の日」。象が日本に初めてやってきたのは江戸時代。当時の天皇、中御門天皇がその象をご覧になったのが4月28日だったということで、象の日と制定されました。ここでは象の魅力をとことん深掘り...するのではなく、象にとっても人にとってもやさしい洗剤〈ハッピーエレファント〉を手がけている〈サラヤ〉さんに、ハンズの清掃用品バイヤーの園田が、開発秘話や象に対する思いなどを聞いてきました!

未来のための洗浄成分「ソホロ」とは?

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東急ハンズ 清掃用品バイヤー 園田

園田:こんにちは。東急ハンズで清掃用品のバイヤーをしている園田です。今回は象の日にちなんで、〈ハッピーエレファント〉という素敵な名前の洗剤を手がけていらっしゃる〈サラヤ〉さんにやってきました。お話していただけるのは広報宣伝統括部の廣岡さんです。本日はよろしくお願いします!

廣岡:よろしくお願いします!象の日にちなんだ対談なんて生まれて初めての経験です(笑)。

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サラヤ 広報宣伝統括部 廣岡さん

園田:まずは読者の皆様に〈ハッピーエレファント〉について簡単にご紹介します。一番の特徴は、ソホロと言う、食品成分として使われるほど安全性の高い天然洗浄成分を配合した、人や地球にやさしい洗剤ということです。あとは石油系合成界面活性剤や合成香料、着色料など、肌への負担となる成分は一切使っていませんし、排水後はすばやく分解されて地球に還ります。一度使うとそのよさがわかるので、ハンズのお客様にはリピーターさん、ファンの方がとても多いという実感がありますね。

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左から
ハッピーエレファント
バスクリーナー グレープフルーツの香り 500円+税
トイレクリーナー スペアミントの香り 500円+税
洗たくパウダー 477円+税
液体洗たく用洗剤 677円+税
柔軟仕上げ剤 700円+税
野菜・食器用洗剤 グレープフルーツの香り 400円+税
野菜・食器用洗剤 オレンジ&ライムの香り 400円+税
キッチン泡クリーナー 400円+税
食器洗い機用ジェル 477円+税

廣岡:ありがとうございます、とても嬉しいです。ソホロについてもう少しご説明すると、植物油(パーム油)と糖を栄養として天然酵母の発酵からつくった天然成分のことで、私たち〈サラヤ〉が世界で初めて実用化に成功した成分です。

園田:バイヤーとして見てもソホロって本当にすごいと思っていて、合成界面活性剤とも石けんとも異なる"天然界面活性剤"として、エコという考え方が当たり前になっていくこれからの時代の新しい洗浄剤に成り得るんじゃないかと思います。

廣岡:
かつては、洗浄剤と言えば石けんか合成洗剤しかなかったのですが、ソホロが属する天然界面活性剤の存在そのものは業界でも知られていたんですね。自然界がつくり出しているから、安全性は高いし、環境にもやさしいし、たくさん使ったとしても環境を汚さないので、ぜひ活用したいと皆考えていた訳です。ただ、長年の課題だったのが、それを人工的につくること。私たちも、これからの時代を見据えると、ここを避けては通れないと思い、1996年に本格的な研究を始めました。

園田:
研究は全くゼロからの始まりだったのですか?

廣岡:
開発者によれば、他の商品の開発において、酵母の発酵に対する知見があったのでヒントはあったそうです。ただ、酵母という生き物が相手なので、気持ちよく働いてもらう環境や条件づくりがとても大変だったみたいです。そんな紆余曲折の中、3年後になんとか開発することができ、商品化までできたのはさらにその2年後の2001年です。ちなみにその商品は〈ハッピーエレファント〉ではなく、〈ソホロン〉という商品で出しました。

園田:
そのまま商品名にするあたりに、ソホロを開発できたことの喜びを感じます(笑)。

廣岡:
ところがですね、それから11年後の2012年に〈ハッピーエレファント〉が登場するのですが、その間にソホロの研究が一旦リセットされてしまう出来事がありました。なぜかというと開発当初は原料に大豆油を使っていたのですが、これをパーム油に切り替える必要に迫られたからなんです。

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ボルネオ島で保護されている象を見た社長が...

園田:どうして大豆油からパーム油に切り替えることになったのですか?

廣岡:
2004年に弊社にあるテレビ番組の取材依頼があったことがきっかけです。番組のテーマは「環境破壊」。東南アジアのボルネオ島では、パーム油の原料であるアブラヤシが栽培されています。そのパーム油の世界需要の増加により、アブラヤシ畑を拡大するためにジャングルが次々と伐採されているという問題が起きました。そして森に住んでいた象などの野生動物が居場所を失い、畑に侵入して荒らし、農民と象の間でトラブルが起きていることを伝える内容でした。そして弊社に求められたのは、環境破壊の原因となっているパーム油利用企業としてのコメントだったんです。

園田:
え、でも当時は大豆油を使っていたんじゃないですか?

廣岡:
ソホロには大豆油を使っていたのですが、他の商品でパーム油を使っていたんです。なので、言ってみれば環境破壊の一端を担っている存在としての出演を求められた訳で、そのオファーがきた時はとても悩みました。

園田:
当然、視聴者からネガティブな反応がくるでしょうしね。

廣岡:
弊社以上にパーム油を利用している大手さんならまだしも、決して大きな企業ではない弊社が出演するのは不自然だということ。そしてネガティブの反応が予測されることは伝えましたが、弊社の社長は「オファーを受ける」と決断しました。社内から反対の声も出ましたが、「メーカーは商社から洗剤原料になったものを買っているだけで、原料生産地のことを意識したことがない。ただ、知らないことを知らないと言わず、変に隠れて逃げたら、裏側に何かあるんじゃないかという勘ぐりを持たれる。であれば、取材を受けて現状を知らなかったことを伝えたほうがいいんじゃないか」、と。

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園田:確かにそうかもしれませんね。

廣岡:
で、取材を受けた結果、やはりものすごい数のネガティブメッセージが届きました。そこで今後の事を考えた時に、テレビの放送だけでなくこの目でボルネオの現状を確かめないといけないとなって、実際にボルネオに行ったんですよ。すると確かに、熱帯雨林が伐採されているんですね。ただ、調査の結果、アブラヤシ畑から採れるパーム油の使い道は、食用約85%、工業用が約15%、そして石けんや洗剤に使われるのは、その中の数%ということが分かりました。しかもほとんどは世界的な大手さんが使っているので、弊社が使っている量は全体のごくわずかしかないんです。

園田:
うんうん。

廣岡:
ただ、少ししか使っていないから、弊社の問題じゃないかいうと、それは違うじゃないですか。またパーム油が原因なら使わなきゃいいという意見もあるかと思いますが、私たちが使わなくても根本は何も解決しないですし、パーム油は他の植物油に比べて収穫効率が良く低価格で手に入るので、もし仮にパーム油が無くなると、高額な油に切り替えないといけないので、途上国では食糧不足になる恐れもあります。さらにパーム油産業で生活している国の人々が困ってしまうんです。

園田:
新しい問題が生まれるだけで真の解決にはならないんですね...。

廣岡:
そうなんです。なので弊社としては、まずこういった事実をもっと世の中に伝えつつ、ボルネオの問題を解決するために、象の救出活動や、快適に過ごせるための場所をつくるといった環境保全活動とパーム油を使用した製品の売上1%を保全活動に使う「コーズリレーテッド・マーケティング」をスタートすることにしました。社長自身も現地に行ったのですが、その時に、親を殺されて孤児になった子象が動物園に保護されていたんです。その様子があまりにもかわいそうで、つい撫でたところ、ペロッとなめてくれたらしくて、その瞬間に「この子象のような不幸な象を増やさないようにしよう」と心に決めたそうです。

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サラヤ本社ビルの廊下にはボルネオ象やボルネオに住む動物たちの写真が飾られています。

園田:なるほど...!

廣岡:
そこから、ボルネオの環境保全活動が私たちサラヤの象徴的な活動の一つになったんですね。だから「ハッピーエレファント」を開発する時にソホロに使う油も、大豆油ではなくパーム油に統一し、ボルネオの問題を伝え、売上を還元しようとなったのです。ここで先ほど言ったように、ソホロの開発はリセットされたのですが、酵母はとても優秀だったので、なんとかまた開発することができました。

これからも「きれいごと」を続けていきたい

園田:私が初めて〈ハッピーエレファント〉を見た時は「この名前にはどういう意味があるんだろう?」と思いましたが、ボルネオの象たちが幸せになるようにという願いが込められている訳ですね。

廣岡:
ええ。ボルネオの生態系において頂点にいる象が幸せであるならば、ボルネオの生態系全体が健全に保たれているということになるので、この名前にはボルネオの生態系をきちんと守っていくというメッセージを込めています。ロゴに関しても、象を中心にボルネオの動物たちのシルエットをデザインしています。

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園田:お客様からはかわいいと評判です!

廣岡:
ありがとうございます!また、先ほど言ったように、〈ハッピーエレファント〉で使っているソホロはパーム油を使っているのですが、〈洗たくパウダー〉は世界で初めてボルネオの環境と人権に配慮して生産されたことを証明するRSPO認定油でつくることができたんです。

園田:
RSPO?

廣岡:
Roundtable on Sustainable Palm Oilの略で、持続可能なパーム油のための円卓会議という意味です。環境を破壊せず、人権も損わない形でパーム油づくりをするためのルールを制定するために2004年に発足した世界会議です。私たちもまさにその問題に直面していた時期だったので、2005年にすぐ加盟しました。その後、ルールを守ったRSPO認定油が生産されることになり、タイミング的にもラッキーなことが重なって〈洗たくパウダー〉が世界初のRSPO認定油を使った商品になりました。

園田:
環境のことをよく考えてパーム油を使っていることを〈ハッピーエレファント〉を通じて世界中にアピールできた訳ですね。ただ、世界中がこれまで以上に「人や地球にやさしい」ものづくりを意識すると、ライバルが多くなってくるじゃないですか?その点についてはどうお考えですか?

廣岡:
実際に、私たちよりはるかに大きなブランドが参入してきたりして、正直「結構ヤバイんじゃないか...」と、つい最近まで思っていました(笑)。しかし蓋を開けてみると、〈ハッピーエレファントシリーズ〉が売上を落としたことはこれまでないんですね。それはおそらく、私たち〈サラヤ〉が創業からエコという観点でものづくりをしてきた"歴史"が有り、ボルネオの保全活動を15年近く続けているという"本気度"をお客様が評価してくださってるんじゃないかと思っています。

園田:
ずっと一貫してやってきましたもんね。まさに、継続は力なりだ。

廣岡:
ただ、この状況にあぐらをかいてはいけないんですよ。私たちの考えや商品づくりを信頼してくださっている方々に支えられているので、その期待を裏切るようなものをつくる訳にはいきません。また、他のブランドに影響されて軸をブラすこともないよう心がけたいと思っています。例えば、洗浄力という観点で見れば〈ハッピーエレファント〉よりも強力な洗剤は存在します。ただ、強力にすれば肌荒れや環境汚染の原因にもなるので、変に影響されず、これまで通り、全てのバランスを考えて一番ベストなものをつくっていきたいと思います。

園田:
ただエコなだけではなく、洗剤としてのクオリティにもこだわり抜くその姿勢も、きっと多くのファンがいらっしゃる理由でしょうね。

廣岡:
ありがたいことです。これからも実際の使い心地にこだわりつつ、人と地球、そして象を始めとする全ての生物が共存できるような「きれいごと」を、これからも手がけていきたいと思います!

園田:
私たちも応援します!本日はありがとうございました!

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おわりに

人と象、そして地球の未来のための洗剤、〈ハッピーエレファント〉についてご紹介しました。〈ハッピーエレファントシリーズ〉の売上(メーカー出荷額)の1%はボルネオの保全活動に使われるので、〈サラヤ〉さんを応援したいという方はぜひ、手にとってみてくださいね!


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