伝統と、遊び心と。鶴亀松竹梅が描かれた幸運の象徴「白河だるま」の魅力を掘り下げます

「白河だるま」の魅力を掘り下げます

「白河だるま」をご存じですか?福島県白河市を中心に伝わるこのだるまには、他とは違うとても縁起のよい"ある特徴"が。そして、楽しく進化を遂げた遊び心も詰まっています。今回は、そんな「白河だるま」の魅力について、創業から約300年続く老舗〈白河だるま総本舗〉の14代目、渡邊高章さんに教えていただきました。

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※新宿店では白河だるまのお取り扱いはございません。

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「白河だるま」とは。その歴史や、他とは違う特徴は?

白河だるま総本舗 代表取締役 渡邊高章さん
白河だるま総本舗 代表取締役 渡邊高章さん

―今日はよろしくお願いします!まず「白河だるま」とはどんなものなのか教えてください。

渡邊さん:白河だるまは、寛政の改革で有名な松平定信公の「市民の生活をより元気に」という想いから江戸末期に誕生した、幸運をもたらす縁起物です。以降、家族の健康や会社の繁栄、受験の合格や選挙での当選など、人々が何かを願う際には必ず白河だるまがそばにあり、絶えず人々の夢や希望を応援し続けてきました。

―古くから地域に根付いた縁起物ということですね。

渡邊さん:はい。いまも暮らしに根付いていて、福島県白河市は人口6万人ほどの町ですが、認知率はほぼ100%だと思います。

―福島全域というわけではないんですか?

渡邊さん:地域性はありますね。福島県内だけでも、だるまは6種類ほどあるので。そんな中で県南地域では白河だるまが主流です。

―他とは違う、白河だるまの特徴はどんなところでしょうか。

渡邊さん:幸運の象徴とされる「鶴亀松竹梅」が顔の中に描写されているのが最大の特徴です。眉毛は「鶴」、鬚は「亀」、耳鬚は「松」「梅」、あご鬚は「竹」を表していて、このデザインはかの有名な絵師・谷文晁が行ったとされています。あとはサイズ表記にも特徴があり、大きいものから順に「い」「ろ」「は」「に」...と付けられています。これも昔から続く伝統ですね。

白河だるまの特徴

白河だるま総本舗 白河だるま 
へ 2,800円(税込)る 800円(税込)
※2/22(木)~6/30(日)まで梅田店にて、5/9(木)~7/16(火) まで博多店にて取り扱っております。

―面白いです!とても縁起のよいものなんですね。質問ついでにもうひとつ。根本的なことですが、そもそも「だるま」とは?あたり前の存在すぎて、知っているようで知らないなと...

渡邊さん:中国禅宗の開祖とされる「達磨大師(だるまだいし)」というインド出身の僧侶をかたどったものです。諸説ありますが、達磨大師が赤い衣を着ていたことから赤い色になり、達磨大師が胡座をかいて修行をしていた姿を模してこの形になったといわれています。縁起物として現在の置物の形になったのは江戸時代に入ってからで、それ以前は掛軸や壁掛などに描かれたものでした。そのあたりの変遷は意外と知られていないかもしれませんね。

 

若い感性もプラスして。すべて手作業でつくられます

―白河だるまはどのようにつくられるのでしょうか。

渡邊さん:すべて職人の手作業でつくられています。紙を原料にした張り子で、中は空洞。そこに丁寧にひとつひとつ絵付けをしています。作業はパート別の分業制で、いまは25〜30人ほどの職人で手掛けています。

―伝統工芸産業は若い職人が不足しているという話をよく耳にしますが...

渡邊さん:弊社には若い職人もたくさんいます。20代からベテランまで、各年代4〜5人ずついる感じですね。若い感性があるからこそ、後ほどご紹介する新しい感覚の商品も生まれました。逆に、そういった新しいだるまを見て、だるま職人を志すようになったという人もいるくらいです。

白河だるまを手作業でつくる

―工程の中でいちばんのポイントとなるのは、やっぱり絵付けですか?

渡邊さん:そうですね、絵付けは職人によって違いが大きく出るので。同じ職人が描いたものでも全く同じものは存在せず、ひとつひとつの違いが味や個性になっていますので、そういった部分も魅力に感じていただければと思います。

―〈白河だるま総本舗〉として掲げているモットーみたいなものはありますか?

渡邊さん:第一は「だるまを好きになってもらいたい」という想いです。こちら側の視点でどんなに優れたものをつくっても、それが消費者に響かなければ何の意味もないですから。まずはひと目見て、好きになってもらうことを念頭に。そういった想いを込めてつくっています。

 

見たらきっと欲しくなる!かわいいデザインもいっぱい

―では、具体的な商品の紹介をお願いします。

渡邊さん:もちろんベーシックな白河だるまも販売しますが、ここでは見た目も楽しいオリジナルだるまの一部をご紹介します。縁起物の「干支だるま」や節分にぴったりな「鬼だるま」など、時節にあわせたアイテムもご好評いただいています。

※2/22(木)~6/30(日)まで梅田店にて、5/9(木)~7/16(火) まで博多店にて取り扱っております。

干支だるま「タツ」

干支だるま「タツ」 M(高さ8.5cm)1,870円(税込) S(高さ4.5cm)1,100円(税込)

イチゴだるま 赤 赤だるま

イチゴだるま 赤(高さ4.5cm) 880円(税込)
白河だるま総本舗 赤べこだるま3号(高さ12cm)2,200円(税込)

金太郎だるま

金太郎だるま(高さ4.5cm) 金太郎、 くま 各1,320円(税込)

鬼だるま

鬼だるま(高さ4.5cm) 赤オニ、 青オニ 各1,100円(税込)

―かわいらしくてユーモラスで、インテリアとして飾りたくなりますね!

渡邊さん:だるまだけでなく、こんなアイテムもつくっています。

レモン牛乳べこ

レモン牛乳べこ(縦9×横15×幅6cm) 2,420円(税込)
干支はりこ「タツ」(縦4×幅4.5cm) 1,650円(税込)

渡邊さん:〈レモン牛乳べこ〉は、福島県会津地方の張り子の郷土玩具「赤べこ」のアレンジ版。「べこ=牛」ということで、乳業メーカーさんとコラボしたシリーズです。干支はりこは昔からあるアイテムですが、こちらもかわいらしいデザインにアレンジしています。

―こういうデザインのオリジナル商品はいつ頃から販売を始めたのでしょうか。

渡邊さん:2011年の東日本大震災以降ですね。東北のものづくりをフィーチャーして復興につなげていこうという企画から始まりました。それまでは伝統的な赤いだるまをつくり続けていましたが、こういった新しい感覚のアイテムも注目され、おかげさまで白河だるまの認知も広がりました。

―飾り方などに関するアドバイスはありますか?

渡邊さん:すべてに言えますが、ベタベタ触ると手の汚れがついてしまうのでご注意を。置く場所には特に決まりはありませんので、カジュアルに飾って楽しんでいただければと思います。だるまに願いごとをする際は、まず左目に目を入れ、成就したら右目を入れるという風習がありますので覚えておいてください。

 

店頭に設置する「だるみくじ」もお楽しみください!

―ご紹介いただいた商品の他にも、ハンズ店頭にはいろいろな商品が並ぶんですよね?

渡邊さん:はい。実際に見て、その目でお確かめいただければと思います。さらに店頭には、気軽にお楽しみいただけるカプセルトイ「だるみくじ」もご用意しました。

だるみくじ

渡邊さん:1回500円。職人の手で精巧に仕上げられた全5色+金色のミニだるまに"一言おみくじ"が付いてきます。他にも、日本を代表する縁起物を着ぐるみに見立てて描いた〈縁起物シリーズ〉などもご用意しますので、あわせてお楽しみください。

―これはコンプリートしたくなりますね!では今後のことも。白河だるまについて、どんな未来を描いていますか?

渡邊さん:だるまと聞けば日本人なら「赤くて丸いもの」と想像できますが、海外の方にとっては目新しいものです。白河だるまに限った話ではありませんが、カラフルなものも含めて、だるまが日本を象徴する存在として世界に広まっていけばうれしいですね。

―最後にハンズのお客様へ向けてメッセージをお願いします。

渡邊さん:シンプルに、だるまを好きになってほしいです。そこに尽きますね。今回の企画がそのきっかけになることを願っています!

 

おわりに

伝統の中に遊び心もキラリと光る「白河だるま」。楽しいデザインの商品ラインナップを見れば、だるまが好きになること間違いなしです!

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