新年を祝うお正月。おせちと並んで欠かせない食べ物といえば「お餅」ですよね。お雑煮や磯辺焼き、お汁粉など、おいしい食べ方はいろいろありますが、どうしても食べきれずに残ってしまう...という悩みもつきもの。そこで今回は、お餅の新たな魅力を引き出すアレンジ料理をご紹介します!「ミャンマーカレー「チェッターヒン」のレシピ」に引き続き、365日スパイス系世界の料理を食べ歩く「じょいっこ」さん推薦!ベトナム料理の「バインドゥックノン」とは...!?
お餅のようでお餅でない?ベトナムのバインドゥック
今回、お餅を使った世界の料理をリクエストしたところ、じょいっこさんがオススメしてくれたのがベトナム料理の「バインドゥックノン」。
「ベトナム版お雑煮のような料理なのですが、厳密にいうとお餅ではないようで、もっとスルスルとした軽い食感。でも、お餅でつくってもきっとおいしいはず!」とじょいっこさん。
いったいどんな料理なのか、ベトナム料理研究家の伊藤忍さんを訪ねました。ベトナム料理研究家で、都内で料理教室も営む伊藤忍さん。3年半ほどベトナムで暮らし、現在も年に数回ベトナムを訪れている。
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―伊藤さん、バインドゥックノンというのはどんな料理なのですか?
伊藤さん:バイン(Banh)が生地ものの総称で、ドゥック(Duc)が成形るという意味。バインドゥックは、米粉などに水を混ぜた生地を火にかけて、練りながら餅状に固めたもののことを指します。米粉と水分のバランスによっていろいろな食感のバリエーションがありますが、「バインドゥックノン」は水分が多めでトロリとした生地に、温かいスープをかけていただく料理。ちなみにノン(Nong)は熱いという意味です。
―バインドゥックとお餅とはまったく違うものですか?
伊藤さん:日本のお餅は蒸した餅米を搗いてつくるので、しっかりした食感と粘りがありますよね。バインドゥックは米粉に水を混ぜてつくるので、もっとやわらかくなめらかな食感。でも同じくお米からできているので、お餅でバインドゥックをつくるのはいいアイデアかもしれません!
じょいっこさん:よかったです!実はバインドゥックノンは1度しか食べたことがないんですが、すごく日本人好みの味だなと思っていたんです。お餅でのアレンジ、たのしみです!今回も登場!カレーをはじめ、世界のスパイス料理の食べ歩きをつづけるじょいっこさん。好きなお餅料理は磯辺焼き。
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ベトナムでは、朝食に屋台で食べるのがポピュラーという「バインドゥックノン」。さっそくつくり方を教えていただきましょう!
お餅でアレンジ!バインドゥックノン
バインドゥックノンをつくる前に、ワンポイント!トロリとやわらかい食感のバインドゥックをお餅で代用するため、お餅はなるべく小さめにカットして、スープとの絡みをよくするのがオススメ!今回は、包丁を使わずに切り餅をカットできる「モチワリ」を使用しました。
お餅をひと口サイズにカット!便利アイテム「モチワリ」
切り餅をセットして、3ステップでひとくちサイズにカットできる便利アイテム。包丁を使わないので安全です。
【バインドゥックノンの材料(3〜4人前)】
- 切り餅(モチワリで割っておく)・・・6~8個(1人2個分)
- 厚揚げ・・・1枚
- 油・・・適量
- 豚赤身ひき肉・・・150g
- にんにく(みじん切り)・・・1片分
- きくらげ(戻してみじん切り)・・・3~4枚分
- ヌックマム(ベトナムの魚醤。ナンプラーでも代用可)・・・大さじ2
- 砂糖・・・ひとつまみ
- こしょう・・・少々
- 水・・・500ml
- ヌックマム・・・大さじ2
- 砂糖・・・大さじ1と1/2
- 酢・・・小さじ1/4
- 細ねぎ(小口切り)・・・2本分
- パクチー(ザク切り)、フライドオニオン・・・各適量
- こしょう・・・少々
- <A・ひき肉の味付け>
- <B・スープ>
- <C・トッピング>
【バインドゥックノンのつくり方】
1:キッチンペーパーで厚揚げの水気を拭き、割った餅と同じぐらいの大きさに切る。フライパンに1cm弱程度油を入れて火にかけ、温度が低いうちに厚揚げを入れて揚げはじめる。水分が飛んでカリっとしたら取り出す。ぷっくりふくらんで表面がカリッとするまでしっかり揚げるのがポイント!
2:1のフライパンの油を大さじ1程度残して取り出し、にんにくを入れて火にかけて炒める。良い香りがしてきたら豚ひき肉を入れて炒め、ポロポロにほぐれたら、きくらげを加えてサッと炒め、Aで味付けする。ひき肉を入れたらあまり触らず、ある程度火が通ってからほぐすのが◎
3:鍋に餅とかぶる程の水を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて餅が柔らかくなるまで浸けておく。
4:小鍋にBを入れて火にかけて温める。
5:器に湯を切った3の餅、1の厚揚げ、2のひき肉をのせる。4のスープを注ぎ、Cをトッピングする。日本でも手軽に手に入る材料で、簡単につくれるバインドゥックノン。ベトナムの魚醤、ヌックマムは、ナンプラーでも代用可能です!
お餅でつくったバインドゥックノンのお味は?
人生2度目のバインドゥックノンを前に、期待がふくらむじょいっこさん。さっそく食べていただきましょう!
「ふぁ〜、ヌックマムのいい香り。少し酸味を感じたあとに、奥深い出汁の味わいが押し寄せてきます。これは日本人が大好きな味!厚揚げのカリカリ感もいいですね」
「お餅にもしっかりスープが絡んでいておいしいです。お餅の食感を食べ慣れているから、もしかしたらベトナム料理屋さんで食べたバインドゥックノンより好みかも...笑」
スープを飲んで、具材を食べて、スープを飲んで...もう箸が止まらないじょいっこさん。その間に、もう1品お餅を使ったベトナムスイーツを教えていただきます!
お餅を使ってもう1品!ベトナムのおやつチェーケー
伊藤さんが教えてくれたのは、粟(あわ)を使ったチェー。チェー(Che)とは、穀類や豆など、自然の素材に砂糖を混ぜて煮たもののこと。粟を使ったチェーは「チェーケー(Che khe)」と呼ばれています。ベトナムでは、ゴマ入りのライスペーパーをあぶり、お煎餅状にしたものを添えて食べることが多いそうですが、今回はそれをお餅にチェンジ。さきほどの「モチワリ」の姉妹品、「モチスラ」を使って薄くスライスした餅を使います!
お餅をスライス!便利アイテム「モチスラ」
切り餅をセットしてスライサーを押し出すことで、1mm程度に薄くカットできる「モチスラ」。トースターで焼くと、ぷっくりふくらんだお煎餅に。
「力もいらないし、スルスル切れてたのしい!」
チェーケーの【材料(3〜4人前)】
- 切り餅(モチスラでスライスしておく)・・・2~3個
- もち粟・・・50g ※もちきび、キヌアなどでも可
- 水・・・300ml
- キビ砂糖・・・50g
- 塩・・・ひとつまみ
- 白炒りごま・・・適量
チェーケーのつくり方
1:もち粟を洗って水気を切り(粒が小さいので茶こしなど目の細かいザルを使う)、鍋に入れて分量の水を加え、火にかける。2:沸騰したら火を弱めて一度かき混ぜる。汁気が少なくなって柔らかくなるまでときどきかき混ぜながら弱火で10分程度炊く。砂糖、塩を加えて煮溶かし、火を止める。
沸騰してアクが出てきたら取る。徐々にとろっとした状態になります。
3:餅をトースターでふくれるまで焼く。スライスしたお餅がぷっくりふくらんでいく様子は、見ているだけで楽しい!
4:2を器に盛って白ごまをトッピングし、3の餅を添える。
お餅を添えたチェーケーのお味は!?
「粟のプチプチ感となめらかな食感が両方たのしめておいしい!やさしい甘さです。香ばしいお餅ととってもよく合います!このモチスラでカットしたお餅、すごくおいしいですね。これ、もしかして...」
バインドゥックノンに入れてもおいしいのでは!?と発見するじょいっこさん
「やっぱり!おいしい!これは使えますよ!お雑煮に入れてもぜったいにおいしいです!」
モチスラでカットしたお餅に、新たな可能性を見出したじょいっこさん。「きょうは新しいお餅のたのしみ方を見つけられた気がします」と大満足。これでもう、お餅を余らせる心配はなさそうですね!
おわりに
いつもとはちょっと違ったアレンジでたのしむお餅レシピ、いかがでしたか?お餅にお出汁というなじみ深い組み合わせの「バインドゥックノン」は、幅広い世代によろこんでいただける味。ぜひ一度、チャレンジしてみてください!
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