こんにちは。
梅田店11Fツクル・ナオスのお悩み解決商店の岡田です。
前回は壁の一部を切り取り、掘り込んで棚を埋め込む「ニッチ」をつくってみました。
https://hands.net/hintmagazine/staff/diy/11f-32.html
壁つながりで、今回は壁に空いた大きな穴をふさいでみます。
壁に何かをぶつけてボコッと大きめの穴を開けてしまった場合、穴をふさぐのは補修パテで何とかなるのですが、失われた壁紙部分は何ともなりません。
食器棚の裏やクローゼットの内側などの見えない場所の壁紙を少し剥がして、それを失われた部分に移植して補修する「壁紙移植」とも言える方法があります。
食器棚の裏ですと棚を動かすのが大変なので、こんな場所の裏の壁なんかから剝がし取るのがいいですね。
ここなら電子レンジをのけるか、下に置いてある物を動かすだけで壁紙をはがせそうです。その分あとで見えちゃう可能性が高まりますが。
リスクもあるので大っぴらにお勧めはできないのですが、壁紙移植(正式な名前は知りません)はDIY業界では裏ワザとして古くから行われています。
どんなリスクがあるかと言うと、
①移植に使おうと剥がした壁紙がきれいに剥がれず、破れてしまったりして移植に使えない。
②同じ壁から切り取った壁紙でも、経年変化で色が変わっていて使えない。
③切り取った壁紙部分はそのままなので、部屋の模様替えをした時に壁紙を剥がした所が見える可能性がある。
などがリスクです。
リターンとしては、
①同じ壁紙で補修するので、補修した跡がわかりにくい。
②壁紙を売ってそうなお店に探しに行かなくて済む。等があります。
実際にやってみましょう。
ブログの為に家の壁に穴をあけるかどうか悩みましたが、今回は合板に壁紙を貼って穴を開けたもので代用します。
まず穴を埋めるところから。
今回は「壁紙の穴 KF-131」を使いました。大きめの穴(といっても6cmくらいまでがお勧め)を埋めるには便利です。
中身はメッシュテープ、ヘラ、パテ用の粉、サンドペーパーです。
方法を簡単に説明すると、「穴の周りの壁紙を大きめに剥がしてネットテープを貼ってパテで穴を埋めて平らに削る」と言う事です。
ハンズ新宿店6F 部屋いじり商店の藤田店主のブログで詳しい手順が説明されていますのでぜひご覧ください。
今回は正確を期すためにアクリル板で型板をつくりました。穴の周りを切り取るサイズと、移植の為の壁紙のサイズをピッタリと合わせる為です。
わざわざ型板をつくらなくてもCDのケースとかで代用したり、三角定規を使って直角を出して正確に切り取るとか、やや大きめに切って「重ね切り」をして貼るとか皆さん工夫してやっておられます。
「重ね切り」とは壁紙を壁全体に貼っていく時によく使う技法で、先に貼った壁紙と次に貼る壁紙を少し重ねて貼って重なった部分の真ん中をカッターで切って不要な部分を剥がした後ローラーで押えたらつなぎ目にすきまができなくなるという技法です。
文字だとよくわからないですが、やってみると面白いのでそれはまた別の機会に。
まず穴の周りの壁紙を切り取ります。型板を当てて表面の壁紙を切ります。
マスキングテープで型板を仮止めして切るとズレにくいです。
写真よりもう少し大きめに切り取った方が後でパテ埋めの時にやりやすいです。
メッシュテープを貼ります。
何かの容器に粉を入れて水を少し入れて練ります。柔らかいとメッシュの向こう側にどんどん落ちていくだけなので、固めに練ってください。
粉はたくさんあるので、何度かやり直しが出来ます。
付属のヘラでパテを塗っていきます。写真ではやっていませんが、周りの壁紙にパテが付かないようにマスキングテープを広めに貼った方が良いです。
後でサンドペーパーをかける時に壁紙を傷つけない為にも周りのマスキングは必要です。
できれば一晩乾燥させてください。完全に固まってから付属のサンドペーパーで削ります。
まわりのマスキングテープは壁紙から少し下地にかかるくらいに2重に貼った方が壁紙を傷つけずに済みます。
メッシュテープがうっすら見えるくらいまで削ります。真ん中のあたりはパテ付けの時にネットテープを押し込んじゃったのでテープが見えません。
穴を埋めるだけの場合はこれで終了です。ここから移植作業に入ります。
アクリルの型板を使って移植用の壁紙を切り取ります。
表面の壁紙に切れ目を入れるのですが、作業しにくい場所から壁紙を切り取る事になると思いますので型板がズレない様に注意して下さい。
同じくマスキングテープで型板を仮止めして切るとズレにくいです。
この部分の壁紙がきれいに剝がれなければ移植できません。ヘラ等を使って慎重に剥がしてください。
剝がれにくい場合はドライヤーでほんの少しだけ温めると剥がしやすくなります。
壁紙がきれいに剥がれず、破れて使えない場合はいったんあきらめましょう。
似たような壁紙を売ってそうなお店に探しに行きましょう。
今回は壁紙が無事きれいに剥がれました。
移植先にサイズを合わせてみます。
大きい場合は少し切れば良いですが、小さくて隙間が出来る場合は貼った後に「クロスのすきまシール」等で補修しましょう。
裏に「クロス用のり」を塗って貼り付けます。乾燥が早いので注意して下さい。
ほかの接着剤でも代用できますが、押えローラー付きの「クロスのはがれ補修セット」を使うのが便利です。
ローラーやきれいな布等でしっかり押さえます。接着剤がはみ出たらふき取るのですが、水で濡らした布でふき取ると壁の汚れが取れてしまってそこだけ色が白くなってしまう恐れがあります。
乾いたきれいな布で拭いてください。
これが補修前です。左側の穴を埋めた部分がほとんどわからなくなりました。
この移植による補修方法は、クッションフロアにも応用可能です。
クッションフロアは木製のフローリングと違って補修するための補修材がありません。
こんな焼け焦げは直しようが無いのですが、さっきの壁紙の補修方法を応用してやってみます。
これも合板にクッションフロアを貼ってつくったものです。
この様なフローリング風のクッションフロアは90cmや60cmごとに同じ木目が印刷されています。
焼け焦げの場所と同じ木目がどこかにあるはずですので探してみましょう。
壁紙の時と同じく、切り取って剥がしても目立たない場所に同じ木目の部分があればラッキーです。
今回はつなぎ目の線があるのでそれに沿って切り取ります。
クッションフロアがきれいに剥がれなければそこで終了にしましょう。
そこがきれいに剥がれなければ、おそらく補修したい部分も強力な接着剤でくっ付いていてきれいに剝がれないと思われますので移植はあきらめましょう。
似たようなクッションフロアを探しに行ったりせずあきらめた方が被害が少なくて済みます。
きれいに剥がれた場合は、切り取ったものを型紙にして焼け焦げ部分を切り取ります。
裏に接着剤(耐水性のあるもの)を塗って接着します。
ちょっと下地の白い部分が見えていますが、木目がつながっているのでよく見ないとわからない程度に補修できました。
つなぎ目を「シームシーラー」という溶剤で接着すれば完璧なのですが、これはクッションフロアを扱っているお店に行かなければ売っていません。
今回ご紹介する補修方法は以上です。
きれいにできればどこを補修したかわからないくらいになります。
誰かの家におじゃました時に誤って壁に穴をあけてしまうこともあるかもしれません。
そんな時には、今回ご紹介した補修方法を思いだして「安心して、穴あけちゃったけど直るから大丈夫。どこから壁紙を切り取ったらいい?」と伝えれば安心してもらえますね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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