オカシューです。
先日ふと「ウチの家紋ってなんていう名前なんだろう」と思い、調べてみました。
調べてみると、丸に中陰蔦(まるになかかげつた)
という家紋でした。シンプルなデザインですね。
「これを型どりして樹脂で複製してレリーフにしたらおもしろいな」と思いつきました。
今回つくったのはこの2つです。
右が「ブルーミックスⅡ」でつくったシリコーン型です。
左が型に「プロクリスタルNEO」を流し込んで固まった後に磨いて透明にしたエポキシ樹脂のレリーフです。
今回型取りに使用した「ブルーミックスⅡ」はこちらです。
アグサジャパン(株) ブルーミックス2 200gセット 2,750円(税込)
粘土状の型取り材なので、垂直面にも使えます。
硬化して原型から外せるまでの時間は約30分と、とても早いです。
液体の型取り用シリコーンの様に固まるまで何時間もかからないので、外出先で行う型取りには最適です。
その分、作業できる時間は約1分45秒で、しかも温度が高いともっと短くなります。
ですので、大きな物の型取りは難しいです。
では型取り作業を始めましょう。
Aの青い「基材」とBの白い「触媒」を同量混ぜ合わす事で化学反応が始まります。
よく見ると、青い方の中蓋に青いシールが付いています。計量カップにも小さな青い丸が付いています。
AとBを混ぜなくてもそばに置いとくだけでも反応して固まったりするので、必ず使い分けましょう。
ビニール手袋はした方がいいです。手が荒れるのを予防するのもありますが、化学反応で固まる素材なので手の油とか水分とかが混じらない方がいいという意味合いもあるのではないでしょうか。
容器から全部取り出すとこれくらいです。これくらいで足りるのかいまいちわからないですが、混ぜていきます。
混ざったら押し付けます。
固まり始めるまで時間が無いので焦ります。
残念ながら作業途中で固まってきました、作業途中でタイムアウトです。
押しても動かなくなりました。
この日は気温が高かったのもあるのでしょうか。1分くらいでかたまってきました。
調べてみると、ブルーミックスを冷蔵庫で冷やしておくと硬化時間が長くなるそうです。
真ん中から外へと押し広げるつもりでしたが間に合わず、フチの部分の型が取れていません。
こんな事もあろうかと念のため持ってきたもう一箱を使う事にします。
全部使わなくても足りそうなので、スプーンですくって半分だけ使う事にします。
これで全体を覆うことが出来ました。
硬化したブルーミックスに後からブルーミックスを押し付けても、密着しないかも知れません(過去の経験から)
基本的にはくっ付かないと考えた方が良いですが、くっ付いていなければそれはそれで何とかなるでしょう。
完全に密着はしなくても剝がれない程度にはくっ付いてくれるのを祈りつつ、離型可能時間の30分を待つ事にします。
30分経ちましたのでブルーミックスを剥がしていきます。
きれいに剥がれました。後から追加した部分も今の所密着しているようです。
汚れが付いていたらきれいにしておきましょう。
ブルーミックスでの型どりは楽しかったです。でも今回のように大きめの型を取るのはコツが要るようです。
UVレジン用の小さい型をつくるのにはとても向いていそうです。
AとBを同じくらいを混ぜて
固まらない内に原型を押し付けて
30分後にきれいに型が取れました。
ヤモリの方は穴が開いちゃいましたけど。
作業時間が短かく粘土状で使いやすいので、UVレジン用の型としても使いやすそうです。
スタッフの方にもやってもらいましたが、みなさん楽しそうでした。
レリーフづくりに戻ります。いよいよ注型です。
今回使うのはこの透明エポキシ樹脂です。
テムコファイン プロクリスタルNEO 300gセット 3,960円(税込)
2:1の割合で混合すると、透明の樹脂になります。
作業可能時間は80分あるので慌てずに作業できます。
その分硬化にかかる時間は24~36時間と長いです。
最初に、どのくらいの樹脂の量が必要かを調べます。水を入れて体積を量ります。
計量カップの減った分が入れた体積になりますね。約150ccです。
2:1の割合で混ぜるのでそれぞれ入れていきます。料理用のはかりを使っています。
量がもっと少ない場合は精密はかりが必要ですが、今回は150g作るので誤差は少ないでしょう。
よく混ぜます。これはとても大切です。しつこいぐらい混ぜましょう。もういいかなと思ってもさらに100回くらい混ぜましょう。
でき上がってから部分的に液体のままの所ができてしまうと困ります。
ブルーミックスと違って固まり始めるまで80分もあるので、念入りに混ぜましょう。
この時に泡が入っても後で消えるので大丈夫です。
割り箸を使う場合は、湿っていないものを使ってくださいね。水分が混じると良くないです。
型に流し込んでいきます。できるだけ細く少しづつ入れてください。
水よりも流動性がいいので、これくらいのシンプルな型なら隅々まで流れてくれます。
昆虫標本とかをつくる場合は、足とかの流れ込みにくそうなところにあらかじめ筆で塗ったりする事もあるそうです。
流し終わったら安全な場所に運びます。こぼさないように気を付けてくださいね。
斜めになっていると厚さが偏るので水平になるように何かで調整しましょう。
最低24時間は置かないといけないので、ほこりをよけるためにカバーします。
化学反応で固まるので、空気を遮断しても問題ありません。
説明書では標準時間で24~36時間で型から外せるとありますが、過去の経験から、レリーフ状だと硬化が遅くて型から外すときに曲がるような気がします。
置けば置くほど硬化が進んで樹脂が安定するので出来るだけ時間を取ってください。
いろいろあって3日半置きました。
計量カップの底に残っていた樹脂はカチカチに固まっていましたのでもう大丈夫でしょう。
型から外していきます。
ブルーミックスはシリコーン型としてはかなり硬い方なので、割れないように丁寧に少しづつ外しましょう。
外れました。空に透かして見るとこんな感じです。
無事に出来上がって嬉しいですが、せっかくなので平らな部分は透明にしたいと思います。
まずバリを取っていきます。小刀やカッターで大きな出っ張りを削ります。
その後はサンドペーパーで削ります。最初は粗い目の#80から始めました。
#120 #240 #320 ここから耐水ペーパー#500 #800 #1000 #1500と番手を上げて研磨してゆき、最終的に#2000の耐水ペーパーで研磨します。
サンドペーパーの番手はこれくらい少しづつ上げて行った方が、結局は時間が短くてきれいにできます。
最後は私の好きなピカールで磨きます。ピカールはサビ取りとか金属のツヤ出しで有名ですが、硬質プラスチックにも使えます。
ピカールで磨いた後、また空に透かしてみました。
型から外した時とは透明感が段違いです。右上の光は画像処理ではなくてたまたまです。
それにしても「プロクリスタルNEO」はすごいです。
透明度もさることながら、空気(泡)の抜けがとても良いです。
横からライトで照らして気泡を探しましたが全く見えません。
これで完成です。
久しぶりに型どりから注型して作品をつくって楽しかったです。
レジンと言えば今は紫外線硬化型のUVレジンが主流ですが、ちょっと大きめな作品を継ぎ目なくクリアにつくるのには2液硬化型のレジンが適しています。
たまたまピッタリサイズの入れ物があったので、玄関に飾ってみました。
なんだか由緒正しい家みたいです。そうでもないか。
よく見ると分かりますが、額の代わりに入れているのは一人用の鍋です。
今はハンズ梅田店の店頭に飾っています。
見に来ていただけるととてもうれしいです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
みなさまのご来店を心よりお待ち申し上げております。