梅田店のオカシューです
「この靴はソールがビブラムソールです」といえばそれだけで高品質な靴だと分かるビブラムソール。この黄色いマークを見たことのある方も多いでしょう。
レッドウイングやニューバランスへのソール提供だけではなく、5本指シューズ「Five Fingers」に代表される足の自然な動きを重視するシューズを開発しています。
そんなビブラム社の靴底張り替え用の補修材「ビブラムシート」でサンダルを自作する人がいると聞いて、私もつくってみることにしました。
これはサンダルではなく「ワラーチ」だった!
実際に作っている方の情報を得るため、ビブラムシートでサンダルをつくる方法を調べてみました。
すると動画やブログで「裸足(はだし)感覚ランナーガチ勢」の方の情報がいっぱい出てきました。
総合すると、足の裏で地面を掴む様な感触を確かめつつ大地からのエネルギーをもらい、身体が自然と求めているような本来の足の動きで走る方々の様です。
砂浜を裸足で走る感覚なら私も経験があるので、あれが裸足感覚なのかなと思いました。
ちょっと違いますかね。ガチ勢の方々すいません。
いろいろ調べてわかったことは、
「ワラーチで現代人が忘れた裸足感覚を取り戻す」
「正しい動きで足や膝、腰のトラブルを直す」
「血行が良くなり冷え性が改善され、胃腸の調子も良くなった」
「ワラーチでウルトラマラソン(100km)完走しました」
「ワラーチで山道をトレイルランするには」
などの意識高い系ランナーの方々の情報がいっぱい出てきて「こんな世界があったのか」と驚きました。
出典 Wikipedia
ハンズの中でも裸足感覚ガチ勢の方は結構いらっしゃいます。○○さん、〇〇さん・・・
ワラーチで走る方はみなさん自作されているようなのでワラーチ派の方は「俺も最初つくった時はこうだったな~」とか突っ込みながらお読みください。
何か感想がございましたらぜひこのブログの下の「この感想を送る」までお願いします。
ではつくっていきます。
使用した材料等はこちら
・ビブラムシート 8338(厚さ7mm)2枚入り 1,870円(税込)
以下は集合写真で、左上から時計回りにご紹介します。
・靴ヒモ ワークひも 茶黄 160cm(太さ約3mm)2本入り 440円(税込)
・ニフコ コードストッパー CL-10 110円(税込)×2個
・ハトメ抜き(穴あけポンチ)15号 4.5mm 803円(税込)
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※こちらの商品は店頭のみのお取り扱いになります
その他にしっかりしたハサミ、マーカーとかボールペン、ドライヤー等が必要です。
靴ヒモはカットする場合に綿のヒモでは端をライターであぶって固めることが出来ないので、ポリエステル等の化学繊維の物をお使いください(今回はカットしませんでした)
今回のヒモの通し方だと長さは約150cmと言うことなので、近い長さの靴ひもでつくってみました。
靴ヒモは先端があらかじめ固められているので穴に通しやすいのがメリットです。完成後に微調整で何度かヒモをつけたり外したりするので。
型どりは1枚だけ
まずは足の型取りから。
①型をつくるのは1枚だけです。右か左のどちらかだけで構いません。
両足とも型をつくりたい方は作っても構いませんが、指の形を再現するような精密なものではないので型どりは大まかでかまいません。
左右の足の形の違いは出来上がってからのカットで調整しますので。
②型どった線より5ミリくらい大きめにダンボールを切ります。
切ったらビブラムシートの上に置き、型のフチをなぞって転写します。
③もう一枚のビブラムシートに型を転写します。
さっきの型をひっくり返して使います。
④ビブラムシートをハサミで切りる
力の入れやすいハサミが必要です。
今回は料理用のハサミを使いました。
⑤穴をあける位置を決める
内側は土踏まずの一番高い位置でシートの縁から1cmくらい入った所。
外側はくるぶしの前側、盛り上がりが始まるあたりで、やはり1cm入った所。
白い点をつけてみるとこんな感じです。
鼻緒の位置の写真を撮り忘れましたが、鼻緒の位置とそこから1cm前(つま先方向)にも印をつけます。
⑥穴をあける
ハトメ抜きを使います。ゴム板をしいて木槌でたたいて穴を開けます。
机の上でやっていますが、跳ね返りがあって穴が開きにくいので本当は床とかベランダのコンクリートの上とかの硬い場所の方がいいです。
⑦カーブをつける.
実際に歩くと自然にカーブが付いてくるそうなので、絶対に曲げなければいけない訳ではありません。今回はワラーチ初心者の私が歩きやすいように最初から曲げておきます。
ドライヤーの温度でも緩いカーブなら付けることが出来ます。
樹脂系の素材を熱で曲げる時に大切なのは、曲げた状態でしっかり冷やす事です。
冷やさないまま放置すると元に戻ってしまいます。水をかけるのが一番効果的です。
これでソール部分はとりあえずできました。
ヒモを通して履いてみて足にあわせる
ヒモの通し方は決まった方法は無くて皆さん工夫していろんなやり方で作っておられます。それによって必要な長さも変わってきます。
今回はいろいろ調べた中でいちばん日常的に使いやすそうな方法でつくりました。ヒモの長さとしては長い方だと思います。
⑧靴ひもを半分に折り裏から鼻緒の部分に通します。手前側を土踏まずの方へ、先側をくるぶしの方へ通します。
⑨ここからは足を入れて作業します。
伸びたヒモを両方ともかかとの方に持ってきます。
⑩アキレス腱のあたりで交差させ、何回かぐるぐるさせた後にヒモの先を前に持ってきます。
⑪ヒモの先を鼻緒から来ているヒモの下に前側からくぐらせます。そのままかかとの方のぐるぐるのヒモの下にもくぐらせます。
くるぶし側も同じ様にヒモをくぐらせます。
⑫両方のヒモをぐいっと上に引き上げてコードストッパーに通します。
⑬余ったヒモはこんな風に鼻緒からくるぶしに向かう方のヒモに結んでおくと脱いでもヒモが立体的な形を保ちます。
立体的になると、履くときに入口が大きく開いている形を保っているので足を入れるところを間違えにくくなります(説明が分かりにくくてすいません)
靴ヒモが長すぎる場合は最終的にヒモを切ってもいいですが、微調整の時にヒモを何回か外す事になるので今ところは切らずに先端が通しやすいままにしておいた方がいいです。
きれいに結ぶとアクセントになって見た目も良いですし。
これでひとまず完成です。
実際に歩いて微調整
履いて家の中を歩いてみたところ、指が前にはみ出ました。鼻緒の位置を後ろに修正します。
ヒモを外して穴を手前側にもう一つ開けて足が後ろになるようにしました。横の穴はこのままでいいでしょう。
外を歩いて実際に使えるかのテスト
まず自転車に乗ってみました。
「なんでサンダルのテストやのに最初が自転車やねん」と思われるかもしれませんが、近所の神社へ行くのは自転車が便利なのです。
ハダシ感覚なのでペダルの凹凸がダイレクトに伝わりますが、乗れないことは無いです。
神社でいろんな所を歩きました。岩や砂利、丸太の上も問題なく歩けました。
歩いているうちに左足のセンターがズレているのと、裏面に靴ヒモが出っ張っていて地面にこすれて擦り切れそうなのが気になりました。
ヒモを外してセンターに足が来るように穴のあけ直しと、裏面のヒモが通る所にミゾを入れました。
その場で修正が出来るところもワラーチのいい所です。
ミゾは注意が必要です。ソールに元々入っているミゾの深さまでにしておきましょう。ミゾを入れるのが難しい場合は、補修用の丈夫なテープを貼ってヒモが擦り切れるのを防ぎましょう。
土踏まずとくるぶし下の所のヒモは、あまり力がかからないのでそんなに痛みませんから何もしなくていいです。
アサヒペン パワーテープミニ 3.6cm×4m巻 ブラック 378円(税込)
ついでに近所の川まで行って水に入ってみました。
川ではこのワラーチは使えませんでした。
脱げることはありませんでしたが、ソールが薄いので歩くと水の抵抗でソールのつま先側が曲がってうまく歩けませんでした。ちょっと残念。
夏休みということもあり、ご家族らしきグループががちらほらいらっしゃいました。(入っても大丈夫な川です)
オッサンが一人で川に入って自分の足の写真を撮っているのは子供たちの目にどう映ったのでしょうか。そして親の目にも。
子供と言えばワラーチづくりは夏休みに親子で作るのも楽しそうです。
ハサミでソールを切るのに少し力が要りますが、それ以外は結構適当に作っても何とかなりそうな気がします。穴も何度も開け直せるし。
これで走り回るのはちょっと慣れが必要ですが。
でも裸足(はだし)感覚を取り戻すワラーチなので、子供ならすぐに履きこなせるかもしれません。
調整のための穴をたくさん開けたので、塞いでおきます。
ビブラムシートを切った残りに穴を開けて、出てきた丸いのを穴に詰め込んでおきます。
また穴位置を変えるかも知れませんので接着はしません。
外れたら接着します。
足が痛ければクッション材を追加しようと思っていましたが、合計1時間半ほど歩いた感じではその必要はなさそうです。
(翌々日ですが、足の疲れをすごく感じました。いつもの歩き方では使わない筋肉を使うのでこうなるのだそうです)
実際に履けるものが出来たし、制作から試し履きまで思いの外おもしろかったです。
何回か休日はワラーチで過ごしてみようと思います。
歩くときにペタペタと音がしていましたが、これは着地の仕方がよくないという事らしいので歩き方も研究してみます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ビブラムシートの他にも、靴底補修材は各種取り揃えております。
みなさまのご来店を心よりお待ちいたしております。
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