【集中連載Vol.4】システム手帳のイメージが変わる!マークス ノートづくり好き女子と文具トーク。

皆さん文具はお好きですか?世の中には、かわいいデザイン、素晴らしい機能を持った文具がたくさんありますよね。きっと、その全てに物語があるはず...。この連載では、ハンズのバイヤー、今津がいろいろな文具メーカーの方々に声をかけ、文具女子会を開催。気になる商品の誕生秘話などをお届けします。

第四回目の文具女子会のお相手は、株式会社マークスで企画開発を担当されている名本さん。11月下旬に先行発売されたばかりの〈マークス〉としては初となる女性向けのシステム手帳について、こだわりや開発秘話を聞きました!

※システム手帳とはバインダーの仕組みを持ち、リフィルを自由に交換できる手帳のことです。

今津も待望!〈マークス〉のシステム手帳はこうして生まれた。

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左:名本さん 右:今津

今津:名本さん、本日はよろしくお願いします!

名本:こちらこそ、よろしくお願いします!

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システム手帳(トライアルリフィル付) 無地:3,200円+税、柄:各3,400円+税

今津:ついに、発売されましたね!

名本:はい!大変お待たせしました(笑)

今津:「女性向けのかわいいシステム手帳をつくってほしい」とずっとプッシュしていたので、本当にうれしいです。

名本:今津さんからの熱いプッシュがあることは営業担当からも聞いていて、私もつくりたいなと思っていたんです。でも、「システム手帳=ビジネス手帳」という堅いイメージからなかなか脱却できず、時間がかかってしまいました。

今津:今回、開発に至った理由は何だったんですか?

名本:理由は2つあります。1つ目は、SNSの投稿などからも分かるように、手帳のアレンジやカスタマイズが流行っていることです。

今津:マスキングテープや写真などを貼って、かわいくデコって、手帳のアレンジを楽しんでいる方が多いですよね。

名本:2つ目は、システム手帳の自由度の高さです。システム手帳なら、カスタマイズやDIYをより楽しめると思いました。併せて、手帳とノートの垣根がなくなってきている今、どちらとしても使えるシステム手帳をつくろうと思ったんです!

今津:なるほど。名本さんは以前から手帳のご担当なんですか?

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名本:私はもともとデザイン手帳のカバーデザインの企画担当で、「手帳のアクセサリーとしてのマスキングテープを」ということで「水性ペンで書けるマスキングテープ・ミシン目入り」を担当しました。そのため普段から手帳やノートのカスタマイズなどの情報収集をしていたこともあって、今回のシステム手帳の企画担当として指名されたんです。
でも、自由度の高い手帳をつくりたいとずっと思っていたので、担当になった時はチャンスだ!と思いました。

今津:そうだったんですね。昔から手帳などはお好きだったんですか?

名本:はい、大学生の時に住んでいた街の文具屋さんがお気に入りで、よく通っていました。その頃からずっと手帳やノートは大好きです!

今津:このシステム手帳には、手帳・ノート好きの名本さんのこだわりがたくさん詰まっていそうですね!

目指したのは、オトナの女性が持ちたくなるシステム手帳

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今津:このシステム手帳を初めて手に取ったとき、軽さにビックリしました。

名本:軽さにはかなりこだわりました。従来のシステム手帳は本革が表紙に使われていることが多く、使い続けることで愛着はわくのですが、重いのがデメリットだなと。価格も高くなるので、手帳づくり初心者が持つにはハードルが高いだろうと思ったんです。だから、合成皮革を使ってできるだけ軽くし、コストを抑えて価格的にも手に取りやすいシステム手帳を目指しました。

今津:リフィルを増やせば増やすほど重くなるので、カバーが軽いのはうれしいです。デザインも今までのシステム手帳にはない、カジュアルさを感じますが、どのように決められたんですか?

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名本:定番の無地のほかに、市場にはない柄のデザインは絶対に入れたいと思ったので、ストライプ柄、ドット柄、ハート柄、ニュアンス柄の4種類をデザイナーにオーダーして、それぞれ複数のデザインをあげてもらいました。

今津:全て水彩絵の具で描いたようなデザインですね。それにも理由があるんですか?

名本:手帳は手書きで書くものなので、カバーも手描き風にすることで温かみが出るかなと思ったのと、ファッション小物で見かけるようなデザインにすることで、大人の女性も抵抗なく手にとってもらえるのではないかと。

今津:確かに、ハート柄はかわいいけど、水彩チックにすることで甘すぎない印象になりますね。

名本:ドット柄も、ドットの大きさや間隔、配列やテクスチャーの違いなどで随分印象が変わるので、何種類もあるデザイン案の中から1つに絞るのには苦労しました。

今津:最終的にどのように決められたんですか?

名本:無地4冊との色のバランスや、ドットの大きさ、ストライプのラインの幅などを細かく調整して何回も修正を繰り返して絞りました。水彩柄のピンクの色も、無地やハートのピンクと似た印象にならないように、紫や黄色を加えたりして、ピンクの表情を変えています。

今津:なるほど。私は〈マークス〉さんのシステム手帳には、他にも細やかなこだわりが詰まっていると思っているんです。例えばチャームを付けるためのリボン。

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※チャームはマークスのスマホリング 1,600円+税をアレンジしてつくったものです。

今津:SNSで見ると、表紙にデコチャームをつけてアレンジしている方が多いので〈マークス〉さんのシステム手帳にも付けられた方がいいのでは?と提案したら、裏地にこのリボンを付けてくれたので、この手があったかと感心させられました。

名本:チャームは付ける人と付けない人がいるので、付けない時に邪魔にならない仕様にするにはと、弊社でもかなり試行錯誤しました。

今津:目からウロコのアイデアだと思います!

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上4種類:試作品、下(柄):完成品 インデックス(A5、4枚入) 900円+税

今津:インデックスも透明に柄入りで珍しいと思ったのですが、いくつか候補はあったんですか?

名本:そうですね。ただ、厚みによって色や素材についてできる加工の条件があって、希望の厚みがあっても色は別のものがよかったりと、コレ!と言うものをみつけ出すのに時間がかかりました。

今津:確かに、厚みや素材が変わるだけで雰囲気がガラッと変わりますね。

こだわりはココにも!ライフスタイルに合わせて選べる"リフィル"

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リフィル(日付なしダイアリー・A5)月間ブロック+メモ、週間ホリゾンタル、週間バーチカル 各800円+税 リフィル(メモ・A5)ドット方眼、横罫、無地 各550円+税

今津:〈マークス〉さんのシステム手帳は、リフィルのラインナップも魅力の1つだと感じました。

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リフィル(コンテンツ・A5)
ガールズノートセット、家計簿・家事ノートセット 各1,000円+税、勉強ノートセット 900円+税

名本:弊社のシステム手帳のリフィルは、定番のダイアリーリフィルやメモリフィルの他に、勉強ノートセット、ガールズノートセット、家計簿・家事ノートセットの3つの目的別コンテンツリフィルがあります。
勉強の内容や時間の管理、理想の自分になるための健康管理、毎日の家事や家計の管理など、それぞれのライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズできます。

今津:〈マークス〉さんならではの個性として、何か意識したところはありますか?

名本:勉強ノートセットを例にあげると、市場にある他社既存商品と比較して弊社の個性をどう出すかを考えたときに、「次の3カ月に繋げるためのプラン」をしっかり計画できるフォーマットにしようと思ったんです。

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名本:3カ月前と後のテストの点数を書き込めるようにして、どれだけ伸びたかを可視化できるようにしました。こうすることで、良かった点、悪かった点が振り返りやすくなり、次の3カ月の目標も立てやすくなります。

今津:前回と今回の成績を一目で可視化して、比較できるのはいいですね!
時間割が日曜日まであるのもいいなと思いました。

名本:学生さんだけでなく、資格の勉強をされている方にも使ってもらいたかったので、曜日は日曜日まで、時間軸も8マスで設定しています。

今津:確かにスタディープランナーを購入される方は、学生の方以外にも結構多いんですよね。つくっていて難しかった点はありますか?

名本:人によって使い方はそれぞれなので、皆が使いやすいフォーマットを考えるのは大変でしたね。

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名本:例えば、TO DOリストとタイムトラッカー(タイムスケジュール)の行数を揃えるか、揃えないかで悩みました。タイムトラッカーの時間軸に合わせてTO DOリストを埋める人もいれば、その2つは分けて考える人もいるので。

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名本:だから、デザイナーには2つのパターンの試作品をつくってもらって、実際に私が試し書きをして、さらに修正をしてもらっての繰り返しでした。

今津:名本さんはどちら派だったんですか?

名本:私は分けたい考えでしたね。最終的には、朝、昼、夜など大まかな時間の区切りで分けて、連動させる形になりました。

今津:行数が違っていても、規則性があるので、全体のバランスもまとまっていますね。他にこだわった点はありますか?

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名本:ページを簡単にかわいくデコレーションできるように、ダイアリーリフィルには、15㎜のマスキングテープがピッタリ貼れる余白をつくりました。

今津:貼るだけで簡単にかわいくできるのはうれしい!
個人的に、メモリフィルのドットの罫線がピンクなのもかわいいなって思いました。

名本:かわいいシステム手帳をつくるなら、まずはピンクだ!と言うのは自分の中にあったので、全体的にピンクを基調としたデザインにしています。

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名本:あとは、リングをゴールドにしたり。細かいことですが、自分が思うかわいいの感覚をこのシステム手帳には詰め込んでいます。

今津:リングがゴールドなのは珍しいですよね。写真映えもしそう!
こだわりがたくさん詰まったシステム手帳ですが、実際完成品を手にした時のお気持ちはいかがでしたか?

名本:これまで、色んな手帳をつくってきましたが、実はカバーも中身もすべてつくったのはこのシステム手帳が初めてなんです。だから、この商品は我が子のような存在で、完成した時は本当にうれしかったです!

今津:これからますます、システム手帳が進化しそうですね。

名本:そうですね。まだまだできることはたくさんあるので、引き続きシステム手帳の開発をがんばりたいと思います!

最後にひと言、いただきました◎

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システム手帳を使って、自由にデコレーションやカスタマイズを楽しんでもらいたいです!そして、皆さんの楽しみ方をSNSで発信していただき、システム手帳がコミュニケーションの1つになればうれしいです!

次回予告
今津さんがサンスター文具株式会社の開発者と女子会を開催。〈DELDE〉についてお話を伺います。お楽しみに!

――「文具女子会はじめました。〜物語のある文具の話〜」連載記事――
【集中連載Vol.1】バイヤー今津、文具女子会はじめました。「物語のある文具の話」
【集中連載Vol.2】"いい日"をつくる文具って?キングジム〈HITOTOKI〉女子と文具トーク。
【集中連載Vol.3】きっと勉強が好きになる!?いろは出版 プランニング好き女子と文具トーク

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