今年もあっという間に3月。「そういえば、先月はバレンタインのお菓子づくりに気合いを入れたなぁ」と、遠い目をする人もいるのではないでしょうか。
ふとキッチンや冷蔵庫を見渡せば、お菓子づくりの"あまりもの"が、すみっこでポツン。と寂しげに放置されている...なんてこともあるかもしれません。
そこで今回は、お菓子づくりの"あまりもの"代表に挙げられがちなバニラエッセンスに大注目。最後まで"使い切る"ための、3つのアイデアレシピをご紹介します。
教えて！料理家・フードスタイリストの岡本ゆかこさん！
レシピを考案してくれたのは、料理家・フードスタイリストの岡本ゆかこさん。レシピ作成からフードスタイリングまで、書籍やSNS、動画などさまざまなメディアで活躍しています。
アフタヌーンティー・ティールーム勤務後、海外の食文化を学ぶために渡米した経歴を持つ岡本ゆかこさん。お菓子と料理の教室「atelier plus」も開講中
―岡本さん、本日はよろしくお願いします！果たして、バニラエッセンスは"あまる運命"から脱却できるのでしょうか...。
岡本さん:確かに、「バニラエッセンスを使い切った」という声はなかなか聞かない気がしますね。
―「まあ、次の機会まで保管しておけばいいか〜」と思いがちなんですよね。そして時が経つにつれ、それすらも忘れ去ってしまうというか。いよいよ申し訳なくなってきます。
岡本さん:（笑）。では忘れ去らないためにも、日頃のおやつやごはんに合わせたレシピがよいですね。ハンズで手に入るアイテムを使いながら、おいしいメニューをつくっていきましょう！ちなみに、バニラエッセンスは熱で香りが飛びやすいので、いずれも最後の仕上げ感覚で "ちょい足し"すると上手くいきます！
【レシピ①】"あまじょっぱさ"がクセになる！バニラみたらし餡
〈材料/つくりやすい分量〉
- 砂糖・・・大さじ3
- 片栗粉・・・小さじ1
- 醤油・・・大さじ1
- 水・・・大さじ4
- バニラエッセンス・・・6〜8滴
〈ハンズで手に入るアイテム〉
【手順1】
ボウル（耐熱仕様）に、上白糖、片栗粉を入れ、よく混ぜる。
【手順2】
続けて醤油、水を順に入れて混ぜる。
岡本さんのワンポイントアドバイス
ボウルには粉物→水分の順に入れましょう！ダマができにくくなって混ぜやすくなり、よりとろっとした餡に仕上がります。
【手順2】
ラップをかけず、そのままレンジ（600W）で1分加熱。いったん取り出してよく混ぜたら、再び30秒加熱する。
【手順3】
もう一度よく混ぜ、粗熱がとれたらバニラエッセンスを加える。
岡本さん:はい！おやつにぴったりの万能ソースの完成です！
―あっという間にできちゃいましたね。...あれっ？バニラの香りはしますが、想像よりもやさしい味わい！
岡本さん:バニラの香りに上白糖の甘み、そして醤油の辛みが合わさることで、ちょうどよい "あまじょっぱさ"になるんです。私のおすすめはパンやおいも、ポップコーンとの組み合わせ！特に焼き立てのトーストにバターをのせ、このみたらし餡をかければ、よりクリーミーでマイルドな"あまじょっぱさ"が楽しめますよ。
―これは手が止まらないおいしさ！餡なので、容器に入れて持ち運びやすいのも高ポイントです。ピクニックやレジャーシーンの持ち寄りアイテムとしても活躍しそうですね！
【レシピ②】あま〜い香りが食欲をそそる！かけるだけのふわふわバニラオムレツ
- 〈材料/1人分〉
- 卵・・・2個
- 塩・・・ひとつまみ
- 牛乳・・・小さじ2
- サラダオイル・・・小さじ1
- バニラエッセンス・・・3〜4滴
【手順1】
ボウルに卵、塩、牛乳を入れ、よく混ぜる。（①）
【手順2】
〈オムレツメーカー〉にサラダオイルを引いた後、①を入れて蓋をし、レンジ（500W）で70秒加熱する。
【手順3】
小さなホイッパーで固まってきた卵の部分を軽く叩きほぐし、混ぜる。
岡本さんのワンポイントアドバイス
小回りのきくホイッパーで軽く叩きほぐして混ぜると、きれいな半熟に仕上がります！
【手順4】
蓋をして30秒加熱。オムレツの表面を少し固めにしたい時は、もう一度軽く叩きほぐして混ぜ、蓋をしてさらに20秒加熱する。
【手順5】
〈オムレツメーカー〉からお皿に移し、バニラエッセンスをかける。
岡本さん:バニラの香りがやさしく広がる、ふわふわオムレツのできあがりです。
―甘く、品のよいバニラの香りが食欲をそそりますね...。卵との相性ぴったりです！
岡本さん:バニラの香りが卵独特の臭みを和らげるので、小さなお子さんも食べやすいと思います。何より、〈オムレツメーカー〉に材料を入れて、そのまま混ぜて、レンジでチンして、最後にバニラエッセンスをかけるだけ！時短にもつながります。
―オムレツにはケチャップでしたが、新しい選択肢ができました！慌ただしくて、あまり食欲がない日の朝ごはんにも取り入れたいです。
【レシピ③】香りとコクがぐっと深まる！鶏とさつまいもの煮物
〈材料/2人分〉
- さつまいも・・・中サイズ1本（約250g）
- 鶏もも肉・・・200g
- サラダオイル・・・大さじ1/2
- 砂糖・・・大さじ1
- 酒・・・大さじ1
- 醤油・・・大さじ1/2〜2
- バニラエッセンス・・・6〜8滴
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【手順1】
さつまいもは3cm角ほどの乱切りにし、水にさらしておく。鶏もも肉はさつまいもと同じほどの一口大に切る。
【手順2】
鍋を中火で熱してサラダオイルを引いたら、鶏もも肉の皮目を下にして炒める。
【手順3】
鶏もも肉を鍋に入れたら動かさず、無理なく剥がせるようになったら、水気を切ったさつまいもを加える。
【手順4】
砂糖と酒を加えて全体を混ぜた後、水を1/2カップ加える。
岡本さんのワンポイントアドバイス
最初に砂糖、酒、水で煮ることで、素材にしっかり火を通してやわらかくします。
【手順5】
余計な油分などをカットするために〈アクも油もとるシート〉をかぶせ、蓋をして中火で10分加熱する。
【手順6】
醤油を加え、蓋がない状態で水気がなくなるまで加熱する。
【手順7】
さつまいもが串に刺さる硬さになったら火を止め、鍋を傾け、隅にたまった汁にバニラエッセンスを加え、全体を混ぜる。
岡本さん:甘く、そして深く香る煮物の完成です！
―まさに和洋折衷！意外でしたが、バニラエッセンスの香りが思っていたより強くないので食べやすそう...！
岡本さん:バニラエッセンスを"みりん"代わりにして、食材の豊かな香りとコクを引き出しました。バニラエッセンスは醤油の角をまろやかにするだけではなく、さつまいもやかぼちゃといった甘めの野菜の煮物と合うので、まさに相性抜群です。熱で香りが飛びやすいので、最後の仕上げ感覚で "ちょい足し"すると、上手くいきます。
―ほんのり甘いのにクセがなくて、香りとコクが豊か。煮物のおいしさが十分に引き出されているレシピですね。いつもの食卓のプラス1品になりそうです。
岡本さん:バニラエッセンスは"あまる運命"にあらず。実はお菓子づくりに限定されない、日頃のおやつやごはんにも役立つアイテムなんですよ！みなさんも気軽にお試しくださいね。
おわりに
甘くやさしく、ふわっと香るバニラエッセンス。シンプルに"ちょい足し"するだけで違ったおいしさを引き出せるので、気軽にトライしてみませんか？ "あまりがち"から "使い切り"アイテムになる日は、そう遠くないはずです！
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