こんにちは、梅田店11Fツクル・ナオスのお悩み解決商店の岡田です。
今回は何もつくっていませんし何も磨いていません。
今回は、お客様からお問い合わせの多い「くっつけたい!」のお悩みにどのようにお答えしているかを ご紹介したいと思います。
くっつけるための接着剤、いっぱいあってどれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。
「接着剤の種類別分類」とかをご紹介するよりも、実際に「こんな場合にはこれがお勧めです」 みたいな方がいいと思うので、出来るだけ具体的な例で選び方をお伝えしようと思います。
※岡田が実際に使った事の無いケースも多いので、あくまで「私の感想」です!
ですので根拠はありませんが、大きくは外れていないと思いますので、おおむね大丈夫かと思います(おおむねて!)
実際、お客様から「この前勧めてくれた接着剤あかんかったで、すぐ外れた」と、再来店していただいた際に 教えていただいた事もございます。
日々精進ですなあ。(まちごぉとるやん!)
その点、接着剤メーカーさんのご相談窓口での回答はツッコミどころが無いです。
「説明書に書かれている以外の用途のご使用はなさらないで下さい」 と言う意味の回答をよくいただきます。
それだけ「説明書にすべてを書ききりました!」と言う自信があるという事ですね。
私もお客様からのご質問に、パッケージ裏の説明を読みながら答えすることがあります(読んどるだけかい!)
接着剤や補修材の説明書はものすごく大切なことが書かれていますので、使用前にしっかり隅々までお読みいただくことをお勧めします。
同じシリーズなら同じかと思うと、微妙に違っていたりしますので。
お尋ねの多い質問は、やはり何かに困っているお客様からのご相談が多いです。
接着剤を選ぶときに大切なのは「何と何を接着するか」「接着してどう使うのか」ですので、 それを最初にお尋ねするのが基本です。
これは本当に大事な基本なので、この後何回も出てきます。
それでは具体的なご相談をご紹介していきます。
ご相談① 「靴底がはがれてきた」
シューケア用品コーナーには、靴底の補修材が置いてあります。 接着にも使えますが、どちらかと言うと靴のかかとの減ったところに盛るのが目的です。
靴と言ってもいろいろありますので「どのような靴でしょうか?スニーカーですか?ビジネスシューズですか?」 といつもお尋ねします。
こんな感じのフォーマルな靴の底は革かゴムです。 ですので、ゴム系接着剤をお勧めします。
こちらは接着剤コーナーにあるゴム系接着剤です。
コニシ ボンド G17 20mL 13023 JAN:4901490130238
コニシ ボンド Gクリヤー 20mL 14323 透明 JAN:4901490143238
こちらはシューケアコーナーにあるゴム系接着剤です。
歴史を感じさせるレトロなロゴがいいですね。
説明書きがほとんどないのも潔さを感じます。
接着する両面に塗って、5~10分位(接着剤によって異なります)乾かしてから貼り付けます。ちょっと心配になるくらい乾かしても結構です。
そして大切なのはその後強く押しつける事です。本当は木槌で叩くくらいが良いです。 固まるまでヒモで巻くとか重しを乗せるとかで圧着します。洗濯ばさみでは弱いです(何もしないよりはマシですが)
スニーカーの場合
スニーカーと言ってもいろいろありますよね、ウォーキングシューズもあります。 だから靴底の素材もいろいろあって何かわからない。 私も見ただけでは素材が何かはわかりません。
ですのでスニーカーの底の接着と言われたら「素材が不明な場合はいろんなものがくっつく多用途型がお勧めです」 とご案内しています。この言葉はよく使います。
多用途型の接着剤、これはセメダインのスーパーXシリーズ
しかしながら歩くと靴は曲がります。だから接着剤が固まった後も柔らかくないといけない。
多用途型はあまりカチカチにならず柔軟性を保って接着するのですが、 特に硬化後のソフトさを打ち出しているのがコニシ株式会社の「ウルトラ多用途SUプレミアムソフト」 この写真の一番右の「プラスチック」と書いてあるやつです。
お客様に「ソフトなので曲がる部分にはお勧めです」とご説明をすると、ご納得していただける事が多いです。
正直なところ、どれを使っても接着すると思います。 「ウルトラ多用途SUプレミアムハード」だって、そんなにガチガチに硬くはならないし、靴はそんなにグニャグニャ曲げないし。 でもせっかくメーカーさんががんばって特徴を出してつくった接着剤です。 特徴を活かして使っていただきたいところです。
ご相談② 「透明なものをくっつけたい」
透明なものと言ってもガラス、アクリル、ポリカーボネート、軟質塩ビシート等色々ありますのでもう少し詳しくお伺いしてみます。
板状や棒状であったり、やわらかいものであったりした場合は素材が何かわからないですが、 「置物」の場合は大体ガラスです。
もしガラスでなくても、多くはアクリルとかUVレジンとかなので、 特に接着しにくいものではないです。
硬いもので透明度が必要な場合は、エポキシ接着剤をお勧めしています。 ただ、後で出てきますが元々の強度以上にはなりません。
ガラスのフラミンゴの置物の脚が折れたような場合はまた折れるかもしれませんし、 「ここを接着してあるな」と接着した部分はわかります。
エポキシ接着剤は、固まるとカチカチになって柔軟性はありません。 エポキシの中で特に透明度の高いものは、この2種類です
コニシ ボンド Eセット 15g JAN:4901490160235
エポキシ接着剤は、2液を混ぜると化学反応で固まります。 混ぜなければ固まらないので、接着剤でよくある「使おうと思っていたら固まっていた」がありません。ありがたいですね。
パッケージの1とか5とか30とか書いてあるのは、混ぜてから固まり始めるまで何分なのかを表しています。 接着する作業を1分とか5分とか30分とかの間に終わらせて下さいという事です。 完全に固まるのは24時間後とかです。
固まり始めるのが速ければいいというものではありません。
接着剤を塗っていく作業時間は長めの方が余裕をもって作業できます。 それともう一つ、固まり始める時間が長い方が、長期間の耐久性が高いような気がします。
余談ですが、透明なエポキシ接着剤の見本があったのでで比較してみました。 もう何年使っているかわからない硬化見本なので分かりやすいです。
もともと透明でしたが、経年劣化で濁ってきています。 1分型、5分型、90分型と硬化開始時間が長いほど劣化せず透明なままなのがお判りいただけるでしょうか。
硬化開始時間が長い方が色が濁っていないという事は、劣化してなくて長持ちしているという事ですね。
透明が売りの「エクセルエポ」は硬化開始時間が10分なのですが、かなりの透明度を保っています。 透明を保つことに特化した商品の様です。
ご相談③ 「アクセサリーのパーツが外れた」
このご質問の場合は、どんなところのパーツが外れたかを確認しないといけません。 金属の溶接されていたところが外れた場合や、金属そのものが折れた場合は、接着剤で元に戻してもまた外れる可能性が高いです。
かなり大きな力がかかって外れたり折れたりしたのだと思われますので、さすがに高性能の接着剤と言えども溶接や素材そのもののと同じ強度を出すのは難しいです(木工用を除く)。
外れた部分のまわりに接着剤を盛り付けて補強して接着しても良いならまだましですが、 アクセサリーの場合は見栄えが悪くなるので中々難しいです。くっついてもまた同じような力がかかれば外れてしまいます。
「元々付いていたラインストーンが外れた」ような場合であれば、多用途型やエポキシ接着剤でくっ付けられます。
元々付いていた接着剤は取ってから再度接着する方が良いのですが、取れなければそのままでも構いません。 元々付いていた接着剤が残っているという事は、その部分の接着剤はしっかりくっついているという事なので。
その代わり、接着面がツルツルしているよりザラザラしている方が良いので、ヤスリやカッターで 接着面を荒らしてからの方がいいです。
余談ですが、昔はアクセサリーづくりの接着剤と言えば「アラルダイト」でした。
残念ながら2018年に毒物及び劇物指定令の改正があり、成分の一部が毒劇物に指定されました。 その為現在ハンズでは販売しておりません。
別に突然危険になったわけではないのですが。
これは私の家にあるもので、2018年以前から持っている物です。
接着剤と言えばいつの間にか固まって使えなくなってしまう物が多いですが、エポキシ接着剤は混ぜない限り固まりません。
ちょっと黄色くなってきている気がしますがまだ使えます。何年持つのでしょうか?
ご相談④ 「金属とゴムを接着したい」
フロアのスタッフによると、このご質問も多いそうです。 確かに金属とゴムは意外とはがれやすいです。
原因としては
・ゴム同士なら、引っ張ったりしても同じように伸びるが、ゴムと金属だとゴムだけ伸びて金属が伸びないために接着剤が付いていけずにはがれる。
・金属もゴムもいろいろな種類があるので、接着しにくい素材かもしれない。
・接着面がツルツルなので、接着剤が表面にこびりつかずペロッとはがれることがある。
などが考えられます。
ですので選ぶ接着剤としては、接着後に弾力のある多用途型が無難です。
セメダインのスーパーXシリーズはシリコンゴムも接着できるものがあります。
ちょっと見にくいですが注意書きにもあるように、接着面をサンドペーパーで研磨 (この場合はザラザラにする)することではがれにくくなります。
余談ですが、スーパーXシリーズはセメダイン株式会社の家庭用多用途接着剤の主力商品で、 コニシ株式会社ではSUシリーズがそれにあたります。
「どう違うの?」とのご質問があった場合は以下のようにお答えしています。
「SUは接着するものの片面に塗ってすぐに貼り付ける」
「スーパーXは両面に塗ってしばらく置いてから貼り付ける」
と言うのが一番の違いです。
スーパーXも接着面積が小さいなら片面に塗ってすぐ貼り付けても接着できるそうです。
その他ではSUがウレタン樹脂系、スーパーXがシリコーン樹脂系なのですが、違いはよくわかりません。
スタッフによると、スーパーXよりSUの方が接着剤自体がやや硬めなので接着作業をする時にズレたり流れたりしにくいから好きと言う意見もありました。
コニシ ボンド ウルトラ多用途 S・U プレミアムソフト クリヤー 10ml JAN:4901490051397
セメダイン スーパーXG 20mL JAN:4901761183543
個人的には一番の違いは「キャップ」だと思います。
スーパーXはキャップのネジ部分が長く、またキャップの中についている棒が長いので空気に触れにくく 長期間の保存に向いていると思います。
余談の余談になりますが、SUもスーパーXも接着剤が固まるのは乾燥して固まるのではありません。 空気中の水分と化学反応して固まるのです。
瞬間接着剤も同じく水分と化学反応して固まります。 最初の方でご紹介したゴム系接着剤や、木工用の白いやつなんかは、乾燥で固まります。
ですから接着剤の保管に適している場所は、乾燥していて低温な場所(化学反応が遅くなるので)が良いです。 低温になれば相対的に空気中の水分も少なくなりますので。
冷蔵庫なんかが一番いいですね(凍らせてはいけませんが)
ご相談⑤ 「布同士を接着したい」
このご要望の場合は「裁ほう上手」をお勧めしています。
お勧めする以前に「裁ほう上手ありますか?」とお尋ねいただく事もよくあります。
コニシ ボンド 裁ほう上手 スティック JAN:4901490057474
洗濯はもちろん、ドライクリーニングに出してもOKだそうです。
しっかり接着すれば縫い付けるよりも外れないそうです。 スティックタイプは貼り合わせて重いものを乗せて24時間放置。
チューブタイプはアイロンで 押さえて接着するので早いです(アイロンなしでも接着は可能です)。チューブタイプはノズルがとても細いので細かい作業に適しています。
コニシ株式会社さんでは今すごく押している商品の様です。
特設サイトもあります。
http://www.bond.co.jp/bond/special/saihou/
セメダイン株式会社さん一押しのスーパーXの特設サイトはこちらです。
https://www.superx.jp/?_ga=2.173813607.556785191.1674225203-1734077571.1673157533
接着剤の2大メーカーさんの商品ばっかりになっちゃいました。
他にもタイトボンドとかボンディックとかゴリラとかの素晴らしい接着剤もあるのですが、 余談ばっかりで長くなっちゃいました。
この他にもよくあるお問い合わせには以下のようなものがあります。
長くなりましたので解説なしで商品だけご紹介します。
「水中や常に濡れている場所での接着」→水中ボンド
コニシ 水中ボンド 100g JAN:4901490164561
「高温になる場所での接着」→オートウエルド(左の方です)
「接着剤で貼って剥がせるようにしたい」→セメダインBBX
「折れたメガネのツルを直したい」→ボンディック(はみ出すように盛り付けるので見た目が悪いですが)
BONDIC EVOスターターキット BD−SKEJ JAN:4560191329084
「欠けた部分を補充しながら接着したい」→エポキシパテ
「お茶碗や湯飲みなど実際に食事に使う食器」→本漆をパテ化させて接着(すごく手間がかかります)
まだまだお伝えしたいことはたくさんあるので、それはまたの機会に。
冒頭で申し上げましたが、今回のご紹介はあくまで私の経験に基づく感想です。
ご利用の際には説明書をよくお読みくださいね。
お読みいただきありがとうございました。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
過去の【梅田店】ツクル・ナオスのお悩み解決商店のブログはこちらです。