【連載】文房具への異常な愛情 〜Story05.いろは出版のサニーノートの可能性は無限大〜

元クレイアニメ作家で輸入文具店で働いたのちにハンズにやってきたという、異色の文房具バイヤー大島による連載企画。第5回目の今回、取り上げるのは〈いろは出版〉。大島ならではの文房具への愛あふれる視点を交え、新作・新色が登場する〈サニーノート〉の魅力をお届けします。

今回は京都の〈いろは出版〉さんとのリモート会談!

―大島さん、こんにちは。前回が7月でしたから、なかなかのお久しぶりです。

大島:知らないうちに連載打ち切りになったのではないかと心配していました(笑)。久々となる今回は、ちょっと趣を変えてリモートで行います!

2107_danshibungu_01.jpgハンズ 文房具バイヤー 大島
モニターを見つめる目に、連載続行の安堵感とさらなるやる気を感じます...!

大島:お話を伺うのは〈いろは出版〉京都本社の皆さんです。今日はよろしくお願いします!

池澤さん・井上さん・大内さん:よろしくお願いします!2112_danshibungu_02.jpg左から:いろは出版 企画デザイン部 池澤さん、企画デザイン部 井上さん、雑貨営業部 大内さん今回は主に池澤さんと井上さんにお話を伺いました。

―〈サニーノート〉の新作と新色が登場するということですが、まずは〈サニーノート〉について教えてください。

井上さん:〈サニーノート〉は、「1年を晴れにする」というコンセプトを掲げた弊社のブランド〈サニー〉のアイテムで、書くことによって頭の中を整理したり、気持ちを前向きにしたりといった、使ってくださる方の毎日に寄り添い、1年を晴れにするきっかけをつくりたいという想いが込められています。2年ほど前に販売開始しました。

2107_danshibungu_03.jpgいろは出版
サニーノート(紙カバー) 各1,760円(税込)
コンテンツリフィル マンスリー、ウィークリー、サブノート、ウィッシュリスト 各330円(税込)
クリアファイル 352円(税込)
ペンホルダー&アンダーシート 418円(税込)

―機能的にはどんな特徴があるんですか?

井上さん:各ページにページ数を振り、インデックスページと紐付けたり、インデックスシールを付けたりすることで、ざっくり書いたとしても、見返したい時に必要な情報をサッと引き出せるようにしました。主にビジネスシーンでの使用をイメージしています。

池澤さん:あとはカバーが紙なのも特徴ですね。紙面の罫線にも独自の「方眼スプリットフォーマット」を採用するなど、使いやすさも重視しています。

―大島さんは〈サニーノート〉を初めて見た時、どんな印象でしたか?

大島:第一印象は「紙か!」ですね(笑)。こういうアイテムは合皮とかPU素材のカバーが多いので、紙は珍しいなと。しかも板紙1枚ではなく、ポケット状になっているのが面白くて。そもそも、何でカバーを紙にしたんですか?

2107_danshibungu_04.jpg池澤さん:ポケットや折り返せる仕様など、やりたいことを叶えるために行き着いたのが紙でした。〈サニー〉のコンセプトとも合うのかなと思っています。

大島:なるほど。元々〈サニー〉は手帳が最初でしたが、どうしてノートを出すことになったんでしょうか。

井上さん:手帳は使わないけどノートは使っている、という方も多いので、そういう方々にも〈サニー〉のコンセプトや価値を届けたいという想いで開発しました。

大島:あとこれも第一印象ですが、けっこう分厚いですよね?

池澤さん:手帳に通じるところがありますが、1冊で完結させたくて、ちょっと多めの160ページにしました。平日に毎日1ページ使っても半年は余裕で使えるという計算です。

大島:そういう狙いがあったんですね。納得。

2107_danshibungu_05.jpg―開発時にここは苦労した、こだわったというポイントはどこですか?

池澤さん:ポケットの形状ですね。リフィルをセットできて、単純にポケットとしても使えて、見た目もすっきりさせる。全てを叶えるのに苦労しました。

2107_danshibungu_06.jpg井上さん:表紙を裏側に折り返せるリングノートならではの特徴を残しながら、リングがむき出しにならないデザインにもこだわりました。企画から完成に至るまで1年半くらい。けっこう長い時間を費やしましたね。

―セットで使えるアクセサリーも充実していますね。

池澤さん:ビジネスシーンだけでなく、オンもオフもいろんなことを受け止められるように、コンテンツリフィルは4種類用意しました。あとは仕切りが付いたクリアファイルと、リング部分にセットできるペンホルダー付きの下敷きがあります。

大島:6種類を用途や好みに合わせて使い分けると。

2107_danshibungu_07.jpg井上さん:はい。普段は手帳を使わない人でも、忙しい時だけスケジュール管理用に〈ウィークリー〉を使ったり。使い方はその人次第です。

大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part12107_danshibungu_08.jpg

PUレザーカバーと、紙カバーのハンズ限定カラーが新登場

―そんな〈サニーノート〉に、新作のPUレザーカバータイプ、そして紙カバータイプの新色が登場しました。

2107_danshibungu_09.jpg本日11月29日より発売!
ハンズ限定
いろは出版 サニーノート(PUレザーカバー) 各2,420円(税込)

井上さん:PUレザーカバーは〈サニーノート〉の開発当初からずっとつくりたい形のひとつだったんです。カラーが揃っていて、触り心地もよく、軽くて耐久性があって加工もしやすい、そんな素材にようやく出会えて完成しました。

池澤さん:ポケットの形状も工夫して、折り返せる構造といった当初は実現が難しかったところもクリアされて、ようやく形にできましたね。

2107_danshibungu_10.jpg厚みを考慮して、ポケットの形状が紙カバーとは違っています。

―大島さん的には「ついに出たか」という感じですか?

大島:せっかく願いが叶って新しく出たところなのに、こんなこと言うのもなんですが...私としては紙を貫いてほしかったかも...(笑)

2107_danshibungu_11.jpg池澤さん・井上さん:!!!

大島:いや、PU素材は耐久性もあって丈夫だし、この新作もとても素敵なんですよ!そこは間違いないんですが、紙の時の衝撃が強すぎて...。あと、元々のターゲットが女性なので仕方ないですが、色味的にもより女子な感じが強くなった気がして。あくまでも個人的な見解ですよ。

池澤さん:男性でも使いやすくというのは意識しましたが、素材感を大切にしながらよい色を選んでいったら、結果的にこの5色になったという感じですね。

大島:繰り返しますが、商品としては全く文句はないんです!手触りも発色もすごくよいし。ホントです!信じてください!

井上さん:信じます...(笑)

―(大島さん必死だ...笑)紙カバータイプにもハンズ限定カラーの新色2色が出たんですよね?

2107_danshibungu_12.jpg本日11月29日より発売!
ハンズ限定
いろは出版 サニーノート(紙カバー)
左から:ラベンダーグレー、ピスタチオ 各1,760円(税込)

大島:私が聞くのも変ですが、どういう経緯だったんですか?

大内さん:ではここは私から。ハンズさんでは〈サニーノート〉をずっと扱っていただいているんですが、何か一緒にやりたいねということは担当バイヤーさんとも以前から話していて。今回いろんなタイミングが合ってやっと実現しました。

大島:2色同時に出たのはどうしてなんでしょう。

大内さん:1色だと新色としての打ち出し的に弱いということと、PUレザーカバーが出るタイミングと合わせれば店頭でもインパクトが出せるという話になって、2色同時での展開に決めました。

大島:なるほど。

井上さん:女性に好まれる色で、〈サニー〉の世界観が守られている、というハンズさんからのリクエストをもとに何色かご提案して、今回の「ピスタチオ」と「ラベンダーグレー」に決まりました。

2107_danshibungu_13.jpg―どうですか?この2色の印象は。

大島:トレンドですよね、ピスタチオ。紙カバー派(笑)の私としては、紙の素材感がよく出ていて、ナチュラルな色合いも素敵ですし、ちょっとメンズライクなところもあるので男性も使いやすそうで、とてもよいと思います。

大内さん:ありがとうございます!

池澤さん:トレンドを意識しつつ、既存のカラーラインナップに含まれても違和感なく、そして男性にも女性にも好かれるようなバランスは意識しました。

大島:余談ですが、今手に持っているものは、中身の入っていないカバーだけの見本サンプルなんですけど、意外と便利なんじゃないかなと。書類ホルダーみたいに使えて、これだけでもほしいなと思っちゃいました。

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井上さん:(笑)その発想はなかったです。あくまでもサンプルとしてしか見ていなかったので。でも面白いかも知れません!

大島:サブノートだけ入れることもできるし、A4の書類も入るし。どうですか?商品化(笑)

使い方の提案で、大島バイヤーの文房具への愛が炸裂!

大島:実際にどんな使い方ができるかなと思ってちょっと試してみたので、見てもらってもよいですか?

井上さん:それは興味があります!

大島:まず私はいつもそうなんですが、横向きで使いました。ノートパソコンの手前に置いても使いやすいですし。使い方のイメージとしては、打合せとかで走り書きしたものを後で清書する感じかなと。下にはTODOリストやスケジュールを書いたり、大切なメモは直接貼ったり、こんな風に。

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大島バイヤーの直筆です!

池澤さん:すごい書き込まれてますね!

井上さん:サンプルとして欲しいです(笑)2107_danshibungu_17.jpg大島:他にも変わった使い方ができないかなと考えたんですが、ちょうどリング部分が2つに分かれているなと思って、ページの真ん中を切っちゃうのもアリだなと。

2107_danshibungu_18.jpg池澤さん:おぉ!

大島:上下が分かれたノートになって。どう使うかはちょっとわかりませんが(笑)

井上:(笑)でも新しいです!

大島:あとは単純ですがページを折りたたんだり。そしてこれはもう遊びの域なんですが...貼り合わせてポケットにしてみました(笑)

2107_danshibungu_19.jpg池澤さん:(笑)いやぁ、もう発想がすごいです!

井上さん:カスタマイズ欲がにじみ出ていますね。

―連載タイトルの通り、文房具への異常な愛情が炸裂してます(笑)

大島:書いている時よりも楽しかったです(笑)。でも、使っているうちにこうやって各々のスタイルが生まれてくるのかなと感じました。超自由なフォーマットだからこそ、可能性は無限大だなと。

井上さん:こういうアイデアを見ると、私たちはちょっと真面目すぎたのかもしれないと感じます(笑)

大島:では提案ついでに。文房具バイヤーとして、筆記具とのコーディネートも考えてみました。

池澤さん:またまた興味深いです!

大島:まずは先ほどのサンプルを書く時にも使った、〈パイロット〉の〈ジュースアップ〉という細字のゲルボールペン。メンズライクなバージョンが12月に発売となるんですが、インク色も全部くすんだ感じというか、黒でもブルーブラックとかそういった色味で、雰囲気的にも今回の新色に合うなと思っています。

2107_danshibungu_20.jpg大島:もうひとつは、私が愛用している〈ぺんてる〉のシャープペン〈ケリー〉。誕生50周年記念モデルがめちゃめちゃカッコよくて。シンプルなカバーも、これを合わせるだけでちょっとゴージャスに見えませんか?

2107_danshibungu_21.jpg池澤さん:カッコいいです!たしかに筆記具との組み合わせで印象も変わりますね。

大島:秋冬になると、文房具も落ち着いた色味やトレンド色が新色として各社から出てきますが、違うブランド同士でもすごくマッチしたりするので、こういう文房具コーディネートを考えるのも楽しいと思います。

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手前:ジュースアップ クラシックグロッシーカラー 各220円(税込)
奥・右:ケリー50周年アニバーサリーモデル 各4,400円(税込)
※一部店舗のみの取り扱い・限定品です。

大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part22107_danshibungu_23.jpg―〈いろは出版〉さんもペンとの相性は考慮するんですか?

池澤さん:紙とペンの相性は重視しています。人気のあるペンで書いてみて、この紙は書きやすいか、厚さは適当か、インクが裏抜けしないか、インクは早く乾くか、といったことをテストしています。

大島:たしかに書きやすかったです!裏抜けも全然しないから両面しっかり書けるし、ちゃんとインクも吸収するし。とてもよい紙だなという印象でした。

2107_danshibungu_24.jpg―では改めて、〈サニーノート〉を通して伝えていきたいことを教えてください!

井上さん:情報量が多くモヤモヤすることも多い時代の中で、書くことによってありのままの自分を表現できる「自分だけの場所」を届けたいと思っています。使う人の「1年を晴れにする」ことがテーマなので、あくまでもステーショナリーではありますが、心のゆとりとか前向きな気持ちにつながるような存在になれたらうれしいです。

―今後はどんな展開を考えていますか?

池澤さん:大きな未来の話ですが、「1年を晴れにする」というコンセプトに基づいて、ステーショナリーに限らずに生活に寄り添うアイテムをつくっていきたいなと考えています。

―大島さんは、今後の〈サニーノート〉に何を期待しますか?

大島:実際に使ってみて、コンセプトのとおり頭の中をクリアにするという意味で、いろんなルーティンづくりに役立つだろうなと強く感じました。だから、そのコンセプトを大切にしていってほしいです。あとは半分ふざけた話になりますが...日々の中では気持ちがcloudyな時もあればrainyな時もありますよね?

井上さん:ありますね。

大島:だからサブノートで「レイニーノート」があっても面白いんじゃないかと(笑)

池澤さん:なるほど(笑)

大島:他人には絶対に見せられないドロドロの黒い闇を書き込むノート。

一同:(笑)

2112_danshibungu_25.jpg大島:勝手な提案をいろいろしてしまいましたが、私の中で〈いろは出版〉さんは遊び心のあるメーカーだと思っているので、〈サニーノート〉のこれからに大いに期待しています。今日はありがとうございました!

池澤さん・井上さん・大内さん:ありがとうございました!

大島バイヤーの編集後記
大島:サニーノート、私の知っているサニーは車だったり、ボビー・ヘブの歌だったり、みんな言えることは「晴れ」が好きだってこと。このサニーノートもそんな晴れた空の気持ちにしてくれる、自由で清々しいノートでした。今日もノートの中から晴れになろう。

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