この連載は、文具沼にハマった事務用品バイヤー大瀬が、あなたを深い深い文具沼へと誘(いざな)う物語。大瀬バイヤーが今回目をつけたのは、老舗筆記具メーカーである〈PILOT〉の新商品。万年筆のペン先が付いていて、インクを気軽に楽しめるアイテムで、インク好きには堪らないアイテムなのだとか!また、書くことが楽しくなる万年筆もご紹介。それでは、バイヤー大瀬と共に、最新筆記具の沼へ。
【目次】
01 インク好きの皆さん、お待たせしました【iro-utsushi新登場】
02 万年筆のイメージがガラリ!子どもと使いたい1本
インク好きの皆さん、お待たせしました【iro-utsushiが新登場】
―大瀬さん、こんにちは!今回は「インク好き大注目!」のアイテムを深堀りするということで、〈PILOT〉さんへやって来ました!一体何をご紹介するんですか?
大瀬:今回は、「万年筆のペン先がついたつけペンタイプの筆記具」〈iro-utsushi(いろうつし)〉について深堀りたいと思います。ハンズ 事務用品バイヤー大瀬
―なんだか複雑ですね。
大瀬:インクを気軽に楽しめる代物のようで、ついついインクを集めてしまう私にぴったりなんだとか。今回は企画・開発を担当された栗原さんにお話を聞かせていただきます。
栗原さん:〈iro-utsushi〉の企画・開発を担当しました。本日はよろしくお願いします。
PILOT 商品企画部 高筆企画課 栗原さん
―「インク好き」の方におすすめとは、一体どういうことなんですか?
栗原さん:〈iro-utsushi〉はインクを愉しむために使っていただきたくて開発した商品で、つけペンタイプの筆記具です。クリアボディの樹脂軸と木軸の2タイプがあります。より気軽に〈iro-utsushi〉を楽しみたい人は、お手頃なクリアタイプを、質感や軸の安定感も重視したい人は木軸タイプがおすすめですよ。
iro-utsushi
樹脂軸 クリアブルー(Mのみ)、ノンカラー(F、M)、クリアブラック(Fのみ) 各770円(税込)
木軸 ブラック(F、M)、モクメ(F、M) 各1,980円(税込)
商品はこちらから>>
栗原さん:ペンの太さは中字の「M」と細字の「F」の2種類。字幅は好みで選んでみてください。「M」は、サラサラと楽に書きたい人に、「F」は細かい文字を書きたい人におすすめです。
―シンプルなデザインですね。「万年筆のペン先が付いたつけペンタイプの筆記具」というのは、一体どういうことなんですか?
大瀬:それはペン先を見れば分かりますよ。
栗原さん:さすが大瀬さん、気づいていただいていましたか。〈iro-utsushi〉には、本来万年筆にある「ペン芯」という部品を付けていません。
左:万年筆のペン先の裏側、右:〈iro-utsushi〉のペン先の裏側
―「ペン芯」というのは、万年筆のペン先の裏側にセットされているグレーの部品のことですね。確かに〈iro-utsushi〉には何もセットされていませんね。なぜですか?
栗原さん:ペン芯はペン先にインクを運ぶ役目を担います。しかし、インクの色を替えたいとなると、一度インクをしっかり洗う必要があるんです。それでは、なかなか色んな種類のインクを愉しむことはできない...。そこで、簡単な手入れで色を替えられるよう、ペン芯のないつけペンタイプを開発しました。
大瀬:では、なぜ簡単に色を替えられる〈iro-utsushi〉を開発しようと?
栗原さん:数年前からインクのカラーバリエーションがどんどん増えだし、今では「インク沼」なんて言葉が存在するほど盛り上がっているんです。そんなブームもあり、ついつい買って集めてしまう人は多いのですが、せっかく買ったのに全然使いきれていない...という人もまた多い。
大瀬:うむ、まさに私のことです。
栗原さん:私もそうで、何年前かに購入したインクが今もたっぷり残っているんですよね。
だからこそ、もっと手軽に楽しめるアイテムがあればよいのにと思い〈iro-utsushi〉を開発することにしたんです。
大瀬:インク好きのための筆記具ということですね。どう使えばよいのです?
栗原さん:使い方は簡単で、ペン先にインクをつけ、書いた後は水ですすいで拭き取るだけ。拭き取った後は、そのまま別のインクを気兼ねなく使うことができます。ぜひ、試してみてください!
大瀬:ではお言葉に甘えて。どれどれ...。
大瀬:書き心地が非常に滑らかですね。
栗原さん:そうなんです。ペン先には万年筆と同じ、合金でつくった「ペンポイント」を溶接しています。そうすることで、書き味が滑らかに、紙当たりがよくなるんです。
大瀬:そして、色をリセットしたければ、水ですすいで拭くのですね。
大瀬:それでは次に赤いインクを。
―いかがですか?
大瀬:ふむ。「気楽」に楽しめます。
―気楽に?
大瀬:万年筆はインクを手軽に替えられないし、ガラスペンは繊細な素材なため使うことを少しためらってしまう。その点〈iro-utsushi〉は、インクを自由に替えられて、扱いもガラスペンほど注意しなくてもよい。非常に心持ちが楽です。
栗原さん:「気楽」という言葉はぴったりだと思います!
大瀬:これで引き出しの奥に眠る愛しのインク達を愉しむことができる。むふっ、むふふふ。
嬉しそうな大瀬。
万年筆のイメージがガラリ!子どもと使いたい1本
栗原さん:続いてご紹介するのは〈カクノ〉。こちらは、来年で発売10周年を迎えるロングセラーアイテムです。実はこの万年筆は、お子さまのために企画したアイテムなんですよ。
PILOT
カクノ 各1,100円(税込)
商品はこちら>>
―子ども向けの万年筆とは一体?
栗原さん:お子さまが書くことが楽しくなるきっかけをつくりたくて開発し、そのための工夫がたくさん詰まっている万年筆。例えば、ペン先には笑顔のマークを付けました。万年筆を正しく使いこなすために、ペン先の笑顔のマークが上を向くよう目印にしてもらうんです。
大瀬:なんとまぁ、かわいらしい。子どもだけでなく大人も気分があがりそうです。
ー本当だ!これは使ってみたくなりますね!
栗原さん:また、正しくペンが持てるよう、グリップは3本の指にフィットする三角形にしています。〈カクノ〉を使うことで、自然と正しい持ち方を身に付けられます。正しく持たないと万年筆は使えないということを、きちんと理解して書くことを楽しんでほしいんです。
大瀬:私も〈カクノ〉は持っているのですが、クリアタイプは新しいですよね。
栗原さん:ええ。これまではお子さまをメインにしていたのでかわいらしいパステルカラーなどで展開していたのですが、大人の方もお使いいただいているということで、老若男女問わず使いやすいクリア素材を追加しました。
―「書く」ことは、大人も子供も共通して楽しめることのひとつ。今回ご紹介いただいた2本は、特に楽しさをあと押ししてくれる筆記具ですね!
栗原さん:そうですね。〈PILOT〉は、万年筆をつくっている会社なので、やはり万年筆のよさを知ってほしい、触れてほしいという想いが強いです。〈iro-utsushi〉や〈カクノ〉は、価格的にも非常に手に取りやすいので、お子さまから大人の方まで、万年筆やつけペンを使ったことがない人も試していただきたいです。
大瀬:私も普段から書く機会が多いです。書くことで、散らかった頭の中の整理をしたり、伝える手段としても活用しています。そんな時に〈iro-utsushi〉や〈カクノ〉があると一層、書く時間が楽しくなるのだろうと思うのです。筆記具を長くつくってこられて、書くということに真面目に向き合ってきた〈PILOT〉さんだからこそ、生み出せた筆記具ですね。ぜひ、いろんな方に使っていただきたいものです。
さて、ではもう少しこの筆記具達を堪能させていただきましょうかね。
栗原さん:ぜひ!私もご一緒します!
インク、筆記具好きの時間はまだまだ続く...。
おわりに
インクが好きでよく集めている、書くことが好き。そんな人におすすめしたい〈PILOT〉の筆記具。皆さんもぜひ試してみてください。
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