ビジネスバッグのトレンドとハンズの品揃えの特徴とは?

新しいビジネスバッグを買いたいと思ったときに、どこで買えばいいのか。様々な特徴のショップが多くある中で、ハンズにあるビジネスバッグはどういうものが多いのか。このコンテンツでは、ビジネスバッグ担当バイヤーが、ビジネスバッグのトレンドや、それを受けてハンズではどのような品揃えをしているのかをご紹介。特に、何をどうやって選べばよいのかわからないという方はぜひ一度読んでみてください。きっとビジネスバッグの「今」をざっくり理解できるはず!

ご紹介するビジネスバッグバイヤーはこの2人

左:チーフバイヤー 佐藤
右:バイヤー 坂本
*佐藤バイヤーは別名「スーツケースの伝道師」としても活躍中!連載記事はこちらから

ビジネスバッグのトレンドと
人気商品に共通することとは

佐藤: まずは、ビジネスバッグのジャンル全体のトレンドについてお話しすると、この特集サイトでご紹介しているバッグたちをご覧いただければわかる通り、主流はやはりリュックですね。ビジネスシーンのファッションがだんだんとカジュアル化していますが、その影響を大いに受けています。かつてはビジネスバッグと言えば手持ち一択という頃もありましたが、老若男女問わずビジネスの場にリュックが浸透していますし、一過性のブームでもなく、一つの選択肢として残っていくのではないでしょうか。

坂本: 老若男女問わずというのは本当にそうで、女性のビジネスリュックももはやスタンダードになっています。私は数年前に新卒で入社するときは、ビジネスの場における女性のバッグはトートバッグしか頭になかったのですが、あるときに「もうリュックでもいいのでは?」と思って買ったんですよ。パソコンやタブレットを持ち歩くとなると、どうしても荷物が重くなるので、リュックのラクさが際立ちますよね。この話の延長で言うと、ビジネスバッグに性別がなくなってきたような気がします。

坂本バイヤーが背負っているリュックは〈インケース×ハンズ・シティバックパック〉。シンプルなデザインが男女問わず人気で、このサイトでも紹介しています。

佐藤: わかるわかる。最近の人気ラインナップを見ると、いかにもメンズライク、いかにもレディースライクというものよりも、どちらが持っても似合うようなデザインが多いですね。これはビジネスバッグに限らず、世の中のデザインやファッションの大きな傾向として、洗練されたシンプルが好まれるようになってきているからであって、また時代が変われば人気のビジネスバッグも変わってくると思います。かつてはビジネスバッグと言えばいかにすぐれた機能性を持たせるかが肝で、職人気質と言いますか、品質にこだわるバッグメーカーたちが主なプレーヤーでした。もちろん今でもそういったメーカーたちの勢いがなくなったわけではありませんが、例えばアウトドアブランドがビジネスバッグカテゴリーに参入してくるなど、より競争が多角化してきています。この特集サイトの商品紹介では取り上げていませんが、〈ノースフェイス〉のボックス型リュックなどが代表格ですよね。

坂本: 街中でよく見ますよね、そのリュックを使っていらっしゃる方。アウトドアブランドが手がけるビジネスバッグの魅力の一つは、従来のバッグと比べてカジュアルダウンされていることで、その結果、仕事でもプライベートでも同じバッグを使う方も増えていると感じます。ビジネスファッションそのもののカジュアル化という世の中の流れが追い風になり、アウトドアブランドだったり、デザイナーズブランドの勢いが強くなっています。

佐藤: ただ、だからと言って従来のビジネスバッグメーカーが劣勢というわけではないよね?このサイトでご紹介している〈ace.〉さんは1940年創業で、東京・台東区にある「世界のカバン博物館」も運営している、バッグ業界で知らない人はいないリーディングブランドですが、〈ace.〉さんが手がけるビジネスバッグはかなり人気を集めています。

〈ace.〉が手がける人気モデル〈ラパックエアー〉の進化版、〈ラパックエアーV2〉。このサイトで紹介しています。

坂本: 最近の人気ビジネスバッグのポイントは「納得感」かなと思っていて。ちょっと話が変わるのですが、最近は「価格の低さ」が以前よりもインパクトを持たなくなってきている印象で、それよりもそのバッグはこういう特徴があって、どういう人のためにつくられたもので、だからこの価格である、ということが明確なものが好まれているように感じます。言い方を変えると、価格の低さが絶対的な強みでもなく、様々な特徴の一つになったというか。

佐藤: なるほど、確かに。それで言うと、今もその傾向はあるけどこの先は「とにかく安い」ものと「価格重視ではなく品質がよい」ものがより二極化していくのかなと個人的に思う。お客様に納得してもらいやすくするため、そしてどんどん増えていくライバルのバッグたちから頭一つ抜けるためにはその商品の特徴をより際立たせていかなくてはならないので、値段もそうだし、それ以外の訴求軸でも二極化は進むかなと。いずれにせよ、これまでとは比べ物にならないくらいに様々な魅力を持ったビジネスバッグが次々と登場し、人気になっていくので、選ぶ楽しさは増えたのではないでしょうか。我々バイヤーにとっては、人気商品を見極めるのが難しくなっているのでなかなか大変なんですが(笑)。

ハンズが取り扱うビジネスバッグの傾向

坂本: そんな中で、じゃあハンズはどのようなビジネスバッグを取り揃えているのかという話なんですが、これはどこまで言えるのだろう(笑)。

佐藤: 私はスーツケースのバイイングも担当しているのですが、取り扱うスーツケースを選ぶときにイメージするのは「戦隊モノ」。オールラウンダーで安定した実力を持つものをリーダー、戦隊モノで言うとレッドに据えて、あとは走行性や軽さ、耐久性などの個性が強いメンバーを周りで囲んでいくようにバイイングしています。ビジネスバッグもこの考え方と全く同じ、ということでもないですが、まずはオールラウンダータイプから選ぶのは共通していると思います。

坂本: それはそうですね。近年はコロナで先行きが見えにくいということもあり、各メーカーから登場するバッグは間違いのない人気モデルを昨今のニーズに合わせアップグレードさせたものが多いような印象があります。

佐藤: 先ほどの「戦隊モノ」で言うと、各メーカーのレッドがより強くなって登場しているということですね。それは…アツいなあ(笑)!人気モデルばかりだから、あまりビジネスバッグに詳しくない方でも安心して選べてよいかもしれません。これまでよりもビジネスバッグカテゴリーでの競争が激しくなってきた結果、カテゴリーそのもののレベルが上がっていて、例えばパソコンを収納する専用ポケットがないバッグを探す方が今では難しいくらい。だから、どれを選んでよいかわからないという方がもしいらっしゃったら、割と直感的に選んでしまってもそれほど問題はないような気がします。

坂本: それはそうかも。それがデザインだったり値段だったりと様々だと思いますが、まず浮かぶ判断基準がその人の大きな価値観だと思うので、あまり難しく考えずに選んでよいのではないでしょうか。

佐藤: それでも不安というお客様は、今回のお話でお伝えしたいくつかのキーワード、「リュック」、「性別不問のシンプルなデザイン」あたりを踏まえつつ、できれば店舗で実物を確認しながらスタッフに話を聞いて、きちんと納得いただいてご購入いただければと思います。

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