文字通り「シュパッ」とたためる便利なバッグとして人気の〈Shupatto(シュパット)〉が、発売から5年が経ち、装いも新たにリニューアル。そこで今回は、どこが変わったの?という疑問を解決するべく、開発担当者にお話を聞いてきました!
人気の〈シュパット〉がリニューアルに至った理由とは?
5年前の発売開始以来、ハンズでも人気を集めている〈シュパット〉。今回のリニューアルでどこが新しくなったのか、どう便利になったのか。従来品から〈シュパット〉の開発に携わってきた、株式会社マーナの菊田さんにお話を伺いました。
株式会社マーナ 開発部 プロダクトデザイナー マネージャー 菊田さん
今回ご紹介する、リニューアルされた新シリーズがこちら。
マーナ Shupatto(シュパット)
S:1,078円(税込)、M:2,178円(税込)、L:2,728円(税込)
―まずは改めて、〈シュパット〉の特徴を教えてください。
菊田さん:最大の特徴は「一気にたためる」ところです。たためるエコバッグは世間にたくさんありますが、たたむのが面倒という声が多く聞かれることから、そういう特徴を持つバッグを開発しました。
―たしかに、一度広げると上手くたためないものも多いですよね。
菊田さん:そういう不便を解消したかったんです。両端を持って一気に引っ張れば真っすぐになり、あとは折って丸めるだけ。その便利さで皆様にご支持いただき、2015年11月の販売開始から、シリーズ累計で700万個以上お買い上げいただいています!
―700万個!すごいですね!そんな〈シュパット〉ですが、ユーザーからはこれまでにどんな声が寄せられてきましたか?
菊田さん:たたみやすいバッグがあまりなかったこともあり、「たたむのが面倒ではなく楽しくなった」とか「たたむ時の爽快感がよい」といった声をいただいています。
―では逆に「ここを直してほしい」といった声はありましたか?
菊田さん:「袋の口をちゃんと閉じたい」「バッグにした時に収納用のフタ部分が邪魔」といった声がありました。そういう声が今回のリニューアルにつながっています。
―ユーザーの声はどこで集めているんでしょうか?
菊田さん:ネット上の口コミだったり、「マーナフェスタ」という弊社のファンイベントで直接ユーザーの声を聞いたりして、さまざまな意見を集めています。
―リニューアルに向けて動き始めたのはいつ頃ですか?
菊田さん:発売後3年くらいなので、2018年ですね。ちょうどいろいろな意見が集まってきたタイミングでもありました。今までマイナーチェンジもなく、初めての大きな仕様変更で色や柄も刷新するため、約2年をかけてじっくり取り組みました。発売から今年で5年、そうした節目を迎えることもあり、よりよい商品を届けたいという思いを込めています!
どこがどう変わったの?具体的なリニューアルのポイントを解説
【リニューアルポイント1】袋口のボタンをMサイズにもプラス
菊田さん:Mサイズの袋口にボタンを付けました。ユーザーからの「バッグを置くと口が開いてしまう」「中のものがこぼれ落ちそうになる」という声に応えた変更です。
ボタンを付けることで、口も開かず、中身がこぼれるのを防げるようになりました。
―元々、Lサイズにはボタンが付いていたんですよね?
菊田さん:はい。Lサイズは容量も大きいのでボタンを付けていたんですが、Lサイズをお使いのユーザーから、Mサイズにもぜひ!と、お声をいただきました。
―サイズ違いで持っている方も多いということですね。
菊田さん:いくつか揃えて、これは普段持ち歩く用、これはスーパーでのまとめ買い用、といった感じで使い分けている方も多くいらっしゃるようです。
【リニューアルポイント2】バッグ使用時のすっきり感をアップ
菊田さん:丸めて閉じる際の収納用の「フタ部分」を、バッグとして使う時にバッグ本体にボタンで留められる仕様に変更しました。先ほどもお話しましたが、従来品はその部分がヒラヒラして邪魔だという声があったんです。これはM・Lサイズ共通の変更点です。
左がリニューアル品。フタ部分をボタンで留められるようになりました。
―これまでもボタンは付いていましたが、留められなかったんですか?
菊田さん:留めることはできたのですが、そのための仕様ではなかったので微妙に長さが足りず、ちょっと無理をしないと留められませんでした。
―よく使われる方こそ、気になるポイントかもしれませんね。
菊田さん:使用時の見た目のすっきり感もアップしたと思います。袋口のボタンもそうですが、「使ってみると便利」といったさりげない変更ポイントです。
【リニューアルポイント3】バッグ全体のバランスを見直し
菊田さん:次はちょっと伝わりにくい変更ですが...。
―どこでしょう...?
菊田さん:これはMサイズだけの問題だったんですが、たとえば牛乳パックを横にして入れた時に、バッグの中で牛乳が徐々に回ってしまい、持っているうちに横面が正面側に来てしまうということがあったんです。実はそこを改良したいとずっと思っていて。生地の長さを伸ばしたり、プリーツの数を減らしたりという調整をすることで、正面を向いたままになるように改良しました。わかりますか...?やっぱり伝わりにくいですね...(笑)
―伝わり...ました...。きっと、ヘビーユーザーにはわかるんだと思います(笑)
菊田さん:制作側としては、けっこう重要なポイントで...。本当に微妙なところですが、全体のバランスを見直して調整しました。なかなか伝わりにくいのがもどかしいです(笑)。でも、いつも使っているという弊社の社員にモニターをしてもらったら、「変わったね」と言ってもらえました。気付く人は気付く、という感じですね。
【リニューアルポイント4】ブランドタグのサイズ&付け方を変更
菊田さん:ブランドタグのサイズを大きくして、付け方も変更しました。
左が従来品、右がリニューアル品。
―その意図はどこに?
菊田さん:これまでは丸めた状態の時にタグが飛び出していて邪魔だったのでは...という反省も込めて、タグが内側に来るように付け方を変えました。こちらはM・Lサイズのみの変更です
―たしかにタグが飛び出していない方が見た目もすっきりしますね!
菊田さん:はい。制作側としてのこだわりの部分でもあります。
【リニューアルポイント5】Lサイズの容量をアップ&生地を変更
菊田さん:これはかなり大きな変更ですが、Lサイズの大きさを見直し、レジかごに余裕をもって掛けられるように改良しました。
―これまでは掛けられなかったんですか?
菊田さん:元々、Lサイズはレジかごに掛けて使える仕様でしたが、実際に掛けるとあまり余裕がなかったんです。そこで、長さを約4cm伸ばすことで幅を広げ、プリーツを1枚足すことで深さを出し、全体をサイズアップしました。これにより、レジかごをすっぽり覆って余裕をもって掛けられるようになったんです。
こちらは従来品。レジかごにぴったりくらいのサイズです。
こちらがリニューアル品。余裕を持ってすっぽり掛けられます。
―本当ですね!掛けてみると全然違いますね!
菊田さん:容量も約9L増えて40Lになりました。
―でもその分、丸めた時にかさばりそうですが...。
菊田さん:その点に関しては、ご安心ください。大きくした分かさばってしまったら意味が無いですからね。Lサイズには元々、少し厚めの生地を使っていて、丸めた時にかさばるという声もあったので、今回のリニューアルでLサイズもS・Mサイズと同じ薄手の生地に変更しました。
―薄くなると強度が足りなくなりませんか?
菊田さん:S・Mサイズの生地も十分な強度を持っているので、容量は増えましたが、耐荷重(約15kg)は従来品と変わりません。そして、従来品だと丸めた時の直径が約7.5cmで重さは約162g、新仕様だと直径は約6.5cmで重さは約118gと、強度はそのままで容量はアップしながら、よりコンパクトに、軽くなりました。
右がリニューアル品。丸めた時にさらにコンパクトに!
―たしかに従来品よりコンパクトですね。この差は意外と大きいです。
菊田さん:厚めの生地で安心感がほしいという人もいれば、コンパクトさが大事という人もいて。社内でもさまざまな意見があったので、この生地変更は今回のリニューアルで最も悩んだポイントかもしれません。変化に対して慎重になっているところがあったので、技術的なことよりも決断することの方が大変でした。
【リニューアルポイント6】色と柄のバリエーションを一新
菊田さん:生地の色と柄のバリエーションも一新しました。無地5色と柄5種、計10種類が揃います。
リニューアル品の色柄全10種類。上段左から「SUMI」「MOMO」「MORI」「KARASHI」「YORU」、下段左から「SEN」「HAGIRE」「ARARE」「HANA」「UMI」
―無地には「YORU」や「MORI」、柄には「SEN」や「UMI」など、ちょっと変わった名前が付いていますが、どんな意図があるんでしょうか。
菊田さん:これまでは「ネイビー」や「ドット」などストレートな名前でした。でも「ネイビー」ではなく「YORU」と言われることで夜の闇を想像したり、「MORI」と聞いたら木漏れ日の風景を思い浮かべたりすると思うんです。そういう、映像としてイメージを膨らませるような名前にすることで、色や柄にも価値を持たせたい、そしてより愛着を持って使っていただきたいと思って名付けました。
―従来品から一新して、全て新しい色柄に変えたのは何故ですか?
菊田さん:これまでは色柄ごとにターゲットを少し変えていたので、シリーズとしてはあまり統一感がありませんでした。でも今回、仕事・家事・育児など日々やることが多く忙しい、30〜40代の女性をメインターゲットに絞り、違う方向性を示すという意味で、どの色柄も継続せずに一新しました。
―いずれも淡い色やナチュラルな雰囲気ですね。
菊田さん:お洋服にもなじみやすいやさしいデザインを意識しています。あとさりげないポイントですが、無地5色と柄5種類の色味をリンクさせました。サイズ違いで無地と柄をセットで揃えたり、なんてことも楽しめますよ。
【リニューアルポイント7】パッケージデザインも一新
菊田さん:最後になりますが、パッケージのデザインも一新しました。従来のパッケージは「一気にたためる」という機能面を伝えることを第一にしたデザインでした。"素敵さ"はいったん置いておいて...(笑)
―まずは機能をアピールしないと認知されませんからね。
菊田さん:はい。その効果かは分かりませんが、おかげさまで認知度も上がってきましたので、今度は「手に取りたくなる」「誰かに贈りたくなる」といったことを重視したデザインにしました。
左手に持っているのが新パッケージ、手前が旧パッケージ。
―ガラッと印象が変わりましたね。"素敵さ"が出ています(笑)そのままギフトにしたくなる感じです!
菊田さん:なるべくシンプルに、特徴が伝わるように心がけました。箱形状で正面の穴からしっかり中身が確認でき、側面には中身のバッグと同じ色や柄の水彩画をあしらい、横から見ても中身が分かるようになっています。そのままギフトにできるように、フック部分も隠せるようになっています。そういうちょっとした工夫も含めて、他のエコバッグとは何か違うなという雰囲気を出したかったんです。
フック部分が後ろに折りたためるのでギフトにもぴったり!
レジ袋の有料化にともなう変化と実感。そして今後のこと...
―レジ袋の有料化が始まりましたが、その前後で何か変化はありましたか?
菊田さん:かなり問い合わせは増えました。既に自分は持っているけど、家族用に買い足すという声もよく聞きました。あと私が感じたうれしい変化は、これまでにも増して〈シュパット〉を持っている方を街でよく見かけるようになったことです。あくまでも私の個人的な印象ですが(笑)
―それはうれしい変化ですね!
菊田さん:はい。持っている方を二度見してしまったり(笑)
―(笑)菊田さんご自身も日常で〈シュパット〉を使われていると思いますが、こんな使い方も、といったアドバイスなどはありますか?
菊田さん:私はお買い物以外で使うことも多いですね。たとえば、旅館などのお風呂の脱衣場にかごが置いてありますよね。レジかごと同じ要領でそこに〈シュパット〉を掛ければ、脱いだ服や荷物をまとめて入れられるので便利です。スポーツジムなどでも同じ感覚ですね。洗濯物用とグッズ用を使い分けたりして。
―いつも複数持ちしているんですか?
菊田さん:旅行の時などは3〜4個持って行きますね。Sサイズは特にコンパクトなので、サブバッグ的にも使えますし。
―なるほど。では最後に、今後の目標を教えてください!
菊田さん:〈シュパット〉が他と違うところは、"たたむ面倒を楽しくする"という、マイナスをプラスに変えられるところです。使ってくれる人が増えるほど笑顔になる人も増えて、ちょっと大袈裟ですが、みんなが朗らかになれる。そういう意味で、〈シュパット〉を通して世の中にもっと貢献できればと思っています。
おわりに
新しくなった〈シュパット〉は、自分用としても、ギフト用としても、さらなる魅力が加わってパワーアップしていました。気になる方はさっそくチェックを!
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