雨続きでなかなかおでかけできない梅雨の時期に、ご自宅で楽しめるちょっぴり上級者向けの「レジンクラフト」を体験してみませんか。今回は、レジンアクセサリー教室「ハンドメイド・ラボDo♪ReMi」にて講師を務めている山中玲見佳さんに、キュートな傘チャームのつくり方を教えていただきました。きれいに仕上げるコツから長持ちさせる工夫まで、レジンを使ったハンドクラフト全般で役立つメソッドがぎゅっと詰まっています。
山中さんが感じるレジンの可能性
山中玲見佳さん
レジンアクセサリー教室ハンドメイド・ラボDo♪ReMiの講師として浅草橋・さいたま新都心・大宮(埼玉)にて教室を開催。初級・中級・上級とレベルアップするカリキュラム制の「レジンアクセサリー・スキルアップ講座」では、ビーズアクセサリーの加工と組み合わせた課題作品を提案。つくって満足ではなく、着用できる・プレゼントできる・褒められる作品づくりを目指し、イベントワークショップでは、簡単なのにかわいいを追求。キットの販売や、レジンクラフトの楽しさを伝えるライブ配信もおこなっている。
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―本日はよろしくお願いします!さっそくですが、そもそもレジンとは何かを教えてください。
山中さん:レジンとは、英語で「樹脂」を意味し、液状の素材や固めた作品などをそう呼びます。
ハンドクラフトに使われるレジンには、大きく分けて2種類あり、主剤と硬化剤を混ぜて固める「2液性レジン(エポキシレジン)」と、
紫外線を当てることで固まる「UV-LEDレジン」があります。
エポキシレジンは、24時間以上と固まるまでに時間がかかりますが、透明感を生かした大きく厚みのある仕上がりの作品におすすめ。
UV-LEDレジンは固まるまで1〜3分程度と、短時間で固まるため制作時間も短く、気軽に楽しめるのでおすすめです。
―山中さんは普段、レジンでどのようなアイテムをつくっているのですか?
山中さん:自分用によくつくるのは、ピルケースやハーバリウムペン、印鑑ケースとか......実用的なアイテムが多いですね。教室で教える初心者の方にも、日常で使えるもの・身につけるものからトライすることをおすすめしています。がんばってつくったものを使う喜びも、レジンクラフトの楽しみのひとつですから。
―自分でつくったものなら愛着も湧きそうです。ではズバリ、山中さんが思うレジンの魅力を教えてください。
山中さん:レジンには、何にでもなれる可能性があると思っています。色を付け、型を取り、模様を描き、パーツをつけて・・・同じ材料を使っても、つくる人によってまったく別のものができる。つくり手の個性を思い思いに表現できることが、レジンの魅力ではないでしょうか。
必要な材料と事前準備
山中さん:今回使用する材料と道具はこちらです。
①UV-LEDハンディライト3 880円(税込)
②調色パレットSサイズ 440円(税込)
③調色スティック 418円(税込)
④ソフトモールド半球 1,320円(税込)
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①〈宝石の雫〉ロイヤルブルー 528円(税込)
②〈宝石の雫〉パープル 528円(税込)
③〈宝石の雫〉パールマリンブルー 594円(税込)
④〈宝石の雫〉偏光パールブルー 594円(税込)
⑤UV-LEDレジンコーティングレジン星の雫グロス30g 1,650円(税込)
⑥UV-LEDレジン太陽の雫30g 1,078円(税込)
⑦レジンクリーナー 660円(税込)
⑧星の欠片(チャンスの予感) 1,045円(税込)
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ニッパー、平ヤットコ、丸ヤットコ、ピンバイス、9ピンやつぶし玉などの金具パーツ各種、ビーズ
※工具、金具パーツなどはクラフトショップにてお買い求めください。
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―今回はこれらを使って傘チャームをつくっていくんですね!ちなみに、今回傘チャームをセレクトされた理由はなんでしょうか?
山中さん:今回はレジンの扱いになれている中級者の方にも楽しんでいただけるよう、ちょっぴりコツがいるレジンアイテムにしようと思っていて。季節的にもぴったりな傘チャームにしました。しっかり手順を踏んでゆっくり取り組めば、初心者の方でもかわいく仕上がると思いますよ♪
―初心者の方に向けて、作業をはじめる前の準備についても教えてください。
山中さん:作業を始める前に、机にクリアファイルや白い紙などを引いておきましょう。近くにティッシュも置いておけば、なにかと便利です。完成まで約1時間ほどかかるので、当たり前ですが前後に予定が重ならないよう注意してくださいね(笑)準備ができたらさっそく始めましょう!
※作業の際は必要に応じて手袋を着用してください。
※レジンが硬化する際は大変熱くなります。やけどする場合もありますのでご注意ください。
※レジンが素肌に触れた場合は、アルコールまたは薬用石鹸で洗浄をしてください。
【手順1】傘の骨部分をつくる
―最初に作るのは傘の骨部分なんですね。
山中さん:はい。傘の骨部分には、ビーズクラフトでよく使う「9ピン」という棒状の金具を使います。Tピンではなく、片方の先端が丸く輪になっている9ピンを選んでくださいね。
【傘の骨部分のつくり方】
1:モールドの裏側を使い、9ピン6本にカーブを付ける。
山中さん:つくりたい大きさよりもワンサイズ小さい半球の裏側を使います。ピンの両端と、モールドの凹んでいるほうをしっかり押して、端までカーブをつけましょう。
2:9ピンにレジンをのせ硬化し、半球モールドに仮止めする。
※UVライトを直視したり、漏れている光を長時間見続けたりしないよう、ご注意ください。
山中さん:仮止めなので、レジンはほんのりのせるくらいでOK。この時、モールドの端から9ピンの輪っかが少しはみ出るように置いてください。
山中さん:こんな感じで!後の工程で半球の中心に穴を開けるので、中心が少し空くように置く必要があるんです。
3:9ピンと9ピンの間を埋めるように、レジンで薄くコーティングする。
4:モールドをくるくると動かしながらレジンを硬化する。
※UVライトを直視したり、漏れている光を長時間見続けたりしないよう、ご注意ください。
山中さん:半球の中心にレジン液がたまらないよう、モールドを斜めに傾けてくるくる回しながら硬化します。ここでレジンを均一にのせないと、きれいに仕上がらないので重要な工程ですよ!
【手順2】傘の布地部分をつくる
―正直ここまででも、結構むずかしいと思ってしまいました......。
山中さん:9ピンの扱いが少し難しいかもしれませんね。でも仮止めの状態なので、失敗したら一度モールドから外してやり直せば大丈夫です。さぁ、続けますよ〜。
【傘の布地部分のつくり方】
1:調色パレットと調色スティックを使ってレジンとラメを混ぜる。
山中さん:ラメはそれぞれ1〜2プッシュで十分です!
2:モールドの内側にラメと星型ホログラムを付けて固める。
山中さん:シルバーとホワイトのラメをお好みで混ぜながら、天の川の模様を描くように線を引いてみてください。星はラメの近くに添えるように置くのが私流♪ご自身の感性に任せて、自由にアレンジしてくださいね。
3:調色パレットと調色スティックを使ってレジンと着色剤を混ぜる。
山中さん:パール系の着色剤は分離するので、使う前によく振りましょう。レジンを10円玉小くらい出したら、まずはパールマリンブルーをパレットAとパレットBの両方に1滴ずつ入れて、次に偏光パール ブルーをAとB両方に2滴ずつ入れます。最後にパープルをAに、ロイヤルブルーをBに1滴ずつ加えてください。
山中さん:混ぜ方のコツは、調色スティックの細いほうを使って気泡をつくらないようにやさしく混ぜること!均一に混ざるまで、根気強くぐるぐるしましょう。
山中さん:今回は傘の色をグラデーションにしたいと思ったので、2色の中間色も用意します。パレットAとパレットBから同じくらいの量を取って、パレットCでよく混ぜたら、中間色の完成です。
4:着色したレジンをグラデーションになるように塗って固める。
山中さん:きれいなグラデーションに仕上げるコツは、少しずつ塗ることと、塗りムラを気にしないこと。9ピンを仮止めしたところは色が乗りにくいので、着色したレジンを重点的に塗ってあげてください。
※UVライトを直視したり、漏れている光を長時間見続けたりしないよう、ご注意ください。
山中さん:またこの時も、半球の中心にレジン液がたまりやすいのでモールドを傾けながら硬化させましょう。硬化する際は、色をつくった調色パレット内のレジンを硬化させてしまわないように、パレットをライトから離して置くなど、注意してくださいね。
5:着色レジンを乗せ終えたら、両面を硬化する。
※UVライトを直視したり、漏れている光を長時間見続けたりしないよう、ご注意ください。
山中さん:表面約2分、裏面約2分※、しっかり硬化してください。レジンが固まっていない状態で触ってしまうと、肌にアレルギー反応が起こってしまう可能性がありますので、しっかり硬化させましょう。
※今回ご紹介したレジン液とライト以外を使用する場合や、着色剤を多くした場合は硬化時間が異なります。
様子を見て、硬化時間を調整してください。
【手順3】傘の柄の部分をつくる
―形になってきましたね!きれいなグラデーションができて、ここまででも満足感がすごい......。
山中さん:つくっている最中からどんどんワクワクしてきますよね。さてここからは後半戦です。
【傘の柄の部分 つくり方】
1:レジンクリーナーを使って傘の布地部分をモールドから取り出す。
山中さん:モールドを反らせて、モールドとレジンの隙間にレジンクリーナーを1滴入れてください。こうすることで剥がしやすくなるうえに、モールドが傷みにくくなるんですよ。
2:ピンバイスを使って穴を開ける。
山中さん:傘のパーツを付けるための穴を開けます。そんなに力を入れなくても大丈夫です。
3:メタルビーズを通した9ピンを穴にさし、内側からつぶし玉を通す。
4:ピンを固定するめに、つぶし玉をつぶしてレジンで固める。
山中さん:レジンはつぶし玉をおおうくらいの量で大丈夫です。
5:丸やっとこで9ピンをカーブさせる。
山中さん:ここが傘の持ち手になります。
6:丸大ビーズ5〜6個を通してレジンで固定する。
※UVライトを直視したり、漏れている光を長時間見続けたりしないよう、ご注意ください。
山中さん:この時、最初に通したビーズ1個を先端に置き、先に硬化させます。端っこのビーズさえ固めてしまえれば、ビーズが抜けなくなるので、あとはまとめてレジンで硬化します。
7:飛び出ている9ピンを1mmほど残してカット。
8:カットしたピンに丸小ビーズをそれぞれ通して、レジンで固める。
山中さん:ここが傘の露先(つゆさき)と呼ばれる先端部分になります。
手順:4(最終)チャームのパーツをつないで完成!
―いよいよ最終段階に......!ちゃんと傘の形ができて、感動です。
山中さん:かわいらしい傘ができましたね!それでは最後の仕上げに入ります。
【チャームパーツのつくり方】
1:傘の上部にチャームのパーツとコネクターをつなぐ。
2:コーティング剤で傘全体をまんべんなく保護する。
山中さん:コーティングすることで、作品の強度が上がります。さらに、各パーツの固定もできるので絶対におこなってくださいね!
3:ベタつきがなくなるまでしっかり硬化したら完成!
―とってもきれいにできました!ちなみにレジンでつくったアイテムって、どのくらい長持ちするのでしょうか?
山中さん:レジンの特性として、長く使っていると表面のベタつきや「黄変」といわれる変色が生じることがあります。こうした経年劣化はだいたい2〜3年くらいで出てくるといわれています。
レジン液の種類によって変色のしやすさが異なりますので、レジン選びの際の基準の1つにするといいですね。その他、作品によって適したレジン液があるので、調べてみてくださいね。また、どんなレジン液も購入したらなるべく早く使うことも大切です。2~3年経ったレジン液は、注意した方がいいですよ。
―レジンにも寿命があるのですね......。きれいなままを保つ方法はないのでしょうか?
山中さん:せっかく手づくりするのですから、長く美しく使い続けたいですよね。レジンアイテムを少しでも長持ちさせる方法としては、直射日光に長く当てないこと、眼鏡拭きなどのやわらかい布でこまめに拭いてあげることが大切です。お手入れも簡単ですし、みなさんも気軽にレジンクラフトを楽しんでくださいね。
おわりに
道具と材料さえあれば気軽にできるレジンクラフト。だんだんと形になっていく過程も楽しく、完成した時の達成感もひとしおです。時間を忘れて没頭できるレジンクラフトの世界にハマってしまうかも?
ハンズではさまざまなワークショップやイベントを体験できる
「HANDS DO(体験・イベント)」を開催しています
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